次回からまたアビドス編に戻りますが早めにやっていかないと少しエデン条約編とかが時系列ごっちゃになるので
けど知ってる原作より知らない未来がある方が面白いと思いませんか?
暗い天井にも未来があると
いつも通り後書きにはキャラ説明と機体説明を用意してます
『灰被りて我等あり。』
ミシガンがアビドスに行った三日後の深夜、トリニティ総合学園の通信を一手に引き受けるティーパーティーの施設、その通信科に荒い電波に乗って通信が届く。
それはまだ本来1人を除き知らぬはずの領域からの電波。
シスターフッドの所有する古聖堂の地下、無数に張り巡らされた通路と一定期間ごとに入れ替わる事で、秘匿性が高まりその先になにがあるかを知らぬ生徒たちが多いカタコンベ…。
その先の未明領域からの短い声明とも、古い警句ともとれる通信が送られ、エデン条約調印に向かっていたティーパーティーの施設は騒然となる。
それは白州アズサがトリニティにくる前の1つ目の嵐であった。
「…たかが…二人の子供ごときが…ッ!大人に逆らうと!?」
そのカタコンベの先、トリニティ側で言う未明領域。
アリウス自治区では今、至る所で火の手が上がり、まるで大規模な災害が起きた後かのような光景が広がっていた。
ガスマスクをつけた子どもたちが慌てて火の手が回っていない通りを駆け抜け、火の手が迫っている住居から取り残されている生徒を助けては、逃げていく。
火の手が初めに上がり始めたアリウス自治区の入り口から最上にある特徴的な施設、このアリウスを支配する大人。
ゲマトリアのベアトリーチェが座す建物は燃え、斬り捨てられ、爆破されて建物の原型を留めていない。
その中心部に、ベアトリーチェが右手を失い、更に体中に傷を負い、胸にひときわ大きい切り傷を負った状態で膝をついていた。
「大人…大人か。大人ならば子の未来を奪うのでなく、導いてやればよかったものを…。」
「導いてやっていたでしょう!?だと言うのに害獣風情が私に説教ですか?くだらない…ッ!あなた達子供は大人に支配されッ!搾取されていればいいッ!」
「くだらん。だから貴様はここで終わる。アリウスの脅威よ…十年前からの因縁…もうここで終わりだ。」
膝をつくベアトリーチェの前にそれは居た。
フレームの細部が故障し、幾らか装甲が剥がれた旧式のAC。
それでも健全に動く堅牢な内部構造と、生存性が保証されたBASHOシリーズ。
そしてその更に後方の空に陣取っている幾分かそれより新しいもののそれより損傷が激しく、左腕部を肩から損失し、頭部も半分潰され、コア部分も右脇腹部分を装甲が抉られて内部が見えた状態でケーブルが剥き出しの新型フレーム、ALBAで構築されたACがいる。
「全ては虚しいだけ…だが古臭い警句では生きていけない。マダム、お前に見せられないのが残念だ。この暗い…空もない地下でも未来があるとな。」
「未来?未来なんてあるはずがないでしょう!?ただただ利用されるだけの子どもがッ!未来をかた…ッ!?」
ベアトリーチェは立ち上がりそう吠える。
それはそうだ、アリウス紛争。
かつてトリニティ総合学園が産まれた時に地下に追いやられた、アリウス分校の内部で起きた内戦の最後、マダムベアトリーチェが勝者側に物資などを提供することで大人でありながら、アリウス自治区を支配する生徒会長へとなった。
敗者側であるベアトリーチェの前生徒会長は死亡、当時の副生徒会長は行方不明となっている。
そんな歴史をもって今のアリウスがある。
怒りで立ち上がるベアトリーチェは次の瞬間には残った左腕も肘から先が消える。
「我等は灰かぶり。
本来はこの地にいない、ただの余燼に過ぎん…。されど人は虚しさだけでは生きていくことはない。故に去らば、マダムよ」
BASHOシリーズで組まれた機体【アストヒク】の左腕、振り上げたパルスブレードが切り返すように振り下ろされる。
煙と砂煙を上げて、ベアトリーチェがいたところをパルスの奔流が溶解させるが…
「クックックッ…すみませんが、まだ彼女を失う訳にはいかなくてですね。」
「黒服か…貴様なんのつもりだ?」
パルスの奔流がベアトリーチェを細胞一つ残らずこの世から消し去る刹那、黒い渦に吸い込まれ消え去る。
崩れた聖堂の入り口、アストヒクの背後に唐突に現れた黒いスーツ、黒い人影にひび割れた白い光を出す不気味な存在にアストヒクのパイロット…土塁マヤが忌々しげに右手に握るライフルを向け、黒服の背後にALBAフレーム、スティールヘイズ・オルトゥスの右手に握るニードルガンを向けて、ラスティも忌々しげにそれを見る。
「黒服、確かに君には色々手助けをしてもらった。オルトゥスの最低限の修復、我々の今回使用する弾薬の譲渡…だが、マダムの救出は契約外だ。」
「然り、貴様が重要視するのは契約であろう。
ならば…その契約を破れば死、あるのみなのもわかっておろうに。」
「クックックッ…。
確かに、私と貴方がたとの契約ではマダムの生死について結んでおりません。
ですが…結んでいないからこそ、回収しても契約違反になりません。お互いの認識の差は大事ですが…契約は契約ですので。」
ちっとラスティが舌打ちする。
確かにそうなのだ。
今回、マヤとラスティがアリウス自治区でのテロ行為にあたって黒服と結んだ内容は大きく分けて2つ。
アリウス自治区郊外の更に奥、ベアトリーチェの目が届かない場所で大破状態で転がっているスティールヘイズ・オルトゥスの最低限の修復に必要なパーツの譲渡、コアパーツのコックピット内装の変更、並びにスティールヘイズ・オルトゥスとアストヒクが今回の動乱で使用する弾薬の調達。
これが1つ目の条件であり、2つ目の条件はマダムベアトリーチェとの戦闘で勝敗に決着がつくまで一切の手出しをゲマトリアがしないということ。
そして黒服側がラスティ、マヤより受ける見返りはACの起動時のデータ、並びに武装の威力などの細かいデータ取りである。
黒服の見返りは十分とは言い辛いもののある程度回収ができた。
そして今回の契約の穴は2つ目であり生死を決めてなったものではない。
【勝敗がついたら】契約は終わりなのだ。
マダムベアトリーチェも手が片方でもあればまだ負けていないと言ってもいい。
だが両手を失えば人によっては敗北判定を出す。
これによって黒服はマダムは負けたと判断し契約も終わったのだ。
「………ならば去れ、黒服よ。
我等は新たなアリウスに火を焚べねばならんのだ。」
「ククク…えぇ、ですが今回予定よりいいデータを取らせていただいた、ですので少しばかりの謝礼を、アリウスの立地では現金など受け取っても嬉しくないでしょうし、食料…という形に変えて置かさせていただいて居ます。では…」
銃を構えた2機のACの前で黒服と呼ばれる男が溶けるかのように空間に消えていく。
マダムベアトリーチェの敗北。
本来あり得た歴史の中でも、ベアトリーチェは敗北する。
だがその歴史よりも半年以上前に訪れた敗北はこのキヴォトスの未来に何を起こすのか。
それは未だ分かるものもおらず、未だ観測する者もいない。
『トリニティが一つに纏まる調印、そしてそれに反対し地下に追いやられた我等アリウス!
そこに手を差し伸べる者はユスティナ生徒会であり我等を害しながらも助けの手を差し伸べた!
我等は歴史に消え、地下深くカタコンベの最奥にてひっそりと暮らすただ悲しみと虚しさを携え、生きてきた!
だがその虚しさを利用した大人による支配は今終わったッ!
我が名は土塁マイッ!かつてアリウスが生徒による統治をしていた頃、当代の副生徒会長として指名されていた者である。
あぁ、確かに我等は幸福と程遠いアリウス…。
だが我等が虚しさに塗れ、希望を忘れようと我等が希望を失う理由にはならん!
度重なる戦いにて灰を被ろうと!
いかに虚しさだけがあろうと!
灰被りて我等あり!今一度立ち直ろうではないか。アリウスよ!
そして今一度今を生きる世界を皆で見ようではないか!
この暗い天井の果てに未来があるとッ!』
本来虚しいと全てが無意味だと語る子たちの未来は本来あり得た世界線からズレていく。
別の世界線から紛れ込んだ者たちによって変わっていく、この世界の果てに未来があるだろう。
本来あり得たエデン条約の物語もこれにより書き換わっていく。
知り得た物語が知り得ぬ物語に変わっていく。
誰も分からぬ未来へ導かれる為に。
名前:土塁(どるい) マヤ
武器:アサルトライフル&サバイバルナイフ
所属:旧アリウス自治区生徒会副委員長
年齢:18歳
詳細
機体名アストヒクパイロット、サム・ドルマヤンがキヴォトスに転生した姿。
この世界線では十年前にアリウス内戦が起きており、当時のアリウス生徒会長が死ぬ前にまだ幼いマヤの高い戦闘能力から、この内戦を終わらせてくれる者として、マヤを次代の副生徒会長として指名した。
ただ生徒会長の死後、副生徒会長は殿を務め行方不明、旧生徒会陣営は敗北し、マダムベアトリーチェが支配するアリウス自治区となった。
実は愛機のアストヒクもこのキヴォトスに来ておりレイヴンの火で装甲表面を焼き、装甲を焼き切る前に崩落してきたグリッドの破片などに埋まったことで中破で済んでいた。
十年間をマダムの下で従うふりをしつつ、外に任務で出た際に修理に必要な工具などをパクリ、十年かけてアストヒクの修理を行っていた。
彼女にとっての前生徒会長にアツコが次代の生徒会長と教えられており、この時期に決起したのはアツコが十分に育ち、その回りのスクワッドも成長したことでもし失敗した場合はラスティに、スクワッド四人を攫わせてアサルトブーストでアリウス自治区を離脱させる作戦であり、その速さに耐えうる体ができるのを待っていた。
この後、混迷するアリウス自治区の統治をある程度しつつ外に出て食料調達、新たな生徒会アリウススクワッドの手助けをしつつ自分は生徒会の立場から退いて、インフラを整えることに従事している。
名前:ラスティ
武器:スタンニードルガン&サバイバルナイフ
所属:アリウス
年齢:17歳
詳細
機体名スティールヘイズ・オルトゥスのパイロット、ラスティがキヴォトスに転生した姿。
苗字を知るものはもはやドルマヤンのみで他に居らず、また名はラスティとしか名乗らないため本来の名は別にあるのではないかとサオリとアツコに思われている。
アリウス内戦時代は僅か七歳ながらも当時の生徒会陣営として参加、公的には当時の副生徒会長は行方不明となっているが当時離脱しそこねたラスティを庇い、ヘイロー破壊爆弾の試作品で命を落としている。
ヘイロー破壊爆弾の使用者は後に口封じの為にマダムに殺害されており、また爆弾の衝撃でアリウス自治区を流れる川に副生徒会長といっしょにふっ飛ばされて遺体は回収できなかった為に、副生徒会長の最期を知るものはラスティのみである。
ラスティがマダムに復讐を誓い、キヴォトスで貰った名を捨てたとき、それに世界が応えたのかアリウス自治区のマダムベアトリーチェの監視の目が届かない場所に彼女が前世の棺桶としたスティールヘイズ・オルトゥスが現れた。
スティールヘイズ・オルトゥスは621との戦いで左腕が肩からレーザーブレードで左背部の武器ごと切り落とされ、ニードルミサイルも二基ある発射口の片方が潰され、頭部の右側もガトリングガンを投げつけられそのままルビコン空手を食らったことで潰れており、彼の前世の死因であるコアパーツ右側脇腹にあたる箇所をパイルバンカーで貫かれていた為に、修復がなければ起動すら出来ない状況だった。
ラスティも同じく修理をする為に外にマダムからの任務で出た際に使えそうな機械や工具を盗んでは修理をしていた。
だがコアパーツの最低限の修復と強化人間でなくなった為に起動できても操縦性が悪くなっているのを、今回の騒動を起こす半年前に黒服と契約し、ヘイローに干渉することで思考を読み取り動かすミレニアムの無人機の遠隔操作技術を利用した新型のコックピット、修理に必要な最低限度のパーツと弾薬を供与を行われ、最低限動けるようになっている。
この動乱後、マヤと同じく混迷するアリウス自治区の統治に協力し新たなアリウス生徒会のサポーターとして活躍している。
もちろん食糧確保にも貢献していて前以上に食糧が食べられるようになったアリウス生達からは人気が高い。
機体名:アストヒク・A
パイロット:土塁 マヤ
HEAD:AH-J-124 BASHO-R
CORE:AC-J-120 BASHO-R
ARMS:AA-J-123 BASHO-R
LEGS:AL-J-121 BASHO-R
R-ARM UNIT:MA-J-200 RANSETSU-RF-R
L-ARM UNIT:HI-32:BU-TT/B
R-BACK UNIT:NO DATA
L-BACK UNIT:NO DATA
詳細
土塁マヤの乗機、アストヒクのキヴォトスに流れ着いたものを損傷していた箇所を最低限修復した姿。
全身の装甲に表面が溶解した跡と一部の装甲が剥がれ落ちて内部のケーブル等が露出している。
アストヒク・Aはアストヒク・アリウスの略称であり、背部の武装は全て整備のために外していたのもあり、ルビコンでレイヴンの火が発生した際の初期衝撃波によって落下してきた格納庫の天井に押しつぶされて爆散した。
またその爆発で格納庫内に貯蔵されていた弾薬に引火して爆発を起こした為に、格納庫を隠していたグリッドの一部が崩落、崩落したグリッドの残骸が格納庫の壁や天井等がアストヒクの拘束ごと押し潰したが堅牢なBASHOフレームのお陰で機体自体は中破程度で済んでいたものの、コア拡張機能が発動が不可能になっている。
腕部武装はメンテナンスが終了し装備していたため最低限武装を持っていたが弾薬がワンマガジンのみだがベアトリーチェ相手ではワンマガジン以下でも十分だった。
BASHOフレームのパーツ名とRANSETSU-RFにRが付いているのは最低限のリペアということでR(リペア)と名付けている。
機体名:スティールヘイズ・オルトゥス=A
パイロット:ラスティ
HEAD:EL-PH-00 ALBA-B
CORE:EL-PC-00 ALBA-B
ARMS:EL-PA-00 ALBA-RB
LEGS:EL-PL-00 ALBA-B
R-ARM UNIT:EL-PW-00 VIENTO
L-ARM UNIT:NO DATA
R-BACK UNIT:EL-PW-01 TRUENO-R
L-BACK UNIT:NO DATA
詳細
ラスティの乗機、スティールヘイズ・オルトゥスがキヴォトスに流れ着いたものを最低限度の修復をした姿。
621に敗北した状態で流れ着いており、左側の武装を全損失。
また左腕も肩から失っており、背部のニードルミサイルも二基ある発射口の右口が潰され、コアも脇腹を貫かれ修復をしなければまず起動もできないような状況だった。
ある程度の修復はラスティとマヤの両名で材料を持ち込み直していたが、コアの修復に希少金属が必要で修復のめどが立た無いのと、強化人間でなくなったラスティではルビコン時代より操縦性が悪くなっている問題をどうするかという課題をトリニティ自治区の端でマヤと任務中に話し合っていたときに、黒服と遭遇。
契約を結ぶ事で、修復に必要な材料と最低限の弾薬の供与を受けて、マダムベアトリーチェの打倒に成功している。
本機のパーツの型番についているBはブレイクの意味であり、ARMSのRBは右腕のみ残っているため、ニードルミサイルのRは右側の砲門のみ、という意味である。
ヘイロー・操作コックピット
ヘイローから発生する神秘に干渉することで無人機を遠隔で操作する為の大型装置。
ミレニアム・サイエンススクールで開発された物で、安全性は確保されており、ミレニアムではACのコックピットのよう形状ではなく半円状のドームのようなものの中で専用のパイロットスーツを着ることで、体表を流れる神秘と生体電気を感知することで人間が体を動かすように対応した機体を扱える技術。
黒服はこのドームの部分をコックピットブロックに形状を変えたものをラスティに提供し、これによりスティールヘイズ・オルトゥス=Aを強化人間のころと同じような操作感覚で扱える。これまで使っていた強化人間用のコックピットブロックとの換装機器も貸し出している。
遠隔で無人機を扱う為の技術だが、流石にACサイズを遠隔で動かすほどの通信設備がアリウスにないためにコックピットブロックとして組み込むことでその欠点を解決している。
レッドガンのACも同じ技術を採用しているがレッドガン側はスラスター起動等に用いるスティックタイプの操縦桿やボタン配置などをコックピットブロックに採用している為、ガンダムシリーズのコックピットに似ているが、ラスティのは神秘と生体電気のみでの感覚による操縦でありエヴァににた腕で握る可動式の武器を握る感覚をもつために付けられた操縦桿のみのコックピット内になっている。