MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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ババ抜きの回。ナターシャ、クリント、トッペマ、イレイナ、マカオとジョマの6名ですね。


エピソード・10

私達は別室に移動しました。一つのテーブルに6人で囲む形で座り、その中央にはスゲーナスゴイデスのトランプの残りが束ねられています。ジョマが置きました。

 

「さあジョーカーよ。混ぜて」

 

「私がやるわ」

 

ナターシャさんがジョーカーを手に取ると、トランプを一度バラバラにしてその中に裏面にしたジョーカーを置きました。そしてトランプをかき集めた後に手慣れた手つきでトランプをシャッフルしました。スパイってこんな事もやるんですね。

 

そして、私達にそれぞれトランプが配られました。既に揃っているトランプが2枚ずつテーブルに置かれ、残ったトランプがそれぞれの手元にあります。

 

「ふふっ。アンタ達がカードを使っていたお陰で早くケリが着くわ。さあ、始めましょうか。世界の運命を懸けたババ抜きを」

 

「では、私から引かせて貰います」

 

マカオの言葉と共に、私が最初に引くと宣言しました。因みに反時計回りでスタートするので、私、トッペマさん、バートンさん、ジョマ、ナターシャさん、マカオ、そして私という順番です。

 

「イレイナ、私のを引いて」

 

私はトッペマさんの手札からカードを一枚引きました。

 

当たりです。

 

「揃いました」

 

「やったわイレイナ!」

 

トッペマさんはそのままでは手が届かないので、テーブルに立つ形でババ抜きをしています。

 

「じゃあ俺のだな」

 

バートンさんが手札をトッペマさんに翳します。トッペマさんは慎重に選び、トランプを一枚抜きました。

 

「………ごめんイレイナ」

 

「いや、君が悪いわけじゃない」

 

どうやら外れのようです。バートンさんが私の代わりにトッペマさんを励ましました。

 

そして、バートンさんがマカオの方を向いて、手札からカードを取ろうとした、その時でした。

 

「ああぁーっ!!」

 

突然マカオが声を上げました。

 

「……ああっ?脅しなら効かないぞ」

 

「クククククッ」

 

バートンさん流石です。声を上げられたのに動じてません。

 

「よし、揃った」

 

バートンさんは一枚抜いて、2枚をテーブルに置きました。流石です。

 

続いてマカオが、ナターシャさんの手札からカードを引きました。しかし、マカオも引きが強いようで、2枚が揃いました。

 

「大丈夫かナターシャ」

 

「平気よ。潜入任務より楽勝………ではなさそうね。こいつ等表情変えないから読みにくいわね…………」

 

ナターシャさんはそう言った後、ジョマのカードから躊躇いなく一枚引き抜きました。

 

「ふぅ………揃ったわ」

 

ナターシャさんは2枚をテーブルに置きました。

 

「中々やるじゃない。この世界はやっぱり侮れないみたいね」

 

ジョマはそう言った後、私の手札から一枚引き抜きました。

 

「うーん、残念ね」

 

揃わなかったみたいですね。

 

「一つ質問良いですか?この星を侵略したら、アスガルドを攻めるつもりですか?」

 

私はトッペマさんから一枚抜きながら、マカオとジョマに質問をしました。

 

「あら、誰から聞いたのかしら?」

 

「トッペマが話したのかしら?」

 

「そうよ。私がイレイナに話したの」

 

今度はジョマが先に話し、マカオが後に続きました。

 

「ソーの故郷に攻めるつもりか」

 

「それは無理よ。貴男達ではソーに勝てない」

 

バートンさんとナターシャさんが、そう声を上げました。ソーの強さって、そんなに強いんですかね。

 

「マイティ・ソー。オーディンの息子にして雷の神だったわね」

 

「ハルクに並んで一番危険な奴ね。一番問題なのは奴をどう倒すかね」

 

二人も警戒してたみたいです。

 

そうきて進む内に、お互いの手札は少なくなって行きました。

 

「やった!上がりよ!」

 

「おめでとうございます。トッペマさん」

 

トッペマさんが先に上がりました。

 

「よし、俺もだ」

 

バートンさんもクリアしました。

 

「あらぁ、御生憎様。私も上がり」

 

「あらおめでとうございます」

 

「お嬢さんのお陰よ」

 

「運と読み合いの結果でしかありませんが」

 

ジョマさんも上がりました。ババ抜きの特性上、仕方ありませんけど少し悔しい気がします。

 

まあ、私が遅れるのは都合が良いんです。ジョーカーさえ来てくれれば。

 

「ナターシャさん」

 

「どうぞ」

 

ナターシャが2枚の手札を私に翳します。すると、片方のトランプが目立つように立っています。

 

「あらぁ、ズルいわね」

 

「別にババ抜きのルールは犯してないわ」

 

「あら言うわねぇ」

 

ジョマとマカオの煽りに、ナターシャさんは顔色一つ変えません。流石です。

 

私は目立つカードを取りました。ババ抜きでは定番の手です。大抵はジョーカーを目立たせるパターンですが、中には敢えてジョーカー以外のカードを立たせるパターンもあります。

 

しかし、私は目立つカードを取りました。

 

その手は…………ジョーカーでした。

 

「ぐぬぬ………」

 

狙っていたのが来たとはいえ、複雑ですね。悔しさも溢れてきます。

 

「まさかホントに取るとは思わなかったわね」

 

「すみません……」

 

「大丈夫。こっちが勝てば良いだけよ」

 

ナターシャさんがマカオの元を向きました。外は夜が明けており、朝の日差しが窓から差し込んできます。其処まで夢中になっていたんですね。

 

浜崎さんは大丈夫でしょうか。

 

「さあて、アンタはどうするかしら?」

 

マカオは構えています。顔色変えないのは流石です。

 

ナターシャさんは顔色変えない相手に苦い顔をしていますが、少し悩んだ後にトランプを一枚抜き取りました。一瞬ですが、マカオが笑ってるように見えました。

 

そして、手札に揃った2枚のトランプを見たナターシャさん。手札を全て、テーブルに捨てるように置きました。

 

「………ふぅ」

 

ナターシャさんの顔に汗が流れ出て来ました。

 

「最後はアタシね」

 

マカオが私の手からトランプを取りました。そして、マカオは揃った手札をテーブルに捨てるように置きました。

 

「ふふっ。アタシ達の勝ちみたいね」

 

「よく頑張ったけどここまでのようね」

 

「そんな………!」

 

マカオとジョマは勝ち誇った顔をしており、トッペマさんは絶望に染まった顔を浮かべました。

 

「トッペマさん」

 

私はトッペマさんを抱き締めました。

 

「………大丈夫です。私達の勝ちですよ」

 

「えっ?」

 

「だって、ジョーカーが私にあるのですから」

 

私は立ち上がり、マカオとジョマから離れるように後退りしました。

 

「あらぁ?いつルールが変わったの?」

 

「聞いてないわよ?」

 

マカオとジョマは詰め寄って来ました。

 

「ババ抜きは負けましたが、戦争には勝ちました!スゲーナスゴイデス!」

 

私はジョーカーを翳して呪文を唱えました。しかし、予想していなかった事が起きました。

 

周りの皆さんが止まり、そして私も動けなくなりました。

 

そう、時間が止まったかのように動けなくなったのです。息もしてない、血液も止まっているにも関わらず、何故か苦しくありません。思考もクリアです。

 

どういう事でしょうか?ババ抜きに勝ってこのジョーカーを使うしんちゃんの所まで思い出したのに、此れは一体?

 

『当たり前じゃ!ジョーカーを使おうとするからじゃよ!』

 

誰ですか!?

 

すると、スゲーナスゴイデスのジョーカーから、青いお化けが姿を現しました。

 

『青いお化けじゃない!ワシはスゲーナスゴイデスのトランプの精霊、略してスゲトラちゃんだよー!』

 

あっ、どうもイレイナです。

 

『やあ、イレイナちゃんと呼ばせて頂戴ね!今君が使おうとしたジョーカーのカードは魔力の源だから、これを使ったとしても魔法は使えないんだ。その代わりにワシが出てきて、このジョーカーのトランプを使って唱えた人の質問に何でも答えるんじゃ。何かリクエストある?Siri感覚で何でも答えちゃうよ』

 

何でもですか。じゃあ、質問はいくつまで可能ですか?

 

『ワシが退屈したらかなぁ!まあ実質質問は無制限だから、どんどん質問しちゃってねー!』

 

では質問します。マカオとジョマに先程、スゲーナスゴイデスのトランプを使って即死させようとしました。ですが、マカオとジョマは死ななかったんです。それは何故ですか?

 

『ああっ、トランプ手にしたわるーい人間なら考えちゃうよねー。分かった答えちゃうよ!実はこのスゲーナスゴイデスのジョーカーこそが、マカオとジョマの生命そのものなんじゃ。だから奴等を殺そうとしても、このトランプがある限り何度でも生き返るんじゃよ』

 

成る程。ではこのトランプを破壊すれば良いんですね?

 

『ああっ、やっぱりそう考えちゃうよね〜。このスゲーナスゴイデスのジョーカーも、このヘンダー城と繋がっているから破壊出来ないんじゃ。あっ、今ヘンダー城壊せば良いと思ったでしょ?それも無理じゃよ。ヘンダー城は魔力の中心だから、どれだけ破壊されても時間と共に修復されてしまうから、実質破壊は不可能なんじゃ。そしてマカオとジョマはジョーカーとヘンダー城を介して魔力を貰い、不死身のままなんじゃ。つまり、ヘンダー城とスゲーナスゴイデスのジョーカー、そしてマカオとジョマの三位一体の儀式によって、彼等は破壊が出来なくなってるんじゃよ』

 

では、どうすればよろしいのですか?彼等を纏めて倒す方法を教えてください。

 

『よし分かった。では、どうすればマカオとジョマをやっつけられるか教えてあげるよ』

 

そう言った後、スゲトラさんは順を追って説明してくれました。先ず城の外側の階段を登っていき、屋根を伝って塔の上にある屋根に飾られたステンドグラスにスゲーナスゴイデスのジョーカーを当てれば良いそうです。ステンドグラスも破壊不可能ですが、スゲーナスゴイデスのジョーカーを当てた途端にお互いの魔力で消滅してしまい、マカオとジョマもやっつけられるそうです。

 

『マカオとジョマもマジで追ってくるだろうけど、二人はヘンダー城では魔法を使えないんだ。つまり、勝つか負けるかは体力勝負になるんじゃ。それじゃ、他に質問はある』

 

………スゲーナスゴイデスの他のトランプはどうなりますか?ジョーカーが消えたら。

 

『それは大丈夫じゃ。スゲーナスゴイデスの他のトランプは、使わない限り消える事は無いんじゃ。もし使いたいなら持ってって良いよ。でも無駄遣いは駄目だよ〜。それじゃ、ワシはそろそろ消えるよ〜。バイビー!』

 

こうして投げキッスと共に、スゲトラさんは霧散して消えていきました。

 

軈て時間が動き出して、私はやるべきことが分かった気がしました。

 

「………し、失礼します!」

 

私はトッペマさんの手を引きながら、その場から一目散に走り出しました。

 

さあ、鬼ごっこを始めましょうか。




マカオとジョマの倒し方に関しては、私の独自解釈と独自考察が混じってます。
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