【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 最近話を書くたびに「マホ達頑張ってるなぁ~主人公(力男)の出番無いけど」と思う。待ってくれ、待ってくれ力男……お前の出番は後で作るから、魔法少女組の話が終わったら出番あるから!


第百八話 私達の決断が正解か分からないな件です

「私の負け、ですか」

 

「コマツール……」

 

 激闘の末、とうとうコマツールを倒した私達。

 ボロボロになったコマツールは首だけを起こし、スッキリとした表情で私達を見てきます。

 

「まさかこのアヤイト・コマツールがボロボロになるとは。やはり魔法少女の力とは恐ろしいですね」

 

「魔法少女の力じゃなくて私達の力だよ!」

 

「……? 何言ってるか分からないですね」

 

「なんで!?」

 

 魔法少女としての力があるから負けたと言うコマツールに、勇子ちゃん━━━今はまだ魔法少女の姿ですが、戦いが終わって一段落したので本名で呼んでいます━━━は魔法少女の力ではなく、私達自身の頑張りがあったからと反論しますが、どうやらコマツールには通じていないようですね。

 

 倒せはしましたけど、一貫して「私達の実力」ではなく「魔法少女としての力」だけを評価してくるのは、心がモヤモヤとしますね。いい加減に力ではなく、私達個人を認めてほしいものです。

 

「話している所すまない。少し良いだろうか」

 

 するとガク先輩が私達へと近付いてきました。

 戦いに巻き込まれないぐらいの距離まで離れていたはずですが、咲黄ちゃんの肩を借りてここまで来たようです。

 

 離れていると言っても、あくまで校庭内の距離。咲黄ちゃんの肩を借りるほどガク先輩は体力が少ない事は無いんですがね。私達がコマツールを倒したのを見て、安心して腰が抜けたのでしょうか?

 

「コマツール、君に一つ質問だ」

 

「質問ですか…………なら一つ条件を。私の身体は見ての通りです。ですのでアヤイト・コマツールの最後として、魔法少女の浄化を頼めますか?」

 

「ふむ……これは私の一存では決められないね。すまないが、浄化する君達自身で決めてくれたまえ」

 

 質問の対価として、私達に浄化される事を条件にしてきたコマツール。ガク先輩は少し考えた後、私達へと選択を委ねてきました。

 

 元気パワーが弱点のコマツールがわざわざ浄化を頼んできたと考えると、つまりコマツールが望んでいるのは……そういう事なのでしょう。私達はどうするべきかと、顔を見合わせます。

 

「私は……浄化するべきだと思う。傷だらけのままにしておくのは可哀想だし」

 

「勇子に同意見ね。私の場合は、放っておくと何をするか分からないって理由だけど」

 

「わ、私も2人に賛成かな。明日になったら先生達が来て騒ぎになっちゃうだろうし」

 

 勇子ちゃん、緑ちゃん、咲黄ちゃんはコマツールの浄化に賛成のようです。そしてかく言う私も3人の意見に賛同です。

 

 コマツールはボロボロな状態でも、その気になれば消耗してない状態と同じように動けるのだと、今さっき確認しました。

 きっと少しでも目を離せば私達を攻撃してくるでしょうし、もしここで見逃せば周りに平気で危害を加えようとするコマツールの事です。私達の正体を誤魔化すため魔法使いと名乗っている部長さん、今回戦う理由となった学校の破壊などを通著無く、宣言すらもせずに行うでしょう。そんな危険な相手を放ってはおけません。

 

「ガク先輩」

 

「ふむ。君達の答えは決まったようだね。ではコマツール、君に質問だ」

 

「答えられる範囲でなら」

 

「君は妖精くんや妖精国を元に戻す方法を知っているかい?」

 

「元に戻す……? どういうことかしら」

 

「総帥を倒せば全てが解決する訳ではない。妖精くん達や国が元に戻らなければ、完全な解決と言えないだろう? 緑くん」

 

「あっ! 確かにそうね」

 

 元々、ワルインダーの魔の手からペンヨウを守るため。そしてそんなペンヨウが狙われる切っ掛けとなったのは、妖精国が滅ばされて、そこの生き残りだからです。

 

 ワルインダーの総帥を倒せば、ペンヨウが守ると言う目的は達成されるでしょう。しかしそれだけでは全てが終わったとは言えません。

 

 ガク先輩の言う通り、滅んだ妖精国や魂だけとなった妖精はそのままです。だからこそ、元に戻す方法が無いのかコマツールへ聞いたのでしょう。この戦いで起こった出来事を全て解決させるために。

 

「何もかもが蘇るなんて都合の良い話、奇跡が起こらない限りありませんよ。それにこの世は全てが必然で起きています。偶然や奇跡なんて存在しませんよ」

 

「みんなには、もう会えないセイか……」

 

「ペンヨウ……」

 

 しかしそう現実は甘くはありません。厳しい事実を突きつけられたペンヨウは悲しそうな表情をし、私はペンヨウの頭を撫でて少しでも悲しさが小さくなるようにします。

 

 一度は友達を失う事を経験し、それを乗り越えても直接もう家族や友達にもう会えないと直接言われるのは辛いのでしょう。ひたすらにペンヨウを撫でて励ます事しか出来ない自身の無力感による憤りを覚えます。

 

「何をそう悲観しているんだい? ペンヨウくん」

 

「セイ?」

 

「奇跡が起こらない限りは不可能。ならばその奇跡を現実へと引き上げれば良い、簡単な話だろう?」

 

「ガク先輩。それはさすがに」

 

「無理、とでも言いたいのかい? 私の研究テーマは『常識(前提)を覆す』だと忘れたのかね?」

 

 不可能と言う前提を覆す。つまりは奇跡を起こすと当たり前のように宣言するガク先輩ですが、そう簡単には上手く行かないでしょう。

 

 ですが、これはきっと気を使ってくれたのでしょう。何も出来ずに無力感を覚えている私や、悲しんでいるペンヨウに希望を与えようと。

 

「私は自身の研究テーマの反対に位置する不可能と言う言葉が嫌いでね。本当に無理だと思った時以外は使いたくないのさ」

 

「励ましてくれてありがとうセイ」

 

「私は不可能と言う言葉が嫌いなだけさ。ただのプライドの問題、だからお礼を言われる筋合いなんて無いさ」

 

 ガク先輩は照れ隠しなのかその場にしゃがんで私達に顔が見えないようにしました。しかし照れているのか、頬が赤くなっているのは誤魔化しきれていません。

 

「質問は終わりましたかね? それでは魔法少女、お願いします」

 

「そう、ですね」

 

 ガク先輩の質問が終わり、コマツールは私達から距離を取り、全てを諦めたかのような気配を感じます。暗くて遠いのもあって表情は見えませんが、いったい最後にどんな表情をしているのですかね。

 

 総帥の夢を果たせなかった後悔? 私達にもう一度戦って勝ちたいと言う熱い思い? 全てを受け入れた清々しい気持ち? どれも憶測の粋を出ませんが、私が出来るのはコマツールの望み通り浄化する事だけです。

 

「…………さようなら、コマツール」

 

 その言葉と共に、私達はステッキをコマツールへ向けて、浄化技である『スカイファインフラッシュ』を撃ちます。そして4人の浄化の光輝くビームがコマツールの居る場所を通りすぎ、ビームが消える頃にはコマツールの姿は何処にも居ませんでした。

 

「「「「「…………」」」」」

 

 分かり合えないと思った。

 仲良くなれないと思った。

 放置すると危険な相手だと思った。

 

 それでも、心を入れ換えたアクロコや、お義姉さんを救ってほしいと頼んできたリュウさんのように、和解する道があったのではないか。もう少し相手に踏み出していれば、仲良く出来たんじゃないのか。その後悔が私達を襲います。

 

「悩んでいるようだがね、君達のその悩みに正解は無い。どちらを選んでも君達は後悔していただろうね。だからこそ言おう、後悔しても前に進む。君達に出来るのはそれだけさ」

 

「…………はい」

 

 ガク先輩の励ましの言葉に無意識で返事をし、コマツールが居た場所を悲しそうな目でボッーと見つめるのでした。




 コマツール戦長かったなぁ。
 前回の最後でちゃちゃっと浄化すれば? と言われそうなので補足。マホ達からすれば「人間コロすのはちょっと……」と思ってますので、少し描写を盛っておきたかったんです。最終的には浄化技撃ちましたけどね。

 次回は今回で放置喰らったニワヨウ回です。今回で同時に消化しようと思ったんですが、長くなりそうなので分割。あとコマツールの影も薄くなりそうなんで。

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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