MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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エピソード・4

私はサムさんと一緒に、カフェへとやって来ました。大勢の人達の目を避ける為に、私とトッペマは箒に乗って空で待機しています。トッペマはスカートをプロペラのように回転させて空を飛んでおり、私は横向きに乗りながらカフェを空から見下ろしています。

 

「居たわね。眼鏡のハゲの男性。あれがストライクチームって奴等に指示を出してる男ね」

 

「『ジャスパー・シットウェル』さんですね。S.H.I.E.L.D.のエージェントにしてヒドラの構成員。世界的組織の中でも偉い立場にある方が、悪の組織のメンバーなんて笑えませんね」

 

「ホントよね。ってかS.H.I.E.L.D.もS.H.I.E.L.D.よ。目の前にヒドラが居るのに気付かないなんて………まあ、私達もだけど…………」

 

「あっ、サムさんが電話を掛けましたね」

 

上空でカフェテラスに居るサムさんが、シットウェルさんに電話を掛けました。動いたようですね。

 

私は杖をシットウェルさんに向けました。

 

シットウェルさんは余裕の笑みを浮かべていますが、サムさんが私の元を指差しました。かなりの高度に居る筈ですが、私の事が目視で分かるようですね。

 

そしてシットウェルさんが真上を向いて、私のスカートの下のドロワーズが見える位に顔を上げた後、私はシットウェルさんを引き寄せました。

 

「アクシオ」

 

すると、シットウェルさんは私の元まで勢いよく引き寄せられ、スマホを地面に落としました。もうスマホが何処に落ちたのか見えなくなりましたね。

 

「―――ぁぁぁぁああああああっ!!」

 

「ウィンガーディアム・レビオーサ」

 

私はシットウェルさんを空中に浮かせました。

 

「何なんだ!?これはどういうつもりだ!?」

 

シットウェルさんは私達に怒鳴ってきますが、私は無視して指定されたビルの屋上まで飛んでいきます。

 

「トッペマ。スティーブさん達に連絡を」

 

「ふくろうは送ったわよ」

 

トッペマの腕から、一匹のふくろうが飛び去って行きました。ふくろう便なら傍受されずに連絡出来る上に何処に居ても手紙は届けられるので、非常に便利です。

 

私は浮かせたままのシットウェルさんに問い掛けます。

 

「私の事はご存知ですか?」

 

「分からない!魔女の事なんて!」

 

「分からない?それを言うなら“知らない”ではありませんか?そして私は貴男に対して魔女だと報告した覚えはありません。誰から聞きました?」

 

「何を言ってるのか分からない!」

 

そして、私は指定されたビルの屋上までやって来ました。シットウェルさんを屋上に降ろして、私達は屋上に降り立ちます。

 

「まあ大方ナターシャさんからの報告に目を通したのでしょうね。それはどうでもいいとして。ステューピファイ」

 

私は失神呪文をシットウェルさんに放ちました。魔法を当てられたシットウェルさんは千鳥足になってその場に倒れそうになりましたが、私は即座に引き寄せ呪文とステューピファイの反対呪文を唱えました。

 

「アクシオ、エネルベート」

 

シットウェルさんは私の目の前まで引き寄せられ、失神した者の意識を回復させる呪文をシットウェルさんに当てました。シットウェルさんは意識を取り戻しましたが、私は床に再び彼を落としました。両足で着地しましたが、度重なる浮遊と落下のせいでバランスを取れずに転倒してしまいました。

 

「そろそろ到着する頃かと思われますが、質問させてもらいます。ゾラという方をご存知ですか?」

 

「知らない!誰だそれは!?」

 

「とぼけても無駄よ!ゾラという科学者が、S.H.I.E.L.D.はヒドラに乗っ取られてる事を教えてくれたわ!」

 

「ど、どういう事だ!?」

 

「まだ惚ける気!?ゾラのアルゴリズムって何よ!?教えなさい!」

 

まだ惚けるつもりみたいです。しかし、私はまだ尋問を続けるつもりです。

 

「まだ口を割りたくないのなら、こうしてあげましょう。トッペマ、見ててください。くだらない魔法も使いようです。『ダイベイン』」

 

「ッ!?ぐおおぉぉおおおおぉぉっ!?」

 

シットウェルさんが腹部を押さえ始めました。

 

「便意を誘発させる魔法ですよ。この場で大きいのを漏らして構いませんが、また掛けるだけですよ。それとも情報を漏らしますか?一応言いますが、重ねがけ出来ないとは言ってませんから、もう一度掛けたらどうなりますかね〜」

 

大便を漏らすか、情報を漏らすか。いくら世界的組織のエージェントと言えども、排便欲求を極限まで刺激されたらひと溜まりもないでしょう。

 

私が杖を向けた瞬間、シットウェルさんは涙目になりながらお腹を押さえ、私の要求を呑みました。

 

「待て……わがっだ!!だのむ!!ばなずがら!!」

 

「ンイベイダ〜」

 

メレブの魔法をすぐに解く方法は、呪文を反対に、それもやる気なさそうに唱えるのが一番です。

 

すると、後ろの扉が開いて3人の人物が入って来ました。

 

「なんだ、スーツ手に入れたのに俺の出番は無しか」

 

「僕等の作戦も無駄になったな」

 

背中に大きな装置を背負い、赤いゴーグルを身に着けたサムさんがそう言いました。何をするかを見てみたかったのですが、今は情報を聞き出すのが最優先です。

 

「イレイナ、貴女えげつない事するわね………」

 

「手段は選んでいられませんから」

 

「あら、気が合いそうね」

 

ナターシャさんとですか?そうでしょうか?

 

そして、シットウェルさんは口を割りました。

 

「い、インサイトのプログラムだ!!アルゴリズムでターゲットを選ぶ!!」

 

「ターゲットは?」

 

スティーブさんが訊きました。

 

「お前達や、カイロのテレビキャスター、国防次官、アイオワの高校の卒業生代表、ブルース・バナー、ストレンジ、ピーター・パーカー、トニー・スターク、パレッティア、マゼンタ、そして日本も例外なく含まれている!東大の卒業生、公安調査庁、メフィラス、木之本さくら、モスガール、クマ娘、黒岩仁太郎、非理屋、アカマミレ、裏切り者のひなげし歌劇団やアナコンダ伯爵、グルメッポーイ、パラダイスキング、カリオストロ伯爵、プラーミャ、デスコール、エノルミータ、トレスマジア、フリーレン、ソースの建、その他諸々!!国も人種も問わず、ヒドラの脅威となる連中全員がターゲットだ!今も、未来においても!」

 

かなり出て来ましたが、何名かは何処かで聞いたような気がしますが?

 

「未来?どうして分かる?」

 

「クク………ハハハハ!何故分からない?」

 

スティーブさんの質問をシットウェルさんは笑い飛ばしました。

 

「21世紀はインターネットが流行ってますから、それを介して私達の過去の行動から未来を予測したんですね」

 

「賢いな。だが足りないな。今の時代はデジタルが主流だ。ゾラがヒドラに読み方を教えてくれた!銀行の記録、医療記録、商品の流通パターン、世界や国や地域を問わず大会の勝敗記録、選挙の投票パターン、メール、電話、SNSの利用履歴、インターネットの検索履歴、テストの得点、業務成績、勿論犯罪歴も!ゾラのアルゴリズムは人々の過去を計算し、未来を予測する!」

 

「ネット社会を上手く利用したんですね。それで、その後はどうするんですか?ゾラの見せた映像には、空を飛ぶ空母の下部に搭載された無数の砲台がありましたし、“粛清”と言ってましたが?」

 

すると、シットウェルがそっぽを向き始めました。そうするという事は、言いたくない理由があるのでしょう。

 

「………言えない。ピアーズに殺される」

 

「その後はどうする!?」

 

スティーブさんが声を上げると、シットウェルが口を割りました。

 

「………ヘリキャリアの武装でターゲットを消す。一度に何百万人も」

 

………大変な事になりました。まさか私達がこんな事に巻き込まれるとは思いませんでした。

 

「ヘリキャリアって、あの空母みたいな戦艦ですか?」

 

「そうだ。フューリーはインサイト計画を進めていたが、延期を願っていた」

 

「だからフューリーは襲われたのね」

 

スティーブさんとナターシャさんは、フューリーさんが殺された理由を知って唖然としていました。

 

「ちょっと待ってください。ヘリキャリアって何機あるんですか?」

 

「3機だ。トリスケリオンの本部にある格納庫で製造されている。スタークのアイデアで搭載されたリパルサーエンジンで、着陸の必要無く飛んでいられる」

 

スティーブさんが答えました。

 

「………シットウェルさん。質問させてください。ヘリキャリアは本部にある3機だけですか?さっき、日本も例外なくと言っていましたが、その言葉がずっと気になるんです。教えてください。本当はもう一機、あるんですよね?」

 

「………ハハハ!鋭い小娘だ!」

 

「小娘?やはり突き落としましょうか」

 

私は杖を向けようとしましたが、スティーブさんに腕を掴まれて杖を落としてしまいました。床の上に落としただけですが。

 

「……何故日本にある?」

 

「………ゾラのアルゴリズムを利用して読み解いた結果、日本が世界各国の中で最も脅威になる逸材が多いと出た。だから日本支部に潜伏したヒドラのメンバーを介して物資を提供し、作らせたのさ。表向きは自衛隊とS.H.I.E.L.D.日本支部の共同開発の防衛兵器としてな!」

 

「………今から日本に行っても間に合わないわ。電話やメールじゃ何処かで必ず傍受されるわよ。S.H.I.E.L.D.がそれを見逃す筈が無い」

 

ですが、このまま放置するわけにはいきません。

 

「イレイナ!急いで日本へ行きましょう!このままだと、日本で大勢の犠牲者が!」

 

「………スティーブさん、ナターシャさん、アメリカはお任せして宜しいですか?」

 

トッペマは私の右手を握りました。これから日本へ転移する為です。

 

「今から日本へ転移します。私達はこの事を浜崎さんに伝えます」

 

「何っ!?正気なのか!?」

 

シットウェルが声を上げました。

 

「冗談じゃない!ヒドラはリークを許さない!お前に何が出来――」

 

その瞬間、シットウェルの頭を何かが貫き、その後に大きな銃声が響き渡りました。

 

「不味い!全員建物に入れ!」

 

私達は殺されたシットウェルをその場に置いて、建物の中へ避難を始めました。窓のない非常用階段を降りていきます。エレベーターや表側の階段では、居場所が丸見えな上に読まれる可能性があるからです。

 

階段を降りていく途中で、私は段毎に一枚ずつカードを貼っていきました。

 

「何してる!?急げ!」

 

「必要なんです。ルーンを貼り付けてるので、先に向かってください」

 

私は異空間に収納したルーンを刻んだカード、通称ルーンを壁に貼り付けていきました。

 

「トッペマ!先に降りて、スティーブさんとナターシャさん、サムさんを援護してください!私はルーンを貼り終えたら追い掛けますので!」

 

「分かったわ!イレイナ、下で待ってるわよ!」

 

こうして、私達はそれぞれ分かれて行動しました。

 

私はゆっくりと階段を降りながらルーンを貼っていき、トッペマはスティーブさんにしがみついた状態で階段を降りて行きました。




今後登場予定のキャラを、ヒーロー、ヴィラン問わず出してみました。

因みに転生者は全員女性です。ポリコレ?知らんな。
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