後書きに今回出てきたライガーテイル、作業用MTのことについて書いておきます。
「おーらい!おーらい!」
「配線チェック、忘れるな!」
「キャノンヘッドの頭部の調整急げ!」
あれから日を跨ぎ母艦アマゾン内部。
一応ミレニアムサイエンススクールの依頼に対し、俺が外の世界で部隊を率いていた時の船であるということと、キヴォトスにおいて危険な技術を内包した船であるためこの船はすまないがシャーレが責任を持って管理するという文面を送信した。
もちろん、これではミレニアムサイエンスとの衝突が避けられないだろう。
故にその技術の危険性を伝える為にACヘッドブリンガー、並びに戦闘用のMTの戦闘データを添付しておいた。
ACヘッドブリンガー。
G5イグアスの乗機であり、言い方は悪いがチキンと言っていいほどの引き撃ちに特化した単機では決め手に欠ける機体構成のベイラムらしい実弾特化の機体だ。
火力不足の機体でありながらこの世界では一方的に戦車や、ゴリアテといった兵器を蹂躙するにたる火力を有する程らしく、その戦闘データを持って脅威を伝える。
MTは複数が揃い戦術を持って戦えばそんなACですら撃破できる脅威を持っている為量産性が利く両者ともこの世界では上澄みと言える戦力だろう。
設計図さえ渡さなければMTは構造を外見からでもある程度理解できるがACは規格自体はある程度統一された機体たちでも、生産はできない。
故に危険性を伝えるための戦闘データを渡すことと決めた。
だが戦闘データだけを渡して不安にさせるも悪くない。元々MTとは人間の作業を手伝う目的で開発された機体でもあるため、リオ会長には追記で作業用のMTの設計図を用意しているためそれは後日送る事となった。
作業用MTはこの世界でも需要はあるだろう。
キヴォトス人は体の頑強さが有るがそれでも限界がありそれをサポートする形で重火器の取り付けがしづらいように、安全面を確保した惑星封鎖機構などの技術も、多少盛り込んだ設計図を早急に用意させている。
「おい、MELANDER-3に変更するのは腕だけだ!頭まで変えようとするんじゃない!C-3の頭部はキャノンヘッドにだったろうが!頭部は消耗した装甲とレンズの変更を急げ!」
「えぇッ!?りょ、了解!」
俺の背後ではライガーテイルの修復作業を行っている。
ほとんど無事であった頭部と脚部、それは装甲の交換などで済ましているが左腕そのものが無いため予備で持ち込んだパーツで修復しようとしたが、見事にMELANDERの腕部のパーツを格納していたところにアーキバスのエクドロモイが突き刺さって使い物にならなかった。
MELANDERの腕部パーツは修復を急いでいるがそれでも一応形を整える為にG5の格納庫にある予備からMELANDER-C3を持ってくることで解決させコア、FCS、ジェネレーターは予備を引っ張り出して組み上げている。
ミサイルも予備庫が吹っ飛んでいたがナイルの格納庫にあった予備を持ってきて搭載して直した。
俺の機体は修復作業が多いがキャノンヘッド、ヘッドブリンガーもこれを機に機体構成を変えるようでキャノンヘッドは頭部をスキャン性能が劣悪なTIAN-QIANGからイグアスから予備を借りてMELANDER-C3に、ヘッドブリンガーはキャノンヘッドと共同で戦わない期間が長かったことから単騎での決め手に欠けたことを気にしており武装の変更が主になっているらしい。
俺のライガーテイルの修復を見届けたあと俺は修復に騒ぐ整備班共を背にシャーレに戻った。
ドタバタしたアマゾン級での整備から数日。
シャーレの仕事を消化しつつ、ミレニアムサイエンスに送った作業用のMTの試作機と設計図の返答を返しつつ書類の消化を行っている。
あいも変わらず猫探しや地域清掃、まれにトリニティ学園から正義実現委員会のメンバー一名が廃墟で行方不明、捜索に手を貸してほしいなど緊急性のあるものも混じっていたが連邦生徒会から渡される仕事より直接シャーレに持ち込まれる仕事が増えてきた。
これはシャーレの存在感が少し遠く、接する機会と言えばニュースでの報道ぐらいだが、それで事件は起きているが身近には起きていないゆえにそこまで関心が湧かなかったが、依頼を解決するにしたがって関心が集まってきたということだろう。
評価の上昇は歳を取っても嬉しいことだ。
そんな中、秘書を任せているアロナから報告を受けた。
シャーレに届く無数の生徒たちからの助けを求める手紙や感謝が綴られている手紙の中から、1つ不穏な手紙が見つかったという。
内容はアビドス高等学校からの支援要請だった。
これだけならレッドガンの数名、最近暇だとかほざいていたイグアスのやつを含めて多少は人付き合いのいいオールバニーなどを送りつければいい内容だが、更に問題なのは地域の暴力組織、ヘルメット団というDU区にもいる組織だったかに襲撃を受けているらしい。
それを食い止めようとも弾薬や薬品などの物資が枯渇しかけており、学園が占拠されかねない程に追い込まれているため、どうにかシャーレの協力を得たいと言うことらしい。
「アビドス高等学校…あぁ、確かケネベックのやつが昔は通う予定だったとか言っていたな。」
「そうなんですか?アビドス高校は昔はとても大きい自治区でしたが、気候の変化による砂漠化で街が厳しい状況になっていると聞いています。砂漠化する前でも街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだったそうです!」
連邦生徒会が用意してくれている資料の詰まった棚から大体の学園が所有する自治区をファイリングしたファイルを引っ張り出す。ゲヘナやトリニティ、ミレニアムサイエンスの三大校は定期的に更新しているため比較的新しい地図をめくりつつ1枚だけ数年ほど更新されていない地図を見つける。
「アビドス高等学校…たしかに広いな。だが地図が更新されていないとは…それほど砂漠化が酷いと見える!」
推定で三大校の合計面積よりかは広くないがそれでもゲヘナ、トリニティの学園面積を合せてもまだ足りない面積は持っているようだ。
それだけ大きい自治区を所有するはずの学校が地域のチンピラに絡まれて物資が枯渇しかかっている。
これは五花海がクロイ笑みを浮かべるような案件が裏に見え隠れしてそうだ。
「アロナ、支援要請をアマゾンに送れ!あそこなら弾薬の製造もしているからな、継続した支援物資の供給元として優秀だ。医療品、弾薬の先発物資を積み込んでアビドスに先に向かう!」
「すぐに出発ですか!?さすが、大人の行動力!」
「アロナ!兵は拙速を尊ぶという言葉を知っているか?作戦を練って眉間にシワを寄せたメガネになるより少々不味くても素早く動いて、勝利をもぎ取れということだ!」
ガレージに向かい早々に包帯や消毒液、弾薬をハンドガン等に採用される9mm弾から狙撃銃、ガトリングガンに採用されている7,62mm弾まで幅広く早々に積み込むと車のエンジンに火を入れた。
機体名ライガーテイル・R(リペア)
HEAD:HD-033M VERRILL
CORE:BD-012 MELANDER
ARMS:AR-012 MELANDER-C3
LEGS:LG-033 VERRILL
BOOSTER:BST-G2/P04
FCS:FCS-G2/P05
GENERATOR:DF-GN-08 SAN-TAI
大破したライガーテイルをアマゾンのACパーツ保管庫にあったパーツで修復した姿。
G1の腕部予備パーツ保管庫にアーキバスのエクドロモイが突き刺さっていたため急遽G5の腕部保管庫からMELANDER-C3を持ってきて修復をした。
それ以外変更点はなく武装や内装まで原型機体そのままに修復できたため腕部だけの変更という今はまだ変更点のほとんどない機体となっている。
機体名:MSS・作業用MT
アマゾン級の中にあるAC等は渡せないために代わりのものとして無償で譲渡された、試作機と設計図からリオが完成させたミレニアムサイエンススクール純正の作業用MT。
これまでに使っていた作業用の無人機等より細かい動きを可能としており、その細かい動きは変態的なまでに組まれたOSを使い、無人機として作られ1mm単位でのズレもない重い鉄骨の固定なども行うことができるためエリドゥの建造にも極秘に使用されたとか。
有人型と無人型の二機種が開発され、無人型が人気で他の学園にも後に普及しゲヘナ学園のテロリスト組が爆破した建物や道の補修に駆り出されている姿も未来では珍しくないらしい。
最初に生産された十機以降、ミレニアムサイエンススクール内で使用した後にとったアンケートの結果、左腕部の人差し指に溶接用のバーナートーチが組み込まれておりある程度溶接までできるようにされている。
背部には装備を付けることで多様性に対応しており、アスファルト舗装用のタンクを搭載したリオ命名のタンクくん型MTや高所作業用にワイヤーを装備し、壁面を滑走して高所までいき作業するエンジニア部開発の高所作業用MTバックパックなど本当に作業用として大活躍している。
MSSはミレニアムサイエンススクールの略称でありリオ自身つける予定がなかったがミシガンから言われてつけた経緯を持つ。
ミシガンはルビコンでは兵器として利用されていたMTが本来の人の生活を助けるための道具として生まれ直ったことを記念してつけさせており、兵器としてまた立つときはそれは兵器として利用されることに悲しむのか、それとも兵器であると今一度見直しをするのか彼のみぞ知る