いっぱい出たね♪ じょろじょろ出ちゃう黄金水 ~ これって、地層処分するしかないんでしょうか? ~   作:八切武士

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八誌緒復ッ活ッ!
パンツも復ッ活ッ!


【第1部 第9流 ~ 先っちょ、先っちょだけでいいから! ~】

 

『痕跡はここで途絶えてますね』

『見れば分かる程に露骨だな……罠かと思う位に』

 

 アイラが指さした箇所で露骨に“八誌緒汁”がもたらした異常植生は途絶えていた。

 

『そうですね、普通なら確実に罠を疑う露骨さです、ニールが何か見つけるかも知れませんが』

 

 森の中へ痕跡を追跡して行き、ひとまず周囲を確認し終わった斥候二人は、アイラがライアン卿達を呼びに戻り、ニールが周辺を再確認していたのだ。

 ちなみにミルドレッド達は、森の中では不利な槍兵達とお留守番をしている。

 

『トム、ここの土は明らかに色が違うが、精気術か?』

 

 トーマスはまだらになっている土に触れ、臭いを嗅ごうとしてやめる。

 鼻に近づけた時点で異様な芳香がしたのだ。

 土の精気を感じ取ろうとしても無駄だろう。

 

『精気が乱れて、というより、もっと“軽い”気に上書きされて読むのは困難ですが、この大きさの穴を埋めたり掘ったりするなら、恐らく精気術、あるいは何らかのまじないを使ったのは間違い無いでしょうな』

 

『地下に移動用のトンネルを掘り、逃走を強いられた時は埋没させて追跡を絶つ……捕まらぬ筈だな』

 

 現場を検分している内にニールが戻ってくる。

 

『何か見つかったか?』

『はい、直接の痕跡は見つかりませんでしたが、放棄された馬と、男女の遺体……の痕跡を発見しました、肉食の獣の足跡あったので、連中退却の時、囮にして逃げたようです』

 

 ニールの報告を聞いたライアン卿は、髭を擦りながら瞑目し、ため息をつく。

 

(あの娘さんには黙っておくとしよう)

 

 参考人の彼女は、行商の夫婦とは多少とはいえ言葉を交わしている。

 生前の姿を知っている者の変わり果てた姿を知るのは負担になるだろう。

 

『よし、ここまでだろう、応援を呼んで体勢を立て直すぞ……トム、詳細は後で出すが、“流され人”がらみだ、本部へ緊急報を打ってくれ』

 

 事情をざっくりとまとめた紙を小さく折り畳みトムへ渡す。

 

『心得た!』

 

 トムは懐から筒を出して蓋を開け、小さな巻物を取り出した。

 巻物を広げるとそこには、まるで生きている様なハヤブサの絵が描かれており、生の“魔力”を注ぐとまるでトリック絵の様に立ち上がり、すぐに実体に変じる。

 トムはライアン卿から受け取った紙をハヤブサに飲み込ませ空へ放り投げた。

 

『疾く行け、風の如く!カトー!』

 

 気合いの入った命令を受け、通常の鳥ではあり得ない九十度角の発進を決めたハヤブサは、一瞬で視界から消えていく。

 

『これで、公都の本部まで一両日中には届くだろう、“流され人”の拉致が疑われる案件、捨て置かれはすまい』

『“放浪者協会”相手に情報を握り潰すのは悪手だからな、独自介入された方が被害がでデカくなる……取りあえず急いで戻るぞ』

 

~ ミスティフォレストにあるどこかの穴蔵 ~

 

『はふはふはふ……』

『ん~、あっち行け、おしっこできないでしょぉ』

 

 懐いてきて指をペロペロなめ回してくるパンツ狼の頭を押しのけてパンツを下ろそうとするが、何だか体がぐにゃりとしていていまいち思い通りに動かない。

 

『おしっこ……もれる、もれちゃう』

 

 左手をしゃぶられながら、右手でパンツのサイドに指をかける。

 ちょっとずりさがるが、途中で尻にひっかかる。

 というか、尻と床に挟まれてちゃ下ろせる筈がない。

 

(腰上げなきゃ……犬じゃま)

 

『うま~うま、うまぁ、さきっちょだけ、さきっちょだけでいいからぁ~』

『でも、でもぉ、ママに、ママにおこられちゃうからぁ、らめぇ』

 

(なんか、バカップルが盛ってる……飼い主?なら、バカ犬つれてってよ)

 

 イラッ、とした所で、突然激痛が走り、意識が一気に覚醒する。

 

 ちょっと漏れた。

 

「いでぇ!」

 

 目の前で口をもごもごさせている小男の口から、ぴょるっ、と見覚えのある指先が飛び出し、引っ込んだ。

 

『いーけないんだ、いけないんだ、つまみぐいいーけないんだ、ママにいいつけてやる』

『ぶべっ!』

 

 仲間からはやし立てられるのを無視して、幸せそうに、こりこり、と頬を動かし始めた男の鼻っつらに右ストレートがめり込む。

 

「いたっ!いだッ、ゆび、指がない!」

 

 左の人差し指が根本から無くなっている。

 なんかもう、肉芽が目に見えて盛り上がってもりもり生えてきているが、それはそれ、めちゃくちゃ痛かったのだ。

 大体、寝てる間に指を勝手におやつ代わりにお召し上がりになられてブチ切れない奴がいるだろうか、そんな奴は居ないだろう。

 しかも、トイレの夢を見るレベルで割とヤバいおしがま中にである。

 ブチ切れたまま立ち上がり、床で悶絶している奴にとどめを刺そうと立ち上がったら、じゃらり、という音と共に体が固定され、先に進めない。

 

「なんじゃこりゃあ!」

 

 腹をぶち抜かれた刑事みたいな叫びをあげた八誌緒は、自分の手足に、がっちりとした金属製の手枷足枷が填められている事にようやく気がついた。

 当然、全てがっちりした鎖付きである。

 それは兎も角、この枷、継ぎ目がない。

 普通の枷は付け外しの為、分割できる様になっているものだが、この枷はそういったものがない。

 やや作りの粗い、単なる輪っかに鎖の取り付け用の穴付きタブが付属しているだけだ。

 直径より大きな足先と拳をどうやって通したか分からない。

 あつらえた様にぴったりだ。

 

「ん~、なんか、3Dプリンタで作ったみたいな触感してるなぁ……あ、パンツ復活してる」

 

 取り敢えず尻の半ばまでずり下がったパンツを元の場所へ戻しておく。

 

『あ~、おきたから、かーちゃんよんでこないと……』

 

 はやし立てていた方の小男は、床の上で悶絶している兄弟を放置してそそくさと逃げ出してしまった。

 とりあえず、まだ悶絶している美少年でもない小男は取り敢えず放置して部屋を見回す。

 窓のない、四畳半位の部屋。

 出口には雑だけど頑丈そうな木製のドアがはまっている。

 手堀りしたみたいな土むき出しの部屋だが、壁に触れてみると、セラミックというか、テラコッタみたいな硬くざらざらとした手触りがする。

 鎖は以外と長くて、立ち居振る舞いはできるが、行けるのは部屋の中央まで。

 部屋の入り口に居る相手には危害を加えるのは無理だろう。

 取り敢えず元通り生え替わった左の人差し指を撫でつつ、装備を確認する。

 服は最初に着ていたブレザー一揃いが綺麗なまま装備されている。

 というか、パンツが復活している。

 余りにもあって当たり前のもの過ぎてつい反応が遅れてしまった。

 

(祝!復ッ活ッ、パンツ復活ッッ、パンツ復活ッッ!!!!!)

 

 滅茶苦茶嬉しい。

 

 ほんと、布一枚なのに無いととんでもなく不安になるのだ。

 これだけ違うなら、“それ”が好きな人なら大好きだろう、そりゃもう。

 でも、一歩間違えたらモロ出しのスリルはもう十分堪能したので、勘弁して欲しい。

 

(もう、十分に堪能したよ……)

 

 できればもう一生味わいたくないです。

 しかし、復活したそばからおしっこパンツになってる気がするが、考えると悲しくなるので今は一旦、パンツのステータスの事は頭から追い出しておく。

 腰のホルダーについていたスマホは無くなっており、腕時計もなくなっている。

 メガネはしっかりと顔に収まっている様だ。

 鞄は……部屋には無いが、何となく近くにある感じがする。

 

『さて、どうしようかな……』

 

 訳の分からない異世界でさらわれて、暗い地下室で両手両足は鉄の枷を填められて身動きがとれず、頼りになる鞄もなく、孤立無援。

 普通なら絶望で泣き叫ぶか虚脱状態になるのが当たり前だと思う。

 でも、何故だかそこまで恐怖は浮かんでこない。

 意識は、どうやってこの状況を切り抜けるか、そちらの方へ収束してゆく。

 

(いや、“普通のじょしこーせー”じゃないよね……記憶無いけど)

 

 大体、どっかのホラー映画みたいに、鍵の代わりに糸鋸でも置いてあれば簡単(当社比)に脱出できるのに、とか頭の片隅で考えているのだ。

 我ながら、常軌を逸している。

 

(親指回り切り落として“細く”すんのと、手首切るのどっちが楽かな……って、“私”、なんでそんな発想になんのよ!……ていうか、そろそろおしっこしたいんだけど……)

 

 親指の方なら、ナイフでも何とかなりそう、とか言い出す心の囁きに却下をくれていると、ドアがガチャリと大きな音を立てた。

 随分と古風な鍵だ。

 

『目が醒めたみたいだねぇ』

 

 どうやら、状況が動いたらしい。

 

To Be Countinued...

 




 なんか、チック・ピー一家がコント集団みたいになってますが、あいつら泣く子も美味しく骨までいただいちまう凶悪な犯罪者集団です。

 一応。

 本当ダヨ?
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