MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

22 / 45
不思議な町の前に、日本のヒロイン達VS魔改造ヘリキャリアをやろう。


エピソード・9

イレイナです。私は箒の後ろにバッキーさんを乗せて、一番高い位置にいるヘリキャリアへ向かって飛んでいきました。他のヘリキャリアは海へ落下していますが、一番高いヘリキャリアだけはまだ落下していません。

 

「恐らくスティーブさんが居るのは、一番高い位置にあるヘリキャリアでしょう」

 

「………俺は、どんな顔をして会えば良い………」

 

「知りません。自分でなんとかしてください」

 

「冷たいな」

 

何か言われましたが知りません。あくまで自分達の問題です。私が口に出すのは無粋です。

 

私はあくまで旅人です。旅先で起きている国内の情勢や問題は、自分達でなんとかするべきです。まあ、どうしてもと願うなら、手を貸して上げなくもありません。お金も弾んでくれる事前提ですけど♪

 

屑?なんとでも言えば良いんです。何事もお金が必要ですから、沢山有っても困る物では無いはずです。

 

「着きましたよ」

 

私は墜落するヘリキャリアの傍に寄りました。

 

すると、ヘリキャリアの下部にある窓縁にしがみつき、落下しないようにしているスティーブさんの姿がありました。

 

箒の上に乗り、器用に立ち上がったバッキーさんが声を上げました。

 

「スティーブ!!!」

 

「ッ!バッキー!!」

 

スティーブさんが声に気付き、私達の元を向きました。

 

「スティーブさん!跳べますか?」

 

「やってみる!」

 

スティーブさんは窓縁に這い上がり、まだ割れてないガラスの上に立ちました。少し後ろへ下がった後に、このまま私達の元へ走って来ます。

 

「だあああああっ!!」

 

スティーブさんが窓縁ギリギリの所で跳んで、私達の元へ向かって来ました。

 

私は乗ってる箒をスティーブさんの元へ寄せて、スティーブさんとの距離を少しでも縮めました。

 

「スティーブ!!掴まれ!!」

 

「バッキィィィー!!」

 

スティーブさんが、箒に乗りながら片手を伸ばすバッキーさんに向かって、スティーブさんが手を伸ばしてきました。

 

金属の左手ではなく人としての右腕を伸ばすバッキーさん、中々エモいですねぇ。右手の握手という意味でも、利き手という意味でも、神に仕えるミカエルの意味でも。あらゆる意味で右手を差し出すというのは、とても良い意味がありますから。

 

そして、スティーブさんの右手を握るバッキーさん。しかし、スティーブさんが重かったせいか箒からずり落ちそうになるバッキーさん。金属の左手で箒を掴みましたが、そのせいで私の乗る箒も落ち始めました。

 

「定員オーバー過ぎですぅ!堕ちてしまいますよぉ!」

 

必死に真上に上げようとしますが、前に進めても落下が止まりません。ヘリキャリアを見ると、トリスケリオンに向かって飛んでいきました。機体からは黒煙と炎が上がっているので、いずれ墜落するのも時間の問題でしょう。

 

しかし、私は箒に乗せたバッキーさんとスティーブさんを運べず、このままでは地面に不時着する前に海へ落下してしまいます。

 

「そのスーツ、まだ有ったのか!?」

 

「君に思い出してくれるように着替えたんだ!」

 

「相変わらずダサいな間抜け野郎!」

 

「口が悪いぞクソ野郎!」

 

お互い抱き締め合ってますが、私は箒を上げなければ海に墜落してしまいます。

 

「お、重い……もう無理……落ちますぅ………」

 

箒が真下に向きかけた、その時でした。

 

「大丈夫か!?下から支えてやる!」

 

下からサムさんの声がしたかと思えば、サムさんが私の前に現れて、箒を下から支えてくれました。

 

「うがあああああっ!!」

 

サムさんと協力して、私は落下する事なく港に降り立ちました。しかし、箒から私達は投げ出されて、私達は何度も地面を転がる羽目になりましたが。

 

「………筋肉は重いですね」

 

「朝飯食いすぎた」

 

「食べ過ぎです」

 

私達は息を切らしながら、その場で仰向けになりました。

 

「………バッキー……僕を思い出してくれたのか?」

 

「断片的にだがな。あの魔女が俺の記憶を呼び覚ましてくれた」

 

「………彼女はイレイナだ。世界中を旅する灰の魔女だ」

 

「イレイナか………なあお前!」

 

バッキーさんが私を呼びました。

 

「………はい?」

 

私は上半身を起こし、バッキーさんの元を向きました。

 

「お前………何処かで会ったか?」

 

「………キモいんですけど?」

 

「………冷たいな」

 

私の中でバッキーさんへの信頼が下がる………筈でしたが、私は気になったので尋ねて見ました。

 

「キモいバッキーさんに質問です。何故私にその質問をしたんですか?」

 

「君は前に、俺が殺しの任務で殺そうとしたある女にそっくりだった。ウィンター・ソルジャーとして動いていたから記憶は曖昧で、かなりうろ覚えだが、暗殺で失敗したのはそれっきりだった。その女は、お前みたいに不思議な魔法を使っていた。俺の襲撃を感知したり、狙撃を回避したり、天候や天体を変えたりと、とんでもない強さだった」

 

「………名前はなんと?」

 

「名前はヴィクトリカ。名字は分からない。だが、かなりの強さだった」

 

やはり。それ、この世界のイレイナの母親の名前ですね。

 

「もしかして、イレイナの母親か?」

 

サムさんが口を挟みました。

 

「その可能性が高い」

 

スティーブさんが肯定してくれました。

 

なら、私の旅の目的が新たに追加されました。

 

「ありがとうございます。お陰で、新たな旅の目的も増えました。世界中を旅して楽しむ事。そして、私と母のルーツを探る事です」

 

新たな旅の目的が決まった時、心の底から冒険に出たいという意欲が更に湧いてきました。

 

「イレイナァー!!」

 

トッペマの声が響きました。私が空を見上げると、トッペマが空からスカートをプロペラのように回しながら、私の元へ飛んで来るのが見えました。

 

「トッペマー!!」

 

私は迫って来たトッペマを正面から抱き締めましたが、トッペマの飛んできた勢いで背中から地面に倒れてしまいました。

 

「良かったわイレイナ!!無事だったのね!」

 

「ええっ、勿論です。トッペマも、民間人の避難はどうでした?」

 

「バッチリよ!ほら!」

 

トッペマが懐から取り出したタブレットを私に見せて、最新のニュース映像を見せてくれました。

 

『インターネットに流出した情報に寄りますと、トリスケリオンから放たれたヘリキャリア三機は、テロ組織ヒドラによる大量殺人兵器である事との事でした。しかし、キャプテン・アメリカとファルコンの活躍により、未曾有の国家的危機を、無事に乗り切る事が出来ました。また、空を飛ぶ緑の魔法少女の活躍により、ヘリキャリアの落下付近に居る民間人の犠牲者は居ませんでした。繰り返します。民間人の犠牲者は、一人も居ませんでした』

 

それは、トッペマがどれだけ活躍したのか物語っていました。トッペマの身体はかなりボロボロで、水に濡れた所も沢山ありました。

 

「頑張りましたね。トッペマ」

 

「うん!!」

 

私はトッペマの頭を、被り物越しに撫でました。

 

民間人の犠牲者が出なかった事が、何より安心しました。

 

こうして、S.H.I.E.L.D.は壊滅し、その中に巣食っていたヒドラのメンバーも、全員壊滅しました。




次回でウィンター・ソルジャー編、完結です。浜崎さんは何をしてたのか、少しだけ明かします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。