色々荒削りなので修正をかけていきますのでここおかしいなど指摘ありましたらどうぞお願いします
体力測定の翌日。
七神の奴から送られてきたシャーレの仕事を重要度が低いものをレッドガンの奴らに割り振り、重要度が高めのものか俺の判が必要なものを優先して処理していく。
淡々とこなしていき昼前には終わるだろうと見積もりを立てていたのだがその中に1つ気になる依頼が紛れ込んでいた。
依頼主はミレニアムサイエンススクール所属、セミナーと呼ばれる組織の会長、調月リオ。
ミレニアムサイエンススクールのセミナー、確か早瀬の所属する組織だったはずと思い出しつつミレニアム所属ではあるオオサワの奴に詳しい内情を聞きだす。
それによりわかったことは2つ。
セミナーとはミレニアムサイエンススクールにおける生徒会組織であること。
確か前に早瀬がそんな事を言っていた気がする。
そしてもう一つは偽装された依頼などではないということ。
シャーレは立ち上げから早く、幾ら早瀬の奴がいたからとはいえ今のところ実績はサンクトゥム・タワーの復旧の大きい実績が1つと家出猫の捜索、地域清掃への協力などそこらのボランティア組織でもやれそうな小さな実績しかない。
そんな組織に普通は三大校に数えられているミレニアムからの重要度が高い依頼が来るなど怪しいにもほどがある。
シャーレは早々にオオサワ達のネットワークで見つかっていたレッドガン隊員を吸収する形で人員が既に百を超えている。
七神の奴からもシャーレ部員の急激な増加に間違いではないかと聞かれたこともある。
そんなシャーレにどれほどの武力があるかの偵察か、それとも先行投資のような形で親睦を強める気かと思ったがどうやら生徒会長はそう言った達ではないらしい。
依頼の内容はミレニアムサイエンススクール近郊。
連邦生徒会より立ち入りを禁止された廃都市にて、無人の警備ロボットがある地点を境に交信を絶つという事例が発生しているとのこと。
交信を絶った無人ロボットの中にはゴライアスという最新鋭の兵器もあり、緊急で調査を行ったところこれまで確認されていなかった大型構造物が確認されその構造物からの恐らく自動迎撃で破壊されたと思われる。
ゴライアスは強度とある程度の火力の両立を実現させた機体であり、そのゴライアスが撃破される前に構造物表面にシャーレ奪還作戦時にオオサワが使用していたクルセイダーⅠ型に刻印されたエンブレムと同様のものが刻まれていた為にシャーレに依頼を回したと推測する。
レッドガンのエンブレムが刻印された大型構造物はそう多くはない。
調査拠点として扱っていた拠点にはエンブレムの刻印はされていたが自動迎撃設備等は基本持ち込んでいない。
だとすれば唯一当てはまる存在はたった1つ。
ルビコン進駐に際して使用された輸送空母とも言える輸送艦、アマゾン級だろう。
アマゾン級があるならルビコン時代の機体なども回収できるかもしれん。
そうと決まれば今日の午後はやることは決まった。
ミレニアムサイエンススクールへの遠足だ。
「ここがミレニアムサイエンススクールか。」
「流石に中心部から離れていますが一応はミレニアム自治区です、総長。」
あの後残った仕事をかたして昼食を取ったあと、オオサワを道案内にでもしようと思ったが午後はクルセイダーⅠ型のパーツがヴォルタから搬入手筈が整ったとのことでそのパーツを輸送するためこちらには来れなかった。
故に普通のMTに乗っていた隊員を連れて依頼承諾を送りミレニアム自治区の外縁部、連邦生徒会から進入禁止とされる廃都市近郊にテントを立てて調査拠点を仮設した。
俺を含めて十五名。それが今回の調査に割り振られた人員である。
「まだ廃都市に立ち入ってはいないが…無人機の残骸が目立つな。」
「撃ち落とされたドローンが多めですが地上自走式は装甲があるからかまだあまりないようです。」
「ふん!ドローンは飛行させるために装甲をある程度削るからな!その関係で一発が致命傷になりやすくもなる!」
まだ廃都市に立ち入る手前だというのに航空ドローンの残骸が無数に転がっている。
その中には1輪式の自走タイプもいるが装甲を削らないで良かった分撃破された残骸がそこまでないため牽制に使用されている実弾式の対空機銃で迎撃されたと見える。
その時上空を飛行するドローンめがけ弾幕が廃都市から放たれ、また一機ドローン型の無人機が被弾し落ちてくる。
どうやらミレニアムサイエンスが増援として送ったものだが射程範囲に入ったのか撃墜されたようだ。
つまり自分たちも十分射撃範囲内に入っているが射撃を食らわないことから判別システムが生きているらしい。
「どうやら判別システムはまだ生きているようだ!お前たちはなぜか撃たれないようだが…まぁいい!愉快な遠足に変わりはない!」
この世界に来て、俺以外のレッドガン隊員は皆子供に今のところ変わってしまっている。
アマゾン級の自動防衛用のプログラムは戦闘中から解除しないと登録された生体反応以外に無差別に射撃をするというはた迷惑な仕様ではある。
その為普通ならこの連れてきた十四名と共に射撃範囲内を遮蔽物を利用して接近することを考えていた。
それがなぜか元々識別が登録されている情報と一致しているのだろう。故にこちらは射撃されないがこちらに随伴して記録を残そうとしているミレニアムのドローンは撃墜されている。
「一機一機安くはないでしょうに。三大校としてのプライドと言うやつでしょうか?」
「そんな資金があるならこちらに欲しいものですな!」
未だ撃墜されているドローンが落ちていくのを見てそんな事をヘリパイロットだった奴らがそう言っている。
「確かにそんな資金があれば今採用している装備のパーツが調達もしやすいだろう!だがベイラムもそんなものだっただろう!壁越え時の上のようなものだ!」
ベイラム本社が決めた壁越え攻略。
こちらは元々レッドガンのG4、G5の二名、並びに四脚MT部隊、二脚MTを重装化させた壁越えを想定した攻略専用の部隊で行う予定だった。
だが専用の部隊というのはその分物資を集積し補給路も確保しなければならん。
だというのにアーキバスのヴェスパー部隊による壁越えが間近だという上が得た確定情報によりベイラム本社が成果を急ぎ、ガリア多重ダムで撃破されたG2名のACは流石に修理が間に合わず、予備パーツで急遽組み、調整が終了したヴォルタと四脚MTが予定されていた半数のみ、二脚MTは重武装化が間に合わず通常仕様で行われた壁越えはヴォルタを含めた全滅で終わった。
そういったことがプライドで引き起こされるのだから命を消費しない無駄遣い程度いいじゃないかとも思う。
金は確かに生きる上で大事だ、だが命をプライドで使い潰すなら金だけ使い潰しておくといい。
そう考えればミレニアムの生徒会長とやらはプライドはプライドでも使い潰していいものの区別はつくようだ。
そんな昔のくだらない無駄話をしつつベイラムの巨大構造物の近くまで接近ができた。
なるほど、確かにその巨大構造物の壁面にはレッドガンの赤い銃のエンブレムが刻まれている。そしてその近くにベイラムのエンブレムが存在していないということは、アマゾン級の一番艦、アマゾンだろう。
二番艦にもレッドガンのエンブレムが刻印されてはいたがベイラムのエンブレムが近くに刻印されているのが見た目の大きな違いだった。
「久しぶりだな…!俺達の母艦…アマゾン…ッ!」
俺が最後にこの船を見たのはいつだったか。
確かウォッチ・ポイントに潜る前に最後の調整を施す為に一度戻ったときだろう。
俺の記憶ではほんの2週間も前の話でもないが船体は一部に海に棲むフジツボが付着したり大きく船体の装甲が剥がれているのが見える。
恐らくルビコン3から離脱も出来ずに海中に没したのだろう。
いつごろのタイミングでこのアマゾンが来たかわからない、だがそれでもフジツボなどがついている時点で長く海中にいたのだろう。
そう感じつつも乗り込み用のハッチを見つけ昔のように指紋認証をしていく。
ーG1ミシガンー
ー指紋照合、一致。緊急隔壁の全解除ー
ー不能、一部の隔壁の解除に失敗ー
「…被弾した際に幾らか回路が故障したのでしょうか…?」
「恐らくはそうだろう…だが今回は安全の確保さえできればいい。どこまで物資が積まれているかの確認と自動防衛システムを止めればな。」
目の前の扉が横にぎこちなく開く。
普通ならその先には人が3人横に並べる通路があったのだが…その通路ではなく、通路の壁をぶち抜いて頭部をこちらに向けている惑星封鎖機構の新型機、HCがいた。
「こいつは…!」
「大丈夫だ!機能は停止している!恐らく墜落する前に撃墜された機体が隔壁をぶち破って中まで侵入しただけだろう!」
一緒に来ていた隊員がざわつきかけるのを鎮めつつ目の前のカメラアイが沈黙しているHCを見つめる。
ベイラム側でもHCを撃墜し確保して整備した機体も数機存在する。
だが特徴として頭部にレッドガンの刻印が施されておりまだ再調整途中だったはずでありこいつにはそれがなく逆にアーキバスの刻印が施されている。
故にこいつはアーキバスに鹵獲され撃墜されたHCだろう。
それが艦の装甲を破壊して内部にまで落ちてきたということはもう轟沈寸前だったに違いない。
推理をしつつ部隊員に散開指示を出す。
大半の隊員には自動システムの解除、整備班には鹵獲した兵器が無くなっていないか、G2以降のACがなくなっていないかを確認させる。
オオサワ曰くG3、G5の2機の機体は回収できなかったらしいので現状この船には四機のACが存在する筈だ。
この世界においてACは劇薬でありこちらで確保せねばならない。
故に確認と、俺の棺桶を一人で見るために部隊員を離れさせた。
隊員を散開させたあと見慣れながらも穴が空いたり通路自体がなくなった船内を歩きつつとある開閉ドアの前に辿り着く。
G1と書かれた開閉ドアを開くとそこには愛機ライガーテイルがコアから伸びるワイヤー四本で吊り上げられている姿で鎮座していた。
右腕に持っていたガトリングは無く、左腕は最後のパイルバンカーで人で言う左脇腹付近を抉られたせいだろう。
腕の関節に近い箇所が吹き飛んだせいでコアが判断して強制パージが行われて肩部からまるまる残っていない。
背部に搭載していたミサイルもブレードで切られ接続口から丸々消失し残っている武装はソングバードくらいだ。
そんな自身の愛機を見てこの世界においてこいつは過剰だろうと先ほども思ったがいつか必要となる時が来るとも今は感じている。
「ライガーテイル…今一度お前には一緒に来てもらうぞ。」
愛機に言葉をかけるとライガーテイルの八個の目が鈍く赤く輝いた気がした。