【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 プリキュアがめっちゃシリアスしてる……悟が飛び出て庇うと思ったけど、前に出る前に相手が引いていった。ぐぬぅ、続きが気になる!

 すごい今更な話するけど、この作品で心の不調で変身出来ないって展開一度もやらなかったな。精神が不安定だと変身出来ないの知ったの最近だけど。


第百二十話 俺の友達がマイペースな件

「ガク先輩!」

 

 俺は超能力を使う発想すら出来ないほどに余裕が無い状態で、ペンヨウとアクロコを連れて科学部の前まで辿り着く。

 マホ達はもう来てるのか? てかここに来るまでの間にガク先輩倒れてないよな? 俺は不安を胸に部室の扉を開けた。

 

「お兄ちゃん、大丈夫かなぁ……」

 

「部長ならきっと大丈夫ですヨ。そもそもあの人が倒れてる姿が想像つかないですシ」

 

「リュウくんの言う通りだよ。だから咲黄ちゃんもお握り、食べよ?」

 

「こんなのんびりしてて良いんでしょうか?」

 

「腹が減っては戦ができぬってやつよ。今はゆっくり食事を楽しみましょう」

 

「この後の事を考えれば、今は食事に集中するべきだからね……っと、既に来てたのか。力男く」

 

 俺は困惑を胸に部室の扉を閉めた。

 マホ達が揃いも揃って仲良くお握り食べてたのが見えた気がするけど、きっとそれは俺の気のせいだろう。うん、こんな非常事態にのんびりしてるなんて有り得ないからな。

 

「よし、帰るか」

 

「良いワニ」

 

「駄目セイ」

 

 俺は今の光景を夢だと信じたくて、回れ右して帰ろうとしたがペンヨウが俺の前に立ちはだかり、帰るのを妨害をしてくる。

 

「いやだってさ、明らかに「非常事態だ」って雰囲気だから急いできたのに、お握り食ってるんだぜ? なにこれ。ピクニックかよ」

 

「ペンヨウはお握りの具、何が好きワニ?」

 

「それは勿論、鮭に決まってるセイ……ってそうじゃないセイ!」

 

 家出るときはあんなにシリアスしてたのに、部室来たら全員お握り食ってるってなんだよ。俺達別にお握り欲しさにここまで走ってきた訳じゃねぇから。

 

「全く君達は何をしているのかね? 早く入りたまえ」

 

 俺が現実逃避をしていると、ガラガラと扉を開ける音と共にガク先輩がお握り片手に部室から顔を出してきた。

 

「早く入りたまえじゃねぇよ。なんでお握り食ってるの?」

 

「朝食がまだだったからね」

 

「あー……そうえば俺もまだ何も食ってなかったな」

 

 起きて、ペンヨウ来て、着替えて、即部室向かうだったからなぁ。ペンヨウとアクロコは俺が色々準備している間にお菓子を食べたようだが、俺はそんな余裕無かったからな。

 

 お握り食うよりもこの非常事態について話すべきだとは思うが、ここはガク先輩の言葉に甘えるとしよう。べ、別にお握り美味しそうで涎溢れそうとかじゃないから。単に腹減ってるだけだから。

 

「さて。力男くんも合流したから、朝食がてら今の現状について話をしようか。質問があれば随時」

 

ふぁい(はい)ふぁくへんはい(ガク先輩)!」

 

 まだガク先輩が喋っている途中だが、マホがお握りを食べながら勢いよく手を上げた。おお、そんなにも聞きたいことがあるのか。

 

「マホくん。質問があるのは良いが、せめて食べるか話すかを選びたまえ」

 

「モグモグモグモグ」

 

「…………そうか。そっちを選ぶのか」

 

 そっち優先するのかよ!?

 質問より食事を優先された事にショックを受けたのか、ガク先輩は哀愁を漂わせながらマホからソッと視線を外した。

 

 マホが俺の家に遊びに来た時も同じ事あったな。あの時もアクロコに喋るか食べるかの二択を迫られて、躊躇鳴く食べる方選んでいた。意外にも食いしん坊なのか?

 

 うーん。マホって何質問にしようとしたんだろ。食事を優先したって事は重要な話じゃないだろうけど、確認は大事だからな。ここはテレパシーを使うとしよう。

 

(この美味しいお握りは誰が作ったのか聞こうと思いましたが、ガクがそう言うなら食べるのを優先しましょうか)

 

 あぁ、うん……こんな状況でもマホはマホなんだな。ズレていると言うかなんというか。正直言ってテレパシー使って損した気分だ。

 

 どうでも良い内容だけど、マホが何を質問しようとしたのかをガク先輩に伝えるべきだよなぁ。もしかしたらマホの質問を重要な内容だと勘違いしてる可能性あるし。

 

 いつ頃かに説明したが、俺の使うテレパシーには種類が2つある。1つはよく使う相手の心を読む方。もう1つが相手にメッセージを送る方だ。後者はアクロコが敵幹部時代の頃にファ〇チキ連呼で使った事がある。

 

 俺はガク先輩へ視界に捉え、テレパシーでメッセージを送る。あと口に出さずともやり取り出来るように心を読む方のテレパシーも使うとするか。

 

(ガク先輩)

 

(ふむ。力男くん、何かね?)

 

(マホはこの美味しいお握りは誰が作ったのか聞こうとしてたぞ)

 

(…………そうか。反応に困るね)

 

(うん。俺もそう思う)

 

 なんでマホはこの質問をしようと思ったのか俺には全く分からない。いや、このお握り美味しいんだけどね。

 1つ1つが決して崩れること鳴く綺麗な三角形を保っていて、塩加減は抜群。まるで何万年もの間、誰かの為にお握りを作り続けた結果美味しさが限界突破したような……おっと、今は食レポじゃなくてガク先輩の話を聞く番だったな。

 

「まず今起こってる現象についてだが、これは元気パワーが吸い取られているのが原因さ」

 

「ねぇガク先輩、元気パワーってアレでしょ。私達やライヨウ達のなんかこう、すごいパワーでしょ?」

 

「正確には君達だけじゃなくて、無機物有機物関係無く何もかもが宿している力だね」

 

「じゃあそれがどうして取られてるの?」

 

「明確な理由は分からないさ。ただ、可能性として有り得るのが……奇跡を起こす為、だろうね」

 

『奇跡?』

 

 ガク先輩の言葉に全員が首を傾げる。

 奇跡ってあの、奇跡も魔法もあるんだよで有名な奇跡だよな。それが元気パワーと何が関係あるんだよ、まさか元気パワーがあればその奇跡を起こせるとでも?

 

「元気パワーと言うのは、ああしたい、こうしたいと言った人々の願いがエネルギーと言う塊になったものさ」

 

 そのまさかだったな。

 ガク先輩の言う「奇跡」がどの範囲まで収まるか分からないが、ランや部長が人間を超越してるのも、沢山動きたい的な事を願った結果なのか?

 

「え!? じゃあそのパワーがあれば美味しいモノ沢山食べれる夢が叶うの!?」

 

「私の王子様は!?」

 

「お兄ちゃんとの結婚は!?」

 

「マジュくんを婿に出来るんですか!?」

 

「お前らは自分の欲望しか眼中に無いのかよ」

 

 その「奇跡」でなんでも叶う訳じゃないのは簡単に察せられる。もしなんでも叶うって言うなら、今言ったマホ達の願い(欲望)も叶ってる訳だからな。

 

 エネルギーが足りないとか、自分勝手な願いだと叶わないとか、何か条件がありそうだな。ただ、それと同時に気になることが一つある。

 

『……異世界を転々としている時、妖精から貰った。何やら不思議なパワーが込められてるらしい』

 

 確証は無いが、俺が転生したのは元気パワー(その奇跡)が原因か? 空界はあのお守りを妖精から貰ったモノと言っていた。そして妖精の不思議パワーと言えば、元気パワー以外有り得ないだろう。

 

 今まで、俺は何故転生したのか理由を考えた事は無かった。考えた所で意味は無いし、そう言う事もあるか程度で流してたからな。

 まさかあのお守りが原因だったなんて……願いの力が元気パワーと言ってたが、きっと最期に「次があれば、超常的な力があれば」願ったから、転生して超能力が使えるようになったのだろう。

 

「みなさン、落ち着いてくださイ。まだ話は終わってないでしょウ?」

 

「その通りさ。そもそも元気パワーが独占されている、と言うのは危険な状態なのさ」

 

「それはなんでも願いが叶うからかしら?」

 

「いや、なんでも叶えられないね。それに仮に叶えたい願いがあったとしても、その願いが大きいほど元気パワーも多く消費するからね。万能ではないさ」

 

 俺がさっき考えた通りか。

 多分だが、マホ達の願い(欲望)が叶わないのは「自分の叶えたい願い」だからだろうな。

 魔法少女になれたのは「誰かを助けたい強い思い」が、俺が超能力を手に入れたのは「空界のように超常的な力を持つ人物を支えたいから」と言ったように、元気パワーを使うには自分(・・)ではなく、自分以外の誰か(・・・・・・・)に対する願いでなければ叶わないのだろう。

 

 誰かに対する思いやりでのみ元気パワー(不思議な力)は手を貸してくれる、まるでニチアサみたいだな。いやこの世界自体がニチアサみたいなものだけどさ。

 

「何を願うのかは知らないが、この事態の元凶であるワルインダーの総帥は全人類、そしてこの星から元気パワーを奪っているようだね」

 

「あ、犯人判明してるんだ」

 

「逆に元気パワーを吸い取れる人物が他に居るとでも? 恐らくだが、これまでの行動は今日と言う日までの予行練習だったのだろうね」

 

 そりゃあ総帥以外有り得ないか。

 ここで唐突な第三者が割り込むとは思えないし、元気パワーを奪ってくる相手と言えばワルインダー以外考えられない。

 

 今までワルインダーが街の人達の元気パワーを奪っていたのも、全ては今日という日の為。全人類どころか惑星からも元気パワーを吸い取って、何か大きな願いを叶えたいようだ。

 

「ねぇガク先輩。ワルインダーって魔法世界で拠点を構えてるのよね。今すぐ行くことは出来ないのかしら」

 

「君達の力を使えば可能さ。本当なら既にゲートを用意したかったのだが、こんな状態では中々元気パワーが集まらなくてね。私の力では少し難しいのが現実さ」

 

 ガク先輩は俺達に懐から取り出したボタンを押すと、科学部に見覚えのある謎の空間が出現する。それは前世で邪神が現れた時に見た空間とそっくりであった。

 

これで世界を渡るのか。じゃあ邪神が現れた時も何処かの世界か空間から現れたのか……。嫌な思い出が蘇ってくるな、まぁ似ているだけだからそこまで気にしないけど。

 

 ガク先輩が構成した空間がその場に固定されてないのか、微妙な形を保ちつつ一部がポリゴンと化して、天井を透き通り空へと消えていっている。

 本来なら元気パワーで空間を構成しているようだが、その肝心の元気パワーが吸い取られてるから形が保てないのか。

 

「ガク先輩質問!」

 

「何かね勇子くん」

 

「もしこの世界や人から元気パワーが全部取られたら、どうなるの!?」

 

「ふむ…………」

 

 勇子の質問にガク先輩は考え込む。

 あ、俺もちょうどそれ気になってたんだよな。エネルギーは無限じゃない、必ずしも何処かから発生及び貰う必要がある。

 例えばだが、ガソリンが無くなった車は自然に回復して動けるだろうか。答えは否、何処かから補給するまでの間は動くことすら出来ない。

 

 これまで元気パワーが取られた人物はその場に倒れて意識を失っていた。そして怪人を倒せば回復して元通り、ハッピーエンドとなっていた。

 

 しかしそれが回復しなかったらどうなる。人は、惑星は……ニワヨウと同じように消えてしまうのだろうか。

 俺は全身に緊張が走る感覚を覚えながら、ガク先輩の言葉に全神経を集中し始めた。

 

「元気パワーとは、願いの塊であり無機物有機物問わずそれらが活動するのに必要なエネルギーでね」

 

「え!? じゃあ全部無くなったらニワヨウみたいに消えちゃうの?」

 

「安心したまえ、消えはしないさ」

 

「ホッ……良かった」

 

 どうやら俺の杞憂だったらしい。

 なんだ、吸い取られ続けたら妖精みたいに人や惑星が消滅するのかと思った。この状態を放置は出来ないが、消滅しないって言うなら慌てる必要は無さそうだな。

 

「ただ、人も星も活動が出来なくなって何もかも滅ぶだけさ」

 

「何一つ安心出来ないじゃねーか!」

 

 拝啓 空界殿

 世界が終わりを向かえてから早十数年。お元気……っていうのはおかしいな。もう亡くなってるし。

 俺はあのお守りのお陰で超能力を手に入れて、転生する事になりました。そんな転生先の世界は、今から滅ぶそうです。いや、あのさ……俺、何か悪いことした?




 この章、全面シリアスになると思ったんだけどな……なんでギャグしてるんだコイツら。

 ちなみにですが、作中に登場したお握り作ったのはリュウです。前回に朝食食べてるシーン入れなかったのは、緊急事態なのに家でのんびり飯食ってんじゃねぇよ! となるので、状況整理しながら朝食食べてもらいました。

 メッセージを送るテレパシーのフォント、変更しました。font:1&太字→font7に変更(理由:字が潰れるから)
変更前:あいアイ愛
変更後:あいアイ愛

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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