【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 今回から今世に戻ってきます。

 主人公の前世、細々と考えたけど前回にしてようやく書き終わった……こう思い返すと、前世に対して重い感情持ってるな主人公。今までの前世関連の描写全てが重く見えてくる。


第百十九話 俺の街が大変な事態な件

「ん、ここは……」

 

「地獄ワニ」

 

「!?」

 

「冗談ワニ。前の仕返しワニ」

 

 俺は前世の夢から目覚めると、アクロコにいつ頃かの仕返しをされた。アクロコが気絶から目覚めた時に一度だけしたやり取りだが、まだ覚えていたのか。懐かしいやり取りだな、

 

『……起きろ』

 

『ハッ。何処だここ』

 

『……地獄』

 

『!?』

 

『……冗談だ。ここは屋上、そろそろ授業始まるぞ』

 

『あぁ、悪い悪い』

 

 うん、ホント……懐かしいよ。

 前世を夢として見た影響か、空界(親友)との会話を鮮明に思い出す。元々は空界発祥のを俺が真似ただけだったが、いつの間にか此方の世界でも広まってたんだな。

 

 魂は人の心に。いつ頃かにペンヨウに掛けた言葉だったが、空界が生きてたって言う証は俺だけじゃなくて、いつの間にか受け継がれてたんだな。まぁペンヨウとアクロコにそんなつもりは無くて、単に俺の真似をしてるだけなのは分かってるけどな。

 

「って力男、そんな顔してどうしたワニ?」

 

「なんでもない。少し、昔を思い出してただけだ」

 

「…………?」

 

 今にも泣き出しそうな程に、悲しい顔をしてしまっていたのか。アクロコが俺の顔を覗き込んでくるが、なんでもないと誤魔化す。

 

「それより今何時だ?」

 

「朝の9時ワニ」

 

「9時かぁ。ペンヨウと遊ぶ約束してるから、そろそろ来るか? あぁでも、午後に来る可能性もあるか」

 

 そうえば遊ぶ時間を決めていなかったな。

 ペンヨウと昨日の夜に「また明日遊ぼう」と、約束を交わした。しかしその時間までは決めていなかったのを、今になって俺は思い出した。

 

 ここは一度マホ━━━正確には、マホを居候させている勇子の家━━━に連絡して、遊ぶ時間の確認をした方が良いだろう。

 

\ドンドンドンドン!/

 

「うわ!? な、なにワニか」

 

「誰かが窓をノックしたんだな」

 

「力男、超能力で誰がなのか確認してほしいワニ」

 

「あーちょっと待ってろ」

 

 スマホを取って電話しようとした時、俺の部屋の窓が叩かれる。アクロコにはノックだと話したけど、正確にはノックじゃないな。そんな力は籠ってないから壊れる事は一生ないだろうが、これはもうゾンビが窓叩くようなアレと同じだ。

 

 俺はカーテンが閉まっている状態で窓へ透視を使い、窓を叩いている人物を確認した。

 するとその人物はペンヨウであった。俺はカーテンを透視しているから一方的にペンヨウが見えるのが、何やら慌ただしい。もっと言えば、窓をいつものようにノックではなく、叩いている時点で様子がおかしい。

 

「ノックしてるのはペンヨウだな」

 

「なんだ、ペンヨウワニか。ビックリしたワニ」

 

「今窓開けるぞ」

 

「力男ー!」

 

 窓を開けた瞬間、昨日のように部屋の中へと突撃してくるペンヨウ。しかし俺はペンヨウの焦りようから、昨日のような行動をしてくると読んでいた。だから、

 

「アクロコガード!」

 

「ワニ!?」

 

「セイ!?」

 

 アクロコを盾にした。

 いや、これにはちゃんと理由があるから。別にアクロコに昨日唐揚げ1個多く食われた恨みじゃないから。ペンヨウが突撃するのは読んでたから、枕でガードしようと思ったんだよ。でも枕取ろうと思ったら、間違えてアクロコ取ったんだよ。いやぁ、これは仕方ないなー。近くに居たアクロコが悪いなー。

 

「い、痛いワニ……」

 

「おいペンヨウ、急に突撃するなよ。アクロコ痛がってるじゃないか」

 

「いや、これはワニャアを盾にした力男のせいワニ。許さないワニ」

 

「ファ〇チキ奢る」

 

「許すワニ」

 

 チョロいな。

 まぁそれはそれとして、盾にした罪悪感は当然ある。ファ〇チキ3個ぐらい買おうとしよう。てかいつもノーマルの味買ってるけど、アクロコって辛いヤツも食えるのかな? 今度買いに行く前に聞いてみるか。

 

「うぅ、頭がクラクラするセイ」

 

「勢い付けて入ってくるからだ。で、どうした?」

 

「あぁ、そうだったセイ。窓の外を見るセイ!」

 

「窓の外? うわ、暗ッ!?」

 

「何か飛んでるワニね。あれが噂の雪ワニか」

 

 俺とアクロコが一緒に外を見ると、今は朝だと言うのに夕陽が殆んど沈んだ時間帯のように薄暗く、小さな光の球が所々空へと吸い込まれるように飛んでいた。

 

 えぇ……天気悪いな。ラン、今日は陸上部の大会があるからって朝早くから遠出してるようだけど、あっちの方悪天候になってないよな? さすがに嵐降って中止とかは止めてくれよ。3年生にとって最後の大会だから、部長に良いところ見せるって張り切ってたんだから。

 

 それとアクロコ、雪って言うのは(地面)から()に飛んでる訳じゃないから。()から(地面)に降るものだから。今度雪が降ったら一緒に見ような。

 

「上じゃないセイ、下を見るセイ」

 

「下ワニ? もしかしてもう雪が積もってるワニ!?」

 

「そもそもアレは雪じゃな……」

 

 俺の言葉は、そこで止まった。

 下を見てみると、道に何人もの人が倒れていたのだ。そしてその人達からはアクロコの言っていた雪、つまりは光の球が出て空へと吸い込まれるように飛んでいた。

 

 テレパシー……は、反応無いな。視界に居る倒れている人物全員に使ったが誰も何も思っていない。一応俺の超能力がおかしくなったのかと思ってペンヨウとアクロコに使ってみたが、何も問題は無かった。

 

 考えられる理由は2つ。1つは既に全員が全員事切れている可能性だ。だがそれなら事切れるような大規模な事件な事故が起こった事となる。それにしては何も物音はしなかったし、俺達が無事な理由が不明だ。

 

 そしてもう1つは、気絶している可能性だ。つっても、此方も俺達が無事な理由が不明なんだよなぁ。人間だけ気絶するとしたら、ペンヨウとアクロコが無事な理由に説明が付く。なら俺は? 俺からは光の球なんてものは出ていない。それが今の状態と関係ありそうだが……ちょっとまだ分からねぇな。

 

「ペンヨウ。何があった」

 

「分からないセイ。朝起きたら勇子のパパとママが倒れていて、外出たら他の人も同じ状況だったセイ。それで、それで……」

 

「一度落ち着くワニ。そんな状態だったら、説明も出来ないワニ」

 

「すぅ、はぁ~……悪かったセイ」

 

 親しい人が突然倒れているのを見たことを思い出して、動揺してしまったのだろう。涙を浮かべながら口が上手く開かなくなるペンヨウに、アクロコは冷静に話し掛ける。

 そんなアクロコの言葉を素直に飲み込み、深呼吸したペンヨウの目には既に動揺は消えていた。相変わらず精神が強いなペンヨウは。動揺する事があっても、戦えない事に無力感を覚えても、一度マホから離れて以降折れずに頑張ってる。俺とは違うな。

 

「それで、ガクならこの現象について知ってると思ったセイ。だから」

 

「俺達も集まるよう呼びにきたって事か」

 

「そうセイ」

 

 困った時のガク先輩だな。あの人も倒れている可能性があるのが怖いが、今は気持ちが沈むような事を喋らない方が良いだろう。

 

 もし喋ればペンヨウがまた動揺してしまうかもしれないし、俺達が行かずともマホ達はガク先輩の所に集合するのを今の目的にしているのだ。ガク先輩が倒れてようが、倒れてなかろうが、マホ達と合流する為には結局部室に向かう必要がある。不安にするような事を喋るのは避けるべきだ。

 

「他の奴らには?」

 

「咲黄の所にはライヨウと勇子が、緑の所にはマホが向かったセイ」

 

「分かった」

 

 少なくともマホ、勇子、ライヨウは無事か。千里眼と念聴で咲黄と緑の様子を……うん。咲黄は部長の応援歌って言う意味不明なの歌っていて、緑は寝てるのか、倒れてるのか一切喋ってないし動いても無いな。

 

 どうやら2人とも今の事態には気付いてないようだ。緑はまだ良いよ、単に寝てるだけなら仕方無いし、さっきの人達みたいに倒れてるなら責められないし。けど咲黄に関しては何してるの? 部長応援歌ってなに、初耳なんだけど? 外見ろ外、応援歌を歌ってる場合じゃねぇよ。

 

「それじゃあ早速ガク先輩の所に……ん、電話?」

 

 咲黄と緑はマホ達に任せて、俺達はガク先輩の部室へと向かおうとした時、俺のスマホから着信音が流れた。相手を確認してみるとガク先輩と書かれていた。

 

「はいもしもし」

 

『やぁ力男くん。外は見たかい?』

 

「もう見た。なぁガク先輩、いったい何が起こってる?」

 

 もしかしたらガク先輩の携帯を借りている誰か、と言う線も考えたが正真正銘本物のガク先輩のようだ。てか電話来るよりも先に千里眼と念聴使えば、ガク先輩が無事かどうか分かったかもな。はぁ、ペンヨウじゃなくて俺も動揺しちまってるな。

 

『話は後さ。それよりマホくん達と連絡が取れるかい? 起きてないのか、それとも出掛けてるのか。電話が通じなくてね』

 

「マホは緑とクラヨウ、勇子とライヨウは咲黄とフクヨウと合流中だ。合流後、ガク先輩の部室に向かう事になってる」

 

『なら説明は一気に済ませられそうだね。部室には既にリュウくんが来ている。早く来たまえ』

 

「へいへい」

 

 リュウはもうそっちに居るのか。俺は千里眼があるか合流自体は可能だが、本来なら誰もリュウの家知らないからな。ペンヨウも居る状態で、学校に向かいつつどうリュウとどう合流しようかと考えていたが、もうそっちに居るなら手間が省ける。

 

「よし。ペンヨウ、アクロコ。今すぐ学校に行くぞ!」

 

「「分かったセイ(ワニ)!」」

 

 リュウが俺達より先に動いてる時点で何か嫌な予感がしてくる。別にリュウの事を悪く言うつもりは無いが、1人だけこの状況になったのならパニックになりそうなものだが、わざわざ科学部の部室に行ってガク先輩と合流している。

 

 単に意外にもリュウは緊急時でも冷静になれるような性格をしていたのか……この状況が何を示すかを知っているかの2択だろうな。もし後者ならこの現象を巻き起こした相手は、ワルインダーの総帥である可能性が高い。

 

 俺は嫌な予感がしつつも、それを胸の奥へと仕舞う。ここで不安にされるような事を言っても仕方が無いし、無駄に不安を広げるようなマネはしない方が良いだろう。ここは一先ず、頭を回すよりもガク先輩と合流が先だな。

 

 俺はアクロコとペンヨウを連れ、勢いよく部屋を出た。こうなった原因を一刻も早く突き止め、元の平和な日常に戻すために!




━オマケ(本編に入れるにはちょっとキリ悪かったシーン)━
「あ、ごめん待って。さすがにパジャマのまま行くの恥ずかしい」

「着替え終わるまで下で待ってるセイ」

「悪い。うん、ホント……勢い付いてたのを邪魔して本当に悪い」

「ペンヨウ。力男が着替えてる間、力男が隠してるお菓子を食べて待つワニ」

「うおおおおい! それだけは止めろおおお!」

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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