「私は常に孤独なのかしら…、」
1人の少女が言う。
その少女は紅い髪を持つ人だった。
彼女の名は「愛」。
自然と人と人とを繋げるかのような
そんな心を持っていた。
だが、性格は暗かった。
愛は常に独りだった。
まるで誰かに会えないかのように。
愛は常に独りだった。
親も、兄弟も、身内も、物心ついた頃には居なかった。
それ故に、人との関わりは皆無と言っても
過言では無かった。
そんなある日。ある男が彼女に近づいた。
黄緑がかった黒髪に銀を基調とした服装。
キザだが根はいい奴だった。
名は「アニキ」と言う。
愛はそんな彼と仲良くなり、親友の関係までなった。
愛は楽しかった。
自分と心を通わせる人がいたことを。
愛は嬉しかった。
自分に同情してくれる人がいたことを。
さて、アニキと仲良くなってから
だいぶ経ったある日。
愛は質問した。
「どうして私と友達になろうとしたの?」
アニキは軽くこう言った。
「おれには生き別れた姉がいるんだ。
愛と一緒にいると、その人と接してる感じがするんだ。」
「生き別れた姉…。いつか会ってみたいわ。」
愛は言った。
そこからまたしばらく経ち、
愛はアニキと新潟へ旅行していた。
そのとき、悲劇が起こった。
2人は逃げた。だが、途中でアニキが負傷した。
愛はアニキを助けようとしたが、
アニキは大声で
「そのまま逃げろ!おれに構わなくていいから!!」
と叫んだ。
愛は躊躇った。だが、
アニキを助けようとしたときには既に遅かった。
結局逃げるしかなかった。
悲劇がおさまった直後、愛はアニキのもとへ向かった。
アニキは辛うじて生きていた。
愛は彼を救おうとした。
愛はチョットした知識人だった。
負傷者の処置も、ある程度出来るレベルだった。
だが、アニキはキッパリとこう言った。
「おれはもう無理だ。」
愛は言った。
「諦めないで!そんな簡単に捨てないで!!」
そう言ったものの、助かるかどうかも
怪しいラインだった。
「最後に1ついいか?」
アニキは言った。
「前に言ったと思うが、おれには生き別れの姉がいるんだ。」
愛は驚き、こう叫んだ。
「突然どうしたのよ!あと最後にとか言わないで!!」
だが、アニキは続けてこう言った。
「その姉というのは、愛。お前のことだよ。」
愛は絶句した。そして、一瞬彼女の時が止まった。
「家族に会えておれは嬉しかったよ。」
これを最後に、アニキが喋ることは無かった。
愛はまた独りになった。
そして、数年の歳月が流れた。
彼女は科学者になっていた。
そして、愛自身が作った薬を一気に飲んだ。
その後彼女がどうなったかは分からない。
「私は常に孤独なのかしら…。」
1人の検測車が言った。
その検測車の名は「E926形」。
周りからは「アイ姉」と呼ばれているものの、
あまり人との関わりは無かった。
あの時と同じように。
そのとき、ある男が彼女を訪ねてきた。
なんでも検査しに来たらしい。
その男は彼女を見ると、突然こう言った。
「オレのとこに来ない?」
アイは言った。
「えっ…?良いんですか?」
「ああ。さぞかし寂しいだろうに。。。」
その男は気前良く言った。
アイはその男の提案を受け入れた。
その男の名は「海志」。
後の「マンガッタンライナーⅡ」になる人だった。
呑気でドジなとこがあるが、
気前良く、人に好かれやすい人だった。
例えるなら「劉邦」と似たような性格だろうか。
アイは彼と同居して一週間後。
彼女は海志の妻になった。
そして、妻になってから、彼女は明るい性格になった。
アイは海志と共にいた。
まるで幸せが溢れるかのように。
アイは海志と共にいた。
お互いを認め合うかのように。
アイは今でも生きている。
夫の海志、彼の弟の新丸、その友人の勝二の4人で
仲良く、楽しく暮らしている。