MCUの世界にイレイナとして転生したけど、開き直って好きなように生きていきたいと思います 作:ちいさな魔女
私とトッペマさんはヘンダー城の入り口に辿り着きました。箒から降りた後に、私達はヘンダー城へ向かって真っ直ぐ歩いて行きました。
「チョキリーヌとス・ノーマンは何処でしょうか?」
「待ち伏せしてるわね。チョキリーヌはクレイ・G・マッドより強いわよ」
「ええっ。飛行魔法使えてメラチン300発にも耐えられる体なら当たり前でしょう。手負いのままである事を祈りましょう」
ヘンダー城に入ろうとした、その時でした。
「ハァイ♥そこまでよ」
屋根から一人の女性が飛び降りて来ました。チョキリーヌ・ベスタです。服は元に戻ってますが、肌には火傷の痕が残っています。
「クレイ・G・マッドを倒すなんて驚いたわね。でも、私をクレイ・Gと一緒にすんじゃないわよ」
「そちらこそ手負いの筈ですよ。無理はなさらなくて良いのでは?」
「もう油断しないわ。早速だけど、死んでもらうわ。『チョキリーヌ・ベスタ』!」
チョキリーヌが両手をチョキの形にして、攻撃を仕掛けてきました。
「『プロテゴ』!」
私はチョキリーヌの光線を魔法のバリアで防ぎ、続けて魔法を放ちました。
「『ステューピファイ』!」
一時的に動けなくする魔法を、チョキリーヌは紙一重で避けました。
「当たりゃしないよ!」
チョキリーヌの光弾を私はプロテゴで防ぎました。その間にチョキリーヌは空を飛び始めました。
「空中戦ね?上等よ!」
すると、トッペマさんのスカートの部位が回転して、トッペマさんが空を飛び始めました。私も箒に乗って空を飛び始めました。
私とトッペマさんは箒に乗り、チョキリーヌと並んで飛んでいます。
「ちっ!いい加減諦めろよ!」
チョキリーヌが撃ってきた光線を、私は回避していきました。チョキリーヌは何発も光線を放ってきましたが私は全て避けていきます。
「テメェ等がマカオ様とジョマ様に勝てる訳がない!あの方々の力は正に全能!この世界の総てを侵略したら、次はアスガルドだ!無敵とされるオーディンも倒せば、この世界の侵略も可能だ!!そして私達は次の世界も、また次の世界も!!侵略して滅ぼすんだよ!!こんなに楽しい遊びは他にねぇな!!」
チョキリーヌは魔法の光線を連射してきます。床の上を擦れ擦れで飛行する私達は、光線を避けながら進み続けました。
「どうやら楽しむ為に侵略してるみたいですね。トッペマさんの言う通りでしたね」
「そうでしょう?彼奴等にとって侵略は娯楽なのよ。貴女達人間も、娯楽と称して狩猟を行う。それと同じようなもんよ」
「分かりやすい例えをありがとうございました。では、こちらも反撃しましょうか!『ヒャダコリ』!」
私はメレブの魔法を唱えて、チョキリーヌに浴びせました。その瞬間、チョキリーヌは口の中に何かが入った違和感を感じて止まりました。
「んむぐっ!?いつの間に氷が!?」
その一瞬の隙を突いて、私は魔法で攻撃を仕掛けました。
「『グレイシアス』!」
私は魔法を唱えて、チョキリーヌに魔法を当てました。チョキリーヌは魔法に当たり、全身が凍りつきました。
「『トッペマ・マペット』!」
トッペマさんも魔法を唱えて、チョキリーヌの腕を攻撃しました。チョキリーヌの凍った腕が光線が当たって起きた爆発によって吹き飛び、吹き飛ばされた腕は地面に落ちて粉々に砕けました。
「んがぁ!?もう許さないよ!!」
チョキリーヌが光線を放ってきました。私は光線を避けながら、箒を走らせます。しかし、箒に光線が掠り、私はバランスを失って床に落下しました。背中から地面に落ちて、転がって体のあちこちから走る激痛に意識を失いそうになりました。
「ぐっ!イレイナ!」
トッペマさんの叫ぶ声が聞こえます。私は仰向けになる形で転がりが止まり、激痛に蹲りながらも床に手を付けて起き上がろうとしました。
トッペマさんがバランスを崩した箒から飛び降りて、スカートを回転させながら私に向かって来ました。
「ふんっ!」
「きゃっ!!」
しかし、先に地面に降りてきたチョキリーヌにトッペマさんは蹴り飛ばされました。
「さて、トッペマ。お前から先に始末してやりたいが…………先ずはお前からだ」
「あがあぁぁっ!!」
起き上がろうとした私でしたが、チョキリーヌが私の右手を踏み付けました。右手首から骨が折れる音が響き、激痛に叫んでしまいました。
「トッペマはお前を殺して絶望させてから、じっくり体を解体して破壊してやるよ。絶望しな!お前等が死ぬのを嫌がる姿を見てみたいなぁ!」
「あああっ!!ぐっ!」
痛すぎますよ。涙が出て来ました。踏み付けられた折れた右手が痛みます。
「『チョキリーヌ・ベスタ』」
チョキリーヌのチョキの形にした右手が、魔力で構成された大きな刃となりました。空に飛んでいる大きな輸送機が、私の見る最期の空の景色になると確信してしまいました。
「死ね」
チョキリーヌはそのまま刃を私に突き刺そうとしてきました。私は目を閉じました。
私は負けて、死を覚悟しました。
ズドンッという音を聴いて、ああっ!やられた………そう思い込んでいました。
しかし、私の背中から伝わる地面の感触は消えていません。
私は恐る恐る目を開けました。
其処には、右腕の関節が矢で貫かれ、苦しげな顔を浮かべるチョキリーヌの姿がありました。
「ぐっ………な、何だ?」
チョキリーヌが見た方角を私も見ます。
「おっと見つかっちまったか」
其処には、機械的な弓を手にしている男性が、建物の屋根の上に居ました。狙いが良いようです。銃と違って音も少ないから、暗殺にも適してますね。
「ナターシャ、後は頼むぜ」
その時、チョキリーヌが何者かに蹴り飛ばされました。
それは、私も知ってる、有名な女スパイ『ブラック・ウィドウ』でした。チョキリーヌよりエロくて素敵です。短髪の筈ですが、少し伸びました?
「大丈夫?右手首の骨が折れてるわね……此処で待ってて」
ブラック・ウィドウは私の右手に触れて、右手首の骨が折れた事を理解してくれました。そして、起き上がるチョキリーヌに銃を向けました。
「いえ、大丈夫です!『ホイミ』!」
私は回復呪文を唱えて、怪我を治しました。初級の回復魔法ですが、骨の折れた所はある程度改善出来た筈です。
「……よし!」
「フューリーから魔法を使えると聞いたけど、ホントに使えるようね」
「でもこれは初級魔法ですから。完璧には治せてません。でも病院は後ですよ」
私は右手を軽く回しました。少し痛みはあるものの、動かす分には大丈夫でした。
「今は彼女を倒さなくてはいけません。力を貸してください」
「……援護して。私が奴を抑える」
そう言った後、ブラック・ウィドウはチョキリーヌに向かって走り出しました。
チョキリーヌと格闘戦を繰り広げるチョキリーヌですが、ブラック・ウィドウは巧みな体術と近接格闘術でチョキリーヌを攻撃して、チョキリーヌに攻撃を加えています。
「チッ!ちょこまかと!!」
「速さも力もそっちが上!でも経験は私が上ね!」
ブラック・ウィドウはチョキリーヌの拳を避けていきます。
此れがヒーローですか。
私より遥かに強い。
ですが、何もしない訳にはいきません。
ブラック・ウィドウに攻撃は何時か当たるかもしれない。ならば、その前に私がブラック・ウィドウを支えましょう。
「ブラック・ウィドウさんでしたっけ?私から少しだけサービスしましょう!」
私は杖無しで手をブラック・ウィドウに翳しました。
「『スカラ』『ピオラ』『チョイキルト』『ポリコズン』『ホイミ』!」
守備力を上げる魔法、素早さを上げる魔法、力を上げる魔法、時間を掛けて健康にする魔法、そして受け流す際に腕に受けるダメージを回復魔法で回復させました。
すると、ブラック・ウィドウの動きが先程と比べて速くなり、隙を突かれてお腹に拳を受けてもあまり痛がってないように見えます。
「ナターシャ、援護するぞ」
私は屋根の上からの声を聴き取りました。屋根の上の人は弓矢をチョキリーヌに向けており、何時でも放てる体勢でした。
「ええっ、お願い。魔法のお陰かしら?調子も良いわ」
ナターシャさんですか。それがあの人の名前なんですね。
「ぐっ!」
チョキリーヌはナターシャさんに蹴りを食らわせようとするが、ナターシャさんは片腕で受け止めました。多少は効いたのか横へ数歩歩いただけでした。
「あまり効かないわね。魔法のお陰かしら?」
そして、ナターシャさんは飛び上がった後に太ももでチョキリーヌの頭を挟み、そのまま回って地面に叩き付けました。
「よし其処だ」
すると、屋根の男は弓から矢を放ち、チョキリーヌの胸に当てました。心臓の位置を貫かれたチョキリーヌでしたが、それでも起き上がろうとしてきました。
「凄い……あのチョキリーヌを!」
トッペマさんは起き上がっており、私達の戦いを見ていました。
私はチョキリーヌの隙を見逃さず、トランプを一枚取り出して唱えました。
「スゲーナスゴイデス!」
その瞬間、チョキリーヌの肉体が熱を持ち、軈て全身から炎が噴き出し始めました。
「チクショオオオオオオオォォォッ!!」
そして、チョキリーヌは大爆発を起こし、業火の中で掌サイズの人形に戻ってしまいました。その人形も、業火に包まれて燃え尽きてしまいました。
「残り、47枚。ラスボス倒すにはうってつけですね」
チョキリーヌは倒せましたが、残りはオカマ魔女と、ス・ノーマン・パーだけです。私はオカマ魔女とは初めて会うので、どれ程強いのか分かりません。
「トッペマさん。後はオカマ魔女の、マカオとジョマでしたね?」
「そうね。ス・ノーマンの行方が気になるけど、マカオとジョマを倒せば全てが終わるわ。この世界の侵略も達成出来なくなる」
「では、乗り込みましょう」
「その前に、一つだけ言い忘れた事があるの。ヘンダー城は魔力の中心だから、オカマ魔女達は魔法を使えないわ。でも、それは私達も同じよ。このスゲーナスゴイデスのトランプは使えるけど、限りがあるから気を付けて」
成る程。トランプの魔法が使えるなら私達が有利ですね。
「お二人もありがとうございます。わざわざ日本まで来てくださって」
「平気よ。フューリーからの命令だから」
「ああっ。スタークもバナーも多忙で動けない。キャプテンは任務を終えてから遅れて来る。だから俺達が来た」
弓矢を手にしていた男性が降りてきた後にそう言いました。そして、男性は自己紹介を始めます。
「俺はクリント・バートン。ホークアイと呼ばれてる。君はフューリーの言っていたイレイナか」
「私はナターシャ・ロマノフ。ブラック・ウィドウは分かるわよね?」
「アベンジャーズですね?他にも援軍は来ますか?」
私の問いに、バートンさんが答えました。
「遅れて来るらしいが、スタークがアイアンレギオンとかいうロボットの援軍を送るらしいぜ。イカれてやがる」
「今は頼りにしましょう。私達は先に乗り込むわよ」
「ええっ、行きましょう」
旅の途中で始まった、世界の命運を掛けた戦い。でも此処まで来たらもう引き返せません。
私はトッペマさん、ナターシャさんとバートンさんと一緒に、ヘンダー城へ乗り込みました。
入った瞬間にトッペマさんの話が本当と分かりました。
私の体に掛けた強化魔法が、城に入った瞬間に解除されたのです。
トランプを使いたいですが、今はまだ駄目です。下手に使い過ぎては、いざという時に使えなくなりますから。
私達はヘンダー城の中を進んで行き、ラスボスの居る部屋へ向かって行きました。
全てを終わらせる為に。
私頭悪いので、矛盾はお許しください。