【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 本来は前後半の予定でしたが、台詞だけでいつもの長さになったので分けることにしました。多分、描写とか追加したら1万越えるかも……

今日の作業用BGM:なんて恐ろしい魔物なんでしょう


第百十七話 俺の前世が夢として現れるな件~中盤~

「おはよう空界!」

 

「……おはよう」

 

 河川敷の一件以降、俺と空界はよく話すようになった。周りと関わろうとしない性格は相変わらずであったが、俺には心を許してくれたのか、いつしか空界との関係は友達から親友と変わり、他愛も無い雑談にも乗っかってきてくれた。

 

「なぁ空界。空界はもし超能力が手に入るって言うならどんな力を望むんだ?」

 

「……未来予知。聖夜はなんだ」

 

「サイコキネシスとかパイロキネシスだな。モノを操ったり、炎出す能力って憧れるよなぁ。まさに最強って感じでさ!」

 

「……お子ちゃまだな」

 

「俺は昨日誕生日迎えてもう16歳なんだ、お子ちゃまじゃない!」

 

「……俺は今年で4億6千歳だ」

 

「人間そんな長生き出来ないんだけど!?」

 

 ある日は超能力が手に入るなら、なんてIF話で盛り上がった。空界は15歳や16歳どころか、人間的に有り得ない年齢を言っていたのを前世の俺は冗談だと受け取っていたが、実際は本当なのだろう。

 

 何故なら空界は━━━いや、今は置いておこう。前世の記憶を夢として見ているのなら、その時の記憶もきっと後で見ることになるのだから。

 

「……起きろ」

 

「ハッ。何処だここ」

 

「……地獄」

 

「!?」

 

「……冗談だ。ここは屋上、そろそろ授業始まるぞ」

 

「あぁ、悪い悪い」

 

 ある日は屋上で昼食を一緒に食べた。

 雲一つ無い良い天気だったのもあり、おれはポカポカとした雰囲気に負けて屋上で眠ってしまったが、空界が「ここが地獄の」と言う冗談により、前世の俺は目を見開いて身体を起こした。

 

 今の俺の持ちネタ的な扱いになっている冗談、ペンヨウもマネするようになっているが、元は空界が発祥だったんだよな。いやぁ、懐かしいな。うん、ホント……懐かしいよ。

 

「二人三脚、気合い入れていくぞ!」

 

「……任せろ」

 

「まずは内側の脚から前に出ダダガガガガッ!

 

「……ゴールだ。俺達の完全勝利だな」

 

「その完全の中に無傷でゴールするって目標は無いのか?」

 

「……その傷どうした。誰にやられた」

 

「お前だよ!?」

 

 ある日は体育祭の本番。

 練習では上手く息を合わせられていたが、本番となると緊張していたのか。空界は1人で突っ走り、俺を引き摺った状態でゴールした。

 

 ランの時はこうならなくて良かったな、ホント……。この時に全身土まみれ、そして若干ながらも擦り傷が出来たのを俺はまだ許していない。その傷どうしたじゃねぇよ。お前だよ、お前にやられたんだよ!

 

「おはよう空界。髪切った?」

 

「……まだだな。だがいつか、この手で邪神を仕留めるのが俺の目的だ」

 

「え?」

 

「……? 邪神の話じゃないのか?」

 

「誰が神の話をしたよ。髪の毛だよ、髪の毛」

 

 ある日はHRが始まる前。

 空界に振り回されている事が多いので、今度は此方から何か仕掛けてみようと、俺は空界に髪を切ったのかを聞いてみた。ちなみにだが、この時の俺は「じゃ、俺は何処が変わったと思う?」と面倒な質問を返す予定だった。

 

 しかし空界は俺の予想を越えて、髪の毛の話を神様の話だと勘違いした。そして俺はその勘違いを天然だと流した。流してしまった。

 

 うん、こうして見るとすれ違いが本当に酷いな。空界の抱えている秘密について知っている今の俺ならまだしも、前世の俺は空界の言葉を天然や冗談として流してしまっている事が多い。もし本気で受け取っていれば……そう考えたところで、今の俺に出来ることは何も無い。

 

「なぁ。前から気になってたんだが、そのお守りって誰かから貰ったのか?」

 

「……異世界を転々としている時、妖精から貰った。何やら不思議なパワーが込められてるらしい」

 

「へー、妖精かー」

 

「……信じてないな」

 

「信じてる、信じてるって。お前がテストで満点取れるぐらい信じてるって!」

 

「……一欠片も信じてないのか」

 

「遠回しに信じてないって言った俺も悪かったけどさ、お前も自分自身を信じよ? いつか満点取れるかもしれないじゃんか」

 

 俺はある日、前から気になっていた事を聞いてみた。

 空界がずっと持っているお守り、それはいったい何処で手に入れたのかを。

 

 俺と空界は既に歳を1つ重ねていたが、そのお守りはたった十数年程度のモノとは思えなかった。なんと言えば良いのか、苔の生えた石のように古く、けれども石自体が全く衰えを感じないように。お守り自身も表面上は古くなってはいるが、実際はまるで時が止まっているかのように老朽しているのを一切感じなかった。

 

 今の俺は妖精の存在を信じている。なんなら見た事があるし、友達である。

 けれど前世の俺は超常現象や摩訶不思議な生物の存在を一切信じなかった。今なら兎も角として、前世の時は「そんなのが存在するなら、ニュースに取り上げられてるだろ」と考えていたからな。

 

 もしこの時の空界の言葉を信じていれば、俺は未来を変えられていただろうか。無力な俺でも、何も知らなかった俺でも、邪神によって滅ぶ世界を救えていただろうか。空界の心の拠り所になれていただろうか。

 

 過去は変えられない。転生した後で前世を悔いても何も変わらない。分かっている、それでも……俺は後悔を胸に抱いている。今も、そしてこれからもきっと。

 

「……聖夜」

 

「なんだ?」

 

「……俺、お前と親友になれて良かった」

 

「急にどうした。熱でもあるのか?」

 

「……なんでもない。少し、言ってみたかっただけだ」

 

「ん? そうか」

 

 そして、記憶はとうとう俺の命日となった。

 その日、空界は学校からの帰り道で覚悟を決めたような顔をして、真正面から本来なら照れて言えなそうな言葉を発した。

 

 前世の俺は意味が分からなかった。どうして突然そんな事を言ったのか、熱でもあって気が動転してるんじゃないかと。

 

「ッ……今日は用事がある。先に帰っていてくれ」

 

「あいよー。また明日(・・・・)遊ぼうぜ」

 

「……あぁ。また明日(・・・・)遊ぼう」

 

 俺は明日になれば「気が動転していた、忘れてくれ」と珍しく照れる空界が見れるんじゃないかと、怪しい言動を疑いもせず、俺と別れて別の道を通っていく空界へと手を振る。

 

「ってあれ、アイツお守り落としてやがる」

 

 とうとう俺が空界を振り回す時が来た。そう心を踊らせていると、足元に何かが落ちているのを見つけた。

 俺は拾って確認すると、それは俺と空界が仲良くなった切っ掛けであるお守りであった。河川敷の一件以降、失くさないよう大切にしていたようだが、紐が緩んで鞄から外れてしまったようだ。

 

「おーい空界……ってもう見えねぇ。はぁ、今度紐を硬く結ぶ方法教えるか」

 

 俺は急いで空界を呼び止めようと、追い掛けてすぐ近くの交差点で左右を確認してみたが、完全に姿を消しており何処に行ったのか検討も付かなかった。

 

 前世の俺は後頭部を掻き毟りながら、俺は空界を探して落としたお守りを届けようと、宛も無く街中を歩き回るのであった。

 

 別に今日届けなくても、明日遊ぶ約束があるからその時に渡せば良い。何処に行ったのか知らないから、探すにしても無駄足になる可能性がある。そんな言葉が前世の俺の脳裏を過るが、何やら嫌な予感がする俺は空界を探すのを続けるのであった。

 

 この選択が吉なのか凶なのか、それは今の俺でも分からない。だが、言えることは2つだけある。

 

 1つ目はどう行動しても結局は世界ごと消える運命は変えられなかった点。

 

 2つ目が、もしここで行動しなければ俺は……何も知らずに終わりを迎えていただろう。空界が抱えている秘密、邪神と呼ばれる存在、超常的な力、摩訶不思議な生物。それらの存在が空想ではなく現実であると今の俺が確信を持っているのは、その行動があったからこそなのだから。




【次回予告(本編シリアスなので、此方でギャグ補給)】
 止めて! 邪神って呼ばれる存在の力で、世界が消滅させられたら、その世界に住んでいる聖夜や空界の命まで消え失せちゃう!

 お願い、死なないで空界! あんたが今ここで倒れたら、聖夜と遊ぶって約束はどうなっちゃうの?

 ライフ()はまだ残ってる。邪神を倒せば、また明日を迎えられるんだから!

次回「聖夜&空界死す」デュエルスタンバイ!

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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