MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います   作:ちいさな魔女

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エピソード・7

私達は地下への階段を降りた後、石で積み重ねたような壁に囲まれた薄暗い地下通路を進んで行きました。

 

その途中で石板の謎に出会いました。矢印と同じ図形を見つけ出す謎々でしたが、これは難なくクリアしました。目の錯覚、ぼんやりと見る必要はありましたが、まあなんてことはありませんでした。

 

矢印の示す道へ進む私達は、突き当たりを右に曲がると、怪しい扉を見つけました。

 

此処の謎も解いて、扉を開けました。謎を解かなければ開かないシステムなんて、ラインフォード氏は中々の謎々好きだと見て取れますね。

 

トッペマ「ふう……よくイレイナは14本目で行けたわね」

 

イレイナ「私もこれは流石に苦労しますよ」

 

トッペマ「そうよね……私は30回ミスって、イレイナは6回……なんか釈然としないわ………」

 

イレイナ「さあ、先に進みますよ」

 

私達は扉を開けました。

 

すると、その中は寂れた部分が見られましたが、誰かが使用したような棚や壺、そして壁画が存在していました。この部屋は、ラインフォード氏の物なのか、それともあのブルーノさんって方の物なのか、いずれにせよ塔の秘密があるかもしれません。

 

部屋を調べていくと、壁画の一つが揺らして動かせる事に気が付きました。

 

イレイナ「おや、隠し金庫ですか?中には……」

 

私は壁画をズラすと、その中に置かれた1本の鍵を見つけました。あの塔によく似た不気味な形をした建物が模られた鍵です。

 

イレイナ「塔によく似た形ですね……これが塔の鍵でしょう」

 

トッペマ「これでやっと塔に入れるわね」

 

イレイナ「公園に来たのは無駄では無かったようですね。部屋を一通り調べたら、あの壁に向かいましょう」

 

すると、トッペマがある小さな絵を見つけて、私にある謎々を仕掛けてきました。

 

トッペマ「イレイナ。さっき小さな絵を見つけたけど、そしたら謎々を思い浮かんだのよ。解けるかしら?」

 

イレイナ「ええっ。受けて立ちます」

 

トッペマ「流石ね。じゃあ問題!」

 

トッペマが出した問題は、図形に当てはまる物はどれか?そんな謎々でした。これは4つの図形を回転させるとすぐに分かる問題です。記憶力に自信が無い方は、メモを使うと良いかもしれません。

 

トッペマ「正解!流石イレイナね!」

 

イレイナ「はい、規則に合う物は見つければ良いのですが、見比べたら混乱しますね」

 

トッペマ「でもイレイナはもう見抜いたじゃない。かなり意地悪な問題だと思ってたけど」

 

イレイナ「貴女も私にかなり染まってきましたね。お姫様とも思えない程に」

 

こうして私達は、地下を抜け出して公園を出ました。レベリオを使いましたが、誰かが追跡している感じはありません。敵対的反応も無さそうです。レベリオの範囲外に逃げましたか。

 

トッペマ「……ねえ、イレイナ。誰か付けてきてる?」

 

イレイナ「いえ、もう居ないようです。一旦ホテルまで行きませんか?どうしても確認したい事がありますから」

 

トッペマ「それって……あの新聞の?」

 

イレイナ「それも関係ありますが、もしかしたらホテルに何かあるかもしれません。私達を狙う何者かの手掛かりが」

 

私達は急いでホテルへ向かいました。通りすがりの人達に挨拶を済ませつつ、私達はホテルにやって来ました。

 

―――――――――――――――――――――――

 

アンナさんに頼んだのは、ここ数日内の新聞でした。もしダメならネットニュースで検索するつもりでした。スマホの検索機能はここぞという時2役立ちます。ここは電波が通る町で良かったです。

 

すると、アンナさんの口から『新聞が見つからない。朝刊も無い』と出てきました。

 

やはり、新聞や朝刊を私達に見られないようにしたんですね。見られたくない内容があったから。

 

しかし、現代の利点を甘く見ない方が良いですよ。今はネットで色々分かる時代です。

 

私がスマホを取り出し、ネットニュースで欲しい情報を一通り目を通した、その後でした。

 

すると、ホテルにラモンさんがやって来ました。

 

ラモン「イレイナ様!」

 

イレイナ「ラモンさん?どうしましたか?」

 

ラモン「それが、イレイナ様をすぐに呼んでくるよう言われまして。屋敷でサロメ様とチェルミー様がお待ちでございますよ。オホホホッ」

 

イレイナ&トッペマ「「ッ!!」」

 

アンナ「ど、どうしたんだい?そんなに声を上げて?」

 

私達波思わず声が漏れてしまった事もお構い無しに、いよいよ対面の時が来た事を察しました。

 

私達はホテルを出て、急ぎ足で屋敷へと向かって行きました。

 

すると、屋敷に向かう途中でまた、例の少女に出くわしました。

 

少女「塔の鍵を手に入れたのですね……」

 

イレイナ「………アロマさんですね?」

 

少女「………」

 

顔に動揺が現れました。図星が少し顔に出ちゃいましたね。

 

イレイナ「良いんです。私達はあの塔に向かうつもりですから」

 

少女「駄目………あの塔に関わってはいけません。あの塔にだけは………」

 

トッペマ「………大丈夫よ。私達も強いんだから」

 

少女「………」

 

イレイナ「貴女が何をしてるのかは知りませんが、私達は行きます。信じてください」

 

私達は少女と別れました。彼女がアロマさんなのは分かっては居ます。しかし、何をしてるのかまでは分かりません。それは、屋敷の用事と塔の探検、二つを終えてから話し合う事にしましょう。

 

―――――――――――――――――――――――

 

私達は屋敷に到着しました。

 

マシューさんが出迎えてくれましたが、やはり落ち着かない様子です。何かあるのは十中八九間違い無いでしょう。

 

二階に上がると、サロメさんとチェルミー警部、そして屋敷に住む方々が出迎えてくれました。

 

チェルミー「やっと来たかね、イレイナ君」

 

イレイナ「何か御用ですか?警部さん」

 

チェルミー「私は回りくどい事が嫌いなのだ。はっきり言おう。イレイナ君、いえイレイナ!ロイを殺したのはお前だ!」

 

チェルミー警部が私を指差しました。

 

やはりそう来ましたか。

 

トッペマも警部を睨んでいます。こうなる事はお互い分かってた事ですから。

 

イレイナ「ほう」

 

チェルミー「余裕そうだなイレイナ。だが、今すぐその化けの皮を剥いでやるぞ。これを覚えているな?」

 

チェルミーが取り出したのは、私が市場で忘れ物とされて渡された花瓶でした。

 

チェルミー「この花瓶は、ロイが殺された部屋に置いてあったものだ。犯人はこれでロイを殴ったに違いない」

 

イレイナ「それで?」

 

チェルミー「そしてこの花瓶には、犯人の物と思われる指紋がベッタリ付いていた………イレイナ!お前の指紋がな!」

 

チェルミーは花瓶を持ちながら、私を再び指差しました。

 

警部さんって、指を差すのがお好きなんですかね?

 

イレイナ「証拠品なら手袋をしてください。警部さんだからって手袋無しに持つべきではありませんよ」

 

チェルミー「うるさい!人殺しめっ!」

 

警部は苛ついた衝動からか、花瓶を扉に投げ付けて粉々に割ってしまいました。

 

トッペマ「きゃっ!」

 

トッペマにも破片が飛んできました。刺さりはしませんが、流石に驚くでしょうね。

 

イレイナ「トッペマ」

 

トッペマ「大丈夫よ。驚いただけだから」

 

イレイナ「警部さん。証拠品を割るなんて警察官のやる事ですか?」

 

私は警部を睨む。今の言葉には複数の意味がある。一番は、トッペマが危険な目に遭った事。もう一つは、周りの皆さんにも危険が及ぶ事。更に、証拠品を警部自らの手で壊す事。他にも色々ありますが、主な理由はこんな所です。

 

チェルミー「な、何だその目は!?お、お前にはアリバイがあるのか!?ロイが殺された時、何処にいた?言ってみろ!」

 

イレイナ「町に調査に行ってましたよ?町の方々に聴きましたか?」

 

チェルミー「ならその小娘も共犯だ!お前達は黄金の果実欲しさに、共謀してロイを殺した!そうだろ!!」

 

トッペマ「ハァッ!?ふざけんじゃないわよ!!言わせておけば勝手な事ばっかり!!」

 

トッペマがキレました。まあ当然ですか。

 

チェルミー「ほら、すぐにボロを出したぞ!私の目は誤魔化せんぞ!そして()()()を寄越せ!」

 

あーあっ。それを言わなければ良かったのに。ボロを出したのはどちらですか。

 

イレイナ「………どうしても私を犯人にしたいようですね。警部さん………しかし、私を出し抜きたいなら……自分の発してきた言葉には注意するべきでしたね」

 

チェルミー「な、何が言いたい?」

 

イレイナ「実は、私もトッペマも、既に気付いているんです。この町の秘密に。まだ分からない所はありますが、それでも大方は分かっていますよ。そして、ロイさんが殺されたというのも、実は死んでいる訳でないという事なんです」

 

チェルミー「ふざけるな!そんな言い逃れが通じると思っているのか!イレイナ!」

 

イレイナ「この事件には、犯人は居ません。ロイさんは殺されたのではなく、機能が停止しただけ。ロイさんを行動不能にした犯人が居るのだとすれば………」

 

私は、ある方に指を差しました。探偵みたいに?いいえ、そんな必要無いでしょう。普通に指差せば良いんですよ。

 

イレイナ「貴男ですよ。チェルミー警部」

 

チェルミー「何ッ!?」

 

チェルミー警部………いえ、チェルミー警部に化けた男は、私に指を差されて、動揺しました。

 

トッペマ「………」

 

トッペマも警部を睨んでいます。トッペマだけでなく、サロメさんも警部を冷たい目で睨んでいました。

 

チェルミー「で、デタラメを言うな!そうやって言い逃れ出来ると思っているのか!?」

 

警部の顔に動揺が見られました。

 

イレイナ「チェルミー警部。貴女は妻の()()()()()さんをとても大事にしているそうですね。こんな新聞の記事を見掛けました」

 

トッペマ「…………」

 

私は新聞を見せました。トッペマが拾った古い新聞です。

 

イレイナ「トッペマ。チェルミー警部は何が好きでしたか?」

 

トッペマ「甘いスイートポテトよ。奥さんの作ったスイートポテト、美味しそうに食べてたわ」

 

イレイナ「でも、甘いスイートポテトが好きなら執事さんのケーキだって喜んで食べた筈です。いくら奥さんの作った料理が好きでも、甘い物が嫌いと言うのはオカシイ筈です」

 

チェルミー「それがどうした!私が好きなのは()()()()()の作ったスイートポテトだけだ!」

 

トッペマ「………流されたにしても、これは流され過ぎでしょ?」

 

イレイナ「ええっ。あり得ませんよ。愛妻家の夫が奥さんの名前を間違えるなんて。はいこれ」

 

私は新聞の一面を見せました。

 

覚えていますか?この一面には、『愛妻アメリーさんのスイートポテトが欠かせない』とあります。

 

イレイナ「愛妻家が奥さんの名前を間違える筈がありません。物忘れにしても酷すぎます」

 

チェルミー「ッ!!」

 

動揺しましたね。しかし止めません。もっと追い詰めなくては。

 

イレイナ「まだあります。ロイさんが殺されたと通報があったと貴男は言いました。しかし、私達は誰もサイレンの音すら聞いてないんです。普通なら、殺人事件が起きれば警察官は複数人で来ます。科捜研、検死官、鑑識等、現場を調べる方々が大勢で調査に来るのが基本の筈です。それならパトカーのサイレン音はかなり鳴り響く筈です。1台でもサイレン音は大きいんですから、この町の規模を考えると誰だって気付く筈です。しかし、私達はサイレン音すら聴いてない。というか貴男は素手で調査している。普通ならそんな事はしませんよね?」

 

いえ、もっと根本的な問題があります。

 

イレイナ「それ以前に、私達が町に入った後に、跳ね橋が上げられた上にハンドルが盗まれて通れなくなっていたんです。それは、猫のクローディアを探しに来た時にです。ロイさんはその時、まだ生きていました。ロイさんが殺される前から、誰も町に出入りは出来なくなっていました。つまり、事件後に町から外へ出る事は出来ません。遺体含めてあらゆる物資の持ち運びも不可能です。私みたいに空を飛べる術が無い限り。チェルミー警部、貴男が町に来たのは何時からですか?ロイさんの遺体は何処にありますか?」

 

チェルミー「………」

 

ああっ、警部が俯いちゃいました。しかし、止めませんよ。

 

イレイナ「そしてこれは、一番の疑問点です。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。どうして貴男は塔の鍵を私達が持ってると知っていたのですか?」

 

そう。それが私にとって一番の疑問点です。

 

イレイナ「塔の鍵を手に入れた時、あの場には私とトッペマしか居なかった筈です。誰にも話してませんし、見せても居ないんです。誰かが陰で見ていない限り。もう一度訊きます。どうして私達が塔の鍵を持っていると、知っていたのですか?」

 

チェルミー「それは………」

 

イレイナ「私達は町の秘密に大方気付いています。貴男もロイさんを手に掛けた時、町の住人達の正体に気が付いた。それからは私達を貶め、黄金の果実を自分の物にしようとした。そうでしょう?」

 

チェルミー「……………く、くくく……」

 

チェルミー警部………いえ、偽者が笑い始めました。

 

トッペマ「何がおかしいのよ!」

 

偽者「……流石は、あの女の娘なだけあるわい!性格の悪さも含めてな!」

 

イレイナ「えっ?」

 

トッペマ「イレイナのお母様?貴男、イレイナの母を知ってるの!?」

 

偽者「知っておるわい!だがそれでこそ、我が生涯のライバルの娘よ!!」

 

そして、チェルミー警部の顔を引き剥がし、警部の服装を一変に脱ぎ捨てました。

 

現れたのは、チェルミー警部とは似ても似つかない、如何にも悪役オーラ全開の見た目をした男性でした。

 

偽者「イレイナ!!お前の顔を見る度に、あの憎らしい女を、ヴィクトリカを思い出す!!」

 

っ!!先程の発言を聴いた時もそうでしたが、私の母と知り合いなのは驚きました。

 

イレイナ「貴男は誰ですか?何故、私の母を知っているんですか?」

 

男「ふん。お前に名乗るつもりは無かったが、こうしてバレた以上仕方あるまい。私はドン・ポール!貴様等母娘を憎み、この手で倒す者だ!」

 

ドン・ポールと名乗った男は、窓に向かって駆け出しました。

 

ドン・ポール「今日の所は引いてやる!だが覚えていろ!お前も、お前の母も、いつかこのドン・ポール様の手で目に物見せてくれるわ!」

 

イレイナ「待ちなさい!貴男は、ヒドラの科学者ですか?」

 

ドン・ポール「さあな!」

 

しかし、私が杖を取り出すよりも先に、ドン・ポールは窓を割って外へ飛び出して行きました。

 

私は割れた窓から顔を出し、ドン・ポールの姿を探しました。しかし、見当たりません。

 

イレイナ「身の熟しが上手いですね。でも……ヒドラの構成員にしては何か違う……」

 

トッペマ「あの男がこんな事をする位に憎んでるって…貴女のお母様は何をしたのよ?」

 

イレイナ「分かりません。何か聞けると思ったのですが」

 

ポブさんにサロメさんも、色々な事があり過ぎてポカンとしてますね。

 

サロメ「警部さんが偽者とは、気が付かなかったわ。それを見破るなんて、流石ね」

 

イレイナ「顔色が優れて無いように見えますが、大丈夫ですか?」

 

サロメ「今朝、変な夢を見たのよ。子供を産んだ事のない私が、幼い子供を産み、育て、主人や娘と楽しく過ごす夢を」

 

イレイナ「それは………マリアさんの記憶でしょう。もしかしたらサロメさんに、マリアさんの記憶が流れ込んで居るのかもしれません」

 

サロメ「うふふっ。それは嬉しいわね。でも、気分が優れないので、休ませてもらうわ」

 

そう言うと、サロメさんは自室へ戻って行きました。

 

イレイナ「さあ、行きますよトッペマ。塔の謎を解明して、黄金の果実をゲットしますよ!」

 

トッペマ「そうね。もうドン・ポールが襲って来る事も無いでしょうから。ゆっくり調査が出来るわね」

 

イレイナ「さあ、塔へ行きますよ」

 

トッペマ「ええっ、イレイナ」

 

さあ、いよいよ塔に向かいます。長かった町の調査も、いよいよ終わりを迎えそうです。

 

私達はサロメさんの屋敷を出た後、ナゾーバの館で解いてない謎々を解きながら、塔に向かって突き進むのでした。




不思議な町編、後4、5話で終わります。

次回は塔の謎解きに入ります。とは言っても、塔の謎解きは端折りまくるので、天辺での出来事や老人との会話、イベント以外はほぼスキップするかもしれません。
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