MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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頭は悪いので、細かい矛盾は気にしないでください。


ヘンダーランドの大冒険
エピソード・1


転生というのをご存知でしょうか?二次創作でもありふれてるし、昨今では異世界に転生して主人公が無双したり、無双出来なくても知恵を駆使して頑張ったり、異世界に革命をもたらしたりと、異世界を舞台にした話は数多い。

 

何故この話をしたのかと言うと、私もそうだからです。

 

とはいえまさか…………マーベル世界に転生したなんて、思いもしなかったのです。

 

――――――――――――――――――――――――

 

気が付いた時、私は眠っていた。誰かに体を揺さぶられて、私は目を覚ます。

 

「アンタ、おいアンタ!大丈夫?」

 

「ん………あっ……へっ?」

 

私は体を起こす。体を長座位にした時に視界に映ったのは、広い草原だった。否、草原ではなく、公園の草むらで私は目を覚ました。

 

「……あれ?私、眠ってたんですか?」

 

「ああっ、気持ち良さそうにな。アンタ、ずっと此処で眠ってたんだぜ?」

 

私を起こしてくれたのは、初老のおじさんだった。

 

「す、すみません………」

 

「いやぁそれにしても、アンタは外国人なのに日本語上手いね。もしかして日本に住んで長いのか?」

 

「えっ?外国人?」

 

そんな筈はない。私はれっきとした日本人だ。

 

私は自分の手を見る。

 

おかしい。私の手はそれなりに手入れはしているが、それでも此処まで綺麗ではなかった。それに、分厚い黒いローブに手を通している。

 

それに、頬に触れると、心地よい肌触りを感じる。ニキビとかニキビ跡とかも無いように感じる。

 

よく注意してみると、頭に何か被っているようだ。取ってみると、魔女の帽子だと理解出来た。

 

「私……もしかして………」

 

私は自分の姿を確認したくなった。その時だった。

 

私の手元に、手鏡が出現した。

 

確かに自分の姿を確認したかったが、手鏡が何故出て来たのか分からない。

 

私は手鏡が出て来た事に疑問を抱きながらも、手鏡を覗いて自分の顔を見た。

 

そして、鏡に映る自分の姿に驚いた。

 

「………イレイナだ」

 

そう。其処には私ではなく、イレイナが映っていた。

 

魔女の旅々の主人公であり、世界を旅する魔女だ。

 

そんな彼女に転生した。

 

「………これは…確かにとても美しいですね」

 

イレイナの性格は大体分かっているが、これは確かに自画自賛するのも仕方ない程に美しい。

 

「いやぁ自分で自分を綺麗って言うもんじゃないよ。ろくな目に遭わないぞ」

 

「私は自分に自信が持てるので大丈夫です」

 

「そうか。それなら良いか」

 

おじさんは心配してくれたが、余計なお世話だ。

 

それより、此処は何処だろうか。

 

「あの、すみません。此処は何処ですか?日本だとは思うんですけど、日本のどの辺りですか?」

 

「なんだぁ?寝ぼけちまったのか?此処は埼玉県春日部市の春日部公園だよ」

 

「………あっ、そうですか。ありがとうございます」

 

まさか、此処はクレヨンしんちゃんの世界ですか?なら、私も安心して暮らせるだろうか。

 

しかし、杖も無いのに魔法が使えるとは、驚いたな。とはいえ、魔法と言えば杖のイメージもあるし、形だけとはいえ杖は欲しい。それから箒も。

 

「では、私は失礼します。教えて頂いてありがとうございました」

 

私は立ち上がり、そのまま歩き出そうとした。すると、おじさんが私に声を掛けた。

 

「そうか。お嬢ちゃん、行く宛はあるんか?」

 

「………まあ何とかしますよ。しばらく歩いたら私はお金持ちになってます」

 

嘘です。行く宛なんてありません。おじさんもその事を見抜いていました。

 

「なら、ウチにしばらく泊まれ。ウチは駄菓子屋だが、今俺の奥さんが熱を出しちゃって、人手が足りねぇんだ。お嬢ちゃん行く宛がねぇんなら、しばらく泊まってけ」

 

「むぅ………」

 

旅の資金は欲しい。おじさんはまだ信用できませんが、背に腹は代えられない。

 

すると、私の目にある物が映った。それは、おじさんの胸の中央に燃える炎だった。それは、白い炎であり、それが良い物であると理解させてくれた。このおじさんは良い人という事だろう。

 

「………分かりました。しばらくお世話になります」

 

こうして、私はおじさんについて行く事になりました。因みにおじさんの名前は次郎(じろう)と言うそうです。

 

「お嬢ちゃんの名前は?」

 

「イレイナです」

 

私は元の名前ではなく、この体の名前であるイレイナと名乗った。

 

「ッ!?」

 

その時、私の体に何かが乗ってきたような重圧感が襲って来た。しかし、それは一瞬の出来事だったようで、私は違和感を覚えながらも次郎さんについて行った。

 

――――――――――――――――――――――――

 

菊音(きくね)ー!今帰ったぞー!」

 

おじさんに案内された場所は、ホントに駄菓子屋さんでした。

 

古き良き駄菓子屋。正に日本の文化に相応しい風貌です。

 

「お邪魔します」

 

私は一礼をした後に、家に上がらせてもりった。次郎さん曰く、今日は定休日でお休み中だそうだ。

 

「ああっ、お帰り。次郎さん何処に行ってたんだい?」

 

奥には布団で寝ている、初老のおばさんが居ました。あの人が次郎さんの奥さんだろうか。

 

「居候だ。しばらく店やお前のお手伝いをする。イレイナさんだよ」

 

「始めまして。イレイナです」

 

次郎さんの紹介を受けた後に、私は自己紹介をしました。

 

「まあ可愛い魔女さんだこと。私は菊音。次郎さんと夫婦で、駄菓子屋を経営しているよ」

 

菊音の事も見る。白い炎が燃え盛っている。良い人だ。

 

これからお世話になるのだ。ついでに自分に何が出来るのか、後、クレヨンしんちゃんのうろ覚えのキャラ達に出会えるだろうか。そう考えながら私は二人に改めて挨拶をした。

 

――――――――――――――――――――――――

 

「あれから2ヶ月ですか………やっぱり此処って、クレヨンしんちゃんの世界じゃないんですね」

 

クレヨンしんちゃんの基本的な原作キャラは居なかった。しんちゃんの暮らす家は有ったが、知らない他人が住んでいた。そして、ふたば幼稚園は有ったが、知らない先生や園児達ばかりだった。

 

かすかべ防衛隊も、野原一家も居ない。同姓同名の人達は魔法で検索出来たが、同姓同名の人が居るだけで知らない他人だった。春日部市の町並みは似ているが、知ってるキャラ達は居ない。それでも、あの町の温かみは変わらなかった。住んでて凄く居心地が良い。

 

その代わり、この世界がどういう世界なのか気付けた事がある。

 

まずアメリカにある大企業スターク・インダストリーズ。これは、アイアンマンことトニー・スタークが所有し経営している大企業だ。更に色々調べた結果、アメリカを含め世界各地に超人的な力や身体能力を持つ人達が居ると判明した。

 

アベンジャーズの結成と、その主な原因であるニューヨークのエイリアン襲撃事件。

 

この世界がどんな世界なのか理解した。

 

この世界はMARVELコミックの世界だ。しかも世界観を考えるとコミック側ではなく、映画側だ。S.H.I.E.L.D.も調べたら存在している。

 

そして、私も自分の事でいくつか気付けた事がある。

 

私は『魔法・魔術を創る』事が出来る。簡単な魔法や魔術の場合は、思い付いた後に魔力を使って生み出す事が出来る。

 

例えば、さっき私が野原一家を探した時に使った名前を検索する魔法も、私が思い付いて編み出した魔法だ。

 

このすばのカズマの初級魔法や、メレブのくだらない魔法のように、便利な魔法やくだらない魔法のような簡単な魔法は、思い付けば魔力使って創れる。

 

但し、高い攻撃力のある魔法や強力過ぎる魔術は、儀式や手順、環境や年月、魔力の大量消費等、色々しないと習得出来ない物が多い。漫画やアニメに出て来る魔法や魔術も、それを習得するのに必要な方法は頭の中にある。しかし、その手順が難し過ぎるのがいっぱいある。

 

いくつかは会得するのに成功したものの、それでも習得が難しい魔法や魔術はいくつもある。

 

「とはいえ、野原一家とよく絡む隣のおばさんは居ましたね。あの人は色々しますけど、すごく良い人ですから和みますね〜」

 

さて問題です。駄菓子屋でエプロンを身に着けて、商品整理する銀色の髪を揺らす美しい美女は誰でしょうか?

 

そう、私です。

 

私は今、次郎さんや菊音さんの駄菓子屋で住み込みバイトをしています。

 

初めは慣れない事で苦労しましたが、色んな人達と交流出来るし、駄菓子屋には子供や大人まで沢山来ます。

 

なので、先程説明した隣のおばさん、正確な名前は北本れい子さんもやって来る。

 

「あらイレイナちゃん。今日もよく働いてるわね」

 

「こんにちは、北本さん。お買い物ですか?」

 

「そうよ。あっ、これ。質の良いさつまいも!この前採れたから、お裾分け!」

 

北本さんが、新聞紙に包んださつまいもを渡してくれました。

 

「お〜いイレイナ。レジを代わって……おっ?北本さんじゃないか。さつまいもありがとな」

 

「福井さん〜!ありがとね〜!奥さんはお元気?」

 

そう。次郎さんと菊音さんの名字は『福井』だ。普通だから凄くホッとする。

 

私は次郎さんに代わってレジを行い、次郎さんと北本さんは世間話で盛り上がっていた。

 

『『『魔女さーん!!』』』

 

「はい、いらっしゃい」

 

すると、子供達が駄菓子屋にやって来た。彼等は私の元へやって来て、お菓子を買いに来る。勿論それだけではない。

 

「お姉ちゃん!魔法を見せて!」

 

『『見たい見たーい!!』』

 

子供達はこう言ってます。

 

そう。私はこの町の大半の人達に知られているが、魔法を見せているのだ。表向きは種も仕掛けも分からない手品という形にして。

 

「良いですよ。ほら、この手には何もありません。でも再び開いたら…………ほら!」

 

私は掌を見せる。何も乗っていない。手を握った瞬間に再び開く。その瞬間、先程まで何もなかった掌から大きな卵が出現した。恐竜の卵のような、掌に収まりきらない卵だ。

 

卵がピキパキと音を立てて割れた後、その中からチョコレートの鳥が生まれて来た。鳥達は全員チョコレートで、小指サイズのチョコレートバードだ。

 

「ほぉら。魔法のチョコレートバードちゃんです。沢山産まれて来ましたよ。空をパタパタ飛んで行きます」

 

『『『わああーっ!!すごーい!!』』』

 

子供達は注目しています。

 

「あらあらぁ。イレイナちゃん張り切ってるわね」

 

「イレイナが来てから、俺達も魔法の手品が楽しみなんだ。やる事がかなり凄いけどな」

 

北本さんや次郎さん、それに菊音さんからも評判は良い。私も魔法を皆に披露出来て、凄く楽しい。

 

MARVELの世界にしては信じられない位平和だ。

 

こんなに平和なんて、凄く良い。ずっと続いて欲しい。

 

 

そう思っていた。

 

 

この世界はMARVEL………その漫画が実写化した世界だ。況してや私という転生者の存在。

 

 

幸せな時間は、あっという間に壊される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、私が買い物に出掛けて、駄菓子屋に戻る時だった。

 

 

「お買い物〜終わりました〜」

 

 

私はビニール袋を両手で持って、駄菓子屋に戻って来た。

 

 

その時に私は、ある匂いを嗅いだ。鉄臭い匂いが家の中からする。

 

「ッ?次郎さん?菊音さん?」

 

それに、何か音もする。

 

障子に赤黒い液体が付着しているようだ。それも、広範囲に。

 

「………えっ?」

 

それが何かを理解するのに、ほんの少し時間が掛かった。

 

「…………ひっ!?」

 

血だ。それも、大量出血により、障子が染まっている。

 

何か、何かが扉の先に居る。

 

それが、二人を襲ってる。

 

「…………次郎さん……菊音さん……ッ!!」

 

私はもうなりふり構わず、障子の前まで歩いて来た。そして、障子を開けた。次郎さんと菊音さんに何が起きたのか、この目で見る為に。

 

其処にあった光景は………正に地獄だった。

 

「ひぃ!!」

 

私は、その場で腰を抜かした。

 

二人は全身が言葉に出来ない位に、バラバラに引き裂かれていた。体も肉も飛び散り、床の畳は殆ど血に染まっていた。

 

そして何より、私の目を引き付けたのは、そんな二人の血肉を食べる…………異形の生物だった。

 

『グルルルルウゥゥゥッ!』

 

その怪物は、全身から瘴気のようなオーラを噴き出しており、その体から零れ落ちる液体は床の畳に落ちると、畳は液体が落ちた箇所から徐々に腐り果てて行った。よく見れば、二人の死体も腐って無くなっていく。

 

「あっ…………あああっ……」

 

私は腰を抜かした。目の前に現れた異形の怪物に、恐ろしさのあまり腰を抜かしたからだ。

 

怪物は私を見た。

 

怪物は今度は私に狙いを定めたのか、ゆっくりと浮遊しながら私に迫って来る。

 

私は、パニックになった。

 

どうすれば良い?どうやって倒す?

 

「ハァハァハァハァッ!!!」

 

息が荒くなる。冷静さが上手く保てない。

 

「ま、魔法………そうだ!魔法!」

 

漸く落ち着いて来た時、こんな時の為の魔法だと思い出した。しかし、今自分が習得してるのは、簡単な魔法ばかりで攻撃力のある魔法は少ない。数少ない攻撃魔法ですら、目の前の化け物を倒せるか怪しい。

 

しかし、怪物は止まらない。徐々に私に迫って来る。

 

「ひぃぃっ!!でも………やらなきゃ………私が死ぬ!」

 

私は怪物に掌を出した。掌に魔力を集中させて、思い付いた攻撃魔法を唱えた。

 

「『メラ』!!」

 

そう唱えた瞬間、掌サイズの火球が私の掌に現れる。その火球を、怪物に向かって手を突き出す事で放った。

 

火球は私の掌から発射され、怪物に向かって飛んで行く。軈て、怪物の頭に火球が命中した。

 

『ゴアアァァァッ!?』

 

予想外の反撃だったせいか、怪物は火球の直撃によって後方へ下がった。

 

「ハァ………フゥ………」

 

落ち着いて来た。

 

恐怖が次第に薄れていく。

 

考えが纏まり始めた。冷静になってこれた証だ。

 

「次郎さん……菊音さん……待っててください」

 

私は次郎さんと菊音さんの腐って消滅する死体を撫でた後、怪物を見た。怪物の姿は狼に近い犬で、全身が黒い。

 

「大丈夫……!私は勝てます……!」

 

私は掌に魔力を集める。怪物は私に向かって来る。

 

すると、私の手に杖が出現した。杖が無くても魔法は使えるが、やはり杖があると魔法使いっぽくて良い。

 

「『グレイシアス』!」

 

私は魔法を放つ。怪物に魔法が当たる。その時、怪物は全身が凍った。動きが鈍くなり、いつでも攻撃が当てられるようになる。

 

「『エクスパルソ』!」

 

再び呪文を掛ける。魔法を受けた怪物は爆破し、氷の破片が周囲に飛び散った。

 

「…………ふぅ」

 

私はその場に座り込んだ。一気に疲れが訪れた。

 

「……うぅっ!次郎さん………菊音さん………ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい……うああああっ!」

 

私はその場で泣き続けた。私は警察を呼ぶまで、その場でしばらく泣き続けたのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

私は警察署で事情聴取を受けた。私は本当の事を話したかったが、信じてもらえると思っていなかったので、それなりに話を捻じ曲げて説明した。

 

「つまり………君が買い物に来た時、二人は殺されていたんだね」

 

「………はい」

 

「確かに不可解な殺人現場だ。死体も腐っていて、調べるのも不可能だった。あんな現場を見れば、かなりショックだね」

 

「………はい」

 

私は無気力になった。心の拠り所を失ったのだ。この世界での私の居場所が無くなった。春日部は好きだけど、住める場所が無くなれば意味が無い。

 

「………また後でね。お腹空いてない?今は食べたくないかもしれないけど……牛丼を買ってくる」

 

警官さんも私に配慮して、その場を退席した。

 

「………はぁ」

 

これからどうやって生きていく?駄菓子屋で得た収入と小遣いはあるが、それでも一ヶ月も保たない。

 

ふと、考えた。

 

魔法でお金を稼ぐのも有りだ。今ある魔法でショーを披露すれば、大受け間違いなしだ。

 

無気力だった私は、段々と前向きな考えが頭に過って来た。

 

坂田銀時も、傷は傷で受け入れた上で前向きに生きていましたし、私ももしかしたらその類かもしれない。

 

警官は扉を開けた。

 

「失礼、君に話がしたい人が居るらしい。何でも、世界的組織の人らしい」

 

「……そうですか」

 

「差し入れも持って来たそうだし、話してみると良いよ」

 

「はい……」

 

とはいえ、古傷は痛い。心に染みる。

 

警官さんが部屋を出た後、3人の黒スーツの男女が入って来た。

 

「こんにちは。貴女がイレイナさんね?」

 

リーダー格らしき女性が話しかけて来た。

 

「はい。イレイナです」

 

「私はS.H.I.E.L.D.日本支部の長官、浜崎アキよ。あの事件の事で、貴女に聞きたい事があるの」

 

浜崎さんは私と向き合うように座る。

 

「あの事件なら………いえ、もう気付いてるんですね」

 

「ええっ。あの家で起きた事件は、どうにも不可解な出来事が多過ぎる。警官達の調査中に、普通では有り得ない速さで死体も家も腐っていったわ。おまけに部屋の中に居た狼をような生き物は、姿こそ狼に似てるけど全く異なる生き物だった。そんな生き物がバラバラの氷になっていた」

 

やっぱり、このような特殊な組織の人には気付かれた。この世界には魔法も魔術もある。おまけに物理的に干渉可能な神様も、マルチバースも存在している。

 

MCUは全て知ってる訳では無いが、それでもこの世界は普通ではない。

 

故に、私が魔法で戦えば、S.H.I.E.L.D.に気付かれるのも納得だ。

 

「……信じてもらえるか分かりませんが、本当は何があったのか、お話しします」

 

「大丈夫よ。私達はイカれた話に驚かない」

 

「分かりました。全て、お話します」

 

私はあの現場で何があったのか説明した。私が転生した存在なのは伏せたが、魔法のことや自分の事、あの怪物をどう倒したのか、可能な限り説明した。

 

「………成る程。アベンジャーズの知らない所でも、とんでもない出来事が起きてるものね」

 

浜崎さんは話を聞いてくれた。

 

「それで、貴女はどうするの?」

 

「私は……旅をしてみたいんです。この世界を自分の目で見てみたい。でも今は、資金が足りなくて困っています。だから……お金を稼ぐ為に仕事を探しています」

 

「なら、私達S.H.I.E.L.D.の日本支部でしばらく働かない?貴女の魔法の力、この日本を護る為に使ってみないかしら?世界を旅する資金も、こちらから出すわ。旅をするにも、後ろ盾が欲しいでしょう?」

 

それもそうだ。S.H.I.E.L.D.が後ろ盾になってくれるなら、これ程心強い事はない。

 

「………はい。こんな私で良ければ」

 

こうして私は、S.H.I.E.L.D.の日本支部に所属する事になった。

 

これが、私のこの世界でアベンジャーズに近付くファーストコンタクトになった。

 

この世界をこの目で見てみたい。

 

私はそんな気持ちを抱えながら、浜崎さんや黒服の人達と共に、取調べ室を後にした。

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