歩く地獄は透き通る世界で何をなす   作:悪の根源

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後書きで武器とケネベックについて語っています


ケネベック「そんな評判悪いとは思いませんでした。」

その日アビドス砂漠近くにある多少ボロい倉庫で複数爆発が起こる。

そう、それはもう左から5つほど並んでいた倉庫が、右から盛大に一発ずつ何かしら撃ち込まれて壁どころか屋根も吹き飛び、中にあった戦車やトラックまでも分厚い装甲を弾け飛ばしている。

 

「敵の退却を確認。並びに、カタカタヘルメット団の補給所、アジト、弾薬庫の破壊を…はい、全て確認しました!」

 

まだその倉庫の近場にあった小屋が残っており、アヤネが通信でヘルメット団に退却を告げ始めていた頃には残っていた。

だがもちろん大型の弾頭が捩じ込まれ、通信の途中で吹き飛ぶ。

もちろんヘルメット団が喜んで空き家に変えた小屋なので、人的被害はもちろん出ていない。

 

「ん、先生それ私も撃ってみたい。」

 

「砂狼、お前にはまだ早い!暫くは走り込みと腕立て伏せに専念しろ!そうすれば1年後には撃てるようになる!」

 

「作戦完了〜…シロコちゃんにはそんな事して欲しくないっておじさん思うんだけど…?」

 

もちろんそんな地獄を生み出した人はいるものでシロコ、ホシノ、ノノミ、セリカの四名と両肩からベルトを通して右脇腹に砲身を抑えている老人、ミシガンがいる。

そしてその5人の周りにはボロボロなヘルメット団が転がっており、その中には幹部の証であろう赤いヘルメットの残骸を被ったリーダーらしき少女が半分に割れたヘルメットと倒された際にゴーグルが砕けてズタボロ具合が上がった少女が精一杯に睨みつけている。

 

「ち、ちくしょう……もう少しだったのに…戦車だって用意してたんだぞ…それを、アビドス、如きに…ッ!」

 

「残念だったわね!あなた達の馬鹿騒ぎもここまでよ!」

 

セリカがカッコつけてビシッと指差すその後ろで吹き飛んだ倉庫の中にあった戦車の砲弾に引火したのだろう。

更に盛大な爆音と爆発をバックに、ヘルメット団リーダーは白目を剥いたかと思うと気を失った。

 

「これ以上留まるのは危険だな…ヘルメット団を回収して今度こそ引き上げるぞ!家に帰るまでが遠足だ!」

 

「はぁ~い、ほらほら〜ちゃっちゃと終わらせちゃおー…」

 

周辺に転がっている意識を失っているヘルメット団を回収し安全地帯まで持っていけばそこに下ろし俺たちはアビドス高校に帰路を取る。

 

 

 

火急的用だったカタカタヘルメット団の基地を文字通り消し飛ばし、ヘルメット団を一応降ろしてきた後、一安心し対策委員会室で面々共々一息ついていた。

 

「…まさか先生があんな武器持ってるなんて思わなかった。」

 

「確かに、通常のロケットランチャーより大型でしたし…火力も多分専用弾ですよね?」

 

「あんなもの携帯式のミサイルランチャーよりに比べれば羽毛のようなもんだ。貴様らも支える脚と腕を鍛えればすぐ使えるようになる!」

 

「多分、先生だけです…外で普及なんてしてないですよね…?」

 

ミニガンを持って走れる十六夜、砂漠をサイクリングできる砂狼。

十六夜は脚を、砂狼は腕を鍛えればすぐ扱える様になるだろう。

奥空はあの専用ロケット砲が実は外で普及しているのでは?と思い始めたらしいが安心しろ、こいつほどのものは普及はしていない。二連装携帯式ロケット砲までなら普及しているが。

 

「でも、これでやっと重要な問題に集中できる」

 

「うん、先生のおかげね!これで心置きなく全力で借金返済に取りかかれるわ!ありがとう、先生!このお…ん……は…?」

 

「なにを勝手に終わらせようとしている!黒見!」

 

自分の失言にあれ?言っちゃいけないこと言っちゃった?という顔をしている黒見の奴ににっこりと微笑んでやる。

というより借金については事前に知っている。

レッドガンにはケネベックというバカがいる。

そう、このケネベック、元アビドス中学校出身でアビドス高校ではなくゲヘナに進学したという経歴持ちで、もちろんそんな経歴持ち、アビドス高校の事情を知らないわけがなく。

アビドスに行く前にアマゾン級に物資支援の要請を電話するついでに、最近アマゾンに入り浸っていたケネベックの奴に多少事情を聞いていた。

 

「いいんじゃない?セリカちゃん。隠すような事じゃないし…というか知ってるみたいだし?」

 

「か、かといって、わざわざこっちから詳しく話すようなことでもないでしょ!」

 

「別に犯罪したーとかじゃないんだしー?それに先生は私たちを助けてくれた大人でしょ〜?事情の出どころはちょっと気になるけどさぁ?」

 

「あぁ、それならケネベックのバカに聞いた。」

 

「ケネベック!?ケネベックってあのアホケネベック!?」

 

どうやら黒見はケネベックのバカを知っているらしい。まぁあいつもゲヘナ1年生であることを考えると同級生とかそこら辺だったのだろう。

というより同級生の黒見からアホ扱いとはあいつ何をやらかしていたのだか…。

 

光景だけ見ていれば駄々こねている後輩と、それを宥めている先輩の構図にどこからか、ううぅ…あるべき先輩後輩の姿…ッ!素晴らしい光景だ…ッ!と毒電波を受けたような気がするが気にしないのが吉だろう。

どこか…そう、アーキバスのVにそんな声のやつがいた気がするが気にしないのが吉と思えば吉だろう。

 

「確かに先生がパパっと解決してくれる問題じゃないかもしれないけどさ。でも、この問題に耳を傾けてくれた大人なんて、先生くらいじゃん?もちろん先生に丸投げ…って言うわけじゃないし、悩みを打ち明けてみたら私たちじゃ思いつかない物も思いついてくれるかもしれないし?それともなにかいい方法思いついたのかなー、セリカちゃん?」

 

「うっ…うう……

で、でも、さっき来たばかりの大人でしょ!今まで大人たちが、この学校がどうなるかなんて気に留めたことなんてあった!?この学校の問題は、ずっと私達だけでどうにかしてきたじゃん!なのに、なのに…!今更、大人が首を突っ込んできて!私は認めない!」

 

身振り手振りで胸に手を当て熱弁を振るう黒見は認めないと最後に啖呵を切り、教室の扉をばんっ!と勢いよく開けてこちらを振り向かずに出ていく。

それを十六夜が様子を見に慌てて追いかけ、教室にいるのは小鳥遊、砂狼、奥空、俺の4人になった。

 

「遠足は車で行ったとはいえ元気だな」

 

「うーん、ゴメンね先生。うちのセリカちゃんが元気いっぱいすぎて」

 

「お前らの事情はある程度ケネベックから聞いている。確か荒廃した土地の復興関係と聞いているがあっているか?」

 

「……うん、先生がアビドスの関係者につてがあるなんて驚いたなー?」

 

「ぬかせ、対して驚いてない顔で言われて、つまらん腹の探り合いは俺の分野ではない。」

 

いつもの眠たげながらその奥で値踏みしている眼を見せる小鳥遊のやつと奥空が詳しい事情を話し始める。

 

曰く、学校の抱えている借金は約9億5000万、借金の担保はアビドスの学校であり、返済不可=廃校は免れないということだ。

当然いくら学生の権限が大統級のやつらが多いキヴォトスと言えどそんな金額、マンモス校くらいしか払えず、一時はマンモス校であったが借金をした頃にはマンモス校でなくなっていたアビドスでは一括での返済ができず、ほとんどの生徒が未来に絶望しこの街を去った。

そうなれば借金の全額返済なんて現実は夢のまた夢になる。

ホシノの言うように、古巣であるファーロンでもそういう輩はいたしキヴォトスでもよくある負のスパイラルだろう。

元々数十年前に起きた大規模な砂嵐に対する資金繰りだったらしいが、かつて守るためにした借金が、未来である今を蝕んで生徒たちが苦しんでいるのは過去の生徒たちも望まぬ未来だったろう。

 

「セリカがあそこまで神経質になってるのは、これまで誰もこの問題にまともに向き合わなかったから。話を聞いてくれたのは、先生…あなたが初めて。」

 

「……まぁそういうつまらない話だよ。で、先生のおかげでヘルメット団っていう厄介な問題は解決したから、これからは借金返済に集中できるようになったってわけー」

 

「…ほう、事情まで話された俺に借金関係に関わるな、と?」

 

「うん…そうだね。先生はもう十分力になってくれたでしょ?これ以上迷惑はかけられない。」

 

アビドスの総勢5人、その誰も彼もが諦めている。

大人が助けてくれるはずがない、大人が善意で接してくれるわけがないと。

ある意味で疑心暗鬼、自分たちだけが信用できると姿を見せずに上から縛り上げるやつらなら扱いやすいであろう形だろう。

先生として、生徒たちがそれでいいと言うなら過干渉はすべきでは無いと諦め、こいつらからすれば俺が帰ってもいつもの事で片付くのだろう。

だが俺はレッドガン総長、G1ミシガンである。

今更疑心暗鬼程度よくあることだ。

 

「……お前たちにいい教訓をくれてやる。

問題が一つ片付いたからといって全てが片付いたわけではない!隠れていた問題がこんにちはと元気よく挨拶してくる事が多いだけだ!そんな状態で集中できると思ったか?詰めが甘過ぎるぞ!

奥空、貴様が丁寧に書き上げた文に助けての文字はあったが見過ごしてとはなかったな!

つまりまだ遠足の途中と言ってもいい!遠足は家に帰るまでと言ったろう!」

 

「そ、それは…」

 

確かに金は大事だろう。実際俺も退職金として老後に向けて金は貯めていた。

人間社会で生きていくなら金は大抵の物事についてくる。

食料、衣類などなるほど、人類が人類らしく生きていくには必要なものだ。

だが絶対的に必要と言われれば金がなくても辺境にすむ部族さえいる。

ならば問題ない、それに前回のルビコン遠足の旅はG13のレッドガン退職で中断となった。

ならば今度はちゃんとに中断なしでやってやろう、目の前の3名の目を見てやりながら宣言してくれる。

 

「このアビドス高等学校から借金を…いや、貴様らの日記に刻んでやろう!レッドガンの総長の言葉に二言はない!ここからがもっと楽しい遠足の始まりだ!」

 

「………へぇ…。先生も変わり者だね?こんな面倒事に首を突っ込むなんて。」

 

「まさか【シャーレ】が力になってくれるなんて…これで私達も希望を持っていいんですよね?」

 

「安心するな、奥空!確かにシャーレもレッドガンも力を貸す。だがどうなろうと主役は貴様ら、脇役は俺達だ!

主役の交代は赦さんぞ」

 

「ん、アヤネ、今日から鍛えよ?多分この先筋肉痛になる気がする」

 

「シロコ先輩が筋肉痛だと私が鍛えても遅くないです!?」

 

立場と金に縛られるほど自由は得られん。昔も今もよくあることだが二名だけ立場にも金にも縛られないバカは居る。

あそこまで自由になれとは言わんがこいつらには必要な教訓となってくれるだろう。




立場と金に縛られない自由人
VⅠフロイト
G13レイヴン

冒頭ミシガンに使用されたロケットランチャー

SSPNランチャー

PSO2でリメイクされたグレネードランチャー。
もちろんジャッカル&カスールを製作したミレニアム生徒作の一品であり、やはり重量、反動の関係でお蔵入りを食らっていたものだが火力だけはあり、一発で戦車の装甲どころかミレニアムで制式採用されている警備用の防御特化仕様のオートマターすら破壊する。
実はエンジニア部もこれの制作に一部噛んでいて、射撃の反動制御機構や射撃されてもびくともしない装甲などの技術的供与がされており、実は光の剣 スーパー・ノヴァの電力消費を抑えた後継型としてエンジニア部は見ていた。
なのでエンジニア部としては姉妹機と言っていいものであり、それが先生の手に渡ったとすればアリスが未来もつスーパー・ノヴァと並ぶこれを見て涙するかもしれない。
ちなみに製作者のミレニアム生徒は技術供与は受けたもののスーパー・ノヴァなんて知らないので近い未来スーパー・ノヴァ?なにそれ…知らん…こわ…という未来が待ち受けている。
ちなみにヤスミノコフFJなど再現しやすい奴もあるのになんでこれ?と聞かれた際彼女はこう答えたという。
再現しやすくて扱ってる人もいるのにじゃあなんで未知を行かないんですか?と曇りなき眼で早瀬ユウカに返したという。
早瀬ユウカからは
目が怖かった、同学年なのに赤ちゃんみたいな目で物騒なことを言っていたとコメントを返している。
ミシガンが乗ってきたトラックの荷台に勝手に運び込まれており、実は普段からミシガンが乗り回しているのを知っていたミレニアム生徒がこんなこともあろうかと!と腰に手を当てて胸を張り自慢する目的で置かれていた。
ミシガンは存在を知っていたものの火力不足にはならなさそうだと思い見過ごしていた。
ちなみに後日ノノミは試しに持たせてもらい、持ち上げるところまではいけたものの足腰が産まれたばかりの子鹿レベルにぷるぷるしており、他のメンバーは数mmだけホシノが持ち上げられた模様、もちろんノノミがトリガーを引けば射撃時の反動で後ろにひっくり返り弾頭がどこかランダムに飛ぶ未来が待っている。


ケネベックについて
実は身体測定のときにイグアスと同じゲヘナ学園所属、アビドスからの手紙の回でミシガンのセリフで元々アビドス高校に通う予定だったと言っていたとあるように元アビドス中学校セリカ、アヤネの同級生でアビドスに進級せず、絶対レッドガン居るだろという考えからゲヘナに進級しそこでイグアスとあったことでブラックマーケットにいたりトリニティにいるレッドガンメンバーと会う機会を得ました。
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