今回は一応レッドガンらしく基本的には依頼の公示です。
最初のレッドくんの名前が出てない頃の公示内容が好きなんですよね私。
ちなみに作中ではコーラルは今まで発見されていなかったと書いてありますが実はとある場所で確認はされています。
ただキヴォトスの地表に暮らす生徒たちには一切見れないし到達できない川でのみ確認されているため一切知られてはいませんでした。
アビドス砂漠の各地より赤い粒子が膨大なまでに空に向けて湧き出す。
あるときは地下水脈を伴って、またあるときは岩から水が染み出すかのように赤い粒子は地表に染み出しては、自分たちを呼ぶ者目指して集結する。
その粒子の名はコーラル。
このキヴォトスにおいては今まで発見されていなかった万能物質である。
その粒子達が集結し、アビドス砂漠上空で広大な大海を形成する。
その大海を形成し、そしてその海を泳ぐ唯一の主が跳ねる度に波を産み出しては消えて、また波を産み出す。
SKY WHALE。
黒い堅牢な装甲とヘイローを携えた主はその身を動かすコーラル・ジェネレーターに呼応して集結したコーラルの大海を伴い、移動を開始する。
もちろん這い出してきたカイザーPMC基地とて野放しにしたわけではない。
取り押さえる為に動かせる兵力を動員してどうにかまた地下に封印をしようと画策こそした。
ゴリアテ3機、戦闘ヘリ12機、戦車32両。
たった2分で壊滅させられたカイザーPMC基地で即応で回せた兵器群である。
もちろんこれに含まれない歩兵部隊等もいたが、そんなものたった2分の余波に巻き込まれるだけで壊滅してしまった。
象と蟻はよく戦力差等で聞く対比ではあるのかもしれない。
だがそれを越えた鯨と蟻では悲惨さはもっと酷い。
カイザーPMC基地はその余波で被害が広がり再建すらきつい事だろう。
そんなこともつゆ知らず、紅き海を空に携えて、鯨は立ち去っていく。
目的地は、アビドス旧市街地。
今は人も滅多に来ない地である。
現アビドス市街地。
今現在のアビドス高校周辺と、その周囲から砂漠の境界付近までの広大なトリニティの個人2名が商会を通して保有している土地。
その中でも大きいアリーナ、キヴォトスで行われる通称アップルと呼ばれる球状の手榴弾をボールとした野球の為に嘗て建造された施設である。
各地から呼び出しを受けてアビドス地区に来たレッドガン部隊の実に3分の2が今ここにいる。
「レッドガンに所属する諸君!シャーレの先生ミシガン総長、並びに連邦生徒会の連名による依頼を公示する!」
そのレッドガンに所属するトリニティ生、ゲヘナ生、ミレニアム生や、その三大校に所属しない学園所属生も混同してある程度だけ学園ごとに分かれる前で声を出しレッドガン所属の現在第六隊長としてG6を預かるレッドが、新たな依頼を掲示する。
「今現在、三十分前ほどにアビドス砂漠奥地にて急遽発生した爆破事故。
その正体が判明した。
SKY WHALE、それが事故の正体であることが判明している!」
そのレッドの背後にある大型液晶パネルに、急遽発進したHC、並びにLC部隊による映像中継と照明弾によって姿が暗い深夜に差し掛かったアビドス砂漠上空に浮き上がる。
周囲の砂漠の砂から赤い粒子が溢れては、その黒い巨体を持つ機械の周囲を濃く紅い海を形成している。
推定450m以上、胸ビレ、尾ビレと腹部、背部より紅い噴出炎を噴き飛行するそれは黒い装甲と多関節で生物的な動きを再現している。
その巨体だけでも異質なそれはより異質なものが存在している。
ヘイロー。
今現在生徒のみに確認されているはずのそれが機械についているのだ。
「今現在、この兵器はアビドス旧市街地に向けて時速40km程と大変遅く飛行している。
もちろん我が方もこれを撃墜する予定ではあるが……」
大型液晶パネルに映し出されるSKY WHALEに対して一斉にHC達から発射されたミサイルが殺到する。
ミサイルがその黒い鯨の体表に多数着弾し照明弾で明るくなっていた砂漠をより明るくさせる。
盛大な爆発映像に、そこに集っていた生徒たちは歓喜の声を上げて喜んでいる。
爆発こそ花火感覚なキヴォトス人にとっては綺麗な映像程度だが…その爆発の爆炎の中から悠々と黒い鯨が現れる。
しかも装甲に薄い傷が付いている程度で。
普通の兵器が直撃を受ければ装甲が大きく脱落、または大破するほどの火力であるはずなのにだ。
その光景を見て映像に喜んでいた生徒たちも固まる。
「このように我々と同じように、ダメージをまったく受け付けていない…だが連邦生徒会よりこの兵器が脅威として認定され、総力戦に移行するものとすると連絡が来ている!
そしてシャーレ所属ミシガン総長より、現在より我が方の兵器の特化運用、並びに防衛ラインを引くように要請が来ている!」
液晶パネルに映し出されていたHCやLCの追撃を受けながら逆に口部を開いて赤いレーザーを放ち、散開させることで隊列を乱している場面から変わり、大雑把なアビドス全域地図が映し出される。
SKY WHALEが現在紅い海を航行する地点はカイザーPMC基地より十km程度の地点だ。
そこから更に旧市街地は約百七十kmほど離れた地点となっている。
その映し出された地図に3つのラインが引かれる。
旧市街地より百五十km地点、百km地点、そして最終防衛ラインと書かれている三十km地点である。
「今現在、第一防衛ラインでは無人の攻撃ヘリによる飽和ミサイルが予定されている…だが、諸君らが先ほど見た通り、この飽和攻撃でも止まることはないだろう。
第二防衛ラインでは同じく、飽和攻撃が敢行されるが先ほどの無人ヘリだけではなく、迫撃砲、無人戦車、遠距離からの巡航ミサイルも加わり苛烈になる予定だ。
だが我々は最悪の場合は想定している。現在、最終防衛ラインには急造ながら最終ラインらしくできうる限りの兵器を集中して集積中だ。」
液晶パネルによく見られる戦闘ヘリが映り、次に戦車や迫撃砲、ミサイル発射用の車両が映っては消えていき、最後には最終防衛ラインとされる地点とそこに順に戦車やパワーローダー等が運び込まれる映像が流れていく。
「諸君らには今、集積されている設備を所定の位置への配備、並びに弾薬の補充を仕事として公示する。
もちろんこの最終ラインが使われないことが最善だが何事も備えあれば憂いなしというものだ。」
続いて映像が切り替わり今度はSKY WHALEの全体像と構造が映し出される。
普通はまず持ってないはずの構造設計図まで映し出されているが悲しい事にあまり学のない彼女たちにそこまで気にするものではないが中にはもちろん学有りもいる。
その子達はあまり口出しはしないが疑問を飲み込むだけの頭の良さも持つ。
「あまり言うことではないが…現状、我が方では最終防衛ライン以外での撃破を行えないと思っている。第一防衛ライン、または第二防衛ラインでも足止めを目的であると言っておく。
波状攻撃したところでやつの足止め程度が限界だろう。さて、この図面だが…SKY WHALE下部にはかつて、物資輸送用の保管庫だった部分がある、最終的にはここより整備用の機器を搬入し長期間の整備を行う前提の部分だが…」
パネルに映し出されているSKY WHALEを横から見た図面が拡大され、鯨でいう腹皮の部分が赤く明滅する。
まだ巨大な輸送艦として利用されていた頃、この部位には多くの物資が積み込まれて飛行していた。
そしてその後に無人兵器化した後は約5年程度の活動期間を終了後、一度整備拠点に帰還後長期間の整備を受けて再度の出撃をする。
「大きく改造されていないのであればこの整備用部の後方に開閉口がある。その開閉口から侵入、そして内部を移動し動力炉を破壊、または無力化することで本兵器の完全無力化を目指すものである!
…最終防衛ラインでは完全無力化されていない本機が到着してしまった場合、どれほどの被害が出るかは計り知れないため、諸君らの退避を推奨する。さて…」
これまでたくさん映し出されていた液晶パネルの映像がどんどん消えていき最後に3機の兵器が映し出される。
「今現在、突入作戦は我がレッドガンの精鋭、私G6レッド並びにG5イグアス、G4ヴォルタの新兵器によるアビドスの精鋭との計6名によって行われるものである!以上!諸君らの健闘を期待する!」
液晶パネルに映った3機の兵器も消え、レッドの言葉を最後に皆が一気に動き出す。ドームの外にある依頼を受けた者用の足である車、戦車、果てはホバークラフト等も動員して最終防衛ラインに向けて向かっていく。
レッドはそんな公示を受けた者たちをみることなく、自分の機体、ハーミットⅡの元に歩いていく。
その先にはアビドスの戦闘員三名、本作戦のオペレーターアヤネ、そして二人の先輩とヘッドブリンガーⅡ、キャノンヘッドⅡがいる。
本来ACとは一人乗りだ。
だがここはキヴォトスだ。強化人間をパイロットとして必要な機械も、また強化人間がACを操縦するための専用デバイスも必要ではない。
つまり新たな改修が行われたACにはそのパーツが全て変更され、ヘイローに少し干渉することで操作が可能なミレニアム製の遠隔操作用のコックピットの改造品が取り付けられた。
これにより1人乗りから最大でギュウギュウ詰めにこそなるが3人乗りまで行けるようになった。
ハーミットⅡ、ヘッドブリンガーⅡ、キャノンヘッドⅡの頭部カメラアイが赤く光る。
「総員搭乗!現場に着くまでに本作戦の概要、並びに順路をミシガン総長より預かっている!心して聞くように!」
ハーミットⅡにはレッドとセリカが
ヘッドブリンガーⅡにはイグアスとシロコが
キャノンヘッドⅡには体格の関係上で少し狭くなっているがヴォルタとノノミが搭乗する。
今回の作戦では武器が特に必要でないため、ハーミットⅡとヘッドブリンガーⅡは全武装を、キャノンヘッドⅡは腕部のグレネード砲以外を外し、二脚の二機はキャノンヘッドⅡの肩を掴む。
キャノンヘッドをメインスラスター、他二機をサブスラスターのようにして、3機でアサルトブーストを起動し夜の砂漠をかっ飛んでいく。
この巡航速度であれば三十分程度で目標と接触ができるだろう。
砂漠の夜に紅い海とオレンジ色の流星が走る。
未来が変わったこの世界でどちらが勝るのか…それはまだ分からない。
ハーミットⅡ&ヘッドブリンガーⅡ&キャノンヘッドⅡ
基本的には一部パーツを変更、詳しくは11話をご覧ください。
大きく変更された部分はコックピット周り、従来のものでは強化人間用の接続プラグ、並びに接続後に機体を満足に動かすためのシステム面を積み込むための機器を積んでACのコックピット周りが圧迫されていたとしています。
それをミレニアムのヘイローが生徒の意思と共にあると考えられそのヘイローを観測するために機械に干渉させて、どの程度機械に干渉できるかでヘイローの強さを確かめた機械をコックピット仕様に改造したヘイローの干渉でどこまで機械を動かせるではなく、ヘイローの干渉で機械を動かすを前提としたものに変えて組み込んでいます。
もちろんこの組み込まれたものは事前にミシガンが来る前から改修されて現地で作られたMTモドキなどで実装してちゃんと実証実験済みです。