MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います 作:ちいさな魔女
私達はアメリカ行きの飛行機に乗り、長いフライトで軽く睡眠を取り、アメリカのロサンゼルスへ到着しました。税関検査でも問題無しとされ、無事にアメリカへ入れました。
「凄い!此処がアメリカ!ずっと此処に来たかったんです!」
「凄い街ね………日本より広いじゃない……」
「先ずはロサンゼルスの観光名所を巡りましょう!アメリカのご飯も楽しみですね!」
「そうね!さて、先ずは何処へ行こうかしら?」
私達はロサンゼルスの街を巡り始めました。私達の旅は、新しく訪れた国で再び始めるのです。
しかし、私はまたしてもある事件に巻き込まれてしまう事になりました。それが、浜崎さんを含めたS.H.I.E.L.D.も大きく関わる事になるとは、この時は思いもしませんでした。
「トッペマは野球は好きですか?私はそんなに見ませんが、見ていてワクワクしません?」
「一度見たけど、凄く面白かったわ!選手は全員覚えられないけど、それでも楽しめるなんて!」
「では、ロサンゼルスで有名な『ドジャー・スタジアム』に向かいましょう。ロサンゼルス・ドジャースの本拠地で、メジャーリーグで3番目に古いスタジアムです。ドジャースではこれまでも数多くの日本人選手が活躍してきました。それに、国際野球大会の会場としても使用されてますから」
「なら行きましょう!試合が見てみたいわ!」
「丁度試合が開始されるみたいです。早速行きましょうか」
私達は、一番最初の観光地に向けて歩き始めました。野球の試合、今から楽しみですね。
すると、私はある人とぶつかって転んでしまいました。私は横に転倒してしまいました。
「あたっ!」
「イレイナ!大丈夫!?」
私は、ぶつかってしまった相手を見ました。
「す、すみません!ぶつかってしまいまして!」
私がそう告げると、黒人の若い男性が居ました。彼はどうやら転ばなかったようで、ぶつかった後に数歩下がった程度だったようです。体幹が強いんですね。
「ああっ、すまない。俺も不注意だったよ」
「ありがとうございます」
男性に引き上げてもらいました。
「ありがとうございます。私はイレイナです。この子は相棒のトッペマです」
「トッペマ・マペットです」
二人でお辞儀をしました。
「あんたら、日本人か?礼儀正しいな。俺はサム・ウィルソン。よろしくな」
「日本人ではありませんが、日本で育ちました」
「そうか。次はしっかりと前を見ろよ。俺だから良かったが、良からぬ連中に気を付けろよ」
「ありがとうございます」
こうして、サムさんと私達は別れ、改めてドジャー・スタジアムに向かいました。
この出会いが、後にS.H.I.E.L.D.を巻き込む大きな事件への関わりに繋がるとは、思いもしませんでした。
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その頃、夜の東京の新宿で、何かが空を飛んでいた。糸が伸び、その糸を巻き取るように移動した後、大きな蝶に似た羽を羽ばたかせて空を飛ぶ。
羽を生やして空を飛んでいるのは、17歳程の少女の体格をした、蛾のようなコスチュームを身に着けた謎のヒロインだ。マスクを身に着けて正体を隠している。両手には黒い手袋を身に着けているが、その手袋の指全てには雌の蛾の繭のような形をしている装置が取り付けられている。人差し指の装置から糸を放ち、ビルにくっつけて、そのまま巻き取って空中を進む。
糸を巻き取った後に空を羽ばたき、蝶のように舞う少女は、街を飛んで移動している。
そして、弱い者虐めをする集団を見つけると、そのまま羽を畳んで急降下を始める。
軈て、一人の男性を蹴り続けるサラリーマン三人を蹴り飛ばした少女は、蹴られていた男性の前に降り立ち、起き上がって話し出す。
「うぇいうぇーい!!魂アゲアゲー!!ウチ、モスガール!!オールパねぇ感じで盛り上がってこー!」
………意味不明なギャル語と共に現れたその少女に、サラリーマン達は驚愕していた。
「モスガールだ!」
「な、何すんだよ!俺達はソイツを蹴ってストレス発散してんだよ!」
「蛾のガキが!俺達の邪魔すんじゃねえよ!」
サラリーマン達は自分達があたかも悪くないように語るが、モスガールと名乗る少女は退かない。そればかりか、蹴られていた男性を庇っている。
「マジヤバたん……自分がサラマンだし何して良いとかマジゲロメンだわー」
すると、先程まで蹴られていた男性が声を上げる。
「お、お前は……?」
「ん?アスパラベーコン巻き系男子のお兄さん、ウチ気になるー?見かけて困ってそうじゃん?ならウチテンアゲ!わけわかめな連中ぶっ飛ばすしー!」
「お、俺を助けてくれるのか?俺は……非理谷充だ…」
「ウケる!自己紹介始めたしー!マジきゃわたーん!でもでも、りょ!あのがんぶー共を軽くぶちのめしちゃうし!あげぽよ〜!」
こうして、蛾のヒロインは駆け出した。軈てサラリーマン達から携帯を取り上げて、それを通じて自分達が何をしてるのかをネットに晒し、更に何処かのマスコミや警察関係者へ始めた。それだけに留まらず、自分達の所業が載ったメールを彼等の関係者全員に送る。
「社会的にギスっちまえよ。ウチ、マジやばたん!激おこぷんぷん丸だわ!マジおこだわ!」
軈て携帯を、殴って気絶させたサラリーマンに渡したモスガール。ただし、粉々に素手ですり潰した状態で。
「んじゃ、おっつー!」
「ま、待ってくれ!」
モスガールは指から糸を放ち、路地裏の天辺へ先端を張り付けた。その場を去ろうとするモスガールに、非理屋は最後の問いを放つ。
「あ、アンタに聞きたい!俺は……こんな風に蔑まれて、両親からも愛されなくて……人との関係も上手く行かなくて………人生絶望しかないんだ!俺は………どうすりゃ良いんだ………?」
非理屋の問いに、モスガールは何も言わない。
モスガールは一度非理屋の元へ来て、ただ優しく、頭を撫でた。まるで親が泣いてる子をあやす様に。
「んー………分かんないけどさ。とりま逃げてみ?やなら頑張んなくて良いしさ。逃げて良いよ」
「逃げて……良い?ホントにそれで良いのか?」
「アリよりのアリ〜!逃げたって良いし、怒って良い。お兄さんだって生きてんじゃん。頑張んなくて良いじゃん。つらくて嫌なら………逃げたって良いんだよ!」
ギャル語が無くなり、モスガールは子を叱る親のように非理屋へ言葉を投げ掛けていた。
「それじゃ、そろそろおっつー。モスガールはガチしょんぼり沈殿丸なお兄さんほっとけないしさ。また会おうね」
そして、糸に引かれて、そのまま夜の街の空へと飛び去って行った。
「………ありがとうモスガール。俺……なんとかしてみるよ。今度こそ、本気で幸せを掴むんだ!」
そう言った非理屋の顔は、先程まで虐げられていた時と違って、かなりスッキリした顔をしていた。
夜の都会の、最も高いビルの上。屋上まで走って登って来たモスガールは、夜の街を見渡していた。
モスガールは夜の街を、屋上のギリギリの場所で立って見下ろしていた。
「………不器用ながら、励ませたでしょうか?」
しかし、その口調は先程と異なっていた。
「…………ひゃああああああっ!!恥ずかしいですううう!!///////」
両手で顔を覆い、顔全体が真っ赤に染まり始めた。
先程までギャル語で話す陽気なヒロインとは思えない、お淑やかで恥ずかしがり屋な姿が、モスガールの本性とは誰も思わないだろう。
此れが、日本のヒロインの一人、モスガール。ギャルな蛾のヒロインに思われるが、実際は敬語系で恥ずかしがり屋な少女であった。
次回:ウィンター・ソルジャー編。
因みに、最後に登場したヒロインのもう一つのイメージ画像はこんな感じです。ダイタクヘリオスの話し方からギャル語を勉強してますが、下の画像は別に間違いではないですよ。
【挿絵表示】
オリジナルのギャル語も混じってます。