これから原作からはズレていき、そして私の見たアメンドーズからの光景を見せていきましょう。
後書きに今回のものの軽い詳細が書かれています
昔の事を思い出していた。
時間は巻き戻ることはない。自分には眩しすぎる…そして贅沢すぎた私の青春。
私から手放してしまった。
全ては、私のミスでした。
だから
ただただ暗く、自分を照らす灯りがあるだけの狭いカイザーに押し込められた世界で小鳥遊ホシノは懺悔する。自分の短絡的だった。
あぁ、ユメ先輩、ごめんなさい、ゴメンナサイ…
小鳥遊ホシノは涙を流す。
そしてその涙が頬を伝い、顎先に溜まって涙が落ちた途端。
ー先生、あなたの到来をお待ちしておりました。ー
ーいえ、この声は貴方には聞こえない事でしょう。ですが私は私という【黒服】という名において貴方に宣言をしなくてはなりません。ー
ー…我々はゲマトリア、神秘を観測し、神秘を明かし、探求するもの【でした】。ー
ーそう【でした。】私は、いいや、たった一人を除いて我々ゲマトリアは至ったのです。数多の終わりに。ー
ー数多の始まりを重ね、数多の終わりを積み上げて、なおまた始まりをまた一つ積み重ねましょう。ー
窓からの月明かり、それだけを光源としてたった一つ業務用の机と椅子、それだけしかないアビドスのどこかにある人の息吹を感じない殺風景な部屋。
その終わりの部屋で言葉を紡ぐ一人の異形。
人の形こそしているが頭部は人とは言い難く。
されどその言葉には理性がある、ゲマトリア所属【黒服】。
それが
ー…暁のホルスが死の神に敗北し
ー…一人で世界の滅びに対抗しようと自己犠牲に走り
ー……これ以上は語るのは辞めましょう。我々にもこれは重ねた記録の中で初めての試みです。ー
神秘とはなんなのか、そして名も無き神々とはなんなのか。
遥かなようで遠くなく近いと言えば遠きその未来の果て。
重ねた我々の記録を大きく覆すべきものが必要でしょう。
さぁ、先生、喝采を。
歴史を変わる転換点です、我々はゲマトリア…神秘を観測し、神秘を明かし、
ー先生…ゲマトリアは貴方を何時でも見つめていますよ?ー
カイザーPMC基地。
強制監査を受けるその前日。
もう招集を受けたレッドガンの大半がアビドスの住宅地と砂漠の境界で運用される兵器群の整備と、人員の弾薬補充や食糧の配給に並んでいた二十二時ごろ。
それは起きた。
「ち、地下施設の隔離C倉庫より異常エネルギー反応ッ!?エネルギー反応増大中です!」
「隔離倉庫への送電を強制ストップしろ!あそこには採掘した無人兵器しかない!電力を奪い、起動しようとしているのを阻止しろ!!」
カイザーPMC基地司令部、それはアビドス高校本校を取り囲むように建造された難攻不落の要塞とカイザーグループが評する最大規模の基地の地下に設けられた心臓部だ。
もし攻め込んできたとしてもアビドス砂漠で採掘し、修復した有人兵器、そしてPMCの名の通り訓練を積み重ね育成された複数の精鋭部隊にカイザーグループで製造されたゴリアテや戦車など。
三大校の学区内に建設された分社達とは比べ物にもならない戦力を備え、強制監査を待ち受けていた。
連邦生徒会も強制監査と言ってはいたがそんなものは知らないと貫き通し、その間に証拠を完全に隠滅してしまえばいい。
いくら武力で強制監査を行おうとしても、こちらとしては正当な会社の備品や建造物を侵害されたというお題目で撃退してしまえばいい。脆弱な連邦生徒会の戦力、そしてそれに追加されたレッドガン程度の戦力なぞ跳ね除けてしまえばこちらのものだと…そう思っていた。
「ダメです!?送電全カットしてもエネルギー反応増大止まりません!?」
「謎のエネルギー反応熱を発しています!このままでは隔壁の許容熱量に届いて!?」
「えぇい!隔壁の封鎖そのまま!!通気ダクトを全開にしろ!熱量を少しでも外に排熱処理!急げ!」
このカイザーPMC基地、表層部分は基本的にはダミーに近い。
表層はカイザーグループで製造された新型兵器の整備工場や兵士達の駐屯所となっている。
そこから地下に伸びる形で機密区画が建造されており、アビドス砂漠で埋没していた兵器群を解析、再建造する区画や対デカグラマトン用の兵器群が作られるのもこの地下であり、今一番問題を起こしている隔離C倉庫。
その隔離C倉庫も地下に存在する特別なものだ。
ゲマトリア【黒服】によって提供された兵器。
【太陽】の名を関する無人兵器を組み込んだアビドス砂漠で採掘、破損していた巨大兵器を修復し、対デカグラマトン最終決戦兵器として完成させた機体の専用格納庫だ。
その倉庫が異常な熱量を内部から発生させ、また異常なエネルギー反応を増大させている。
「原因の究明はまだか!!これはビナーへの最終兵器なんだぞ!?黒服を呼びだッ
地下施設に大穴が開き地上への道が生み出される。
膨大なエネルギーは
今一度、このアビドスという地に再誕せし
IB-04 SKY WHALE【オシリスの夢】
コーラルを動力とした超巨大無人機をアビドス砂漠で採掘したもの。かつての技研のコーラルが噴出する海底に存在した地点を守護していた兵器。
動力を失った状態で埋没していたが黒服がどこからか調達してきた太陽の名を持つコーラルを動力とした無人機を接続することで対デカグラマトン用の最終兵器としようとした。
だが小鳥遊ホシノの涙に中に眠っていた者が呼応しそれに目覚めた。目覚めた神はオシリス。まだ夢に揺蕩いまた子を愛すユメの狭間にいるものである。