そして今回から大筋が大きく原作と変わっていきます。
唐突だがレッドガンの強みとは何か。
数による質に対してのジャイアント・キリング?
それもそうだ。
だが一番の強みは部隊によって所属する者たちの特色が顕著に出ることだ。
例えば第二部隊、ナイルを隊長として動くこの部隊は元々アマゾン級二番艦を根城にしており、この船は情報を扱うことにより特化した輸送艦なため、その船に在籍する者達もその道のプロフェッショナルである。
例えばハッキング、この広大な学園都市であるキヴォトス。
そのキヴォトスに存在するハッカー集団は勿論いるものの、この学園都市とアマゾン級にある設備では技術力が大きく違うため、第二部隊の一般隊員ですらアマゾンの中にある機器を使うことさえできれば最上位のハッカー集団と渡り合えるほどである。
その関係で機械に強いことも多く整備組も混じっていることもある為、少し前にアビドスから買い取った戦車の解析をしているのも第二部隊だ。
例えば第三部隊、五花海を隊長として動くこの部隊は諜報や工作、交渉事を得意としている部隊だ。
もちろんこの学園都市でも十分なまでにその力を振るっている。例えば潜入、基本的にどの会社でも電子で情報媒体を取り扱っているがやはり一部の重要情報は紙媒体で取り扱っていたり、一部独立した機器を利用しているところもある。
特にブラック・マーケットにある会社などが該当しており、必要な場合はブラック・マーケットのその会社の応募に参加して紛れ込み、第二部隊が用意した機器をバレないように設置、または持ち込みそれを遠隔で操作して情報を抜き取る。
さて、なぜこのような事を早々に言ったかは第二部隊から報告が上がってきたからだ。
解析していた戦車の結果、この戦車はブラック・マーケットですら出回ったものでも無い。
製造されたばかりのものが製造ロットも付けずにそのまま流されてきたものらしい。
普通ならわからないものだろうがこのキヴォトスを上回る設備をアマゾン級は実現する。
それこそ轟沈し海中に没しても、その構造上緊急隔壁が幾重にも重要な機器を有する中央ブロックを守る構造になっている為、轟沈させた上で念入りに貫徹力の高い砲撃を一点集中してぶち抜けるような装甲を幾重にも重ねた最深部にある最先端機器達を使えば偽装工作など全て徒労である。
装甲の材質、装甲やネジの損耗具合、また製造ロットは最初は付いていたのか付けていなかったのか、製造されてから砲弾を何発撃ったのか、一部損耗により装甲の取替が行われたのかすら内部に残っているパーツ、消されたはずのデータ、譲渡にあたって偽装された利用履歴データ全てを丸裸にする。
「……戦車の製造元はカイザーグループ、そして機体内部のフレームとフレームの隙間内にアビドス砂漠の砂を検知…。」
このフレームの隙間は撃破した時には露出していなかった部位である。
つまりこのフレームの中より検出された砂は製造時に紛れ込んだものといえる。
そしてカイザーグループでアビドスといえばアビドス砂漠奥に土地を構えているカイザーPMCで、この襲撃を扇動しているのはカイザーグループ内のカイザーPMCと言える。
アビドスは今大きく分けて勢力が3つに分かれていると言っても過言ではない。
砂漠地帯の土地を多く保有し基地を築くカイザーPMC、なおかつアビドスに金を貸しているカイザー・ローンを有しているカイザーグループ。
そして今の生きているアビドスの市街地エリアの土地を保有している【ナイル、ヴォルタの2名】
そのレッドガン2名に土地の管理を委託される形で管理し、分校近くの土地は自分たちで所有しているアビドス廃校対策委員会。
「便利屋68に依頼したのも恐らくはカイザーPMC…。これが一社単体なら対処は楽だが…、さて蛇が出るか阿呆が出るか五花海次第か」
「どうも始めまして、私はG3の名を頂戴しております。五花海と言うものです。この出会いも吉兆…できればより長い縁を築きたいものです。」
土地上ゲヘナに位置するアビドスの土地にもほど近いビル。
その2階に今、便利屋68は会社を構えている。
度々ゲヘナの治安維持組織である風紀委員会からの追撃を躱すため後数日程度で引き払う予定ではあるらしいものの、ちゃんとした会社の社長室として未だ機能している。
「え、えぇ…便利屋68にようこそ、五花海さん。それで?レッドガンのお偉いさんが私達になんの依頼かしら?」
目の前の少女、陸八魔は緊張を隠せないようだ。
それはそうだろう。シャーレが保有する私有部隊とされているレッドガン。
ほんの一週間も立たない程最近、一度レッドガンのほぼゲヘナでの仕事担当になっているG5イグアスが引きいる第五部隊が襲撃をかけている。
もちろん制圧されて独房入りを二日ほどしたものの、その後釈放された後はご存知の通り、つい昨日撃退されたばかりだ。
「えぇ、えぇ…そんな小動物のように怯えられなくても本日は私以外来ておりませんよ、お約束致します、あぁそうだ!これは失礼しました。総長からは失礼ないようにと言われておりましてこちらの方をどうぞ…」
今は近場に他の2名、特に面倒だと個人的には思っている伊草ハルカ、浅黄ムツキが存在しないのはまさに吉兆。
鬼方カヨコというブレインになっているであろう少女は居ますが彼女は凄まじく頭の回転が良いと聞く。
自身たちに危険な提案ではなく、逆に利になる提案を提供すれば社長である陸八魔アルの説得に大きく貢献してくださるでしょう。
その考えを糸目の奥にある目に隠しながらニコニコと人当たりのいい笑みを顔に貼り付け、わざわざゲヘナで高級品とされているゲヘナ獄炎茶葉という、よくわからない…獄…炎…?茶葉で…?となりつつもイグアスに調達してもらったものを差し出す。
「どうも…で、面倒な事は今回なしにしておきたい、何が目的?」
「ちょ、ちょちょちょっとカヨコ!?G3よ!?G3!この間捕まえに来た子より明らかに上の人じゃない!」
「おやおや…これはこれは思い切りのいいお嬢さんです。ですが私好みの方だ、陸八魔さんもいい商談相手ですが貴方も話が早くて助かります。」
お茶を受け取った陸八魔さんの隣に座っていた鬼方さんのいきなり突っ込んだ物言いにこちらは一切笑みを崩さず、逆に陸八魔さんは怯えていらっしゃる。あぁ、実に交渉しがいがある子達だ。
「ではまずこちらをご覧いただけますでしょうか?」
そう言って持ち込んでいたトランクを机の上に置き開け口を陸八魔さんに向けた状態にする。
「そ、それは何かしら…?」
「そうですね…貴方がたに取引をさせていただく上でご用意したものです。」
おっかなびっくりの陸八魔さんの隣で堂々と座ったまま何も言わない鬼方さん。
いえもしこれが爆発物なら何時でも弾けるように右手に銃を握って見えないように構えていますね?実に自然な姿で素晴らしい。
「貴方がたの今回の依頼のクライアント。それが誰か…総長はその情報を買いたいとのことです。金額は一億…いかがでしょうか?」
「なっ…なななななななななんですってっ!?」
「社長…驚き過ぎ…五花海…それは全部本物?」
「なんでカヨコは落ち着いてるのよ!?一億よ!?一億!?」
陸八魔さんは事前情報で契約には硬く、その硬い牙城を崩し得るのは彼女ではなくその周りからのアプローチが必要でしょう。
そしてその周りのアプローチでは伊草さんでは自我が弱く陸八魔さんに判断を委ね、浅黄さんでは面白がって陸八魔さんに同じく丸投げするでしょう。
便利屋68、確かに組織としては依頼に強い達成率と守秘義務を守る社として評判が高い…。
ですが逆に損が多ければ多いほどそれを守って自分たちも道連れになってはいけない…。
その最後を決定し陸八魔さんに忠告できるのは【鬼方カヨコ】貴女だけだ。
あぁ、素晴らしい、実に素晴らしい!正しく吉兆!
ちゃちゃ入れで有耶無耶にしてくる可能性を持つ者でも、上の指示に従う者でもなく、【ちゃんと現実をみてしっかりと忠告できる者】だけがいるなんて!
「えぇ、もちろん大事な情報を売っていただけるかも知れないのです、偽物を掴ませるわけにはとてもとても…それに総長は【失礼のないように】とのことでしたので」
「社長、今情報は売ったほうがいい。」
「カヨコ!?大事な依頼人よ!?私達は信用第一…!情報にお金を積まれても売れないわ!」
「大丈夫、二度と来ない依頼だよ、それにこれからはシャーレが重要クライアントになってくれるって言ってる…」
「え?え?それはどういう…?」
「依頼人はカイザーPMC、そしてその依頼は先ずはヘルメット団の基地の掃除、後はアビドス高校の占拠…これでお間違い無いでしょうか?」
「な!?」
陸八魔さんの顔が更に驚愕に染まる。
どうやら隠し事ができない性格のようだ。その様子では答えを言っているようなもの。
そして鬼方さんはお金を出した時点である程度察していたのでしょう。我々レッドガンがとっくに当たりをつけて、それをより確実なものにするための交渉であると…
「そう、依頼人はカイザーPMC理事、依頼内容もその通り。」
「………えぇ、その通りもうそこまで知られているなら私たちから情報を買う必要なんて無いんじゃないかしら…?」
「いいえ?買う必要はもちろん有りますとも、これは先行投資…我々レッドガンは貴女達便利屋68を高く評価しております。ですので業務提携をさせていただきたい、あぁこちら一億は情報をいただきましたのでお受け取りください。」
すっと一億入ったトランクをあちら側に差し出し、あっさりとした一億の譲渡にぽかんとした顔でえ?え?事業提携?え?とお金とこちらの顔を見る陸八魔さんとそういうことかと完全に理解した鬼方さん。
あぁ、これはこれからも素晴らしい関係を築けると確信しました。
「陸八魔さん、これからはシャーレに協力する会社として大手を振るって風紀委員会に言いたくはありませんか?
シャーレ協力会社となれば風紀委員会もそう容易く逮捕などもできません。
これは貴女方にとって悪くない提案だと…そう思いませんか?」
悪魔の囁きを悪魔に…それはなお甘美で悪っぽい提案であればあればあるほど良い。
総長には悪いですがやはり私は甘言での取引が得意なようで…
名前:五花海
武器:ハンドガン&四連装ミサイルドローン
所属:山海経高級中学校 玄武商会
学年:三年生
詳細
五花海がキヴォトスに転生した姿。
今回は店の定休日だったので山海経から出てきて、ゲヘナとアビドスの境にあるビルまで出張してきた。
交渉の後、アビドスでの名物砂漠を泳ぐ珍魚の砂魚を購入して帰った。
容姿は漆原カグヤに似ているものの血縁ではなく、また目が糸目であり、鼻に掛けるタイプの小さなメガネをつけており、髪型はポニーテールになっているなど姿は正面から見れば違いが多い。
また服の色も金色のラインや龍や蛇が刻まれた衣服を好む傾向があり、そこもカグヤと見分けるポイントとしてキサキ達には知られているが、本人がそこまで出歩くところを目撃されないため、京劇部に入ったばかりの子達や五花海のことを知らない人からはカグヤと間違えられることがしばしある。
普段お店で使用する食材は玄武商会を通しての購入か、使う茶葉に関してはヴォルタに直接交渉して購入している。
新鮮な魚類に関しては、レッドウィンターの北部の極海で漁業をしてレッドガン食堂に卸しているレッドガン所属のレッドウィンター生達がおり、その魚の一部を購入して利用しているため、玄武商会から卸している食材が一番高いというよくわからない購入ルートを持っている。
極稀にレッドガン食堂の厨房で料理を作っている姿が確認されており、その時はレッドガン食堂の主、ババアに指示を受けて中華を担当している。