いっぱい出たね♪ じょろじょろ出ちゃう黄金水 ~ これって、地層処分するしかないんでしょうか? ~ 作:八切武士
ぱんつは食べ物。
古事記にもそう書いてある。
イイネ?
【第1章 第1流 ~ パンはパンでも食べられないパンツは? ~】
人は生きる上で、食事をしなくてはならない。
カ○リーメイトと、エナジーバーは正直飽きたと思っても、量は十二分に確保されているからして、それは問題ない。
水もお茶もオレンジジュースも飲み放題だ。
ただ、飲み食いしたからには出さなくてはならない訳で、かといって、森にはトイレなどなく……
(はぁぁ……いっぱいでる……でてるぅ)
とても人様には開陳できない台詞を心中漏らしながら、八誌緒はほかほかとしたアレとソレを、じょろり、じょろろろろろとか、ぷ、とか、ぶ、とか、そう言うサウンドエフェクトつきで、物理的にも放出中であった。
本当なら、ブツ回収用のペットボトルとか、ジッ○ロックがあるのだからソレを使うべきなのだろうが、流石に何日分になるかも分からないお○っこと、う○ちを持ち歩くという事には、非常に強い抵抗感を持たざるを得ない。
その為、八誌緒は事を為すにあたり、できる限り地面を木の棒で掘って、上に土をかけるという、最低限の対処を行って急場を凌いでいた。
とは言え、この森の土は妙に固い場所が多く、猫の砂かけ程度の隠し方にしかならないのだが。
苦労が多いおトイレ事情だが、貯まりにたまった排泄物を勢いよく排泄するのは実に開放感があり、独特の恍惚感と脱力感も相まって、先の見えない徘徊の最中、おトイレタイムは文字通り一息つける休憩時間となっていた。
ひどいと自分の手が見えなくりそうな位の霧の中でしゃがんでいると、少なくとも見られる事はないという謎の安心感がある。
ストレス解消が放尿、野外脱糞とか、ヤバい趣味の人みたいでそれはそれで悲しくなってくるのだが。
(その内、野外露出まで追加されそうで怖い……ん?)
ここの所、恒例となった小休止タイムを満喫してた八誌緒は、ふと、妙な空気の揺れを感じて首を傾げた。
『ハッ、ハッ、ハ……キュル……ガフッ、ガフッ……』
放出中のぼうっとした意識の中で、一瞬考える。
『フッ、フッ、フッ……ビチャ』
(つめたっ!)
剥き出しの尻に、何か冷たいものが当たり、一気に意識が覚醒した。
盛大に放出したままつんのめり、足首まで落ちて足枷と化したパンツのせいで、そのまま地面にぶっ倒れる。
「いだっ」
土に肘をついて後ろを見ると、真っ白な闇の中に、うっすらと黒い影が浮かんでいた。
具体的に言うと、犬っぽい影が地面の穴に頭を突っ込んでいる。
「あ、ああ……」
結構でかい、シベリアンハスキーの成犬位はあるのではなかろうか。
現実逃避をしながら、八誌緒の体は精一杯の逃亡を実行しようと後退りを始めていた。
じょろっ、ぶ、ぷりゅっ、ちょろ、ぴゅるっ……と、なま暖かいものを尻と股へ垂れ流しながらの虚しい逃亡劇が三十センチ程度の距離をかせごうとした時、“犬”が頭を上げた。
「オ゛ェエ……」
思わず口から乙女が出してはいけない音がこぼれ出る。
霧を通しても、“犬”が長い舌を出して、口吻をベロベロとなめ回しているのが目に入ってしまったのだ。
現実逃避失敗、分からせ成功である。
(う、うん○食べてるぅ!……犬ってう○ち食べるんだっけ)
汚すぎる。
“犬”が僅かに身を屈める。
『“来る!”』
八誌緒の脳裏にどこからか“流し込まれた”危機感が時間の流れを遅くした。
(なにか投げるもの、石、枝……ない、土、固すぎ!……ああッ!)
長い一瞬の中、投げられる物を探し、“ソレ”を足首から引き抜いて投擲する。
水分をたっぷりと吸って重量を蓄えたパンツは、大顎を開けて跳躍した“犬”の口吻の中へ吸い込まれる様に入り込む。
投げるのと同時に、体を横へ横転していた八誌緒の隣へ“犬”はドタっと着地すると、ガッ、ガッ、ガッとえづき始めた。
どうやら、喉に詰まらせたらしい。
(に、逃げないと……)
いや、見ている場合では無い。
八誌緒が跳ね起きて鞄へ手を伸ばすと、視界の端で脚をぷるぷるさせていた“犬”が、今度はへにゃりと伸びてしまった。
「え゛?」
びくびくと痙攣する犬は白目を剥いて泡を吹いており、復活する様子は無い。
「……ち、違うから!」
(誓って、私のパッ、パンツが臭すぎて死んだ訳じゃない!ただの窒息、ただの窒息だから!)
誰とも知らぬ相手に言い訳を始める八誌緒。
本人が思っているより、大分冷静さを欠いてきているらしい。
(そう、臭くて死んだなんてありえない……認めたくない気はするけど、なんか、周り中いい匂いしてるし……)
さっきからおしっことう○ちまみれになって、やたらとすーすーする下の方からは、排泄物臭等微塵もなく、心地のよい清涼飲料水っぽい芳香が立ち上っている。
故におしっこパンツを喉に詰まらせた“犬”も臭さに埋もれて死んだわけでは無いはずである。
まぁ、どちらにせよ、“JKのパンツ喰って死んだ”事には変わりないのだけども。
「はぁ……取りあえず、やっつけた?」
犠牲の大きな勝利であった。
何しろ、替えの下着は無い。
と言う事は、即ち、今後は膝丈のスカートにノーパンでその辺を歩かなきゃいけなくなったと言うことだ。
流石に犬の口に手を突っ込んでパンツを引っ張り出すのもイヤだし、犬の涎まみれになったパンツを穿くのもキツいっていうか、無理。
いや、もの凄くすーすーする。
布一枚のガードが無いのがここまで心を不安にするとは、パンツ恐るべし。
下らない事を考えながらトイレットペッパーで尻や足を拭くと……全然汚れてなかった。
(謎だ……うん、そう、おしっこも、○んちも漏らしてたりしてなかった、そう、そう言うことで……)
おしっことうん○がまき散らされて、心地よい芳香を放ちながらぐんぐん育ってゆく草むらから目を反らしつつ、鞄を拾って担ぎあげ、ガベッジバッグも拾う。
(んん?)
何か音が聞こえた。
長く後を引く、何かの呼び声。
『うぉー、うぉーん、うぉぅおおぅーん』
血の気がささーっ、と尻のあたりまで落ちる気がした。
ついでに、じょろりっと、何か出た。
太股があったかい。
(膀胱炎かな……あ~、ヤバい)
勿論ヤバいのは膀胱炎ではない。
(そっか、“犬”っていうか、“狼”だもんねぇ)
犬科、狼というものははぐれ狼でもないかぎり、基本群で狩りをする。
多数で追い立て、逃げ場を無くし、足を潰して獲物を貪り食らう。
遠吠えに応え、又別の遠吠えがあがる。
(逃げなくちゃ!)
本能が足を動かした。
無限のスタミナに突き動かされるまま、藪をつっきり、枝をへし折り、木の根を踏みしめて跳ぶ。
道へ戻っている余裕はない。
近くなる遠吠えを感じながら、どこへ向かっているかも分からないまま、突き進む。
体当たりの様な藪漕ぎを続けている内、不意に開けた場所へ転がり出た。
(いだぁ、川?)
うつ伏せになったまま顔を上げると、目の前に川幅10m位ありそうな小川が流れているのが見える。
水は綺麗で、水深はそこまで深くなさそうだ。
(流れも緩い……そうだ!)
痛みの取れた体を地面から引きはがし、八誌緒は川へ踏みこむ。
人は膝下の水深の川でも、普通に脚を取られて溺れる事がある。
ぬるぬるした石や、ぐらぐらした石に脚をとられて転んだり、脚を挟まれたりすれば、普通に溺死する。
しかし、それなりの広さがある川を渡ってしまえば、臭跡を断つ事ができる筈だ。
鈍くさい人間がイヌ科の獣から逃げ切るには最良の方法……と聞いた事がある。
指名手配犯が警察犬から逃げ切った事例でも、大体,川を渡っていた筈だ。
(思ってたより、川の水冷たっ!……あ、ここなんか深いっ、こわっ!)
To Be Continued...
どうやら、狼の世界でもJKのおしっこぱんつは拷問だった模様。
合掌。