あの半日程度ながら数日にも感じたドタバタ劇から3日目。
俺は…
「貴様らァッ!何をしていた!俺がいない間随分とぬるま湯に使って堕落したらしいなァ!」
連邦生徒会直下の組織シャーレ近郊の運動場を特別に貸し切り、レッドガンのメンバーどもを扱いていた。
あの後少しシャーレ内部の設備を確認した翌日に再度オオサワ達と会い今現在のここ、キヴォトスにおけるレッドガンメンバーの連中がどこまで合流できているか。また誰がどこの出身校であり今どのような状況なのかを整理に要していた。
その結果Gの大半はまだ見つかっておらず基本的に整備班、俺のライガーテイルや各G達のACの調整やMTの整備を行い場合によってはアマゾン級の整備もしていたメンバー達の実に9割近くがミレニアムサイエンススクールの出であり休学、または停学処分を食らっていることが分かった。
逆にゲヘナ学園、トリニティ総合学園の二校、ミレニアムを含めた三校がこの学園都市キヴォトスの三大校と呼ばれるくらいにはでかいらしいがゲヘナ学園はガラが悪かったメンバー、具体例を上げるならばG5イグアス、ケネベック等が一応は在籍状態で特に停学等にもなっておらず。
逆にトリニティでは比較的学が出来たやつ、G4ヴォルタ、オールバニー等が在籍していた。
こちらも停学等の状態になってはいなかった。
初めトリニティはお嬢様校と聞いた時ヴォルタがお嬢様…?となったがまぁ五花海の奴に商売を教わっていた。
その関係で猫被りも上手くなったと見える。
レッドガンの状況を確認しつつすぐ動ける人員を午前中に召集しある程度の自己紹介による誰が誰か顔を今一度覚えつつ、午後からは連邦生徒会から降りてきた仕事を分担して行うことでどのような業務が基本的にくるか、シャーレはどの学園の生徒でも在籍させられるという特徴からレッドガンメンバーをいれることでマンパワーによる業務の高速消化を行った。
これにより最初はどれだけ仕事がこなせるか様子見を行う目的で送り込まれた業務は約三日分の仕事量をこなす事で空いた2日分の時間でレッドガンの再編を目指した。
初日はそのように過ごした。
シャーレに着任後二日目は一応の上司に当たる連邦生徒会会長の代行である七神に近郊にある運動場を貸し切りで一日借りたいと打診をした。
なぜか俺がこの世界に来てから持っていたクレジットカード、レッドガンのG1、つまりは俺のエンブレムが彫刻されたカードを詳しく確認したところあの世界、ルビコン3で死ぬまでに稼いで貯金していた金額丸々が入っていた。
額が額なので全額引き下ろしができないだろうが膨大な迄の額があったのだ。
その金額を少し消費…約500万くらいだろうか。
この世界ではコームではなくクレジットという単位らしいがその程度消費することであの事件時に破損して復旧を開始する段階の近場の運動場で良ければ即日にでもということだったのでその言葉に甘える形で貸し切りに成功した。
そして直ぐ様に招集できるメンバー、つまりは休学組と停学組を集め二日目は己たちが得意とする武器、または使用する車両などの点検道具やパーツの買い込みに奔走した。
聞くところによればブラックマーケットと言う連邦生徒会の力の及ばない所で購入した車両や整備道具なためどうやっても中古品や出が怪しいらしく、総長さえ良ければ整備に必要なもの一式を購入してほしいとのことだった。
こちらとしても信用のおけないものを部下に使わせるわけにもいかないために整備班組から猛烈にここがいいとプッシュされたミレニアムのエンジニア部に整備機器と道具を、部品のパーツは製造メーカーに直接問い合わせたところ今現在学園にしか降ろせないということだったのでオオサワ達が使っていたクルセイダーⅠ型はトリニティで採用されているとのことだった為、ヴォルタに発注できないかと打診したところなんとかしてやると良い返事が帰ってきたためヴォルタ任せとなっている。
そして来たる三日目、貸し切りとした運動場でその日召集できたレッドガンのメンツで軽い体力測定をしてみたのだが…
「けっ…なんで俺達までまたやるんだよ…」
「おい、イグアス…親父に聞こえるぞ」
全体的にルビコン3で鍛えられていた程のスタミナはなく、逆に無駄に銃撃に対するダメージに強くなっているような感じであった。
一般的な生徒たちよりは高水準の身体能力自体はある。
だがルビコン3時代に記録されていた身体能力より大体2割程度減、ミレニアムサイエンス組によっては最大で四割程度下がっているのが問題だった。
そのことに俺がいない間なにをしていたと激を飛ばしていると1500m走をさせていた、金髪で額右から湾曲する中半から折れた角を持つショートカットの歯がギザギザの左耳にピアスをしている見るからにガラの悪そうな女子としては168cmという少し高めな身長の小娘と、褐色肌で発育のいい体つきのより身長の高い173cm、黒髪ロングの黒い翼を腰から一対生やした小娘の話し声が聞こえてくる。
金髪の小娘イグアス、黒髪の小娘ヴォルタ。
ルビコンではガラの悪いヤンキーのような2名の姿がキヴォトスではこれである。
相手が小娘であろうとこのミシガン、容赦無し。
その悪態が聞こえた瞬間ミシガンのドロップキックがイグアスの背中に吸い込まれるように放たれた顔面から地面を削るように滑り約4m程を滑走する。
「ぐげっ!?」
「イグアス!?」
イグアスのやつからはよくわからない声を漏らしてケツだけを上げて沈黙し、ヴォルタはそんな相方の様子を見て懐かしさを感じつつもキヴォトスでは早々に見ない光景に驚いている。
「G5ゥ…貴様話せる余裕があるとは体力が有り余っていると見える!その数mはおまけだ!ぺらぺら喋ってる暇があればさっさと完走しろッ!」
他のレッドガンメンバー、もちろん整備班組ももれなく参加させられているこの身体測定内での肉体言語による説教はレッドガンの時代からよくあったものだ。
だがその中でもGの名を与えられた者たちは特に厳しく見られているのは昔からでありそれを含めて皆が懐かしさを持っていた。
「オオサワッ!貴様計測方法はcmだと言ったはずだ!だれがmで計測しろと言った!」
「えぇ!?了解です!総長、書き直します!」
またある時はオオサワが砲丸投げで細かい違いはどういったところにあるかという検証からm式ではなく、cm式を採用して行われたのを間違えて記入し小数点2桁まで書かれたm式の物をcm式に書き直し。
「この記録…ヴォルタか、じゃあこの記録は…」
「あぁ、イグアスだろう?ひよってすっぽ抜けたとか」
「無駄口を叩くな!オールバニーッ!イグアスはお前らの記録より2倍は飛んでいる!だがヴォルタはその二倍かっ飛ばしただけのことだ!」
ボール投げの記録では整備班のケネベックが記録の整理をしていた所をオールバニーがちょっかいをかけては俺に激を飛ばされている。
大体ヴォルタが120m、イグアスが63m、他の奴らが上澄みでも40m。
オールバニーの記録が29mなのでこの世界では強化人間というものは存在しないが元強化人間であればある程度一般生徒より高い補正があるようだ。
逆に言えば強化外骨格等の恩恵で強化人間にならなくてもMTの操縦などに支障のないMT乗り等は対して一般生徒との大きな差はない。
逆に一部オールバニー等は標準を下回っている事からそこは普段から鍛えているなどの違いだろう。
「……不甲斐ないです…総長…。」
「最下位は数学が得意なオオサワか!貴様はまずランニングの時間を三十分から増やしていけ!そうすれば全体的に鍛えられていく!」
この身体能力測定最下位は予想外にもオオサワだった。途中の記録的にオールバニーがやや悪く最下位候補だったが最終的に数値を点数化し合計点数で順位付けをしたところやはりGメンバーが強くヴォルタが一位、イグアスが二位でなんと3位は整備班のポトマックだった。
他の整備班は最下位争いにほとんど入っていたというのにその中でも異例の上位3名に入るという健闘ぶりである。
逆に最下位は戦闘班であるオオサワだった。オールバニーとは実に1点差という接戦であり他の整備班とも僅差だったことからこの二名は相当浮いた存在になったがオオサワとオールバニー。
二名はこの世界に来てからは体を鍛えるというより戦車の操作などが基本的な役割になっていたオールバニー、オオサワはカイザー・グループの販売しているゴリアテという二足歩行型兵器をミレニアムサイエンススクールが技術解析をすることで開発した新型の無人警備用兵器のモーションキャプチャーなどで時間を取られていた時期があったらしくそのせいで鈍っていたようだ。
どうやら戦闘班であるというプライドが大きく傷つけられたようで号泣しながらこちらに謝罪してくるオオサワに鈍った体を戻すべく速く体をいじめ抜くのではなく最初はジャブからと告げて三日目の行事は終りを迎えたのだった。
ゴライアス
ミレニアムサイエンススクールがカイザー・グループが開発したゴリアテを一機購入し技術解析することで再設計された新型の二足歩行兵器。
二足歩行兵器と分類はされているものの、戦闘時は背部に取付けられた大口径のグレネード砲を安定した命中精度で撃つために腕部を地面につけての、ゴリラが練り歩くような半四足動物のような行動が取れるようにゴリアテとは関節部の重点的な強化による、可動域の広さと滑らかな動きが特徴的な差異として見られる。
胸部に普段は格納されており使用時は装甲が開いて展開される三連装の小型ミサイルで遮蔽物を消し飛ばし他の無人警備用兵器と同じように携帯している機関銃で鎮圧を試みるものの、それでも止まらない違反者の意識を消し飛ばすために背中部に大口径のグレネード砲を搭載している。
元々はゴリアテを重機に改造し、大きな備品や開発品の運搬を目的に開発されたのが経緯であったりする。
その為武装化はされずに無人機ではなく乗り込むタイプの有人機として開発されていた。
その当時の重機として開発していた頃にこのゴライアスのプロトタイプが2機作られており、一機は完全なゴリアテの武装解除と物を掴めるようにマニュピレーターをつけたゴリアテ簡易運搬型。
もう一機は今のゴライアスのように関節部の強化などを行った新規造形の新型でトライアル時にこのゴライアスプロトタイプに乗っていたのがオオサワだった。
その時のトライアルで優秀な成績を収めた関節部を強化したゴライアスプロトタイプを正式採用としてこの時に危険物の扱いなどもあるためオオサワのモーションデータを使った無人制御型が複数機が量産された。
ミレニアムサイエンススクールの保有する土地は無人警備のロボットが徘徊しているため比較的治安が良く大火力を求めた機体はいらなかったのだが、やはり治安がよくても美食研究会などによるテロややはり温泉開発部などによるこれまたテロも起こるため、危険薬品やとある部活の運搬物に組み込まれている時がある自爆システムの作動から内部の電子パーツなどを保護するために重装甲化を施された本機の半数が武装化して配備されるようになった。
実は連邦生徒会生徒会長が失踪した時の風力発電停止時に不良の襲撃を受けていた時に全機出撃しており、一機が戦車による集中砲火で撃破され、2機が中破した為に戦闘用に改造された機体の破壊されていた三機はオーバーホールレベルで工廠に運び込まれている。