ダンジョンにNINJAがいるのは間違っているだろうか?   作:ニンジャスレイヤー

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プロローグ

 

神。それは超常存在であり、人類の導き手。

 

それは在るだけで敬われ、信仰の対象となる。

 

────たとえ、それが仕事を放棄してポテチを貪り食うダメニートでもだ。

 

「……んあ?珍しいな…転生希望者かよ。つかダメニートって……お前なぁ、これでも一応神よ?」

 

適当すぎるだろう。だが、確かに俺は死んだし、天使みたいな人に「転生か昇天か選んでね笑」と言われた。

それで案内されたのが、この自堕落な神の間だ。

 

「っせーな…アタシは平均的だっての。てか仕事場にいる時点で割と真面目な方よ?」

 

天国に苦役は無いという話だったが、あれは大嘘らしい。目の前で「よっこらしょ」とか言いながら丸メガネをかけるニート女は如何にも仕事がダルそうだ。

 

「んじゃま、さっさと欲しい力を言いなさい。そしたら下界にぶち込むから」

 

欲しい力か……そういえば、死ぬ直前に見てたアニメでは忍者…もといNINJAが大暴れしてたな。だったら、俺は─────

 

「お前マジ?アサシンとかパッとしない才能で転生する気?やめてよね人殺すの、一々転生させんの面倒なんだから」

 

とにかく、俺は忍者になりたいんだ。

派手に戦って、火を吹いて……

 

「肉体構築完了、はい。じゃ頑張って」

 

待て、なんか違う!視点がおかしい!

それに身体の感覚も変だ、これじゃまるで()()()()()()()()()

 

「ん?アタシの趣味。」

 

ふざけるな、お前なんか神じゃねー!自堕落クソニート女がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 

 

 

 

──────────◇────────

 

 

 

 

ベルがその子供を見つけたのは、ほとんど偶然だった。路地裏をたまたま歩いている時、ボロボロのフード付きローブを身に纏い、ぶつぶつと呪詛の言葉を漏らしている少女とすれ違ったのだ。

 

「っちょ、君!大丈夫!?」

 

思わず声をかける。少女の黒く溶けるような長い髪がフードから溢れる。少女はフードを取ると、その顔をベルに見せた。

 

「……………っ」

 

なんて、綺麗だ。と声を出そうとして、生唾を飲み込む。それほどまでに、少女は美しかった。まるで()()()()()()()()()()()()()()()()至高の容姿。

黒檀の如き黒髪、そして蜂蜜のような黄金の瞳。

絶世の美少女って、こういうのを言うんだろうか。なんて的外れな事を考えてしまう。

 

「…良い加減、考えない方がいいよね」

 

「え?何のこと…「なんでもない」あっハイ」

 

言葉を遮られたベルだったが、少女から話を聞けば、行くあてがないのだという。ベルとしても、可愛い女の子と一緒に歩くのは悪い気もしなかったので、自分の拠点(ホーム)に連れていくことにした。

 

 

 

 ─────────◇─────────

 

 

 

目が覚めたら女の身体で、しかも黒髪金眼ロリっ子になっていた。しかも見知らぬ地で、たった一人。

何か超常的な力が備わった感覚もなし。強いて言うなら、一部の人間以外には気づかれなかったぐらいか。

 

「ベ〜〜〜ル〜〜〜く〜〜〜ん!?なんだいその子は!ボクに黙って女の子をボクとベル君の愛の巣に連れてくるなんて!」

 

「す、すみません神様ぁ!?行くあてが無いってぇ!?」

 

「だとしてもだ!ボクに相談というか、してくれても良かっただろう!」

 

この世界に転生してからすぐに、ベルという少年と出会った。襤褸を着ていた俺に真っ先に声をかけてきた事から、悪い奴ではないのはわかった。

どこぞの路地裏からこの廃教会まで歩く最中、ベルにこの世界についてを教えてもらった。

 

冒険者、迷宮(ダンジョン)、妖精、剣、魔法。そして冒険譚(オラトリア)。聞くだけでもワクワクするような異世界。

なるほど、ここなら確かに忍者になる事が出来るだろう。俺はベルからこの世界について聞いた時、数年ぶりに、確かに期待していた。

 

「それで?そこのキミは何者なんだい?」

 

そして現在、ベルの主神──驚くことに、この世界では神と人は共に暮らしているらしい──のヘスティア様に俺とベルは詰められていた。

 

「お………いや、私は…誰なんだろう?」

 

クソニート神にロリにされたのは気に食わないが、冷静になってみると分かる。ロリ忍者は確かに格好いい。小さな身体を活かし、縦横無尽に駆け巡る。

今度出会う機会があれば報連相の大事さを説教してやるだけにしてやろう。

 

そうなれば、今後の身の振り方を考える必要がある。元より身寄りもない身、ここは記憶喪失で名前も思い出せないということにして、清楚系クール忍者を目指そう。

一人称も、俺から私に変更だ。

 

「名前なんてどうでもいい。私はただの人斬り包丁でいれればいい」

 

漫画ならば『キリッ』という擬音でもつきそうなほど決まった。なるほどニート神よ、お前の神意が理解できた。

これは良いものだ。

 

さあベル、ヘスティア様。感想を……あれ?

 

「ベル君……」

「神様……」

 

二人で見つめ合って、何かを合点したように頷きあう。よく分からずに首を傾げていると、ヘスティア様が俺の手を取り切り出した。

 

「キミ、ボクの眷族(かぞく)にならないかい?」

 

「僕からもお願いしたいな。きっと皆で一緒なら、人斬りなんて道よりもずっと良い道が広がっているはずだから」

 

「………………?は、はい。お願い、します?」

 

「そうと決まれば!ベル君、この子の名前をキミがつけてやるんだ」

 

「うえっ!?僕ですか!?」

 

「あったりまえだ!キミが拾ってきたんだ、責任を取れ責任を!」

 

そういえば、自分の名前を名乗ったことがなかった。……というよりは、ニート神の粋な計らいで忘れさせられている。

この際、前世の事はスッパリ忘れて、新しい人生を歩むのも一つか。

 

「それじゃあ……カイネウスとか、どうかな」

 

「なら僕は苗字をあげよう!ベルティアだ!」

 

「なら、苗字と名前を逆にした方がそれらしい。ベルティア・カイネウス。今日から私は、その名前で生きるよ」

 

そうして、俺は彼らの家族となった。

……まあ、家族になった瞬間に服を脱いで背中を見せろと言われたのは驚いたが。

 

 




名前:ベルティア・カイネウス
性別:女
年齢:12(19)
レベル:1
《基礎アビリティ》
「力」  I 0
「耐久」 I 0
「器用」 I 0
「敏捷」 I 0
「魔力」 I 0

《スキル》
【気配遮断】
・主神とその眷族を除く全ての者に対する気配遮断。
・自身が攻撃するまでモンスターからの感知不可能。
・静音補正
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