MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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番外編・その3

ヘリキャリアは5人のヒロイン達と交戦しており、レーザーと砲撃が飛び交う中で、彼女達はヘリキャリアと戦っていた。

 

「バカスカ撃って、弾の無駄どすえ」

 

サルファが両手から展開するバリアは、ヘリキャリアのレーザー光線だけでなく砲弾すらも容易く防いでいた。

 

「サルファ!カードキャプターも到着したそうよ!モスガールもレールガンの破壊に全力を注いでるわ!」

 

「あの虫女、よう気張っとりますなぁ」

 

そして、モスガールは甲板を走って二台目のレールガン破壊に向かう。

 

「アゲアゲ〜!ウチ、まだ飛ぶぞってか、マジエモ!!」

 

モスガールはパリピな言葉を連発しながら、掌から糸を放つ。そのままレールガンを搭載した塔に巻き付けて、そのまま引っ張り出した。

 

「んんん〜!!レールガンぶっ壊すウチ、マジ映えるわ!シャンなろー!!」

 

糸を巻かれたレールガンの塔は、糸に引っ張られた事でひび割れていき、軈てひび割れは徐々に大きくなっていく。

 

しかし、残りのレールガンがモスガールに砲塔を向ける。

 

「マッ!?レールガンとかレベチなんだけど!?」

 

モスガールは逃げようとした。ヘリキャリアの建物へ糸を出そうとする。しかし、不発に終わる。

 

「はにゃ?」

 

今になって気付く。糸は2本しか出せず、一度出し切ったら帰ってもう一度作らないといけないと。

 

「のぅおああああっ!!糸が無いいぃぃぃ!!ぴえん……」

 

すると、モスガールの耳に搭載した通信機から、通信が入る。

 

『新歌!どうしたんじゃ!?なんか叫び声が聴こえたぞ!』

 

聴こえてきたのは、初老の男性の声だ。

 

「博士ぇ〜!糸無くなったわ!ってか今のウチはモスガール!本名で呼ぶな!あせあせだわ!」

 

『ああっ、すまんのぅ!しかし、なんじゃと!?糸が無くなったのか!?』

 

『どうするのよ!?今言っても間に合わないわよ!』

 

今度は大人びながらも愛らしい少女の声が響く。

 

「哀さ………オラクルゥ………ウチ、ガチで終わったかも」

 

モスガールは二門のレールガンに狙われ、絶体絶命のピンチに陥る。

 

『しっかりして工藤さん!貴女はモスガールでしょ!?何か使えそうな物は無いの!?』

 

「ヤバタニエンだし……ん?」

 

モスガールはどうしようか悩んでいると、突然、塔に巻き付いた糸の伸びた部分をサルファとアズールが握る。

 

「しっかりしい!ウチ等だけじゃ壊せん!」

 

「貴女はもう一つのレールガンを!」

 

「あー、マジ卍だわ。サンキュー!」

 

モスガールが走り出す。レールガンはモスガールに狙いを定め、砲身に電撃を走らせる。

 

そして、レールガンの砲塔から砲弾が放たれた。

 

「マッ!?」

 

モスガールは床に前のめりに倒れ、胴体を引きずりながら砲弾を避けた。その瞬間、レールガンの砲弾はヘリキャリアの甲板を撃ち抜き、そのまま東京湾へ一直線に突き進んだ。

 

そして、東京湾にレールガンが直撃し、数百メートルもの大きな水飛沫を上げた。

 

「………マッ?」

 

「嘘………」

 

「あんなん、当たったら死んでまう!」

 

サルファのシールドでも防げるか、正直怪しい威力だ。

 

前に戦った悪の組織の重火器娘でも、此処までの火力を出せた事は無い。

 

レールガンがもし東京の街に放たれたら、間違いなく壊滅的被害を齎されていただろう。

 

「……オラクル。レールガンのお陰で、ヘリキャリアぶっ壊れたんだけど」

 

『え、ええっ………墜落の被害は甚大よ。東京湾に墜落させるしか無いわ!但し、沿岸部やアクアラインがある場所じゃ駄目よ!もっと更に先の、沖へ誘導して!』

 

「り!」

 

『博士!モスガールの新装備は!?』

 

『任せい!今そっちに飛ばしたわい!着地地点に光彦君達が待機しとる!急いでヘリキャリアの武装破壊して、光彦君達に合流するんじゃ!』

 

「ウェーイ!やっぱ友しか勝たん!」

 

モスガールは走り出す。ヘリキャリアのレールガンは再びモスガールに狙いを定めるが、突然その内の一つが飛んできたレールガンによって押し潰された。

 

「ハァ……こんな形で武装展開するなんて」

 

それは、殺意マシマシの巨大ナックルで両腕を武装したサルファが、モスガールの糸で絡めたレールガンを塔ごと投げ飛ばし、もう一つのレールガンを押し潰したのだ。

 

「おおっ!サルちんめっちゃヤバみ〜!?しゅごい!!しゅきぃ!!」

 

モスガールがサルファを褒め称える。

 

「あっ、ど、どうも……」

 

今の自分の姿は市民に見せる事は無く、トレスマジア以外のヒーロー達にはあまり見せないのだが、モスガールに褒められたのが満更でもなかったサルファ。

 

「どぉっせええぇぇぇいっ!!」

 

モスガールは跳んで最後のレールガンの塔を蹴り壊した。両足で蹴り飛ばされた塔はだるま落としの要領で蹴り飛ばされ、東京湾へ落ちていった。

 

「やるわね!」

 

アズールも襲い掛かる戦闘機の翼を斬り、撃ち落とした。

 

「ッ!あそこか!」

 

モスガールはマスクの上に映るホログラムの照準画面に、街の屋上で待つ3人の少年少女を目撃する。

 

「二人共、ウチちょいとイメチェンしてくわー!バーイ!」

 

モスガールは甲板から跳び出すと、背中の羽根を広げた。蛾のような翼を広げ、東京の街へ滑空していった。

 

「………なんか、ギャルにしては演者っぽい感じね」

 

「ギャルを演じてるみたいで痛々しいわぁ」

 

アズールもサルファも、モスガールがギャルらしくないと気付いていた。

 

―――――――――――――――――――――――

 

そして、モスガールはビルの屋上で待機していた3人の少年少女に再会する。

 

「ウェーイよう!少年探偵団!ウチの新しい装備ある?」

 

「うん!博士に頼まれて、しっかり持って来たよ!」

 

「屋上まで、お巡りさん達や刀のお姉さん達が運ぶのを手伝ってくれました!」

 

「良い兄ちゃん達と姉ちゃん達だったぜ!!」

 

それは、活発な少女に知的な少年、そして太ったガキ大将の少年の三人組だった。彼等はそれぞれ鞄を抱えており、その中を開けると二つの小型の円形装置に、畳まれた蛾の羽のような装置がそれぞれに一つずつ入っていた。

 

少女は吉田歩美。少年探偵団のムードメーカーだ。

 

知的な少年は円谷光彦。モスガールやこの場に居ないある者を除けば、豊富な知識で推理を構築していく理論派。緊急時には臨時のリーダーも務める少年だ。

 

太った少年は小嶋元太。探偵団の切り込み隊長。コメディリリーフで、考えるよりまず行動するタイプ故に失敗も多いが、恵まれた体格に違わぬ怪力でピンチを救う。モスガールも彼には助けられた事がある。

 

この3人は、モスガールの正体を知る者達の中で、モスガールが最も信頼する小学生達だ。モスガールの正体を知る者達は日本でもそれなりに居るが、全員信用して正体を伏せてくれたのだ。

 

少年探偵団は、モスガールの活動をサポートしており、主に指示を出したり、こうして必要な物資を届けたりする役目を持つ。しかし小学生だけでは危険な場所や任務もあるので、必要な時に応じてある警官達が護衛に当たる事がある。

 

「ありがとうございます!あっ……マジサンキュー!」

 

「ボロ出ちゃってますよ!」

 

「ホントだぜ!誤魔化すの大変なんだぞ!」

 

光彦と元太が冷や汗を流す。

 

(にしてもお巡りさんに刀のお姉さんですか……この3人がヒドラって人達の刺客に狙われないよう守ってくださったのですね。ありがとうございます。安室さん。それに、刀使ノ巫女さん達も)

 

「んじゃ、早速!」

 

モスガールはそれぞれの鞄から円形装置を取り出すと、両手の手首に装置を取り付けた。更に、背中の羽根を外し、背中に新たな羽根を装着した。その瞬間、モスガールの身体が浮遊し始める。羽根の目のような模様が眩しくない程度に光り、両腕の装置も光っている。

 

「おおっ!めっちゃウケる!」

 

『どうじゃ?新開発のグラビティフライ装置じゃ!重力を操り、自在に操作出来るじゃろ?』

 

「あーね。とりまヘリキャリアなんとかするわ!んじゃ、行ってくる!」

 

モスガールは空を浮遊し始める。重力をコントロール出来るようになり、空中を自由に飛ぶが、慣れない為か中々思うように進めない。

 

「おうっ!?ひゃああっ!!このっ!」

 

地声が出そうになるが、モスガールは滑空する時と同じように身体を保ち、軈てジグザグに動き回りながらも、空中で体勢を保てるようになる。

 

「いよっしゃ!ぶちかましたる!」

 

モスガールは羽を羽ばたかせて、爆炎を上げながら空中を飛ぶヘリキャリアに向かって飛んでいく。

 

ヘリキャリアを街に落とさず、洪水も引き起こさないよう、奥の海へ運ぶ為に。




次回で、番外編を終えるつもりです。
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