いっぱい出たね♪ じょろじょろ出ちゃう黄金水 ~ これって、地層処分するしかないんでしょうか? ~   作:八切武士

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おや、マイクとニンのようすが……

その頃、八誌緒は相変わらず“倅”達と戯れていた


【第1部 第20流 ~ ヤシオの鉄槌 ~】

 

~ チック・ピー一家のアジト・家長夫婦の寝室  ~

 

 

 “一仕事”こなしたマイクは、テーブルの上の壷から水を一杯注いで一息つく。

 “酒”を少し混ぜた水は甘く、しおしおになっていた“息子”が見る見るうちに元気になり、パンプアップして下っ腹を叩いてポージングを決めてくる。

 

「あんた、あれで良かったのかい?」

「あん?」

 

 さて、もう“一仕事”と腋をかっぽーん、かっぽーんと鳴らしながら振り向いたマイクは、ニンの少し探るような目を見返す。

 

「ああ、あの“流され者”か」

「あの娘、なに考えてるかわかんないわ」

 

 珍しく少し不安気にこぼすニンに、マイクは頷く。

 

「ああ、今までの“流され者”共とはなんか違うな、“ニホンジン”の“流され者”は、口じゃどうこう言いながら、俺らを見る目にゃ、“何か”があった、ビビったり、きたねぇものを見る目だったり、恨みだったりな」

「あの子の目の中にゃ、なあんにもないよ……あたしの母ちゃんの眼と同じだ、どいつもこいつも、捌いちまえば“肉”なんだって、そう言う眼だよ」

 

 ニンの父母が営んでいた、流しの串焼き屋。

 マイクが一串で惚れ込んだそれは、今まで食った肉は全て屑肉に過ぎなかったのだと実感させられる美味。

 噛みごたえがありながら、力を入れるとすんなり噛みきれる程良い弾力。

 噛むそばからあふれる肉汁に、舌の上を滑る間に蕩けていく様な脂。

 そして舌奥から喉へ流れてしみゆく滋味。

 人生観が変わってしまう一串だった。

 通い詰めた挙げ句、危うくニンの両親に自分も“売り物”にされる所だったが、逆に彼等を“売り物”に変えてやり、ニンを娶ったのだ。

 

 力尽くで分捕ったともいう。

 

(へっ、今度“売り物”にされるのはこっちかも知れねぇな……)

 

「そうだな、あの女、“ニホンジン”の癖して、どうにも“こっちがわ”の臭いがしてしょうがねぇ……ガキ共に馴染んでるのも、ソレがあるからだろうなぁ……でも、おもしれえじゃねぇか」

「なに言ってんだいアンタ?」

 

 のどの奥で笑い声をあげるマイクを、ニンはとうとう頭がイカれたんじゃないかと、不振そうな表情で見上げる。

 

「“流され者”を拾っちまった時から、“ふつうの終わり”なんてねぇんだよ、精々楽しんで“なるようになる”だけよ」

「あたしゃ、野垂れ死にだの、縛り首なんてごめんだよ!」

 

 ローランド公国は、各領地で法務省から派遣された法官達により裁判や調停が行われており、中世にしては割と罪の軽重が全国的に偏りなく裁定されている。

 盗賊行為は軽微、初犯の場合、概ね罰金や“アットホームで働きやすい、カンタン作業なお仕事Death♪”な現場(強制労働)に放り込まれるか、“市中晒し者の上、追放”という所だが、常習犯、傷害、殺人行為が含まれれば“市中引き回しの上、打首獄門”か“市中壁尻晒しの上、石打”等々、各領地で工夫を凝らした晒しあげてからの処刑が目白押しだ。

 チック・ピー一家なぞ、貯蔵庫においしく加工された“証拠品”がたんまりある訳なので、確実に一族郎党根切り以外の結末はあり得ない。

 

「うまいもんしこたま食って飲んで、ヤりてえ時にヤって、まぁ、死ぬときゃ死ぬ、それが人生ってもんよ」

「あんた……」

 

 ベッドに座ってニンの肩に手を回し、マイクはため息をつく。

 

「俺も歳をとっちまった……朝からソーセージを十本位しか食えなくなっちまったし、倅をぶん殴っても前は食堂の壁までとんではっついたのに、今は天井にぶち当たって落ちてきちまう、それに、昔は夜通し幾らでもヤれたのに、今は二十回ぶっつづけでヤっただけでちょっと息切れしちまう始末だ、歳はとりたくねぇ……そう思ってたんだが」

「あたしゃ、いい加減腰にクるから助かるけどね」

 

 顔をしかめて腰に手を当てるニンにニヤリと笑いかけ、マイクはぬっ、と仁王立ちになる。

 丁度ニンの顔の辺りまで来たマイクの股間では、マイクのマイクも血管を浮き上がらせて仁王勃ちであった。

 

「それがどうよ、あの“流され者”の“味噌”と“酒”をやり始めてから、もう、勃ちっぱなしビンビン丸よ!朝からハム一本いけそうだし、倅をぶん殴ったら、壁にめりこんじまったぜ、まったく、若い頃みてぇじゃねぇか!おまえも二十は若返ってるぜ、浚った時と同じじゃねぇかよ!いやマジでな、がはははは!」

「加減しな馬鹿!あの子首が後ろに回ってたじゃないか!」

 

 楽しそうに呵々大笑するマイクをニンは呆れたように枕でぶっ叩くが、柔らかい枕はマイクのマイクにぶつかって、ぺちぺちと音を立てるだけであった。

 

 ちなみに、“倅”はすぐに八誌緒の木偶部屋送りになったので、無事死にかけで済んだ模様。

 

「まぁ、兎も角、あいつはなぁ……なんつうか、その“肉”にも思い入れしちまう性分な気がするぜ、そう言うとこが“ニホンジン”の性なんだろうがな……と言う訳で、またヤっか!」

「ばかやってんじゃないよ」

 

 額にぴたぴたと頭突きをかましてくるどす黒い亀さんをひっぱたき、ニンはベッドサイドから小さな手鏡を取り出し、低い光量の中で、暫く見ていなかった自分の顔を改めてしげしげと眺める。

 暗い中とはいえ、確かに眼の横のカラスの足跡や、しみと小皺などどこにも見当たらず、顔の輪郭まで引き締まっている。

 まるで、娘時代の自分が鏡の中から見返している様だった。

 

「こりゃ夢かねぇ……」

「夢なら醒めちまうんだ、さめねぇ内に楽しもうぜ」

 

 ニンは鏡をサイドボードの引き出しにしまうと、腰を突き出しているマイクのマイクを鷲掴みにすると思い切り引っ張ってベッドに放り出した。

 

「あんたに浚われてから、あたしゃずっと夢ん中さ」

 

 

~ チック・ピー一家のアジト 廊下 酒倉八誌緒~

 

 

『ひぃー、ゆ゛、ゆ゛るじでぇー!』

『ゆ゛る゛さ゛ん゛!』

 

 両手で三角形の柔らかい布切れを握りしめたまま小便を垂れ流してあとじさる“倅”に向けて、八誌緒は勢いよくダッシュし、ジャンプ。

 天井でハンドスプリングをして勢いを更に増して“倅”へ跳び蹴り、を仕掛けるふりをして、素早く開いた太股でその首を挟むと、空中で思い切り上半身から下半身へと左への捻りを加える。

 太股の間で、何ともいえない、ごき、とも、ぐきとかいう感触が伝わり、首が四十五度の角度でひん曲がった“倅”が床に転がる。

 

『“タイガーかみつき投げ”……以外とやれるもんだわぁ』

 

 黒いライダーがリボ○ケインを振り抜いたかの様なポーズをとき、八誌緒がブレザーの埃を払うと、びくびくと痙攣している“倅”を“倅”の集団が取り囲んで騒ぎ始める。

 

『じぇーどしんだ!このひとでなし!』

『おに!、あくま!』

『ぱんつ、とっただけなのにひどい!』

『めすぶた!ちちでか!』

『ふとももまるだし!』

『ふとももふてぇな!』

『ふとくねぇよ!』

『もじゃもじゃ!』

『おれもやって!』

 

『はいはい、ホントに死体になる前にどきましょうねぇ~』

 

 小学生の子供並なメンタルのオーディエンス共を肘打ち、地獄突き、家電修理チョップで手早くかき分けて、急遽新技の“木偶”候補に名乗りを上げてくれた“じゅーど”君(?)の手から、パンツを取り返す。

 全く、履いてないと、ブレザーのスカートはすーすーしてしょうがない。

 しかし、しっかり履いてたパンツを寝てる間に完全に脱がされるとは、全く恐るべき使い手が潜んでいたものだ。

 

『よっ、と……ふん!』(ぐぎっ)

 

 そして、一応、首をまっすぐに戻してから、最近お決まりの、“野菜ゼロパーセント生活(人由来)”を注射器でぶち込んでやる。

 

『ギギギィ』

 

 ちょっと人が出す様なもんじゃない声を出しながら、“木偶”がごろごろと転がり回った。

 伊勢名物の残酷焼みたいで面白い、とちょっと思ってしまうのが、“染まって”きてて怖いが、首の骨が完全にへし折れてても、ものの数秒で元気いっぱいに戻せるという新たなエビデンスがこうして得られたのはよい事である。

 

『科学ノ進歩ニ犠牲ハツキモノデース!……と馬鹿はさておき、何の用だっけ?』

 

 取りあえず、今朝の“おはようの粛正”タイムは終わったので、パンツの着装は後に回して、パンツ泥と一緒に来ていた“倅”達へ向き直る。

 流石にまだ、衆人環視の中でパンツを履き直すのはちょっと、サービスが過ぎるのではと思うので。

 

 ノーパンミニスカで、タイガー忍法をキメるのは良いのかって?

 良くない、良くはないが、見た奴は死ぬので実質目撃者はゼロ人である。

 結局生き返らせたけど。

 まぁ、居候の身であるからに仕方ない。

 

『やしお、“かぞく”になったから、おいわい!』

『“かぞくなかよし”!』

『“みんなでかぞくなかよし”!』

『おれ、いちばん!』

『おれ、にばん』

『おれ、さんばん……やっぱ、はやくやりたいからう○ちをだしいれするあなでいい』

『おれ、ひだりがわ』

『おれ、みぎがわ』

『おれ、はさみたいのにぃ……かみコキでがまんする』

『おれ、くちでいい!』

 

 D○site的な“なかよし”概念は既に異世界入りしている模様。

 

(と言うか、“みんなでかぞくなかよし”とか、ニン○ンドーのパーティーゲームタイトルっぽくすんな!)

 

 取りあえず、“いちばん”とか言いながら、はしゃいでいる“倅”を指さしてやる。

 

『おい、こいつから殺していいのか?』

『ヒイッ!!』

 

 標準メイドスキルの営業スマイルを浮かべながら宣言すると、何故か股間を押さえて後じさる“倅”。

 

 何故股間。

 

 別にここじゃ、“ソレ”を切り取って回ったりした事は無い筈なのだけど。

 バービ○ターゴアの信者じゃあるまいし。

 

『拳法の進歩に 失敗は付き物です。

 “木偶”がなくなるまで、ひたすら試し続けるの です。

 拳法はそうして進歩していくのです。

 そして、すばらしい秘孔が作られる。

 後を継いでゆく継承者の ために♪』

 

『『『『『『『『『い、いやだぁ!

“でく”はいや、

“でく”はいや、

“でく”はいや、

“でく”はいや、

“でく”はいやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』』』』』』』』』

 

 通路へ響きわたる“倅”達の絶叫こそ気分がよい。

 さぁ、どうして遊んでやろうか?

 

『おまえらなにしてる、おそい』

 

 取りあえずこの“木偶”志願者達を何に使おうか考えていると、背後から聞き覚えのある声がする。

 肩越しにちらりと視線をやると、肌白の紅い眼をした“娘”を先頭にした数人の“娘”衆がやってくるのが見えた。

 紅い眼の“娘”はこの間出産した、赤子を抱いている。

 

『みんな揃ってどしたの?なんか出そう?』

 

 最近、“娘”は調子が悪い時や、産気づいた時にやたらと来ていたので、なんか、また、子供とか、何かが股の間から出そうになってきたのかと思ってしまった。

 まるで歩く産婦人科である。

 

『ちがう』

 

 しかし、紅い眼の“娘”は首を振り、揃って股間を抑えて壁際へ貼り付いている“倅”達へ眼をやった。

 “ゴミを見る目”というか“養豚場の豚を見る目”というか、なにか新しい扉が開きそうな眼だ。

 

『バカばっかり……死んでなきゃいい、ちんこしか役にたたないやつらだ』

 

 辛辣ゥ!

 

 殆どの“倅”がしょぼーんとする中で、何人か恍惚とした顔で体をぶるぶるっと痙攣させている。

 

『んんん……やらしい』

 

 小便の臭いに、ちょっと生臭い栗の花っぽい臭気がそなわり最悪に臭う。

 

『やしおも、まだあなというあなにちんちんいれられたわけじゃないのに、ころすのはちょっとおとなげない』

 

『いや、いや、ちんちん入れられたらもう手遅れじゃん!やだよ!』

 

 全くしょうがないなと、やんちゃな幼児同士の喧嘩に呆れた様な諭し方をしてくるが、そんな“一発出しただけなら誤射かもしれない”なんてローカルルールをお出しされても承伏致しかねる。

 

『やしおも、“かぞく”になったからためしてみればいいのに』

『なれるとやめられない』

 

 別の“娘”が言うと、他の子もうんうんと頷きあっている。

 

『そうそう』

『ずぼずぼ、ごちゅっ、ごちゅってはらわたかきまわされるの、アレ、きもちいい』

『そう、ちんこでかいのがいい、あれ、とかあいつもおおきい、ぜんぶはいんない』

『いや、そこのやつみたいにでかすぎるのいたいだけ、なめさせるほうがすき、あいつなめなめうまい、おしっこものむし』

『あいつとあいつでどっちがさきにやるかうるさかったから、まえとうしろにいれたさせたら、ちんこだけでからだういた、すごい』

『あいつ、またおしっこのませてってしつこい、こんどきたら、うんちくわす』

『もうくわせた、いっぱいたべた』

 

(おい、ハライタでかつぎ込まれたと思ったら……ス○トロプレイのせいかい!)

 

 出るわ出るわ……猥談と言うには生々しすぎる、“かぞくなかよし”のモデルケースが湯水の様に提供されて止まらない。

 好きな体位どころじゃない、詳細なおこのみプレイ内容まで赤裸々に開示どころか陳列批評された“倅”達は、流石に顔を覆ってのたうち回ったり、膝を抱えて隅っこで座り込んだりしているが、またびくんびくん震え出す、ノーハンド生体芳香剤野郎(栗フローラル)が居る。

 

『ん゛、ん゛う゛ん゛……う゛ッ!……やらしい』

 

 あいつ、無敵だな……

 

『やしお、すきなのつかっていいぞ』

『ん?なんの話よ……普通にヤだけど』

 

 いやいや、身内の猥談から急に死球が飛んできたんだけども。

 

(ノールックの走者殺し送球やめて欲しいんだけど……)

 

 もう、ア○トロ球団レベルだよ。

 

『さいしょはちんこちいさいのからがいい』

『ちんこちいさいやつ、じしんないから、ちんこいれるいがいいろいろできる』

 

(いや、セールストークされても、選ばないから……)

 

 “娘”達のセールストークに、ちょっと微妙な表情でズボンの中のアナコンダをのぞき込む“倅”と、両手の指をくいん、くいん、と卑猥に蠢かして得意げな顔をする“倅”、あと、焼き物の“ご立派さま”を取り出して“う゛う゛う゛う゛う゛”とか振動音を出し始める“倅”。

 土の“精気術”の無駄遣いもいいとこである。

 

(ていうか、期待を込めた眼でこっち見んな!)

 

 八誌緒は胸の下で腕を組み、大きくため息を吐く。

 普通に無意識の動作だったが、ぐいん、と持ち上げられていた胸が、深い呼吸にむわん、と膨れ、シャツがぱっつぱつに張りつめる。

 釘付けになる視線と、どうしようもない馬鹿を見る視線が絶望的にすれ違う。

 

『いや、だからヤだよ、だって、すぐに治っちゃうんだから、“破れる”そばから治り続けるって痛すぎでしょ、“気持ちよくなりようがない”じゃない』

 

 何故か黙り込む“娘”と“倅”達。

 

 何故の目配せが繰り返された後、最後に目線が集中した紅い眼の“娘”が肩を竦めて八誌緒へ訊いた。

 

『やしお、いちども“した”ことない?』

 

(いきなり霜降り処女牛確認かよ!食人族らしいわ!)

 

 性体験情報なんて訊いたら一発セクハラ認定のセンシティブな個人情報の最たるもの、職場で答える義理など欠片もないが……

 

(引っこ抜いたちんこ数の事なんて憶えてないんですけど!……なんて、“嘘をつきました”、してもそれはそれでなんかイヤだなぁ)

 

『憶えてる限りじゃないけど?』

 

(アレ?なに、この空気???)

 

 “娘”達が“倅”達を見る目が、アブソリュートゼロレベルに到達してる。

 “倅”達もなんか、泣きそうになってるし。

 なにされても噴水みたいにびゅうびゅうう出してる無敵の人までしょんぼりしてるのマジ怖い。

 そして、何故かこちらへ向いてる視線がもの凄い哀れみと同情に溢れてて、なんだかとっても“イタい”気持ちなんですけど。

 

『オマエら、なんかいうことあるか?』

 

『『『『『『『『『ごべんなざいー!!』』』』』』』』』

 

 紅い眼の娘が放った全く温度が籠もってない声に一斉に“倅”達が頭を下げて絶叫した。

 

 何事だよ、コレ。

 

『いっしょうちんこできもちよくなれないなんて、ひどすぎるぅ!』

『そんなのいきてるいみねぇよ!』

『つらすぐるッ!』

『おれ、いっしゅうかんおなきんするよォ』

『あぅ、ごめん ごめんよぅ(糞を漏らす音)』

『やしお、おれのたまをけれ!けってくれ!』

『おれ、こんどやしおでぬいたらちゃんというよ』

 

(あ~、あ~、何もきこえない)

 

 耳が腐りそうなので、途中から耳を塞ぐ八誌緒。

 ていうか、途中から単に性癖露出になってないか、これ。

 

 そうしていると、帽子を被った“倅”の一人が、妙に殊勝な様子で進み出てくる。

 何かと思っていると、そいつはぺこりと頭を下げて、帽子を取る。

 

『ごめん、これかえす』

 

 帽子を脱いだ下には、ご丁寧にカップを二重に重ねた八誌緒のブラが、インナーキャップみたいに載っていた。

 

 無言で脳天に肘を落とした八誌緒を誰が攻められよう。

 

 

~ チック・ピー一家のアジト 建築現場 酒倉八誌緒~

 

 

『こんなかんじか~?』

『一番奥につくったのね?ん~、まぁ、赤ん坊部屋は、泣き声とかあるし、防衛を考えてもそこで良いんじゃない』

 

 朝の大暴れのあと、いつもの“黄金作成の儀”を終えてから一休みしてた八誌緒は、当然の様な顔で人の部屋に勝手に入ってきた“倅”に“工事”現場に連れ出されていた。

 

 取りあえずここの流儀として、一発殴ってから、“部屋に入る前にはノックをして入っていいか聞く事”をしっかりと“OHANASHI”しておいたが、いつまで憶えている事やら。

 

 アジトの拡張工事は“土の精気術”が得意な“倅”達によって迅速に行われ……割とあっさり完成する。

 ちなみに、全部八誌緒が仕切る羽目になった。

 

・分娩台(石製)を複数備えた、騒音対策に壁と扉厚めのお産部屋。

・処置用の角度を付けて寝そべる長椅子(石製)、と処置台(石製)と看護用ベッド複数(石製)を備えた医務室。

・アジトの際奥区画に作られた、碁盤の様に立ち並んだ赤ん坊用ベッド群(石製)と幼児用の育児スペースを備えた育児部屋。

 

 全部石製、材料費はタダである。

 “倅”達の工数はプライスレスで。

 

 一日で全部終わらせた“倅”と“娘”達は誉められても良いとは思うが、それに全部つき合わされた八誌緒はすんごい疲れた。

 精神的に。

 

(ああ、もう……懐くなよ、名前憶えちゃったじゃん……)

 

 八誌緒はため息をつく。

 

(これ、絶対に気が滅入る奴だ)

 

 おとり捜査官が犯罪組織に潜入し、信頼を勝ち取る。

 組織の中に“親友”と呼べる様な内部協力者を作りあげても、正道を通るのであれば最後は決まりきった結末を迎える事となるのだ。

 

 今までうっすらと聞き集めた“流され人”関係の情報が概ね間違っていなければ、ここは近い内に発見されるのではないかと思う。

 

 そうなれば……

 

 八誌緒は自分の手を見る。

 

(どっちが“マシ”なのかな……)

 

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