MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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エピソード・7

イレイナです。私達はスティーブさん達と一緒に、S.H.I.E.L.D.本部のあるトリスケリオンまでやって来ました。S.H.I.E.L.D.本部だけあって、とても立派な建物でした。

 

「私達は何をすれば宜しいのでしょうか?」

 

「イレイナ。君はマペットと一緒に、本部の中にいるヒドラを倒しつつ、職員の救助を優先してくれ。僕とサム、そしてヒルの三人でS.H.I.E.L.D.の通信室に入り、真実を話す。そしてサムと一緒に、ヘリキャリアへ乗り込む」

 

「分かりました」

 

すると、トッペマが挙手をして意見を出しました。

 

「仮にヘリキャリアを撃ち落とせたとしても、下が橋や民間人の居る場所だったら、破片が降り注ぐだけでも被害は高そうよ。だからイレイナは、本部を優先して欲しいわ」

 

「出来ますか?」

 

「勿論よ!出来る限り助けてみせる!パートナーを信じて!」

 

トッペマが手を差し出しました。握り拳を此方に向けています。

 

「分かりました。下は任せますよ」

 

私はトッペマの拳に、自分の拳を当てました。

 

「二人共、良いコンビだな」

 

「ああっ………そうだな………」

 

スティーブさんが私を見てます。懐かしんでいるようです。多分、ウィンター・ソルジャーの事でしょうけど、今は追求してる暇はありません。

 

「ではトッペマ。後で合流しましょう」

 

「任せて頂戴」

 

スカートを回転させた後に空中へ浮遊したトッペマは、空へ飛び立ちました。先に本部へ飛んでいったトッペマなら、あのサイズですし気付きにくいと思われます。

 

「行くぞ」

 

私達は本部に向かって歩いて行きました。S.H.I.E.L.D.の職員に見られないように草むらを潜り抜けて、裏口へ辿り着きました。

 

「では、私がお先に」

 

私は目くらまし術を使い、自身の姿を透明にしました。完全に透明化は出来ませんが、監視カメラには映らない筈です。もし赤外線センサーとかサーモセンサーを使われたらアウトですが、ここは世界最高レベルの組織の癖にそれを取り入れてないそうです。詰めが甘すぎませんか?

 

私は扉を開けて歩き出し、足音を立てずにゆっくりと歩いて行きます。この目くらまし術、かなり近付いたらすぐにバレてしまうので、距離感を気を付けつつ移動しなくてはいけません。途中で職員に出くわすかもしれませんが、この時の為にレベリオがあります。

 

私は途中でレベリオを唱えて、職員の位置を確認しました。

 

そして、どうしても行かなくてはならない位置に職員が居た場合は、光弾を壁に当てて気を逸らし、その隙に魔法で気絶させます。

 

そして、私達は通信室に辿り着きました。ヒルさんが通信室内の照明を点滅させて異常が起きたと思わせ、中の兵士達を私達の元へおびき出せました。

 

イレイナ「スティーブさん、皆さんは信じてくれますか?」

 

スティーブ「信じてくれる。僕はそう信じるだけだ」

 

そして、スティーブさんが通信室のマイクへ口を近付けて、本部全体に演説を始めました。

 

『S.H.I.E.L.D.の皆、聞いてくれ。スティーブ・ロジャースだ。僕を捕らえろと命令も出ているだろう。そして僕に力を貸したサムや、イレイナ、トッペマ・マペットの事も捕らえるよう指示も出ているだろう。だが真実を聞いて欲しい。S.H.I.E.L.D.は変わってしまった。ヒドラに乗っ取られているんだ』

 

そう。私も気付けませんでした。

 

『アレクサンダー・ピアースがリーダーだ。他にも何人も、このビルに潜んでいるだろう。奴等はS.H.I.E.L.D.を支配した。フューリーをも撃った。僕が結果的に巻き込んだとはいえ、この国へ観光にやって来た筈のイレイナやトッペマも殺そうとした。それだけじゃない。ヘリキャリアが打ち上げられたら、ヒドラは邪魔者を自由自在に殺せる力を手に入れる』

 

そう。今日本も危険な状態です。

 

『僕等で止めるんだ。自由の代償は大きい。いつだってそうだ。だが払う価値はある。僕一人でも戦うが、一人じゃないと信じる。だから皆、どうか協力してほしい』

 

私達で止めなくてはなりません。

 

「良い演説ですね。どうやって考えたのですか?」

 

「それはまた、別の機会に話すよ」

 

「では、S.H.I.E.L.D.のゴミ掃除と行きましょう。私は失礼します」

 

「ああっ」

 

そして、私は部屋を出る………前にヒルさんに尋ねました。

 

「ヒルさん。倒したヒドラのお金を頂いて宜しいですか?」

 

「おいおい、敵の金を奪う気かよ」

 

「サムさんに聞いてませんよ。別にこれくらい見逃してもらえませんか?」

 

「貴女って性格悪いわね。まあこんな状況だから、誰も止めないと思うわよ」

 

「では失礼します」

 

私は通信室を出ていくと、そのまま廊下を駆け足で進みました。

 

では、始めるとしましょうか。私は懐から白のチョークを取り出しました。チョークで壁に魔法陣を描きます。まあチョークでなくても、壁に魔法陣を描けるなら、魔法で壁を削っても良いのですが。

 

「聖書によれば、神は土を捏ねて自身を模した人間、アダムを創造したようですね。しかし、その御業は人の手に余る所業。まっ、最近ではクローンによってコピー人間が出来る事が明かされて、更に私が知る限りではAI生成によって過去の人間の肉声や動きを復活させる事も可能であるようです。したがって、神の人類創造のやり方とは違った方法で、人が人を造る事は可能になるでしょう。しかし今回においては貴重な戦力となるでしょう。なにせ、此処には材料が沢山あるのですから」

 

それでこそ、このゴーレム=エリスは強くなります。

 

「ではエリス。命令します。このS.H.I.E.L.D.に潜むヒドラを蹴散らしなさい」

 

私がそう命じた、その時でした。

 

『グオオオオオオオオオオオッ!!』

 

轟音と共に、周囲の瓦礫で構成された巨大なゴーレムが出来上がりました。

 

「2体目も作っておきますか」

 

この魔術、全身形態を2体以上作ろうとしたら保てなくなって崩壊してしまいます。しかし、それを利用して地盤沈下を引き起こせるのですが、それをしたらこの建物が崩れてしまいますからね。

 

そして、2体のゴーレムを前に、私は銃声のする方向へ向かわせました。

 

そして、2体のゴーレムに出入り口を殴らせ、その腕に扉を取り込ませました。

 

『『グオオオオオオオオッ!!』』

 

すると、その先には司令室みたいな場所が広がっていました。

 

「な、なんだ!?」

 

「怪物だー!!」

 

人々が混乱する中で、私はレベリオを唱えて敵の存在を認識して、ゴーレムに敵を指定しました。

 

「ゴーレム=エリス。敵を発見しました。攻撃してください」

 

『『グオオオオオオオッ!!』』

 

私が操るゴーレム達は単純な命令しか聞きませんが、私がレベリオで敵を認識すれば自動で敵を攻撃しに向かってくれます。

 

そして、ゴーレムは弾を撃ってきた敵を拳で殴り飛ばしました。

 

味方の場合は、当たりそうになれば器用に避けたり、跨いで越えたりと、巻き添えが無いようにしています。

 

「さて、他の敵も倒しましょうか。エクスペリアームス」

 

私は敵全員に武装解除呪文を放ち、敵が手にする銃を弾き飛ばしました。

 

私はゴーレムを盾にしながら敵を排除すると、私の元へ男が迫りました。私は懐から『ナイフ』を取り出そうとしました。

 

しかし、金髪の綺麗な女性が男を蹴り飛ばしました。

 

「貴女が噂の魔女ね。私はシャロン・カーター。S.H.I.E.L.D.のエージェント13で、キャプテンの護衛を長官から任されているわ」

 

「心強いですね」

 

「貴女もね」

 

ケイトさんは私と並んで、敵達に銃を撃ちました。

 

「あの時の魔女か。また会うなんて思わなかったな」

 

「おや、お久しぶりですね」

 

それは、私とトッペマを殺そうとしたあの男でした。浜崎さんに倒された筈ですが、もう復活されたのですね。

 

「だがもう手遅れだ。ヘリキャリアはもう発進させた」

 

「今から此処で何かしても無駄ですか?」

 

「そういう事だ」

 

すると、ゴーレムが男に拳を振り下ろしました。ゴーレムは動きが鈍重なので、男は腕の間を潜り抜けて何処かへ走り去りました。

 

「あの男に逃げられましたね」

 

「奴はラムロウ。ストライクチームのリーダーよ」

 

「ですが、私はS.H.I.E.L.D.の皆さんを逃がす役目があります。敵はゴーレム達に任せて、私達は外の民間人の方々も避難させないと。ヘリキャリアがもしキャプテン達に落とされたら、此処だけでなく近くの民間人も巻き込まれます」

 

私はチョークで魔法陣を空中に描き、魔法陣を赤く輝かせました。すると、近くの電子機器や敵の銃を取り込んで、ゴーレム達は巨大化していきます。

 

「では私は、このビルに巣食うヒドラを退治しつつ、避難が終わってない人達を救助します。皆さんは本部から出て、大勢の市民を避難させてください」

 

「貴女一人で大丈夫?」

 

「銃持ち程度なら平気です」

 

「流石ね。任せるわ。全員今すぐ避難して!動ける戦闘員は私と一緒に、トリスケリオンから民間人を避難させるわよ!」

 

シャロンさん、かなり有能ですね。非戦闘員の皆さんや銃持ちの皆さんはこの部屋から出て、シャロンさんも後に続きました。

 

「さて………人も居なくなりました。此れで心置きなく戦えます。『硫黄の砂』!」

 

私は魔術を発動させました。黙示録系の記述を曲解し、攻撃方法へ転換した術式です。『硫黄』といっても物理や化学のそれではなく、肌に焼けるような痛みを与え、同時に体内の器官にもダメージを与え、長く苦しい痛みを与える代物です。

 

それにこれは、障害物も無視するので、下手すれば味方を巻き込んでしまいます。しかし、広範囲殲滅には容易い魔術なので、面倒な殲滅戦には最適です。

 

『『『グアアアアアアッ!!』』』

 

周りの敵達がその場に倒れました。肌が焼けるような痛みに加え、体内の器官にもダメージを与えて、長く苦しい痛みを与え続けるのです。生きてる人間には耐え難い痛みでしょう。

 

「『ラリホー』」

 

私は彼等を眠らせて、その場で動けないようにしました。

 

さて、救助活動に専念しつつ、ヒドラ殲滅を続けますかね。

 

「トッペマも、向こうで上手くやってますかね。私のパートナーとして、信頼してますからね」

 

ある組織の幹部も言ってましたね。見えない所で友人を良く言ってる人が信頼出来ると。

 

だから、トッペマを信じます。

 

「レベリオ。レベリオ。レベリオ。おや、まだ逃げ遅れてる方々が居るようで」

 

私は救助活動を優先し、敵はゴーレム達に任せる事にしました。

 

「居たぞ!う――」

 

撃たれる前に私は光弾を杖から放ち続けて、敵を吹き飛ばしました。

 

「ヘリキャリアは……もう上空に向かったようですね。一機はサムさんを狙って撃ちまくってますね。急いだ方が良さそうですね」

 

私は走り出しました。建物に残っている人々を見つけ出し、外へ逃げるよう促します。

 

「ありがとう!じゃ、じゃあ、俺はこれで!」

 

「ありがとう!助かったわ!」

 

「ホントにありがとう!まさか魔女に助けられるなんて!」

 

逃げ遅れた方々を出口に続く場所へ自主避難させ、途中出会ったヒドラの刺客を返り討ちにして、私は本部内を奔走しました。

 

その間に、私はある男と再会しました。

 

私は即座にプロテゴを唱え、銃弾を防ぎました。私に迫る銃弾は弾かれましたが、私は銃声がする方を向きました。

 

其処にはラムロウが立っていました。

 

「覚えておけ」

 

ラムロウはチョッキを脱いで、上半身にタンクトップを着て、その上にサスペンダーを身に着けていました。マカオとは違ったサスペンダーで、胸の輪を中心に身に着けていました。

 

「ヒドラは捕虜は取らない。秩序を植え付ける。痛みによってな。覚悟は良いか小娘?」

 

「小娘?その口無くして上げましょうか」

 

私は杖を消した後、懐からナイフを取り出しました。すると、ラムロウもズボンの鞘から電撃を流す棒を一つ取り出しました。

 

「ハッ!ナイフを使う魔法使いか。()()()()()()()()()()()

 

「御託は良いので始めましょうか」

 

私はラムロウと間合いを読み合いました。

 

私がナイフを振りかざしましたが、ラムロウはもう片方の左手で私の腕を受け流し、ラムロウは私に棒を振り下ろしました。同じく私もラムロウの棒を持つ手を叩いて受け流す。それの繰り返しです。いえ、お互いに読み合いました。

 

浜崎さんからナイフの扱い方を教えてもらったお陰で、近接攻撃の不得手は一応無くなりました。

 

とはいえ、相手は歴戦の兵士です。それも数々の任務や修羅場を潜り抜けてきた猛者です。私は棒を持つ手をナイフで斬りましたが、薄皮が斬れただけでした。

 

「やるな」

 

しかし、ラムロウは私の両腕を真上に弾き、私は腹から蹴り飛ばされました。私は痛みに悶えますが、ラムロウが踏みに来ました。私は横に身体を回転させて距離を取り、魔法を唱えます。

 

「『ギラ』」

 

私が唱えた瞬間、ラムロウの足元から炎が発生しました。ラムロウは炎の中で怯み、その隙に私は『全身金縛り術』を唱えました。

 

「『ペトリフィカス・トタルス』」

 

私の掌から放った魔法の光弾はラムロウに命中し、ラムロウはその場に直立した姿勢となってその場に倒れました。一切身動き取れず、炎の中で炙られてます。

 

「すみませんね。私、手段は選ばないので」

 

私はお腹を蹴られた痛みと嘔気に気分を悪くしながらも、その場を走り去りました。

 

トッペマ、上手くやってくださいね。




次回はトッペマの、民間人の救出している様子を描きたいと思います。
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