───あれは、母と伯母が大喧嘩した日から、一ヶ月ほど後のこと。
11月最初の日曜日。
お使いの帰り道で商店街の電気屋さんに立ち寄ったら、そこに人だかりができていた。
「どうしたの?」
「シーッ、今良いところなんだよ……!」
商店街の人たちが電気屋のテレビの前に集まって、何かを固唾を飲んで見守っていた。
何があったのか。電気屋のおじちゃんに尋ねると、そう言われてしまった。
なので、ボクもそのテレビに目を向けた。すると……。
【ゲートインが終わりました、さぁ、スタートです!】
テレビに映っているのは、どこかのウマ娘レース場。
実況の「スタート」という声と共にゲートが開き、18人のウマ娘たちがターフへと駆け出す。
【おっと、バラついたスタートになりました】
今回は綺麗に揃ったスタートではなく、一部のウマ娘たちが出遅れてレースが始まった。
場所は京都、時期は肌寒くなり始めた晩秋。
この頃のURAは今に比べると潤沢な資金に恵まれていなかったことや、コース用に養成された芝の少なさや張り替えるローテーションの問題などが嵩んで、冬場になると、乾燥して色褪せた芝でレースが行なわれていた。
それ故に、テレビ画面で見る限りはまるでダートの上を走ってるようにも見えた。
【早くも2番ロングマッハが先頭に立ちました。それに続く2番手は6番スズマッハ……いや、その外から16番のリキサンパワー。リキサンパワーがスズマッハを追い抜いて2番手に上がりました。スズマッハは3番手になりました。その後ろから4番カルストンイーデン、10番ラッシュアンドゴー、さらに18番サウンドパーソ、17番シーブラック。中団にシンボリルドルフが……いません? ここにまだいない!?】
実況がレース走者たちの名前を早口で解説していくが、一際、「シンボリルドルフ」というウマ娘の姿が中団にいるものと思っていたが、いないことに驚きを隠せない様子だった。
その実況を聞いて酒屋のおじさんが落胆を隠せない唸り声を出していた。
画面ではウマ娘たちが第3コーナーをカーブしていく映像が流れていて、その間にも実況は続く。
時間にしてレース開始から約33秒である。
【サクラトウコウがいました、ずっとこれから、第3コーナーをカーブして第4コーナーの植え込みを先頭集団が通過していきます。赤いマントと緑の勝負服、シンボリルドルフはどこにいるのか、えっと、フジノフウウン……あぁ、いました、その後ろにシンボリルドルフ、ここにいた! シンボリルドルフ、内にいた。一周目の第4コーナーを超えて中団よりちょっと後ろといった感じ。シンボリルドルフであります】
39秒目にして、先ほど実況を驚かせ、酒屋のおじさんに唸り声を上げさせた、このレースの
緑色の勝負服に身を包んだウマ娘の姿がボクの目に入った。
ボクと同じ鹿毛。前髪は黒く、白い流星が入っている。
「行け行け、シンボリルドルフ! 無敗二冠バの意地を見せてやれ!!」
一周目の
でも、そのシンボリルドルフが走っている姿を見た時、ボクは───何かを感じた。
【新潟でデビューして、ここまで7戦7勝の無敗。皐月賞でレコード、日本ダービーも制し、前走のG2セントライト記念*1でも好走しての一着。ここで8戦8勝して無敗の三冠ウマ娘となるか! 只今第1コーナーに差し掛かりますが、シンボリルドルフは中団よりちょっと後ろの位置からまだ動いていない、そのまま第2コーナーへと向かいます18人のウマ娘たち。先頭は2番のロングハヤブサが未だにキープしていますが、そろそろ苦しいか。2番手にリキサンパワー、3番手に外側を回ってラッシュアンドゴー、4番手にニシノライデン。向正面に入ります。5番手のスズマッハがニシノライデンとカルストンイーデンの間に挟まれています。その後ろに14番フォスターソロン、13番フジノフウウンが内側、その後ろの15番ポットマーチン、黒い帽子のミスタールマン、そ、その外側に、いたぞいたぞ、緑の勝負服のシンボリルドルフ、第3コーナーの坂を登って前へ前へと上がっていきます!】
実況が捲し立てるかのようにレース展開を解説する。
「行け行け行け!!」
「そうだそこだ、差せ! ルドルフ!!」
【向正面、第3コーナーの直前から高低差4mの淀の坂は始まる! ここからが正念場だ!】
このレースにおける二度目の淀の坂の頂点。いよいよクライマックス。観客も実況もボルテージがどんどん高まっていく。
【シンボリルドルフ坂を登っていきますが、外側からスーッと8番ゴールドウェイが上がってきました! 第3コーナー、坂の頂上で18人のウマ娘たちがバ群になって固まる! 場内が騒然としています、さぁ、第4コーナーに入ります、シンボリルドルフ。バ群を抜け出せるか!?】
「す、凄い……!」
船橋のナイターも凄かったけど、このレースはテレビ画面越しにも関わらず、まるで実際にレース場の観客席にいるかのような錯覚をボクは覚えた。
【おやシンボリルドルフの手が微妙に動いた、さぁ行ったぞシンボリルドルフ、それにピッタリとついていくゴールドウェイ、坂をそのままの勢いで下っていきます!! 内側のコースへ行った! 第4コーナーをカーブする! 先頭は今ニシノライデンに変わってる、そのニシノライデンがチラッと後ろを見たら、そこにいるのは赤いマントと緑の勝負服!】
先頭を奪取したばかりのニシノライデンが気配に振り返ると、シンボリルドルフが差してくるのが見えた。
その顔は、(え!? バ群の中にいたんじゃないの!?)とか、(あんな所から届くの!?)と言わんばかりの困惑を浮かべていた。
何とか冷静になろうと目の前に集中しようとするが、
【第4コーナーから再びホームストレッチに帰ってきた! 先頭ニシノライデンだが、シンボリルドルフ、シンボリルドルフ! すごい足で上がってきた!! 来たぞ来たぞ来たぞ、シンボリルドルフだ! だが外からゴールドウェイが伸びてくる! ゴールドウェイか、シンボリルドルフか、ニシノライデン後退していく! シンボリルドルフ、シンボリルドルフ先頭に立った! しかしその差は僅か! 大歓声だ! 大歓声だ! 京都レース場! 今赤い大輪が薄曇りの京都レース場に咲いた!! 一着は……シンボリルドルフ!】
「「「「「「うおおおおおおおっ!!」」」」」」
【日本史上初! 8戦8勝無敗でクラシック三冠、シンボリルドルフ、見事に前人未到の不滅の大記録が達成されました!! 京都レース場、物凄い声援に送られて、鮮やかに直線伸びた、シンボリルドルフです!!】
観客席でも、テレビの前の観衆も、そのボルテージは最高潮に達していた。
皆がその興奮を口々にする。
歴史的偉業、歴史的瞬間の目撃者となれたことへの興奮。
走り切ったシンボリルドルフはゆっくりと徐行し、スタンド前に立つと、
三冠を意味する三本指を観客の前に掲げて見せた。
このパフォーマンスには再びスタンドもテレビの前の視聴者もお茶の間も沸き立った。
……のだが。
「……ん?」
その時、テレビを見ていたボクは、ある人の姿が目に飛び込んできた。
それは、シンボリルドルフにタオルを渡しに来たトレーナーさんで……。
「……あーっ!!?」
「ちょ、どうしたのアイリちゃん?」
魚屋のお姉さんにそう尋ねられて、ボクはつい言ってしまった。
「あ、あれ! あの人!」
テレビにまだ映ってるシンボリルドルフのトレーナーさん、本来ならやってはいけないけど、指をさして見せたら、
「丘部さん? 丘部さんがどうかしたの?」
「あの人、ボクの伯父さん!!」
その時のボクが口走ったことに、テレビの前にいた人たちは一様に驚きの声を上げ。
そして、これが後々大変なことになるのを。この時のボクはまだ気付いていなかった───。
───4月後半の京都。
歴史が息づくこの街は、日本が世界に誇る観光都市の一つ。
その観光名所の一つとして、伏見稲荷大社の本殿を麓に置く稲荷山がある。
そして、同じ伏見区の南側に位置するのが、中央ウマ娘競技協会(URA)が運営管理をしているウマ娘用の競技場、京都レース場である。
京都レース場の春の祭典といえば、G2マイラーズカップ。そして、
【さぁ、今年もこの時期がやってまいりました。ウマ娘シニア春三冠レース、その二冠目はここ京都を舞台とした天皇賞・春! 解説は私、赤坂と】
【細江がお送りいたします】
【細江さん、今年の有力ウマ娘はズバリ?】
【そうですね……やはり、メジロ家のウマ娘たちが一番気になるところです。天皇賞・春の制覇に一際力を入れている
【しかし、
京都レース場の客席では歓声が盛り上がり、拍手も巻き起こる。
メジロ家のウマ娘たちが同世代に
誰も彼もが彼女たちを置いてこのレースにスターはいない、と思われていた。
【しかし、それに待ったを掛けるシニアのウマ娘たちが集うのも、この天皇賞・春の醍醐味! メジロの三連星を迎え撃つのは、
【ただ、1番人気から3番人気のファン投票は事実上偏差です。解説をしている内にセイウンスカイが1番人気に。メジロマックイーンが2番人気に上がったかと思えば、今度はメジロパーマーが1番人気に】
【Oh……レース本番の前から激しいデッドヒートが加熱しています、今年の天皇賞・春。しかし、本当の勝負は始まってみないとわからない!】
会場の盛り上がりを他所に、ターフの上でも火花が散ろうとしていた。
「パマちん!」「パマちゃん!」「パーマー先輩!」
「「「頑張れーっ!!」」」
「ありがとうトレーナー!ヘリオス!アイル!」
トレーナー専用の観覧席からチーム[ライジェル]の面々から声援を受けて手を振って応えるパーマー。
……しかし、同じレースを走る面々を見て、何とも言えない溜め息を漏らしてしまう。
「はぁ〜……」
「……パーマー? どうなさいましたの?」
「あ、マックイーン? いや、そのね……私がこの場に立っているのが、未だに信じられないなぁって思ったんだ」
「ふーん? 私と人気を争ってるのにまだ信じられないんだ?」
「あ。ウンスさん」
出走の時を今か今かと待ち侘びる観客たち。
一部は
そんな観客席と正面スタンド前のモニターを交互に見て、なんとも意味深な溜め息を漏らしていたメジロパーマー。
心ここに在らずというそんな彼女の様子を心配したメジロマックイーンに声を掛けられて現実に引き戻されると、一見飄々としたセイウンスカイからの軽い
「いやぁ……まさかパーマーさんが出走してくるとはねー。今年、ホントは出ないつもりだったんでしょ?
「「え?」」
「いやぁ、バレてたかぁ……」
「ちょ、それどういうことですの!?」
「そ、そうだよ、パーマー、それ初耳なんだけど!?」
セイウンスカイが言った内容に、メジロマックイーンだけでなく、メジロライアンまでも驚きを隠せなかった。
「実は……」
パーマーは、今年初めにあった出来事を、手短に話すことにした*5。
「「海外挑戦!?」」
時間は遡り、1月のこと。
まだアイルトンシンボリがチーム[ライジェル]に加入する前であり、
ダイタクヘリオスとメジロパーマーをソファーに座らせ、ホワイトボードにデカデカと「西欧へGo!!」と矢萩は書き殴った。
「あぁ。パマちゃん、君さ、イタリアかフランス行ってみない?」
「い、いやぁ、いきなりそれはハードル高くない?」
「というか兄貴ぃ、一体全体どったのよ? いきなり海外挑戦を口にするなんて???」
ダイタクヘリオスは実兄である矢萩の性格はよく知っていたつもりだ。
幼い頃から「トレーナーと担当ウマ娘ごっこ」をして育ってきたから尚更だ。
兄は見た目も態度も豪胆だが、それはあくまでも外向きの態度に過ぎず、実際はとにかく臆病なぐらいに、慎重に慎重を期するタイプ。
もちろん、矢萩が海外挑戦を視野に入れてることはヘリオスも知ってる。それにしたって、それを矢萩が実際に自分たちに切り出すのは早くても来年だと思っていた。
矢萩は答える。
「それがな……パマちゃん。ちょっと聞きたいんだが」
「は、はい?」
「君さ、天皇賞を走る勇気、ある?」
「そ、それは……」
天皇賞。
それは、春の京都と、秋の東京を舞台に行なわれる両方のG1レースを指す。
そのトロフィーは、日本の皇室から下賜される楯であり、獲得は非常に名誉あることであると同時に、名家に生まれたウマ娘であれば、一度はその栄冠を手にしたいと願うものである。
そして、春の天皇賞、京都3200mのコースは日本において、最も過酷なウマ娘G1レースであるとされ、クラシック三冠で最古かつ最も人気のある日本ダービーとは別で、日本国内シニアウマ娘のチャンピオン決定戦として有馬記念に負けないほど注目、何より名誉と天皇陛下から直々にその勝利を認めてもらい賞品を下賜されるということもあって、毎年その盛り上がりは凄い。
メジロ家による天皇賞への執着は、クラシック三冠レースよりも一際強く出ているが、それは、日本ダービーとは別で最高峰の名誉と実績を手にするということや、家の格式を示し続けるために、天皇陛下から直々に衆目の前で賞品を下賜されるという機会を手にするため、ひいてはその実績が家の資産や財力に関わるためである。
そして特にメジロマックイーンは天皇賞・春の勝利に強く拘りを持っている。
彼女の母や祖母がこのレースを勝利しており、彼女にとっては人生の目標の一つでもあったからだ。
「そもそもパマちゃん言ってたじゃん、「メジロ家という看板から逃げたい」*7って」
「そ、そりゃそうだけどさ……」
「だろ? それに、「自分らしい走りがしたい」って。なら、パマちゃんはライアンやマックちゃんという壁を越えてかなきゃならない。しかしだ。このタイミングで殻を破るためにマックちゃんに挑もうとしたらだ、あの娘の天皇賞・春への意気込みは常軌を逸してるレベルだ。下手すりゃすり潰される。それはパマちゃんがよーくわかってることだろ?」
「うっ……」
「それでパマちんに海外挑戦させるん……?」
「そのつもりだ」
「ちょ、いくら何でも無茶が過ぎるよ兄貴ぃ! というか、兄貴らしくない!!」
「わかってるってば! だが、パマちゃんのメンタルを考えれば、ここで天皇賞の春秋連覇にめっちゃ執着してるマックちゃんに当てるのは不安がある。だったら、フランスかイタリアで暴れてきて自信をつけたほうが……」
「でもでもでも、うちのチーム、海外遠征しようにもマニーどうすんのさ!!?」
その一言に、まるで矢萩は雷に打たれたような衝撃を感じ、膝から崩れ落ちた。
「……え? マ? お金のこと全く考えてなかった系?」
ヘリオスも売り言葉に買い言葉とはいえ、まさか実兄兼トレーナーが海外遠征用のお金などのことを忘れていた事実にドン引きする。
「しまったぁー……!」
「はぁ〜……やれやれだぜ兄貴ぃ……」
思わずヘリオスもそんな
しかし、ヘリオスにはよーくわかっていた。
こういう突拍子もないことを言い出す時の兄貴の考えは大抵、
そして、ヘリオスはそんな兄貴が言いたいことも何となく理解している。
要は、
そのコンプレックスは、例え菊花賞でマックイーンを下しても晴れない根深いものであることを、矢萩とヘリオスの兄妹は理解してしまった。
見た目からはわからないが、ヘリオスの脳内はそんな思考で今まさに急回転中だった。
「……まぁまぁ、兄貴。今からでも良いからプラン練ろうよ? ね?」
「……そうだな……しかし、マジでどうしよう……」
OTL状態から何とか立ち直り、トレーナー室の椅子に座り、腕を組んで考え事を始めようとする矢萩だったが、
「ね、ねぇ!」
そもそもこの話題の中心にいる張本人がまだ話の輪に入ってきていなかった。
「トレーナー。ヘリオス。私のために色々考えてくれてありがとう。……でもね、これは私自身の問題でしょ? だから……」
パーマーはソファーから立ち上がり、覚悟を決めたかのように、声を絞り出す。
「……やるよ。私」
「「……へ?」」
「私やるよ。今年、
その決意に対して。
「「……えぇーっ!?」」
兄妹はものの見事に、びっくりこく事になった。
「……ということがあったんだ」
「な、なるほど」
「へぇ〜……」
向正面に設置されたゲート前まで軽く走りながら、日経新春杯後のチーム[ライジェル]でのやり取りをかいつまんで話した。
なお、「春三冠を獲る!」と決意した部分は省略していたのだが。
「パーマーさん、イタリア行くのをやめて、代わりに春三冠を獲るつもりだねー?」
「ギクッ!?」
「「え?」」
「お見通しだよー? だって
フワフワした様子だったセイウンスカイだったが、次の一瞬、声色を変えて表情を険しくし、凄むように言った。
「───同じ逃げウマとして負けてやるつもりないから」
「……うん、よろしく
セイウンスカイの纏う雰囲気に気をされながら、二人は握手をした。
その様子は京都レース場の正面スタンド前の大型モニターにしっかりと映っていたのだが。
「セイウンスカイ……結構あの娘は要注意だな」
「んね、兄貴ぃ、モグモグムグ……」
周りに他の担当ウマ娘のトレーナーたちがいるにも関わらず、矢萩とヘリオスは何処からか買ってきたのかハンバーガーとサンドイッチを頬張りながらレースが始まるのを待っていた。
「ヘリオスさん、トレーナー……」
アイルはそんな緊張感のない2人にちょっと呆れていた。
(……おじさん。ボク、この
主にこの
「……ひゃぅっ!?」
突然、左の
恐る恐る視線を落とし、後ろを振り返ると───、
「んー、このトモは興味深い……パワーを感じるし、足の作りはダートウマ娘っぽいが……」
「キャアーッ!!!」
「おぶっ!?」
いつものアイルとは思えないような甲高い悲鳴と同時に、彼女の足先にはちょっと柔らかいものが「メコッ」とめり込む感覚、そして、「ガッシャーンッ!」という喧しい音がした。
何事かと矢萩とヘリオス、他のトレーナーたち、そして、周囲の観客は、アイルが蹴り飛ばしたと思われる
その視線の先に転がっていたのは、黄色いシャツの上から皮ベストを着ていて、髪は左側頭部が刈り上げられているためか少々モヒカンを思わせるボサボサ頭で、見た目は30〜40代ぐらいの男性で……。
「……って、沖野先輩じゃないっすか!?」
「おぉぅ、沖のん、ちぃーっす」
「アイタタタ……よう、矢萩、ヘリオス」
「何だ、沖野さんか」
「あのスピカのトレーナー?」
「なーんだ」
「え、え、え……!?」
アイルは色んな意味で驚きを隠せなかった。
まず周りの反応。
自分が蹴り飛ばしたと思われる人物───沖野という名前で、どうやらトレーナーらしき人───の正体が割れるとほぼ同時に周りのトレーナーや観客たちは、ある者は冷ややかな眼差しを向けた後に。またある者は「いつものパターンか」という呆れ顔をしてから、正面スタンド前モニターか、もしくは向正面に設置されたゲートに視線を移していた。
それだけでも驚きだが、自分が蹴飛ばした相手が、見た目人間のようなのだが、精々鼻から血を流してる程度の負傷で済んでいたこと。つい反射的だったとはいえ、ウマ娘の後ろ蹴りをまともに受けたはずの人間が、言うなればほぼ無傷、しかも、自力で立った姿には軽く恐怖を感じたほどだった。
「な、な、何なんですかこの人!? と、突然ボク、足触られたんですけど!??」
周りが流す中で必死に沖野を指差して抗議するアイル。
「沖のん、またやっちゃったねぇ?」
「先輩、だからせめて一言ぐらい声かけなきゃダメっすよ……」
「と、トレーナー、ヘリオスさん! このヒトモドキなんなんですか!?」
「おいおい、ヒトモドキとは随分な言い草だなぁ」
ヘリオスと矢萩は呆れつつも暢気な様子でフライドポテトをシェアしあっていた。
「アイル、この人は沖野さん。チーム[スピカ]のチーフトレーナーで俺の先輩」
「えぇ……」
アイルは思わぬ事実を突きつけられて唖然とする。
しかし、(半ば強引に押し付けられたような状態とはいえ)自分の担当ウマ娘にセクハラ行為を働かれてただ黙ってるつもりは矢萩にはもちろん毛頭なかった。
「で、沖野さん。この娘はアイルトンシンボリ。チーム[ライジェル]期待の新星であり、かつ
「へぇー、アイルトンシンボリっていうのか……え? 今なんて言った?」
「アイルにとって、丘部さんはおじいちゃん……じゃなくて、大伯父に当たる人なんだとか。そうだよな?」
そう問われたアイルは首をブンブンと縦に振った。
「う゛わぁ……」
「……沖野さん、今のこと丘部トレーナーに報告しときますね?」
「あぁ、そ、それだけは勘弁してくれ!」
「兄貴ぃ。沖のんよりもあっちが重要っしょ? そろそろ始まるよー?」
「あ。サンキューな、我が妹よ」
癖があるとはいえ、上司の親族にセクハラ行為を働いた沖野トレーナーの運命は如何に。
そんな事より、ヘリオスと矢萩、そして、アイルの感心は、再び正面スタンドの巨大モニターに向くと、ファンファーレが鳴り響いていた。
ファンファーレの後に、観客席からは盛大な拍手と歓声が巻き起こる。
【ご覧ください、この大歓声を。晴れ渡った京都レース場には現在およそ15万人の来場者が発走の時を今か今かと待ちわびています。唯一無二、一帖の盾を懸けたシニア春三冠の二冠目、日本の最長距離G1、天皇賞・春。今日の出走者に発走取り止めは無く、18人のウマ娘が集いました】
【さて、直前までデッドヒートが繰り広げられていました人気投票、先ほど締め切られました。3番人気はダートダービーウマ娘メジロマックイーン、2番人気は昨年の菊花賞ウマ娘メジロパーマー。そして、1番人気はセイウンスカイですが……】
【おや。セイウンスカイ、ゲート入りを嫌がっていますね】
【係員がセイウンスカイの背中を押し、えぇ、ようやくゲートに収まりました。各ウマ娘、ゲートに入りまして体勢整いました】
そのアナウンスとともに、観客席が静まり返る。
数秒の沈黙、それはまるで永遠にも思える一瞬だったが、
───ガチャンッ
ゲートが開く音とともに、18人のウマ娘たちは、一斉にターフの上へと飛び出していった。
【スタート! 天皇賞・春、始まりました!最初に飛び出して行ったのは、やはりというか……セイウンスカイだ! メジロパーマー、まさか出遅れたか!?】
その「まさか」の状況に、観客席からは騒めきがした。
だが、観客たちの困惑を他所に、矢萩とヘリオスはニヤリとした。
「ナイス、パマちん」
「計画通り……」
「「ムッフッフ……!」」
(怖っ……)
いつに無く不気味な笑い声を出し、まるで作画崩壊でも起きていそうな悪そうな笑顔をする矢萩とヘリオスの兄妹の姿に、アイルは思わず怖気付く。
【セイウンスカイ、快調に飛ばしていきます。2番手の位置で先頭を伺うのはメジロマックイーン。しかし、3番手、ここにいたぞメジロパーマー、内から行く!先頭集団が速いためか、隊列は縦長になっています───】
メジロパーマーが3番手に上がってきた辺りで観客の騒めきが静かになる。
【さぁ、一周目の淀の坂を越えていきます!】
実況で再びレースの様子にアイルが引き戻された時、セイウンスカイを先頭に、ウマ娘たちはそのまま第3コーナーへと入っていくところであった。
【先頭は依然としてセイウンスカイ、1バ身のリード。ここでメジロマックイーンがゆっくりと後退して4番手に、内にはホワイトストーン。代わってメジロパーマーが2番手に繰り上がりました、が、しかし、メジロパーマーもセイウンスカイとの距離を2バ身差にキープしたまま動きません、只今先頭集団が第3コーナーの頂点を降っていきます───】
───メジロパーマーが天皇賞・春を走る前日の夜。
京都の八条にあるホテル*8の一室でチーム[ライジェル]は作戦の打ち合わせを実行中だった。
ここで矢萩が用意したスケッチブックに大きく書き殴ったのは、
「「「大逃げ禁止!?」」」
「そうだ。そもそも京都レース場の特徴を言えるか?」
そう問われて真っ先に手を挙げるパーマーとヘリオス、少し遅れてアイルトンシンボリも手を挙げると、
「お。じゃあ、アイル」
ヘリオスとパーマーの二人なら簡単に答えられる問題だったので、ここで矢萩はアイルの知識量を試すことにした。
「えっと……起伏が激しく、長い坂が続く?」
「正解だ。ちゃんと予習してるな」
褒められて照れるアイル。
続けて矢萩はスケッチブックを捲って言う。
「そうだ。坂が多いってことは、その分、脚と体力を使う。京都で逃げウマが勝てない、とか言われてるジンクスがあるのはそのせいだ」
スケッチブックには、上空から見た京都レース場の模写が鉛筆書きされている。
内周の芝コースは黄色、外周の芝コースは緑の色鉛筆で塗られている。
「え、けど、
「あぁ。あの結果は見事だった。二着のマックちゃんから4バ身差をつけての快勝。大阪杯でも大差勝ちしていたからな。だから、今回は
「「「
「そうだ。日経新春杯を覚えてるよな?」
「あー……あれかぁ……出遅れて敗けたやつ……」
「そうだな。あの時、パマちゃんは何とか先頭には立ったが、実際にはバッテバテ。結局のところ、後ろから飛んできたメルシーアトラ*9に差されての半バ身差。三着のミスターシクレノン*10にも半バ身差かちょっと離れたぐらいまで詰められてた。だろ?」
「うぅ……思い出したく無ーい……」
「一方、そのメルシーアトラが
「えっと……
「その通りだ」
「え、でも、菊花賞と天皇賞・春なんて、たった200mの差じゃあ……?」
「まだまだだな。アイル。こう言ってはアレだが、京都レース場の200mの差は舐めてかかっちゃならんぞ。さっきお前も言ってたが、京都レース場ってのは、起伏が激しく、坂の高低差もめっちゃ激しい」
そう言ってスケッチブックの次のページを捲ると、
「これは、京都レース場の簡単な略図だ」
その略図には、先ほどのコースの模写に三つのマークが入ったものだった。
青く書かれた《菊花賞・スタート地点・3000m・多分2m》のマークと、赤く書かれた《天皇賞・春・スタート地点・3200m・一応0m》というマーク。
さらにオレンジ色のマーカーが第3コーナーに入ってすぐの辺りにされており、ここには《4.3m!!》と書かれている。
「兄貴ぃ、この《多分2m》とか《一応0m》ってどういう意味なん?」
「コースの資料を漁ったが、菊花賞のスタート地点の高さまでは正確にわからんかった。だから《多分2m》」
「《一応0m》っていうのは?」
「スタート地点は確かに真っ平なところから始まるんだが、その直前にマイナス0.2mぐらいの窪みがあるから《一応》って書いといた。で、それを踏まえた上でこれを見てくれ」
そうして矢萩がスケッチブックの次のページを捲って見せると、それはまるで雑誌に度々あるような折り込みページであり、アコーディオンを持つかのように広げて見せた。
「……何これ?」
「グラフ?」
「まぁ……グラフだな。これが、京都レース場、天皇賞・春を走った場合の芝3200mコースの起伏を切ってつなげて表したものだ。まず注目すべきは、ここ」
矢萩が机の上にその折り込みページ式のグラフを広げて指さしたところには、「スタート地点」と書いてあった。それも
「……え、なんでスタート地点が二つもあるの?」
「あ、すまん。書き忘れてたな」
慌てて矢萩がそれぞれのスタートについて、坂の中腹から始まってる方を「菊花賞」、登り坂の手前から始まってる方を「天皇賞・春」と書き足した。
「こうするとわかると思うが、菊花賞のスタート地点と天皇賞・春のスタート地点との間には200mの差がある。しかし、その200mの中に急勾配がある。その傾斜も実に45°に近い……んだが」
「「「……」」」
3人はそのグラフとスタート地点を見て固まってしまう。
「……どした?」
「え、私たち、こんな急勾配を登ってたの……!?」
「……はぁ? 走ってる時気付かなかったのか?」
一瞬だが、「言わなきゃ良かった」と矢萩は後悔する。
……そういえば、
そんな時のことを思い出したものだが、ここは敢えて彼女らには
「……まぁ、いい。そんな恐怖は些細な問題だ」
「「「えぇ……?」」」
「重要なのは、菊花賞との違いだ。あっちは上り坂の途中からスタートするが、明日はこっち、天皇賞・春では坂の手前からレースが始まる。しかも、よりにもよって45°の急勾配が最初からお出迎えというわけだ。その坂の頂点は第3コーナーに入ってすぐのところにある。向正面のコースとの高低差は最大で約4.3m。京都レース場の外周の芝コースは正確には一周が1894.3m。先週マイラーズカップでヘリオスがぶっちぎって行った内周のコースよりも長いし、勾配も急だ。もっと悪いニュースは、天皇賞・春ではこの急勾配の坂を最初から最後まで二回、登って下らなければならないこと。スタミナと脚がものを言う大逃げをこんな
これが常々、「天皇賞・春が日本一過酷なG1レース」と呼ばれる由縁でもある。
「だからだ。大逃げ封印の理由はスタミナ温存と、フェイントを目的にする。他の娘たちはパマちゃんの大逃げを警戒してくるだろうし、勝ち確であるはずの大逃げで勝負してくると思い込んでいるはずだ。ならその裏を掻こう。やや姑息だが、ポケモンでいう「おどろかす」みたいな効果が一瞬でも効けばそれで充分だろう」
「命中したら一回だけ相手を怯ませるあのわざ?」
「そうだ。だから───」
───しばらくは抑え目で走ること。
メジロパーマーは正面スタンド前を通過しながら、昨日の矢萩からのオーダーを思い返していた。
歓声の出迎えを受けながらも、周りに気を配る。
先頭、2バ身先には依然としてセイウンスカイ。後ろにいるのは、大阪杯でも対決したホワイトストーンが3番手ぐらいか。6番手に今マックイーンがいる。ライアンは後方の11番手ぐらいにいるのがさっきカーブを曲がるときに見えた。
【一周目スタンド前を通過、依然として先頭はセイウンスカイ、2バ身のリード。メジロパーマーが2番手。メジロパーマーから3バ身後ろに、ホワイトストーンとダイコウガルダン、タイイーグル。メジロマックイーン、ここにいた。ここで外側からミスターアロマックが上がってまいります、セイウンスカイとメジロパーマーの2人旅に待ったをかけるが如く! そのまま第1コーナーへ駆けていきます18人のウマ娘たち。中団にミスターアダムス、ショウリテンユー、キリサンシーの姿も見えます。マルカロッキー、バンダイロード、オースミシャダイ、皐月賞ウマ娘メジロライアンここにいた、メジロライアン、現在14番手で内側から行く。その1バ身後ろにカリブソング、トーワタケシバ、最後方からマルシバアトラスです。さぁ、ここからレースも大詰めだ、向正面に入り、二度目の淀の坂へのコースに乗ります!】
実況が捲し立てるかのようにレースを解説していく。
一方でセイウンスカイの表情に「焦り」が見え始めていた。
そもそもセイウンスカイは序盤の淀の坂を越えた辺りから何かに気付いていた。
「何かがおかしい」と。
体の不調じゃない。足が痛いわけでもない。
その正体が、向正面に入ってからハッキリした。
【ミスターアロマック、やはり飛んできた、メジロパーマーのすぐ後ろに来た、しかし、他のウマ娘たちもまだまだここからだ。ダイコウガルダンとタイイーグル、そしてメジロマックイーンも追い縋る! ここから傾斜のキツい淀の坂だ、果たして先頭の2人は逃げきれるか!? 先頭セイウンスカイ、依然として
そう、まただ。「2バ身のリード」。
さっきっからメジロパーマーは自分からこの差を保ったままの逃げ勝負で付いてきてる!
いくら加速しても、
そしてメジロパーマーの目の前には、矢萩が言ってた傾斜45°の淀の坂が見えてきた。
通常のセオリーであれば、「淀の坂はゆっくり上がって、ゆっくり降りる」が定番だ。
ここが───、
───再び昨日の作戦会議にて。
「淀の坂はゆっくり上がってゆっくり降りるのがセオリーだったよな。その理由は何故か。簡単に言うなら、身体への負担を最小限にし、尚且つラストスパートの体力を残しておくためだ」
「それぐらい知ってるよトレーナー」
「分かってるさ。が、そもそもセイウンスカイがどうやって菊花賞を勝てたと思う?」
「「「?」」」
「その顔を待っていた」
3人がいかにも「わからない」という顔をしたので、セイウンスカイの菊花賞のレース映像を見せることにした。
「まずセイウンスカイは、序盤で出来る限りリードを稼いでいるんだ。じゃぁ、菊花賞の上り坂でパマちゃんはどうしてた?」
「私の勝ち確パターンと同じだ……一息入れて休んでたね」
「そうだ。だが、ここで、自分から一定のリードを不気味に保ちつつ追走してくる相手がいたらどうなるかな?」
「プレッシャーを感じるね」
「そう。そしてこれは、メジロマックイーンの得意戦法の応用だ。パマちゃんも嫌だっただろ? 菊花賞で後ろからマックちゃんのプレッシャーの突き回されたのは」
「うぅ……」
「兄貴ぃ、パマちんをいじめるなー」
「悪かったってば。……だからだ。これを応用した上でだ───」
───
【め、メジロパーマー! ここで仕掛けた!? 淀の坂でセイウンスカイとの差を縮めていく!?】
その実況に観客も、パーマーの後ろにいる
こんなところで仕掛ける!? 自殺行為だ! と。
【1バ身、半バ身───いや、あっという間にメジロパーマーが追い抜いていった! メジロパーマーが先頭! そのまま第3コーナーカーブ、坂の頂点へ、頂点からまた降る、スピードを全く緩めるつもりがないぞメジロパーマー!?】
それを見た後続のウマ娘たちも慌ててスパートをかけ始める。
特にメジロマックイーンは足をフル回転させる。
しかし、ここまでおおよそ有馬記念の
そうこうしているうちに、どんどんメジロパーマーはセイウンスカイを、メジロマックイーンを、無常にも突き放していく!
【だ、第4コーナーを進んで直線へ! メジロパーマー、速すぎる! 独走状態! 2番手にはメジロマックイーン、上がってきたが、メジロパーマーとの差は全く縮まらない!? 6バ身、7バ身! あぁ、あっという間にゴール!? メジロパーマー! 大差で今ゴールイン! 何という圧倒的な強さを見せつけたメジロパーマー! タイムは3分13秒3! 去年スペシャルウィークが記録した3分15秒3を上回るレコードが出ました!】
「「いよっしゃぁぁぁぁぁっ!!!」」
「やったぜパマちゃん!!」
「ヒュー!! 最っ高ぉーっ!!」
ヘリオスと矢萩は興奮のあまり抱き合ってぴょんぴょん跳ねての大騒ぎになる。
「行こ行こ兄貴ぃ!アイルゥ!」
ヘリオスに引っ張られる形で、矢萩とアイルはトレーナー用の観覧席から駆け降りて、ウィナーズサークルに立ったメジロパーマーを迎えに行った。
「パマちん!」
「ヘリオス!」
「「ウェーイ!!」」
「なっはっは!やったぜパマちゃん!」
「うん! ありがとうヘリオス、トレーナー!」
ウィナーズサークルで3人は喜びを爆発させたように燥ぐ。
そうして、優勝トロフィーでもある天皇賞・春の盾を受け取ったメジロパーマーと、その関係者であるヘリオスと、チームメイトであるアイル、そして担当トレーナーの矢萩らで記念写真を撮った。
チーム[ライジェル]は、中心人物になってる2人のテンションについていくのが思ったよりも大変で。
果たして自分がクラシック三冠路線で活躍できるかどうか。
そもそもそんな成長ができるかどうか。
それらはまだまだ未知数でわからない事だらけだ。
でも、矢萩とヘリオス、パーマー。彼ら彼女らのアットホームな関係は見ていても、共に過ごしていても、
(……こんなチームも、悪くないかも)
不思議といつの間にか。
アイルトンシンボリもそう思えていた。
なお後日。
アイルと矢萩らの証言、及び、その場に居合わせていた他のトレーナーたちの目撃証言などを聞いた丘部は鬼の形相になり、沖野を地の果てまで追いかけ回したとか、回さなかったとか。
まぁ、多分、次回もちゃんとトレーナーとして出てくるでしょ(適当)
実はこの話はとにかく当初の構想から大きく変更せざるを得ない状況になりました……。
まず冒頭でのシンボリルドルフの菊花賞の回想シーン。ここは本来別のレース(次回でお見せします)を描くつもりでしたが、チーム[ライジェル]のストーリーパートとの兼ね合いを見直した結果、急遽、変更して作成しました。
1984年当時の菊花賞のレース映像がYouTubeに転がっていて、その実況を文字に起こしつつ、ウマ娘の世界観に合うように調整と、読み手が状況を把握しやすいようにアレンジも加えています。
その執筆時間、実に二時間!なお映像はたったの5分間!
いやぁ、ハッハッハ……!燃え尽きたぁ〜……。
ところが、変更はこれだけでは終わりませんでした。
ストーリーの尺とか、ロケハンが出来ない制約上の解像度の不足などから泣く泣く京都観光のシーンをカット。
そのため、中盤の作戦会議のシーンと天皇賞・春の観戦シーンは他の展開を書きながらのいわゆるつぎはぎ。
ある程度それらが安定したと思ったら、肝心の天皇賞・春のレースシーンが、投稿する3時間前の段階で全く出来ていなかった……!
実はウマ娘プリティダービーでメジロパーマーを育成した際、天皇賞・春を勝った際の録画をスマホで二、三回見ていたんですが……それのアレンジだけではどうにも味が足りなかったため、泣く泣く、1991年の実際にメジロパーマーたちが走っていた天皇賞・春のレース映像を参考にする羽目に(実はメジロパーマーがボロ負けしてるので見るのが憚られたり……)。
それで漸く完成? 甘かった……。
何か足りない、と思い、そこで
どこぞのどぼめ先生みたくなってる……(汗)
さて、丘部トレーナーが沖野トレーナーにどんな制裁を加えたのかはちと気になるところ。
まるで、隕石の映画で愛娘に手を出した男をショットガン片手に追い回したブルー○・ウィリスの如く……。
次回、沖野トレーナー死す!?
……まぁ、多分死んでませんけどね!
また、メジロ家が天皇賞に拘る理由についても、ある方の助けを借り、文章に起こすことができました。
Special thanks
零課様
※2023年6月18日追記……メジロマックイーンをアオハル杯で育成してみて、その戦績を反映してみました。