MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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ウィンター・ソルジャー編
エピソード・1


ある日のワシントンDCにて、1台の車が警察車両に追われていた。しかし警官達は、市民達が居るにも関わらずアサルトライフルやマシンガン、ハンドガン等といった銃で車を攻撃している。

 

逃走車両を運転しているのは、嘗てイレイナに出会ったS.H.I.E.L.D.のアメリカ本部に所属するS.H.I.E.L.D.長官、ニック・フューリーであった。彼は2台のパトカーに追われていたが、現在は振り切って逃走中である。

 

「市街地に出るぞ!ルートを出せ!」

 

『最良のルートを検索中』

 

彼はワシントンDCの警察に追われているようだ。彼が運転する車は運転席側の窓が完全に割れており、ボディには弾痕が大量に出来ていた。

 

激しい逃走を繰り広げていた事が、素人目にも理解出来る。

 

「誰かと通信を繋げられないか!?」

 

『通信機能は故障しています。現在修復中』

 

「じゃあ何なら機能するんだ!?」

 

『エアコンは正常に作動しています』

 

「なら近くに誰か居ないか!?」

 

『生体スキャンは有効です。検索開始…………イレイナ様を確認しました。現在ワシントンDCに到着した模様』

 

「なら合流するぞ!彼女を巻き込む事になるが、彼女達の力が必要だ!」

 

フューリーは車を走らせる。

 

すると、目の前に一人の男が立っていた。男はその手にアサルトライフルに似た物騒な武器を手にしており、ボサボサの髪に加えて、顔を覆う程の仮面を身に着けていた。

 

男はフューリーが乗る車に武器を向けると、武器の先端にある円盤状の弾を発射した。

 

弾は地面スレスレを飛んでいった後、車の下部に装着された。しかし、その後に大爆発を起こし、車は男の横を通り過ぎる形で吹き飛ばされてしまった。

 

此れは、イレイナがアメリカへ入国してから、僅か数時間後の事だった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

私はイレイナです。現在ワシントンDCに観光で来ています。今は近くのホテルに部屋を借りて、トッペマと過ごしています。今は買い出しの帰りですが、遅くなって夜になっちゃいました。

 

「いや〜アメリカ楽しいですねぇ。流石は自由の国と呼ばれるだけあって、観光名所も盛んですね」

 

「ホントねぇ。ロサンゼルスも凄かったけど、ワシントンDCも、色んな名所が多いわね」

 

これまでトッペマと共に、色んなアメリカの名所を巡りました。ホワイトハウスなんて、この目で見た時はもう興奮しましたよ。自然史博物館も魅力溢れるスポットでした。アメリカ合衆国議会議事堂なんて、中を案内された時はもう興奮しましたよ。トッペマもアメリカを巡る旅に感動していましたね。アメリカへ来て良かったと思います。

 

だって、自由の国アメリカですよ?行ってみたいではありませんか。

 

でも暫く居ると、日本がやはり恋しくなりますね。とはいえ、アメリカはいっぱい楽しみたいのです。先ずは一ヶ月は滞在しましょう。アメリカ各地をいっぱい楽しみましょう。

 

「そういえば、イレイナは何か職は持つの?一応日本支部のS.H.I.E.L.D.に所属はしてるけど、前みたいに駄菓子屋開くのかしら?」

 

「いえ、駄菓子屋も良いんですけど、折角手に入れた魔法があるんです。此れで私は、小規模のサーカスを開こうと思っています」

 

「なるほど。皮肉だけど、マカオとジョマのヘンダーランドみたいに、魔法で良い場所作るのね」

 

「ええっ。世界各地で開催しましょう。最初は道端での些細なショーで、時代が進んで動画として配信する事も可能になりましたから、広告にも便利ですよ」

 

私はホテルに入ると、カウンターで鍵を受け取りました。

 

「お帰りなさいませ」

 

「部屋の鍵をお願いします」

 

エレベーターに乗って移動しました。そして、部屋に戻って来て二人でベッドに横たわります。すると、私のスマホが鳴り始めました。番号は非通知でした。

 

「ちょっと失礼します」

 

「えっ?ええっ」

 

私はスマホの通話をオンにして、通話に出ました。

 

「もしもし?」

 

『貴女がイレイナね?私はマリア・ヒル。フューリー長官のサポートをするS.H.I.E.L.D.の副長官よ』

 

「また厄介事ですか?悪いですが、今は観光中なんです。そちらの国のいざこざに介入するつもりは――」

 

私が拒否しようとした、その時でした。

 

突然部屋の扉が開き、一人の女性が入って来ました。女性は手にスマホを所持しており、画面には私の電話番号が載っています。

 

「ホテルのセキュリティが緩いですね」

 

「いきなり押し掛けて悪かったわ。でも……貴女の力が必要なの」

 

「あの、どなた?」

 

トッペマは知らない様子でした。確かにこの人ではなく、コールソンという方としか、話してませんからね。しかもそのコールソンさんも、極秘で動いてるようですから。

 

「私はマリア・ヒル。S.H.I.E.L.D.の副長官を勤めているの。今はこうして、貴女達の力を借りる為に此処へ来たのよ」

 

ヒルさんはトッペマにそう言いました。

 

その後、私はお茶を淹れたコップをヒルさんに渡しました。アメリカ特有の長いコップですね。大きいのは多く飲むためでしょうが、大き過ぎなんですよ。何ですかこれは。

 

「……昨日、フューリー長官が撃たれたの。医師達の懸命な治療も虚しく……死んだわ」

 

「……そうですか。フューリーさんが……」

 

「それだけじゃないわ。キャプテン・アメリカがS.H.I.E.L.D.に追われる身になったの。今は行方を眩ませているけど、いつまで保つか分からないわ。そんな時、貴女達の存在がフューリー長官から知らされたわ。日本から派遣された、公安課っていう日本の警察職員から直接手渡しでね。日本の警察にしてはかなりアナログだったし、彼からはロマノフ以上の捜査能力を感じ取れたわ」

 

日本の公安警察が私達の事を知らせたのですか?まあ浜崎さんみたいに偉い方なら、公安と繋がっていても不思議ではありませんね。まあ浜崎さんもS.H.I.E.L.D.日本支部に所属してますし、私の事も報告しているのでしょう。

 

それにしても、紙に書いた情報でやり取りとは、デジタル化が進む中でかなりアナログなやり方ですね。

 

「彼、超有能だったわ。貴女達の泊まるホテルも特定して、私の居場所も発見して、おまけにS.H.I.E.L.D.の監視網にも捕まらなかったわよ」

 

「それで、私達にどうして欲しいの?」

 

トッペマが尋ねました。

 

「私が来たのは、彼の警告を貴女達に伝えに来たからよ。これを見て」

 

ヒルさんが紙を渡して来ました。

 

「フューリー長官を襲撃したのは、ウィンター・ソルジャーと呼ばれる伝説の殺し屋。S.H.I.E.L.D.どころかエージェント・ロマノフも追跡出来なかった犯人達の一人よ」

 

犯人の一人。つまり、ウィンター・ソルジャーという殺し屋の他にも、ナターシャさんすら捕まえられなかった相手が居るという事でしょうか。

 

「………つまり、ウィンター・ソルジャーが私達を殺しに来ると?」

 

「そうね。エージェント・ロマノフが捕まえられなかった犯罪者達は沢山居るわ。中でも危険なのが、ロシアの爆破テロリスト・プラーミャ、アジアの殺し屋・いばら姫、猟犬・殺し屋と呼ばれる謎の黒い男、そして今回襲撃してきたウィンター・ソルジャーも含まれるわ」

 

「なるほど。ナターシャさんが………分かりました。念の為、気をつけておきます」

 

ヒルさんの忠告は為になります。それにしても、私達まで狙われるのは…………まあマカオとジョマを間接的に倒した実績がありますし、暗殺者を雇う人達からすれば敵になるかもしれない相手になるんですね。

 

「私は此れで失礼するわ。何かあったら、連絡を頂戴」

 

「勿論です。電話やメールでは不味いかもしれませんので、フクロウを送ります」

 

「フクロウ?まあそうね。貴女達の無事を祈るわ」

 

ヒルさんはそう言った後、部屋から出て行きました。扉が閉じた後に、私達はまたしてもトラブルに巻き込まれたのだと理解しました。

 

「イレイナ………折角の海外旅行なのに、とんでもない事になっちゃったわね」

 

「どうしてこうなるんですかねぇ」

 

私は窓から見える街の夜景を見渡しました。東京の夜景にも負けない美しい光景です。お金持ちは毎日この光景を見てるんでしょうか。

 

しかし、気になりますね。ヒルさんの言葉で私は疑心暗鬼になっているのでしょうか、今にも此処で狙われてるような気がします。

 

私達はカーテンを閉めた後、念の為に部屋全体に防衛の術式を仕掛けて床につきました。




イレイナが新しく覚えた魔法は、また次回に。
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