前回みたいに軽口を叩いたり、一緒になって宿題を終わらせる(答えは見せない)とか書くの楽しい。
「リュウ、俺の遺言を聞いてくれるか……」
「聞くだけならただですからネ。構いませんヨ」
「ありがとうな」
こうなってしまったのは、過去の俺の失敗だ。
現実を受け入れたくない。過去に戻ってやり直したい。そう考えていても時間は戻らないし、時間はひたすらに進んでいくだけだ。いつまでも
「みんなー! ドッジボールの時間だー! ドリャー!」
「私と鬼教官と呼んだ事、後悔させてあげますよ力男さん……!」
怒ったマホがこんなにも怖いなんて!
事の発端としては、朝宿題を教えている途中に、マホの事を鬼教官と言ったのを気にしているようで、HR直前に「後で覚えておいてくださいね」と言われて今に至る。要は俺のせいだな。ハッハッハッ……ごめんなさい、ここから入れる保険ってありますか?
あ、あのマホ。マホさん……ミシミシ言ってます。ランが投げてきたボール、片手でキャッチしたのはカッコいいですが、ボール破裂しそうなんだけど。え、なにあれ。俺の数分後の姿?
「遺言。帰って良い?」
「駄目ですヨ。逃がしませン」
俺はリュウに遺言を残したが、本当に聞くだけだったようで、その場から逃走しようとした俺の肩を掴み、逃げられないようにしてきた。チクショウ、忘れてたけどマホやランみたいにリュウも一般人の枠越えてるんだった!
だがしかし、俺にはまだ希望がある。
と言うのも、俺達の学校では他クラス━━━咲黄と緑のクラス━━━と男女合同で体育をしている。人によっては「女子にカッコいいところを見せよう!」と言う想いで体育に挑んでるかもしれないけど、俺は「自分の命がここで散るかもしれない」と言う想いで体育に挑んでる。
まぁそれは良いんだ。そして男子VS女子でドッジボールをするのだが、ここには勇子や他クラスの咲黄や緑も居る。つまりは、マホと同じチームになるその3人に助けを求めたら、俺はまだ助かるかもしれない!
「勇子、咲黄、緑! 助け━━━」
「あー体育楽しいなぁー!」
「私は運動苦手だから動けるか心配かなー!」
「咲黄も大変ねー!」
「聞こえないフリするなよ!?」
あ、駄目だ。俺の方に一切視線を向けてない上、俺の助けを大声で掻き消した。つーか聞こえないフリどころか、目も合わせてくれないんだけど。散れってか、マホのボールに当たって散れってか?
「覚悟はよろしいですか? 力男さん」
「全然良くないんだが?」
「マホちゃんも力男狙いか? 実はオレもだ!」
「お前らは今日をオレの命日にするつもりか?」
なんかマホどころかランからも狙われてるんだけど。お前らのボールとか喰らいたくないんだけど、痛いで済む? 吹き飛んで校舎に叩きつけられたりしない?
「モテモテですネ」
「ならポジション変わる?」
「結構でス」
「チェッ。つーかマホとランが居るチームに勝てるのか? 強さが段違いだぞ」
「確かに難しいですネ。一般人とは比べ物にならないほどの身体能力を秘めてる僕でモ、マホさん相手は厳しいですシ、ランさんに関しては言わずもがなでス」
「だよなぁ」
リュウも魔法世界で色々とあって鍛えたのか、それとも天性のものかは不明ではあるが、身体能力は一般人とは比較にならない。それこそ運動部と張り合えるほどに高い。
そんなリュウよりもマホ、そして越えられない壁からのランと言う図式となっている。要は『部長>ラン>人類には越えられない壁>マホ>リュウ>
「先生、ボールはどっちからのスタートであるんですかいな」
「あー、女子からにするぜ。あと語尾の癖強すぎないかぜ?」
語尾強女子━━━ガク先輩の発明品に興味を示していた体育祭の審査員━━━はマホが持っていたボールとは別のボールを先生から貰い、内野へと移動する。
わぁ凄い、何の変哲も無いボールなのに俺にとっては死神の鎌に見えてくる。本当に誰か助けてくれない? 俺まだやり残した事が沢山あるんだけど。
「誰からボール投げる?」
「私はパスで良いわ。咲黄、投げてみる?」
「わ、私も投げなくて良いかな」
「そう。ランとマホはどうかしら」
「オレもパスだ! オレは咲黄ちゃんをボールから守る大事な仕事があるからな!」
「なら私から良いですか? 狙いたい
「分かった! はいどうぞ、マホちゃん!」
一番渡って欲しくない奴にボールが渡った!?
え、どうしよ。絶対初手から俺狙ってくるじゃん。きっと全力で投げてくるから、回避もキャッチ反応出来ないほどのスピードで投げてきて、ただ痛い思いするだけじゃんか。リュウを盾にしようかな?
「あ、忘れてたぜ。始まる前に外野決めるぜ」
「誰か外野やりたい人居ますカ?」
「はいはいはいはいはい!」
「力男さン、マホさんから逃げる気ですネ……」
うるせぇ知るか!
俺はマホのボールから逃げる、そして後で購買で菓子買ってきてそれで許してもらうんだ!
俺は外野へ全速力で逃げた。もしかしたら誰かがマホを倒してくれるかもしれないから、それに掛けるか……あれ。でも倒されたら外野に移動するだけだから、俺が内野に移ったら狙われるか。HAHAHA、帰りてぇ。
「僕もお供しますヨ」
「ありがとう。リュウを盾にしようと思ったこと、撤回させてもらうぜ……!」
「そんな事考えていたんですカ!?」
俺は
外野に居れば一先ずはこれで安全だけど、マホが俺を狙ってる問題は解決しないんだよなぁ。内野を、つまりは女子全員倒すのが1番確実だろうが、マホとランが居る時点で1番非現実な策だ。
ねぇ、やっぱチームバランスおかしいんだけど。この2人だけ学生の地区大会に金メダリスト連れてきたレベルなんだけど。
「くっ、力男さんは外野に逃げましたか」
「大丈夫よマホ。内野を倒せば力男を狙うチャンスが来るわ」
「確かにそうですね。ありがとうございます緑ちゃん!」
「なぁリュウ。俺、なんだか身体の震えが止まらないんだけど。武者震いかな?」
「武者震いですネ」
「嘘つけ」
「自分から言ってましたよネ!?」
これもう最初の方にマホとラン以外が投げたボールに当たっておけば、こんなに怯えずに済んだかな? なら外野に行く必要が……あぁでも、初手のボール握ってるのがマホだからなぁ。内野に居たら初手で狙ってきたから、その方法を試す暇すら無かったか。
「それじゃあ、ドッジボール開始だぜ」
「私の番です、ねッ!」
先生の合図と共にドッジボールは開始した。
まずはマホのボール。マホはギリギリ手前、ではなく一番後ろ。つまりは俺達外野が居る所まで下がり、左脚を一歩前へと出してボールを投げた。
本来ならば相手の反応出来る時間が短くして、ボール当たりやすくするのなら、手前ギリギリで投げるのがセオリーだろう。
しかしマホにとって距離を稼ぐなんて事は関係無い。外野ギリギリで投げたボールはあまりの速さからソニックブームを発生させた。
そしてボールの大きさは違うとは言えど、キャッチに慣れている筈の野球部を反応すらさせず、あまりの威力にボールごと野球部を女子の外野が居る線の外まで吹き飛ばした。
「次は、貴方の番ですよ……?」
そう言ってマホはジッと俺の方を見つめてきた。
きっと気のせいだと思って、近くに居たリュウの後ろへと隠れたが、移動している間も後ろに隠れている間もジッと俺を見続けていた。
そんなに見つめられるなんて。もしかして、これって恋……!? なんてボケる状況じゃないな。むしろ今考えた内容をそのまま喋ったら余計怒り買いそう。
「あの、リュウ。逃げて良い?」
「安心してくださイ。何があってモ、僕は力男さんの事は忘れませんかラ」
「それ助からないやつだよな!?」
俺はガタガタと震えながら、外野の出番が来ませんようにと。早くドッジボールが終わりますようにと。心の中で願うのであった。
書いたは良いけど、マホにヘイト向くかな? と少し悩んでいたり。前回の「鬼教官」呼ばわりに何も反応が無かったから違和感あるなぁと思った結果、ドッジボールでボコボコにされそうな力男の図が出来ました。
【次回予告】
俺の願い虚しく、次々と倒されていく内野。そして増えていく外野達。
このままだと、最初から外野に居た俺やリュウも内野に入らないと行けない……! 俺の命日はまだ速いから、一度若くして死んだんだから後200年ぐらい先になってる筈だから!
次回:俺のクラスメイトが頼りになりそうな件(仮)
【第二回】好きなキャラアンケート
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超能 力男
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マホ・ツカエール/スカイブルー
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赤元 勇子/スカイレッド
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長神 咲黄/スカイイエロー
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恋路浜 緑/スカイグリーン
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ペンヨウ(マホの妖精)
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ライヨウ(勇子の妖精)
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フクヨウ(咲黄の妖精)
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クラヨウ(緑の妖精)
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アクロコ
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リュウ/スリュウ・コマツール
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アヤイト・コマツール
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ワルインダーの総帥
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草加 ラン
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力学 心(ガク先輩)
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陸上部の部長