MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います 作:ちいさな魔女
エピソード・1
では問題です。四人乗りの車を運転し、生きた人形と老人、そして若い女性を乗せて長い道を走行する灰色の綺麗な髪の美女は誰でしょうか?
そう、私です。
現在私達は、カリオストロ公国の国に入る大きな門の前で検問を受けています。それぞれの本当に必要な荷物は異空間に入れているので、見せているのは着替えや生活用品、パスポートといった旅行用の荷物を検査してもらっています。
それにしても、この国の警察は中世の衛士というか、兵士のような格好ですね。身につけてる鎧は見た目に反して、かなり防御力もあると見受けられます。
荷物や持ち物検査に異常無しの診断を受けて、私達は入国出来ました。
私が運転し、助手席にブルーノさん、後部座席にアロマとトッペマが座っています。
トッペマ「それにしても、あまり聞かない国の名前よね」
イレイナ「なにせ人口は3200人。国連加盟国の中で最も小さな国なんですから。国際情勢への影響力は他の国連加盟国にも負けない程ですよ。その分、黒い噂も絶えない国ですが」
トッペマ「黒い噂?」
イレイナ「今、世界各地での偽札の摘発が起きているそうです。それがこのカリオストロ公国から流れて来ているそうです」
すると、アロマが私達の会話に割り込みました。
アロマ「それは……ゴート札と呼ばれる物ですか?」
ブルーノ「ゴート札ですと!?幻の偽札と呼ばれるあの!?」
私はバックミラー越しに、アロマに話し掛けました。ブルーノさんにも尋ねます。
イレイナ「二人共、ご存知なんですか?」
アロマ「お父様から聞いた事があります。嘗て世界恐慌が起きた1929年に、その引き金となった謎の偽札が存在すると。それがゴート札だと呼ばれていました」
ブルーノ「他にも、ブルボン王朝を破滅させ、かのナポレオンの資金源にもなったとされておる。ブラックマーケットを介して世界各地に流れ込んでいるという話じゃ」
イレイナ「……偽札の摘発が増えたこの時期に結婚式。なんだか闇が深そうですね」
結婚式も何かをカモフラージュかもしれませんね。
私が花畑をドライブしていた時、背後から車の迫る音が響いてきました。
ブルーノ「なんじゃ?」
アロマ「お爺さん、車が猛スピードで迫って来ています!」
バックミラーで確認する前に、その車は隣を横切りました。屋根の開いたシトロエン2CVですが、運転していたのは免許を持っているか怪しい若い女性でした。しかも白い婚礼衣装を身に着けており、頭部に付けたパイピングが激しく揺れています。
イレイナ「花嫁さんが車で――」
すると、今度は私達の左隣から割り込むように赤い高級車が飛び出して来ました。
イレイナ「うぉっ!?」
私は思わず右にハンドルを切りました。
高級車はよく見ると、二人の男がドアにしがみついた状態で運転していました。
ただならぬ状況なのは確かでした。
トッペマ「追われてるのかしら?」
イレイナ「どう見てもそうでしょう!追いますよ!」
私は運転席に取り付けられたとある取っ手を掴むと、それを力強く引きました。引くタイプのレバーを引くと、車のエンジンが爆音を上げ始めました。
実はこの車、見た目に反してかなり高度なエンジンを積んでいます。後部のジェットエンジン格納扉を開けば、モーター式のジェットエンジンが点火し、この車は普段よりも速く動けるようになります。
一瞬周りを見ると、全員シートベルトをしてました。流石です。
私はアクセルを全開にして、例の2台を追い始めました。
崖沿いの道路を走り、私は漸く前の2台に追いつきました。
トッペマ「どっちに付くの?」
イレイナ「女でしょう」
トッペマ「まあそうよね」
すると、追いついた時に見たのは、花嫁さんが乗る車を男達の乗る車が崖に押し込み、落とそうとしている光景でした。途中から花嫁さんの車から飛んできた車の破片が私達の元へ飛んできましたが、私は一度ブレーキを掛けて速度を緩め、破片がガラスに当たらないようにしました。
イレイナ「トッペマ!タイヤ!」
トッペマ「任せて頂戴!」
トッペマが車の屋根を開けて、屋根の縁に両手でしがみつきました。
すると、2台の間を割るように走って来るバスが現れました。
イレイナ「うわっ!?」
私は右にハンドルを回し、バスを避けました。急に避けた事で車が斜めの崖に乗り込んでしまいました。しかし、私はハンドルを切って車を道路に戻し、2台を追いかけました。
トッペマ「『メラキルト』!」
トッペマは掌に火球を生み出すと、高級車のタイヤに合わせるように掌を向けました。そして、掌の位置を僅かにズラした後に、火球を発射しました。しかも、上手くタイヤに当たるように。
しかし、タイヤに当たった火球が爆発したものの、車は問題なく走行していました。
トッペマ「嘘でしょ!?」
ブルーノ「なんと!?あの火力が効いておらんのか!?」
メラは下級の炎属性呪文ではありますが、それでも魔力のある者が放てば高威力の火球です。ましてや今の魔法は、トッペマがチョイキルトによって強化していました。
それが効かないとは、どんなタイヤですか?防弾にしても燃えたりしないのを見る限り、燃焼性とやらではないのでしょうか?
すると、車の後部座席の窓から青く点滅した丸いボールが飛んできました。爆弾であると瞬時に理解しました。
イレイナ「プロテゴ!」
私は車に防御呪文を仕掛けました。そして、爆弾は車のボンネットに乗った瞬間に爆発しました。
しかし、私達も車も無傷です。
イレイナ「やりますね!ここから捲りますよ!」
私はハンドルを右に切り、崖に乗り上げてよじ登り始めました。そのまま森の中へ突っ込み、木々の間をくぐり抜けて先回りをしました。
そして、私は森を抜けた所で崖沿いに走り、崖下の道路で再び花嫁さんと並走する男達を見かけました。
イレイナ「さあ行きますよ!」
私は左にハンドルを切ると、再び斜めの崖を駆け抜けて行きます。
トッペマ「早速新しい魔法を試させてもらうわよ!」
トッペマは小物入れになっている胸のボタンから杖を取り出しました。トッペマの手や体格に似合う小柄な杖です。
助手席から男が顔を出し、マシンガンを私達に向けて撃ってきました。
しかし、崖を降りて2台より前を走る私。
トッペマ「『ボンバーダ』!」
トッペマは杖から魔法を放ちました。バックミラー越しに見ましたが、車は前車輪を爆破された事でバランスを崩し、左右に揺れた後に崖に激突して大爆発を起こしました。
私は車の隣になれるよう減速した後、クラクションを鳴らしました。
しかし、反応はありません。
止むを得ず、クラクションを3回も鳴らしました。しかし、反応はありません。
隣に並んだ時に運転席を覗いた時、私は驚きました。
運転席の女は、ハンドルに寄りかかるように倒れていました。先程の男達の車が再び押し込んだ際に、何処かで頭を打ったのでしょうか。
ブルーノ「いかん!気絶しとる!このままでは車が激突してしまうぞ!」
イレイナ「私が行きます!ブルーノさん、ハンドル頼みます!トッペマはブレーキ!」
ブルーノ「お、おう!?どうするつもりじゃ!?」
私は屋根に乗り、ブルーノさんがハンドルを持ちました。
私は車がより近くなった時に、女性の乗る車へ飛び乗りました。後ろを一瞬見ると、私が先程まで乗っていた車が減速していました。おそらくトッペマがブレーキを掛けたのでしょう。
私は女性の座る運転席に乗り、片手でハンドルを握りました。
すると、目前にロードローラーを見掛けました。このままでは激突してしまいます。
私はブレーキを強く押して、車の勢いを殺しました。しかし、それでも激突は避けられず、激突によって車が大破してしまいました。
後ろで何かぶつかる音がしましたが、私は大破しながらも進む車に揺られながらどうするか考えました。
イレイナ(取り敢えずこの車は放棄しますか)
私は女性を抱きかかえると、崖から落ちそうになる車から飛び降りました。崖に生えた近くの木に一度降り立つと、私はその手に箒を呼び出しました。私は横乗りに箒へ乗った後、女性を抱えたまま崖下の沿岸へゆっくりと降りていきました。
イレイナ「全く結婚式を見たかっただけなのに、なんでこんな事に…………ん?花嫁に結婚式……まさか、この人が?」
私は気付いてしまいました。この花嫁さんが、結婚式に出席するクラリス・ド・カリオストロだということに。
大公息女。つまり王女殿下であるという事です。
クラリス「………あっ」
イレイナ「どうも。花嫁さん」
クラリス「いや、離して!」
イレイナ「ちょ!やめてください!落ち着いてください!落ちて死にたいんですか!!」
クラリスさんが大暴れしてしまいました。私はクラリスの抵抗を抱き締めるように抑え、落ち着くように訴えました。
クラリス「ッ!」
クラリスさんも漸く状況を理解したようです。しかし、私が箒に乗って浮いている事に驚いたようです。
クラリス「箒に乗って………貴女は、魔女?」
イレイナ「今はそんな事を言っている場合ではありません。さあ、降りますよ」
私の箒は降りられる位置にまで降りた事で、私はクラリスさんを先に降ろしました。
しかし、私は降りようとした時、上から迫る物に気付きませんでした。
イレイナ「えっ?」
それは、私が先程着地した木でした。それが私の頭に降ってきた。
そして、私は痛みと共に、意識を手放しました。
イレイナが新たに覚えた魔法
《勇者ヨシヒコシリーズ》
・スモーデ:気に入らない事があると相撲で決着をつけたくなる性格にする魔法。
『デースモ』の呪文で解除できる。
・ワキガンテ:相手の脇からとてつもない臭いを発生させる魔法。確かにメレブにしては強力な補助魔法だが味方にとっても大迷惑。しかも重ね掛け可能。
ワキガンテ→ワキガインにランクアップする。
・ブラズーレ:ブラジャーを着けていなくてもブラがずれたような気にさせ、戦闘に集中できなくする魔法。
・チョイデイン:まさかの『チョイ』シリーズ第3弾。ピップエレキバン並の磁気を発して相手の血行を促進させ、肩こりや腰痛を癒やす電気系魔法。もちろん戦闘では全く役に立たず、むしろ敵の体力を回復させてしまう。
・チアーズ:地元の女子大生を呼び出して応援させる事で、味方全員の攻撃力と守備力を同時に上げる魔法。実際には、パーティのテンションが少し上がる程度の効果しか見込めない上に、呼び出した女子大生が好みでなかった場合には効果がない。
・イマサーラ:旬が過ぎたネタをやらせる魔法。『ラーサマイ』の呪文で解除でき、その際に襲ってくる謎の恥ずかしさで敵がもぞもぞしている隙に攻撃する。
相手の精神に多大なダメージを与える強力な魔法だが、やらせたネタが相手の世代に合っていないと効果がない。
・フタメガンテ:テコでも開かないビン詰めのフタを、開ける事ができるようになる魔法。ただし、この魔法の効果でフタを開けた者は死ぬ。ちなみに、どのモンスターにも効く。だからどうしたという話ではあるが。
・サバーハ:相手にちょっとサバを読ませる魔法。サバを読ませた後、その事を煽って精神的なダメ―ジを与える。
・ヒャダ◯◯:作詞・作曲ができるようになる魔法。やがてアイドルに楽曲を提供したり、漫画家のおばさんと深夜番組をやったりするようになる。
また、この魔法にかかった者は頭に黒い帽子が現れる。
・カオパス:飲食店で、クーポン券1枚分のサービスを受ける事ができるようになる魔法。クーポン券を持っていないと効果がない。
入る店が美味しい店かどうか判別できるようになる効果もある。
・モスキテ:耳元で蚊の羽音が聴こえる気がしてたまらなくなる魔法。『ブラズーレ』同様、相手の集中力を削ぐ効果がある。
・アサダ:トリプルアクセルができるようになる魔法。
《葬送のフリーレン》
『民間魔法』
・銅像の錆びを綺麗に取る魔法:銅像の掃除が楽になる
・綺麗な花畑を出す魔法:読んで字の如く。但し、実物を見たことがない花は再現できない。
・命懸けで宝物庫の扉を閉じる魔法:民間魔法の中でもトップクラスの封印魔法であり、この魔法をかけられた扉は術者が死ぬまで開くことはない。
・服が透けて見える魔法:読んで字の如く。なお、武器を隠し持ってないかの確認という一応実戦的な使い方もある。
・かき氷を出す魔法:ふわふわのかき氷を出して皿に盛る。シロップは出せない。
・底なし沼から引っこ抜く魔法:沼から対象を引き抜ける。しかし実際の沼は、体は沈まない。
・失くした装飾品を見つけ出す魔法:失くした物を探すことが出来る。
・鳥を捕まえる魔法:大雑把に鳥のような相手を拘束できる魔法。鳥型の魔物も拘束できる。拘束力は強力だが、射程が50cmなのが欠点。
《ホグワーツレガシー》
・レヴィオーソ:浮遊呪文。対象を一定時間空中に浮かせる事が出来る。浮遊魔法のように空を飛ぶ術があれば回避可能。
・コンフリンゴ:遠距離攻撃。火球を飛ばしてダメージを与え、更に爆発して相手を吹き飛ばす。
・インセンディオ:炎を発して対象を燃やす。
・ディフィンド:遠距離から相手を切断する魔法。
・ボンバーダ:大爆発を与え、大ダメージを与える。
・ディセンド:地面に叩きつける。
・デパルソ:正面へ吹き飛ばす。
・フリペンド:ひっくり返らせる魔法。
《マッシュル》
・トルネグス:竜巻を起こし相手にぶつける。
・トルネグスケイジ:『トルネグス』と違い、一度閉じ込められると出られず、体中を痛めつけられる。
・マッドロス:泥を生み出し操る。足場を泥にして相手を沈めたり自分のダミーを作ったり壁を泥にして中に潜ったりと応用の幅が広い。
《ドラゴンクエスト》
・ジゴフラッシュ:眩い輝きを放ち、敵の目を眩ませる。
《異世界はスマートフォンと共に》
・スリップ:極めて短い時間だけ摩擦係数を0にする魔法。
・サーチ:自分の求めるものを捜索できる。術者の判断基準を用いて捜索されるため、術者が対象を認識できなければ反応しない。有効範囲は約50メートル。魔法名に続けて捜索物名を指定する。トッペマは検索魔法とレベリオを合わせる事でこの魔法を体現した。
・ストレージ:収納魔法。収納できる量は魔力に比例する。動物は収納不可。収納中は時間が停止している。「ストレージ:イン」で対象を収納し、「ストレージ:アウト」で対象を取り出す。
・トランスファー:他人に自分の魔力を譲渡する。
・ドローイング:見たものを紙等に転写する。
トッペマが改造した魔法
・メラキルト
力を1.2倍にする『チョイキルト』と、火属性の玉を放つ『メラ』を合わせた攻撃方法。チョイキルトは重ね掛けも出来る為に、重ね掛けして放つ火球は時間次第でメラゾーマを超える事さえある。しかし、逆を言えば強力になるまでには時間が掛かりやすい。
・サーチ
暴露呪文のレベリオと検索魔法を合わせる事で編み出した。