歩く地獄は透き通る世界で何をなす   作:悪の根源

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書類仕事がなんとか今日分片付いたので投稿です。
後書きにキヴォトス版イグアスとヴォルタの名前と軽い詳細載っけてます


猫は目を離すと何をするかは分からないがガンズはもっと分からない

 

「はぁ…やっと終わった。ホシノ先輩めぇ…」

 

シャーレの先生がアビドスの借金問題に関わると宣言した翌日、バイト先の柴関ラーメンであの先生、ミシガン先生と遭遇した。

もちろんみんなを引き連れて。

ホシノ先輩がバイト先をバラして連れてきたらしいけど、昨日散々拒絶の言葉をはっきりと伝えた筈なのに。

バイト中なのだからあんまり気分を下げたくないと恨めしげにホシノ先輩を睨んでも、いつものどこ吹く風のような笑顔にそんな気力すら霧散する。

 

「みんなで来るなんて…騒がしいことこの上ない…」

 

特に今日は珍しく客足が多かったのだ。

柴関ラーメンは別の学区からのお客が来ることは少なくないがそれでも今日はやけに多かった。特に珍しいと感じたのはゲヘナとトリニティの生徒が喧嘩もせずに和気藹々と普通にラーメンを啜っているときすらあった。

普通顔を合わせるだけでも嫌味合戦が絶えないとホシノ先輩からは聞いていたが、それは珍しいだけで一般生徒は仲が良いのかしら…。

 

「人が忙しく働いているってのに…先生先生ってチヤホヤしちゃって。あんな大人の何がいいんだか…。」

 

キヴォトスの大人は基本オートマタか犬、猫の姿をよく取っている。逆に私たちのように人の姿をとり続けているのは見たことがない。

それだけでも珍しいのに、更に粗暴で乱暴そうな人が連邦生徒会のシャーレと。

でも数だけは多いヘルメット団を慣れた手つきで一発も外さずに頭に直撃弾を出し続けるその手腕は、確かに凄かった。

キヴォトスの外の人は銃弾1発の被弾ですら致命傷と聞くのになんでああも手慣れていたんだろう。

戦うだけじゃなくて噂を聞くに頭もいいらしい。

シャーレの先生として働く最中、下部組織としてレッドガンなる部隊も創設しているらしい。詳しい内容まで結成から短いからあまり聞いていないけど、なんか…G、ガンズと呼ばれる隊長格が【八人】、それに更に部下たちがついて大部隊に近いだけの数をたった数日で築いたらしい。

そこまでの部隊すら築いた大人の尽力は…心強いと言われれば、そうかも知れない。

そのレッドガンとやらの力も借りられるかもしれないのだから。

けれど。

 

「………私たちだけで十分。大人の助けは、いらない。」

 

アビドスはそうやってきた。

何度も連邦生徒会に助けは求めてきた。けれどその返信はなく、その度に誰かに頼るという考えは消えていった。

胸の奥に溜まっていく暗い気持ちに蓋をして歩き出す。

明日は学校もあるし、またバイトもある日だ、疲れを見せれば先輩に心配されるし早く寝ないと…

 

砂漠化のせいで人のいなくなって久しい区画を小走りに帰路を急いでいると

 

「黒見セリカだな?」

 

目の前の曲がり角から赤いガムテープで補強した、ボロボロのヘルメットを被った者が現れる。

昨日、基地を攻め落としたときに聞いた声で聞き覚えがあった。

瞬時に敵だと判断して無意識に武器のトリガーに指をかけようとした時。

 

「くっ……うぅうッ!?」

 

背後の地面が爆ぜる。

爆発の直撃は受けなくても、その余波、砕けたコンクリートの破片が自分の身体ごと爆風でふっ飛ばされた中何発も直撃する。

その中でも特に側頭部に直撃したせいか、血が流れて、朦朧する意識の中でも耳が、銃を構えながらゆっくりとにじり寄ってくるヘルメット団の足音をちゃんとに捉えている。

 

(こんな…こんな、あっけな、く…)

 

せめての反撃をしようとしても、同じ爆風に吹き飛ばされて地面に転がった銃に手を伸ばしても、腕は届かない。

反撃しようとする意識が遠のいていく。

 

(そんなの……嫌…)

 

薄れいく意識の中、思い出すのはアビドスの皆。

そして何故か仲良くラーメンを啜るトリニティとゲヘナの二人。

 

 

 

 

ズガァンッ!

 

 

「ぇ………?」

 

「カハッ……?」

 

「リーダーッ!?なんだ!何がどうなって!?」

 

薄れいく意識の中に急にこれまで聞いてきた中でも重い銃声がさらに響く。

次に薄っすらとした視界にまた砕けた赤いヘルメットの破片を地面にぶちまけながら倒れ伏すリーダー格の子がいた。

 

 

「たく…ミシガンの野郎、ラーメンの奢りがなけりゃこんな仕事押しつけてやったのによぉ…一日で当たり引くって運がいいんだよなァ?イグアス」

 

「けっ…どうせやっすいオマケだって言って終わりだろうよ。」

 

その後ろに立っているであろう生徒二人には身に覚えがある。

金色のショートカット、額の右側から湾曲しながら中半から折れている角、歯がサメのようなギザギザで左耳に特徴的なピアスをつけているコートを羽織ってアサルトライフルを持つゲヘナの制服を着ている生徒。

褐色の肌にノノミ先輩のような体つき、黒髪で腰まで伸びたロングヘアーに腰からカラスを思わせる黒い翼を生やしたトリニティの制服に身を包みながら銃口から煙を出している巨大なショットガンを片手で握っている生徒。

あぁ、そうだ柴関のラーメンを食べていたあの2人だ。

 

「トリニティとゲヘナだとッ!?」

 

「バカなッ!?アイツラが一緒にいられるはずが!?」

 

ヘルメット団の動揺が聞こえる。

それだけトリニティとゲヘナの生徒が揃っていることがおかしいのだろう。

そんな動揺をしているヘルメット団に対してその二人は、ただまるで悪友のようにケラケラと笑いながら銃口をまた相手に向ける。

 

「おいおい、イグアスゥ?私たちが一緒にいるのが大変おかしいらしいですわ?」

 

「おいおい、ヴォルタ?その気持ち悪いお嬢様口調辞めろよ、似合わねぇぞ」

 

「テンメェ!イグアス!ここは合わせるところだろうがよ!」

 

そこに品が良いと噂のトリニティらしさも混沌と破壊主義と噂のゲヘナらしいところも混ざり合って更に煮詰めながら…私は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……え?ここ、は…」

 

意識を取り戻した後、居たのはよく見た、アビドス分校の一室。

いつも使っている対策室じゃなくて、予備で使ったり備品が置いてあったりする部屋だ。

 

「……いったッ!?」

 

いつの間にバイト先から帰って次の日になったんだろう?と思いながら起き上がろうとすると右側頭部や背中から痛みが走る。

痛みを感じて頭を触ると包帯が巻いてあるのを感じた。

あの襲撃は夢じゃなかった…じゃあどうやってここに…?と混乱して横になっていた布団から上半身を起こして記憶を遡っていると、廊下をドタドタと走ってくる音が聞こえる。

ガラッと大きく音を立てて教室の入口のドアが開く。

その方向に痛みで顔を歪ませながら目を向ける。

 

「黒見ッ!寝坊助が起きたようで何よりだ!」

 

そこにはあの先生とその左右からあのトリニティとゲヘナの生徒が顔を覗かせていた。

 

「先生…?、そっちの二人は…?」

 

記憶が繋がらない。

起き抜けなのもあるがなんで怪我をしたかも少し混乱していると。

 

「まぁ意識を取り戻したばかりだ!混乱するのもわかる。ただ思い出す前に、この役立たずどもの自己紹介でもまずは聞け!」

 

「おいコラ、誰が役立たずだ。ミシガンのジジイ!…ちっ…G5イグアス。」

 

「熱くなるなよ、イグアス。バカみてぇだぜ?俺は、いや…私はG4ヴォルタ。」

 

二人の悪態をつきながらの自己紹介を聞きながら、記憶を思い出していく。

バイトの帰りにヘルメット団に襲撃されたこと。

返り討ちにしようとして不意打ちで怪我をして、絶体絶命だったこと。

そして…なぜかこの二人がいた事。

その後の記憶がないことからこの二人に拾われたんだろう。

 

その事を思い出すと、さっきまで溢れてなかったのに目から涙が溢れてくる。

 

あのままこの二人が来なかったら、どうなっていたかはわからないけど、けれどアビドスの皆ともう会えなかったかもしれない。

そう思い出してしまえば、一度溢れたものが止まらない。

泣く私を3人は暫く顔を見合わせながら落ち着くまで、背中を擦ってくれた。

 

 

 

 

 

「ふぅ……ふぅ……ごめんなさい、落ち着いたからもう擦らなくていいから…」

 

背中を擦ってくれていた3人にそう声をかけながら、恥ずかしいところを見られて顔を赤くなっているのを自覚してさっきまで寝かされていた布団で顔を隠しながら

 

「……で、先生。その二人は知り合いなんでしょ?なんであそこにいたの?」

 

ギロリと3人を睨む。

確かに助けてもらった。けどタイミング的に、絶対近場に二人はずっといたんだろう。それについて説明を求めると先生は口を開く。

 

基地はたしかに叩いた。

だがああいう輩はあと少しが惜しく感じるタイプだろうと。

なので、絶対なにかまだ仕掛けてくるだろうと、他のアビドスメンバーにも呼びつけたレッドガンの人を2名ずつつけていたらしい。

特に私は帰りが遅いとわかってその中でも特に強い2名。

レッドガンの部隊長である2人、G、通称ガンズの名を与えられてるG4ヴォルタ、G5イグアスの両名がついていたようだ。

 

その説明を聞くと驚いた。

あそこまでコテンパンにしたヘルメット団がまだ次の日に襲ってくるだけの気力があったのもそうだけど、ちょっと間に合ってなかったけど先生が護衛をつけていたことに。

 

「一応他のアビドスメンバーには黒見は怪我をしたが見た目の割に軽傷、安静に今保護していると連絡はしている!黒見…今日はゆっくりと休め。」

 

まだ上半身を起こしたままの私に先生が手を伸ばす、傷だらけで、私たちの手より大きくて…荒々しく傷が痛くならないように優しく矛盾のように頭を撫でられて、私は助かった安心と…何故かこの人ならと信用を抱きながらまた。

 

意識を今度は自分から手放した。

 

 

 




名前:伊葛(いぐす) マイ
武器:アサルトライフル
所属:ゲヘナ
学年:2年

詳細
G5イグアスがキヴォトスに転生した生徒。
外見は完全に不良だが実はちゃんと登校して勉強をしている真面目生徒。
口調は悪いが普通に捨て猫を見かけると無言で拾ってきては、ブラックマーケット組のレッドガンメンバーの所に連れてくるため生前より接しやすいと裏で言われているが実は生前も悪ぶってるだけで実は育った環境が悪すぎただけでは?と囁かれている。
真面目生徒側なので風紀委員会からは特に目をつけられていないがトリニティ生徒と仲良くしている変人として、ゲヘナ情報部には認識されており、もちろんその情報は空崎ヒナに知られている。
アビドスにはレッドガンメンバーの中でもすぐ動けて、生身でヘルメット団くらいは圧倒できるという点で呼び出しを食らった。
呼び出しを食らったので、ミシガンに美味い飯屋くらい教えろと言ってミシガンはホシノに柴関ラーメンの事を聞いた。
シャーレ宛に領収書を切ったことがバレてアイアンクローくらうまで後数時間。
イグアスから伊葛(いぐす)。オールマインドと一体化したことからマイとなっている。



名前:魚琉(ウオル) シダ
武器:ショットガン
所属:トリニティ
学年:2年

詳細
G4ヴォルタがキヴォトスに転生した生徒。
外見は一応トリニティ生徒らしく、まともにしていればお淑やかには見える生徒。
ただトリニティ生徒の前以外では偽る必要がないので口が悪いし、普通に煽ってくる。
実は家が広大な茶畑や、農機具を扱う家系で、ティーパーティーに出される茶葉の生産すらしている事から、資金力がある家柄であり、ティーパーティーからの信用から一部武器メーカーにも、声かけができ、レッドガンにクルセイダーⅠ型のパーツ提供などティーパーティーに、書類提出が必要なものの供与できるなど実は地位はある。
ただ本人曰くたまたま生前五花海から教わった商いがハマったのもあって拡大できただけで、ただただイグアスたちとバカをやりたいとのこと。
シャーレ宛に柴関ラーメンの領収書を切ったイグアスをゲラゲラ笑いつつヘルメット団戦の時に間違って電柱を粉砕しており、やべっと思いつつ請求先にシャーレをしたためバレてアイアンクロを食らうまで後数時間。
名前はヴォルタをウオルタ
ウオル、魚琉(ウオル)
タとG4の4でシダとなっている
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