MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います 作:ちいさな魔女
私達はホテルを後にし、ワシントンDCの市街地を移動していました。レンタルした自転車をレンタル店に返却した後に、バスに乗って次の町へ移動しようとしました。バス停に到着した瞬間、突如として私達の前に1台の車が止まりました。
「………レベリオ」
私は小声で呪文を唱えました。車に乗っているのは二人組の男女で、どうやら敵ではないみたいです。敵なら赤色に染まりますから。
窓が開いて、懐かしの人物が顔を見せてきました。
「久し振りね。アメリカへ旅行に来たのかしら?」
「ナターシャさん?何故此処に?」
「ナターシャ、彼女達は?」
すると、運転席に座る長身の男性が声を上げました。かなりの好青年のようです。
「あっ、私はイレイナです。この子は旅仲間のトッペマ・マペットです」
「どうも。よろしく」
「そうか。君達がナターシャの言ってた魔女か。僕はスティーブ・ロジャース」
車越しに自己紹介をする私達。それにしても、ナターシャさんはデートしてるのでしょうか?かなり良い男ではありませんか。
「ナターシャさんはデートですか?」
「ああっ、まあ………長いデートね………いえ、そうじゃないの」
すると、ナターシャさんは助手席から降りてきて、私達に切羽詰まった顔をしながら言いました。
「貴女達の力を貸して欲しいのよ。今、私達は追われる身なの。知り合いが皆殺しに来るの」
「では帰りましょう、トッペマ」
揉め事はこりごりです。退散退散〜。
「えっ?でも……流石に非情過ぎない?この前助けてもらったばかりじゃない……」
「だからといって、何故私達まで追われるような事をしなくてはならないんですか」
しかし、ナターシャさんは引きませんでした。
「お願い。このままだと、S.H.I.E.L.D.が危ないの。貴女の上司の浜崎も、もしかしたら危険かもしれない」
………それは、ズルいです。私は歩みを止めて、車に戻りました。
「………終わったら、お金くださいね。タダではやりませんよ」
「ええっ、約束よ」
「ありがとう。僕も君達に支払うよ。観光中に悪いが、僕からも頼む」
全く………あくまで浜崎さんと、お金欲しさの為ですからね。
私達は車に乗り、スティーブさんとナターシャさんの乗る車でニュージャージー州へ移動しました。ちなみにスティーブさん呼びの理由は、スティーブさんがそう呼んで欲しいと願ったからです。
―――――――――――――――――――――――
私達は、ニュージャージー州のウィートンと呼ばれる場所まで来ました。車で移動していると、外は夜になり、街灯も見当たりません。
途中でトイレや食事休憩したりして、ようやくたどり着きました。
金網に囲まれた、軍の訓練場でしょうか?
「…………ここ、懐かしい?」
「昔此処で訓練していた」
スティーブさんが、既に寂れている訓練場を眺めていました。スティーブ・ロジャース……確か、キャプテン・アメリカの本名でしたね。氷漬けになって蘇ったそうですが、その時に此処を利用してたんですね。
「イレイナ。私達、これからどうなるのかしら?」
「分かりませんが、またしてもトラブルに巻き込まれてしまうようですね。全く私って、かなり運が悪いみたいです」
ヘンダーランドの出来事だけでも、私ってそういう運命なのかもしれないと思い始めています。
「寂れた所ね。兵士の訓練場かしら?」
「スティーブさんの反応を見るに、そのようですね。なんで此処に来たんでしょうか?レベリオ」
私は呪文を唱えると、ある施設が青く染まりました。ドーム状の形をした建物ですが、何かの保管所でしょうか?
「すみません、あの施設は何ですか?」
スティーブさんが答えます。
「あれは武器弾薬庫だ。本来なら訓練する兵士達の隣に置いておくには不自然だ」
「……つまり、貴方達の目的も其処にあるのでは?」
「……そうみたいね。行ってみましょう」
私達は武器弾薬庫に入りました。電気は付いてなかった為、私は近くの電源スイッチを押して電気を付けました。すると、電気が付いてあるマークが浮かび上がって来ました。
それは、S.H.I.E.L.D.のシンボルである翼を広げた鳥の丸いシールドが、部屋の奥に大きく記されていました。鳥の中心には、盾が描かれています。長く放置された為か、埃が溜まっているようです。
「あれって……日本支部にもありました!」
「もしかして、此処がS.H.I.E.L.D.の始まり?」
私とトッペマの問いに、スティーブさん達が答えます。
「………そのようだ」
「此処から始まったのね」
私達は施設の中を移動していきました。スティーブさんの知り合いの写真が飾られた部屋にも行きました。
其処には大きな本棚が取り付けられていましたが、僅かですが風の音が聴こえてきます。吸い込まれる音ではなく、内側から出ていくような音です。
スティーブさんが本棚を横にずらすと、その奥に廊下があり、その奥には少し古臭いエレベーターがありました。出入り口の右側には数字を打ち込む電卓のようなダイヤルがあります。ダイヤル式のエレベーターとは、憧れちゃいますね。
ナターシャさんがスマホを翳すと、スマホの光がダイヤルを照らしました。照らされた中から、番号が4つ浮かび上がります。ナターシャさんはスマホを他の指で持ちながら人差し指で先程浮かび上がった番号を入力しました。
そして、私達はエレベーターに乗って、更に地下へと降りて行きました。
「一体何処に向かうのかしら?」
「知らないわ。このメモリにあるファイルを作ったのは誰か、それが全て分かる筈よ。それが此処で分かる」
私の肩に跨るトッペマが、ナターシャさんに質問をしました。ナターシャさんはUSBメモリを私達に見せました。その中にある情報を探ろうとして追われてるのでしょうか?
知り合いが殺しに?
まさか………。
「ひょっとして、追いかけて来る相手はS.H.I.E.L.D.ですか?」
「分かったのね?」
「色々と辻褄が合ったので。ですが、何故S.H.I.E.L.D.がお二人を?」
私の問いに、スティーブさんが答えます。
「まだ分からない。だがこのファイルを見せたくないのは確かだ。フューリーを殺してまで情報を隠蔽しようとしている奴が、僕等を消そうとしている」
「それも、この先にある何かで分かるんですね」
「そうだと祈ろう。巻き込んですまない」
「乗りかかった船ですから。それに、もしかしたら日本支部も無関係では無いかもしれませんので」
そして、エレベーターが止まりました。目的の階に到着したのでしょう。
そして、私達は開いたエレベーターの扉を潜り、暗い部屋の中を進みました。暗がりに慣れた時に見えたのは、古い映像機器に使用されるテープレコーダーのような物が付いた装置でした。それは一つだけでなく、部屋全体を埋め尽くすかのようにいっぱいありました。
軈て、自動で電気が付いた事で、部屋全体が見渡せるようになりました。
其処に広がっていたのは、テープレコーダーのような装置が多数置かれた、何かの司令室みたいな部屋でした。部屋の中央にある古びた装置には、USBメモリを差す為の装置がコンピューターと繋がっていました。
「あのファイルの出所にしては、テクノロジーが古すぎる」
「テープレコーダーでしたか?それともカセットテープでしょうか?まさかデジタルの時代で見るとは思いませんでしたね」
そして、USBメモリを差す装置に、ナターシャさんは懐から取り出したUSBメモリを差しました。
すると、周囲のテープレコーダーが動き始めました。古いコンピューターも動き始めました。
そして、大画面に『システム再起動しますか?』と英語で記されました。因みに英語だと『Do you want to reboot the system?』です。
ナターシャさんがYESと入力すると、大画面に大昔のゲームに出てくるラスボスのような、眼鏡を付けたホログラムみたいな顔が現れました。
『スティーブ・ロジャース。1918年7月4日生まれ。ニューヨーク・ブルックリン出身』
「この声は……何処かで………」
『ナターリア・アリアノヴナ・ロマノフ。1984年11月22日生まれ。ロシア出身』
「………」
ナターシャさんは黙ってますね。よく見るとカメラがあり、私達を見ています。此れで私達を見て、私達が誰なのか検索してるのでしょうか。
『衛宮・アインツベルン・イレイナ。1994年10月17日生まれ』
……はい?えっ?何故私の名前を?というか、私の名字って、そんなのでしたっけ?戸籍は用意してもらいましたが、私の名字は浜崎さんのを借りて、一応『浜崎イレイナ』という名になってる筈ですが?今は2014年ですから、その生年月日を考えると私の年齢は19歳って事になりますね。
そして、カメラはトッペマに向けられると、数秒のノイズを発した後に画面から声が発せられました。
『トッペマ・マペット。該当する記録無し。現存記録では2009年生まれ。しかし、どの病院での出産記録無し』
「私達を知ってるのね?」
『知っている』
「……えっ?」
トッペマの問いに、画面の男が答えました。
『アーカイブにはこの地球に現在生きている人間、そして故人の情報が記されている。私が伝えたのはその一部だ。もっと聞きたいか?』
「どうなってるの?貴男は誰なの?」
ナターシャさんも驚いてるようです。
『1945年にキャプテンに捕虜にされた時とは随分変わったが、私は私だ』
そして、隣の画面にモノクロ写真が写し出されました。頭でっかちの眼鏡男ですが、ホントに誰です?
「知ってるの?」
「アーニム・ゾラ。レッドスカルの部下だったドイツの科学者だ。ハワード・スタークにさえも、技術は我々より上と評される程だ。だがもう死んだ筈だぞ」
ナターシャさんの問いに、スティーブさんが答えました。
「ひょっとして私みたいに、心が入り込んで生きてる人形になってるの?人形には見えないけど」
トッペマがそういうと、画面の男こと、ゾラが回答を返しました。
『修正1:私はスイス人だ。修正2:よく見ろ。私の肉体は既に滅びたが、この通り生きている。修正3:私は人形ではないぞお嬢さん。1972年に私は不治の病を宣告された。科学では私の体は救えなかった。だが私の頭脳はデータバンクとして残された。長さ6万メートルのテープとして。その結果、私はデータとして蘇った。君達は今、私の脳の中に立っている』
「つまり、貴男はコンピューターの中で生きているって訳ですか」
『簡潔に述べればそういう事だよ』
昭和時代で其処までの技術がある事に驚きですよ。ウルトラマンの世界から来てませんよね?
「では質問だ。何故此処に居る?」
スティーブさんがゾラに問い掛けました。
『招かれたのだ。第二次世界大戦後のペーパークリップ作戦で、S.H.I.E.L.D.はドイツから有能な科学者を招き入れた。アメリカの大義の為にな。そして私にも大義があった』
「………S.H.I.E.L.D.がヒドラの貴男を……」
「イレイナ?」
「……嫌な予感がしますね」
もし考えが正しければ……今のS.H.I.E.L.D.はもう正義の組織ではなくなっているのかもしれません。
すると、スティーブさんが声を荒げながら、ゾラに問いかけました。
「ヒドラは消滅した筈だ!」
『頭を切り落としてもまた二つ生えてくる。ギリシャ神話の怪物の名の通りにな』
「証明しろ」
なるほど。ヒドラとはギリシャ神話で、ヘラクレスが戦った蛇の怪物の名前でしたね。其処から名前を取ったのならば、トップの居なくなったヒドラは違った形で再結成されているんですね。
『アーカイブにアクセス………』
そして、ゾラは説明してくれました。
『人類は自由を持たせるに値しないという思想の元、ナチスから分裂し、ヒドラは生まれた。だが、キャプテンと戦ったあの戦争で学んだよ。自由を奪おうとすれば人類は抵抗する。ならば、人類が自らの手で自由を差し出すように仕向けなくてはならない』
ヒドラ結束の映像の後に、色んな戦争の映像が映されました。
『戦争の後、S.H.I.E.L.D.が設立され、私は招かれた。そして新たなヒドラが、寄生虫のようにS.H.I.E.L.D.の中で育っている』
「やっぱり……S.H.I.E.L.D.はヒドラに支配されてるも同然なのですね」
『理解が早いな。だが理解した所でもう手遅れだ。70年もずっと、戦争や危機を生み続け、力を蓄えてきた。歴史が言う事を聞かない時は、力を持って歴史を変えた』
様々な戦争の映像が流れて行きます。その中には金髪の女性を筆頭とする女性の集団も居ました。彼女達は劇団員か何かでしょうか?
他にも、大量の札束を印刷している兵士や執事、そしてその中心に居る悪人ヅラの似合う男が、笑いながら札束を見つめていました。
『最も、何名かはヒドラを離脱し、独自の組織を立ち上げているがね』
「嘘よ。S.H.I.E.L.D.が貴男を止めた筈?」
『誰にでも、事故は起こり得る』
そう言って見せて来たのは、先程の額縁に飾られていたハワード・スタークの死亡記事でした。スティーブさんは驚愕のあまり、言葉を失っています。友人だったんですよね。
『ヒドラは世界を混乱の渦に陥れた。今や人類は安全の為ならば自ら自由を差し出す。ヒドラの齎した安寧という甘い毒が、世界を徐々に蝕んで行った』
世界中の人々の日常の風景が、次々と写し出されました。そして、人工衛星による監視。それらの画面にも次々と、ヒドラを示すシンボルが次々と浮かび上がっています。髑髏を中心に無数の蛇が生えているシンボルですが、それがヒドラのシンボルなのですね。
『粛清が終わったその時こそ、ヒドラによる新たな世界秩序が生まれるのだ』
そして最後には、空飛ぶ空母の下部に搭載された無数の砲台が動く映像が映し出されました。
『我々の勝ちだキャプテン。君が死のうが生きようが、我々の勝ちは揺るがない。君の勝ち目はゼロだ』
スティーブさんは大画面を殴り飛ばしました。しかし、別の画面にゾラが現れました。
「そんな………じゃあ、日本支部もヒドラの?」
トッペマが力を失ったのか、その場で両膝を付きました。
『正解だよマペット。浜崎アキを含め、公安警察や自衛隊は実に有能であったが、それでも我等は無事に入り込めた。今や日本の政治家達は我等の支配下だ』
「………教えてください。粛清ってなんですか?」
私は魔法でこの部屋を吹き飛ばしたい。そんな気持ちでいっぱいでした。しかし、堪えて質問を始めました。
『インサイト計画。私はそのアルゴリズムを書いた』
「どんなアルゴリズムだ!?」
『それは実に興味深い物だ。だが君達は、それを聞く前に死ぬだろう』
私とスティーブさんの問いにゾラが答えた後、エレベーターの扉が閉まりました。
「アロホモラ!!」
私は扉の鍵を開けました。扉が開いたものの、ナターシャさんに止められました。
「待って!!もう間に合わない!短距離ミサイルが、後30秒で此処に来る!!」
「ミサイル!?誰が撃った!?」
「……S.H.I.E.L.D.」
「そんな!?イレイナ!!」
私は周囲を探りました。ナターシャさんは器用にも、慌てずにUSBメモリをくり抜きました。
『私のお喋りで引き止めて悪かった。こうするのが、一番最適なのだよ。我々はお互いに………長く生き過ぎた』
「ウィンガーディアム・レビオーサ!!」
私は魔法で近くの溝の蓋を持ち上げました。
「入れ!!」
私達は溝に飛び込みました。
そして、私達が溝へ飛び込んだ瞬間に、頭上で爆発が発生。私達は降り注ぐ瓦礫の山に沈んでいき、其処から私の意識は途切れてしまいました。
ゾラの見せた回想の中には、今後登場予定のヴィランのヒントも隠してます。
イレイナが新たに覚えた魔法
《ドラゴンクエストシリーズ》
・ギラ:炎を発生させる。
・イオ:爆発を起こす。
・バギ:真空波を起こす。
・デイン:雷を降らせる。
・キアリー:毒、猛毒を治す。
・インテ:個人の賢さを上げる。
・マフエル:魔力を回復させる。
・ダウン:力を弱める。
・ルカニ:防御力を下げる。
・ボミエ:素早さを下げる。
・ラリホー:集団に眠りを誘う。
・メダパニ:相手を混乱させる。
《ハリー・ポッターシリーズ》
・インパービアス:水を弾く。
・エンゴージオ:物を大きく出来る。
・レデュシオ:物を小さく出来る。
・レダクト:対象を破壊するほど細かく砕く。
・アビフォース:対象の物を鳥に変化させる。
・ヴァルネラ・サネントゥール:傷を治す。
・セクタムセンプラ:対象を切り裂く。
・変身術:対象を別の物に変化させる。生き物でも物体へ変化可能。
・デンソージオ:歯をリスのように伸ばす。
・ファーナンキュラス:鼻に醜い出来物が出来る。
・サーペンソーティア:蛇を出現させる。
・エイビス:鳥を出現させる。
・アレスト・モメンタス:動きを止める。
《勇者ヨシヒコシリーズ》
・ナマルト:相手の口調を方言に変える魔法。
・メラチャッカ:どこかの家のかまどに火をともす魔法。
・ナギ:前髪が一瞬揺れる程度の微風を発生させる風系魔法。ナギ→ナギマ→ナギクロスとランクアップする。
・タケシズン:相手に「たけし」のモノマネをさせ、行動を封じる魔法。
・ダイベイン:相手の便意を誘発させる魔法。
・イヌゴラム:味方の声を小型犬のものに変えて敵を威嚇させる魔法。顔や雰囲気が恐い相手に使うと逆効果になる。
・ケアブレス:相手の息をミントの香りにして口臭をなくす魔法。
・マタカヨ:ダンジョンから別のダンジョンにワープする魔法。
《とある魔術の禁書目録》
・硫黄の炎:黙示録系の記述を曲解し、攻撃方法へ転換した術式。
『硫黄』といっても物理や化学のそれではなく、肌に焼けるような痛みを与え、同時に体内の器官にもダメージを与え、長く苦しい痛みを与える代物。目に見えず、障害物を無視し、広範囲の人間に確実に傷を負わせる。
・召喚爆撃:火の象徴武器である『杖』を片手で構え、
狙いを定めてドーム状の純白の爆発を発生させる。爆発の直径は10mに及び、瞬きの間に発生する。連射することも可能。それでありながら爆発一発一発が『幻想殺し』による打ち消しが追い付かない程の「質」も兼ね備えている。
儀式系の魔術に必要な聖堂や儀式場の設置、象徴武器、詠唱などの手間を省いて「ただ漠然と呼び出した力を、形も与えずに叩き込む」だけの攻撃であり、本来より威力が減衰する分、発動速度を高めている。
……といえば聞こえはいいが、ようはあらゆる安全確認を省いたロケットの打ち上げのようなもので、生半可な魔術師が手を出せばまず自爆する恐ろしい代物。
・ゴーレム=エリス:ゴーレムは「神が土から人を創った」という十字教の神話を再現する魔術だが、人間の手でその奇跡を完全に再現することはできず、単なる土人形と化してしまっている。このように、通常のゴーレムは人間を模したものだが、ゴーレム=エリスは通常のゴーレムとは違い、人間ではなく天使を模すことでより強化されている。
高い防御力と怪力を誇り、壊しても周囲の物体(生物含む)を吸収して再生し、完全消滅させても術者がいくらでも作り直せると言う極悪な魔術。基本形状は人型だが、目だけを大量に作り偵察に使うといった応用もある。遠隔操作・視聴覚共有も可能。
弱点は内部に隠されたシェムという安全装置で、これを軽く指で拭っただけで機能を停止してしまう。
・炎剣:ルーンのカードを設置した範囲内でのみ使用できる術式。
放り捨てた煙草のラインをなぞるように3000度の炎剣を生み出すルーン魔術。ある程度形状を変化させる事もでき、これで斬りつけた物は白い灰か黒い炭と化す。さらに炎剣そのものを爆発させ、広範囲を吹っ飛ばすことも可能。
・魔女狩りの王(イノケンティウス):周囲にルーンを刻み、摂氏3000度の炎で形成された巨人を生み出して意のままに操る魔術。
外観は重油のような黒くドロドロとした人型の芯を軸に、その周囲を真紅の炎が燃え盛っている。
その高温により接触したモノを焼き尽くし、巨人自体も拳や炎で出来た十字架を武器として振りまわす。
また、体を爆発させて爆風や衝撃波を起こし広範囲攻撃も可能と、圧倒的な破壊力を誇る。
この術式の本質は周囲に刻んだルーンであり、巨人自体は湖面に映る月に過ぎない。そのためいくら巨人を攻撃しても意味はなく、ルーンを消さない限り無限に再生を繰り返す。
裏を返せば巨人が行動できるのはルーンを刻んだ区域のみで、そこから外に出ることは出来ない。同様に巨人の性能も呼び出す際に使用したルーンの数に左右される。そのため万全を期すためには数千から数十万と、莫大な量のルーンを必要とする。
《賢者の孫》
・異空間収納:魔法で創った異空間に物を仕舞う魔法。あらゆる制限無く物を仕舞える。但し生き物は仕舞えない。