【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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第百二十三話 私の友達が居ればきっと大丈夫な件です

「『スカイハンマー』ッ!」

 

 先手必勝と言わんばかりに、変身した直後にスカイグリーン(緑ちゃん)は、ワタカラへ上段からハンマーを振り下ろします。

 

 ワタカラはズズズと足裏が地面に擦れる音を出しますが、それはスカイグリーンのパワーによって数センチ程度後ろに下がった程度で、攻撃自体は右手だけで防がれてしまいました。

 

「中々のパワーだ。手が痺れてくる」

 

「それはどう……もっ!」

 

「ふっ。甘いな」

 

 スカイグリーンは片手で防がれた状態ながらも、そのままハンマーを押しきろうとしますがビクともせず、むしろハンマーを弾かれ、上半身を逸らすような形となり無防備になってしまいます。そんな無防備となったスカイグリーンへ、ワタカラは拳を振りかざします。

 

「『スカイバリア』ッ!」

 

 しかしその拳は、スカイレッド(勇子ちゃん)が2人の間にバリアを展開した事によって、スカイグリーンに届くことはありませんでした。ワタカラの拳がバリアによって防がれている間、スカイグリーンは一時的に距離を取ります。

 

「この攻撃では破れないか」

 

「『スカイリボン』ッ!」

 

 パワー勝負では、私達の中で一番力のあるスカイグリーンですら敵わない。ならばと、スカイイエロー(咲黄ちゃん)はワタカラの腕をリボンで縛ります。

 

「『スカイアタッ━━━」

 

「これで私の動きを封じたつもりか?」

 

「え? きゃっ!?」

 

 私は拳による攻撃を封じられたワタカラへ、スカイアタックを決めようとしましたが、ワタカラは縛られた腕を強引に振り回し、腕を縛っていたスカイイエローを、そして振り回されたリボンに巻き込まれるような形で、私達2人は一緒に投げ飛ばされます。

 

「スカイブルー! スカイイエロー!」

 

「他人の心配をする余裕があるのか?」

 

「きゃあ!?」

 

 吹き飛ばされた私達を心配してくれたスカイグリーンですが、その隙をワタカラは見逃しません。私達の方へと視線を向けていたスカイグリーンへとワタカラは拳を振るいます。

 

 階段とは反対側、つまりは私達が入ってきた入口の方へと吹き飛ぶスカイグリーンですが、そこにスカイレッドが身体を滑り込ませて、吹き飛ばされた勢いそのままに、地面へ転がりながらスカイグリーンをキャッチします。

 

「ぐっ。助かったわ、スカイレッド」

 

「どういたしまして」

 

 さすがはワルインダーの総帥を名乗るだけの事はあり、これまでの戦いで強くなっている筈の私達でも劣勢を強いられます。

 

 ですがそれはあくまで劣勢。絶望的な状況でも諦めずに戦ってきた私達からすれば、劣勢程度で気後れする事も諦めることもありません。

 

「スカイイエロー、私を投げ飛ばす事って出来ますか?」

 

「え? で、出来ると思うけど……私がスカイブルーを抱えて投げた後はどうするの?」

 

「ああいえ、抱えて投げるのではなくて、身体にリボンを巻いてですね」

 

「あっ! なるほど。任せて!」

 

「今度は此方から行くぞ」

 

「来るわよスカイレッド!」

 

 私達が作戦会議をしている間にもワタカラの攻撃が収まることはありません。私とスカイイエロー、スカイレッドとスカイグリーンと別れた状態となっている中、ワタカラが狙ったのは後者でした。

 

「来るわよ!」

 

「うん! 『スカイバリア』ッ!」

 

 接近してくるワタカラにスカイレッドはバリアを展開します。そしてバリアで時間を稼ぎ攻撃を防ぐ間にスカイグリーンはハンマーを振るおうとしました。

 

「…………ここだ」

 

「『スカイハン━━━きゃっ!?」

 

 しかしワタカラはバリアに怯むことなく、勢いそのままにバリアへと真っ直ぐ拳を振るいます。そのあまりのスピードと威力によって放たれた拳は空気を纏い、バリア砕くどころかハンマーを振るおうと近付いてきたスカイグリーンすらも拳による衝撃で後方へと吹き飛ばします。

 

「破られた!?」

 

「面全体ではなく1ヵ所のみを狙った攻撃、更には鋭い衝撃も加えさせてもらった」

 

 力任せの攻撃ではなく、真っ直ぐで鋭く素早い拳。それにはあまりの速さに拳の周りに空気が纏っていました。恐らくですが、まずバリアに纏っていた空気が1発目に当たり、真っ直ぐな拳がその空気ごとバリアを押しきったのでしょう。

 

 そして空気と放たれた拳の衝撃はバリアで打ち消せず、勢いだけはそのままに飛び道具のように空気と衝撃がスカイグリーンを襲ったのでしょう。

 

「これでバリアが意味が無いと分かっただろう?」

 

「くっ……」

 

 アクロコのように身体全体を使ったような攻撃でもなく、リュウさんのように頭をフル回転させた作戦でもなく、コマツールのように圧倒的な力でもなく、これは技術の賜物と呼ぶべきでしょうか。

 

 これまで戦ってきた誰もかもが強かったですが、ワタカラの強さはまた一線を画す、もっと言えばこれまでの誰とも違う強さ、まるでコマツールを彷彿とされるような私達1人1人を上回るような強敵です。

 

「今ですスカイイエロー!」

 

「うん!」

 

「『スカイリボン』ッ!」

 

 ですが、それは個人での話です。私達は1人では戦っていません。例え1人で勝てないのなら2人で、2人でも無理なら3人で、3人でも無理なら4人で戦ってきました。そしてそれは今も一緒です。

 

「何ッ!?」

 

「『スカイアタック』ッ!」

 

 私はリボンで胴体をグルグル巻きにされた状態で、スカイイエローにワタカラ目掛けて一直線に投げ飛ばされます。私は投げ飛ばされた勢いを利用し、いつも以上の威力を誇るスカイアタックをワタカラへとぶつけ、スカイレッドから引き離します。

 

 私とスカイイエローの力を合わせた不意打ちの技。これで倒れてくれれば嬉しかったのですが、そう簡単にはいかずにワタカラは多少傷付きながらも、服に付いた埃を払いながら平然と立ち上がりました。

 

「強いな、さすがは魔法少女だ」

 

「勇子だよ!」

 

「……何?」

 

「赤元 勇子。魔法少女としての名前はスカイレッド!」

 

 唐突なスカイレッドの自己紹介。

 その行動にワタカラだけでなく、私達も意図が分からずに首を傾げて戦うのを一時的に中断します。

 

「私の名前だよ! さっき名前は大事って言ってたでしょ? だから自己紹介! ほら、みんなも!」

 

「え? えっと、私の名前は長神 咲黄。魔法少女の時はスカイイエローだよ。よろしく……で、良いのかな?」

 

「恋路浜 緑、もしくはスカイグリーンと呼んでちょうだい」

 

「私はマホ・ツカエール。魔法世界の出身で、魔法少女の時はスカイブルーと名乗っています」

 

 困惑しながらも私達はスカイレッドを真似るように、本名と魔法少女の名前を名乗ります。ワタカラが戦う直前に名前は大事だと言っていたのは覚えていますが、このタイミングで名乗るんですね勇子ちゃん……。

 

 魔法少女呼ばわりされている事に思うところがあったのか、単に自己紹介を忘れていたのに今更気付いたのかは分かりませんが、戦っている最中でも名乗るのは律儀と言うかなんと言いますか……。

 

「クッ、クハッ。ハ、ハハ……ハハハハハ!

 

 スカイレッドに乗るような形になったものの、自己紹介を始めた私達の行動がおかしかったのか━━━戦っている最中に名前を名乗る時点でおかしいのは否定しませんが━━━、ワタカラはお腹を抱えながら大笑いをします。

 

 しかしそれはバカにしているような笑いではなく、心の底から笑っているような。気持ちの良い声でした。一通り笑って気が済んだのか、ワタカラは笑いによって出た一粒の涙を指で拭い私達へと笑顔を向けます。

 

「ああ、そうだな。名前は大事だな、魔法少女よ」

 

「勇子、もしくはスカイレッド!」

 

「おっとそうだった。レッド、イエロー、グリーン、ブルーと言ったか。私は今まで魔法少女を計画の邪魔をする忌々しい存在と思っていたが、訂正しよう。貴様らは良い奴だな」

 

「だったら!」

 

「だが、悪いな。貴様らを消すのは正直惜しいと思っているし、消したくないと言う気持ちもある。けどそれ以上に私はどんな犠牲を払おうとも叶えたい願いがあるのだ。だから……本気を出させてもらおう」

 

 ですがその笑顔はすぐに消えてしまい、まるで本来の顔に仮面を被っているかのように、一瞬にして最初のような厳しい表情へと戻ってしまいました。




 戦闘描写難しいですねぇ。書いてると「吹き飛ばされた」って表現を何回も使ってしまう……いや、表現的には間違ってはいないんですが、こう連続して何度も使うのは……と思っているので。

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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