【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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第百二十五話 私の想い(願い)が叶ってほしいな件です

「まだ……です。私達はまだ、諦めません……!」

 

「アレを喰らっても立ち上がるとはな。ますます消すには惜しいものだが……悪いな。私にも諦められない理由がある」

 

 膝がガクガクと震えて、このまま倒れた方が楽になると言う言葉が一瞬脳裏を過りますが、それでも私は諦めずに気合いでゆっくりと立ち上がります。

 

 そんな私を見てワタカラは申し訳なさそうな目をします。しかしそれはたった今立ち上がった私や、倒れているスカイレッド(勇子ちゃん)達ではなくもっと後ろ……つまりはリュウさんに向けているモノでした。

 

「なんで……」

 

「?」

 

「なんで貴方は、こんな事を?」

 

 私はその事を疑問に思い、ワタカラへと質問します。

 ここで悪人だから、自分の掲げている正義と相反するから、そう言って相手を否定するのは簡単です。ですが私にはそんな目をするワタカラが、根っからの悪人には見えません。

 

 そう考えてしまうのは、改心したアクロコや、自身の良心と家族かの2択で葛藤していたリュウさんを見てきたからでしょうか。

 

「ハッ。そう簡単に答えるとでも?」

 

 ワタカラは私の質問に、答えるつもりは無いとバッサリ切り捨てます。ですが私にはワタカラがこんな事をした理由に心当たりがあります。

 

「…………リュウさんの為、ですよね」

 

「ッ!」

 

「僕ノ、為……?」

 

 私の言葉にワタカラは目を見開き、リュウさんは自身の為と思っていなかったのか、呆然とした様子で言葉を洩らします。

 

「私はこの世の全てを知る為に世界を支配する。それだけだ!」

 

 この世の全てを知る、つまりは全知になる為に世界征服を……いえ、逆ですね。世界の全てを征服、つまりはこの世の全て支配して何もかもを知りたい(管理したい)と言うのがワタカラ自身の主張です。

 

「その為にはどんな犠牲も払う……例え、私自身が犠牲になろうとも!」

 

「おかしな話ですね。どうして貴方の目的に貴方自身が犠牲になるんですか?」

 

「…………」

 

 自分自身が世界を征服して全知になる。その為には自分自身を犠牲にしても構わない。明らかに矛盾している話だと指摘すると、ワタカラは視線を逸らして無言を貫きます。

 

「…………私には、弟が居るんです」

 

「なに?」

 

「歳は私よりも幾つか下、まだ10歳になったぐらいの子なんです」

 

 唐突に私は友達と世間話をするかのように、今が世界の危機である事を忘れたかのように、マジュくんについて語り始めます。

 

「幼いながらも、大人びた雰囲気を頑張って出そうとしているかわいい子なんです」

 

「…………」

 

「私は弟が……マジュくんが大好きなんです。ワタカラもそうなんじゃないですか?」

 

「何を根拠に」

 

「戦ったからです」

 

「なんだと?」

 

「戦って気付きました。貴方はリュウさんが大好きなんだと。リュウさんの周りには戦いによる衝撃が一切無いのが、その証拠です」

 

 私達の周りは床や壁が傷だらけであったり、ここが墜落した時とは別で新たに瓦礫などが積み上がっています。しかしリュウさん━━━正確に言えば、リュウさんと一緒に居るペンヨウ達も━━━の周りには、そんな戦いによって出来た傷は一切ありませんでした。

 

「貴方が戦っているのは、リュウさんを守る為なんじゃないんですか!」

 

「そウ、なんですカ……義姉さン?」

 

 ワタカラは自身の目的やその理由に関しては嘘をついてるかのように、矛盾していました。ですがリュウさんに関する話では嘘を付くことはなく、むしろ何かをはぐらかしているように見えました。

 

 まるでリュウさんに嘘を付きたくないかのように。本当の事を言って、リュウさんが傷付くのを見たく無いから言葉を濁しているかのように。

 

「もし、そうだと言ったらどうする」

 

「弟を……家族を守りたいと言うその気持ちには共感します」

 

「なら」

 

「ですが! こんなやり方は間違っています」

 

 私に分かるのは、ワタカラが「何か」からリュウさんを守りたいと言う事だけで、それが何を指しているかは分かりません。もしかしたら、ワタカラでも敵わないような存在からリュウさんを守りたいのかもしれません。

 

 けれど、その為に多くの人達を犠牲にする選択肢も、自分自身を犠牲にする選択肢も間違っています。人は1人では何も出来ません。出来ないからこそ、今の私達のように協力してこの場に居るんです。

 

 もし多くを犠牲にすればリュウさんは罪悪感を抱え、ワタカラ()が犠牲になれば寂しさから1人で生きていく事は出来ないでしょう。

 

 そんな結末を私は受け入れられません。この世全てがハッピーエンドで終わる事は無い。それはニワヨウの件で学びました。無力かもしれない、何も出来ないかもしれない。それでも……それでもリュウさんの友達として、同じ姉として私は貴方を見捨てる事は出来ません。

 

「私は貴方を助けたいです(止めたいです)。その想い(願い)を叶えるためにも……諦める訳にはいかないんです!

 

 私のその想い(願い)が通じたのか、建物中に響き渡る大声と共に、1ヶ所に集まり掛けていた元気パワーは途中で進路を変えて私達の身体の中へと飛び込んできます。

 

「なっ!」

 

 そして身体の傷が段々と癒え、体力が全快……いえ、むしろいつも以上に力が沸き上がってきます。まるで想い(願い)が届いて、私達に力を貸してくれているように。

 

「そんな話を聞いたら、立ち上がるしか無いよね!」

 

「リュウくんを悲しませるような事をしたらメッ、だよ!」

 

「ここからは魔法少女としてではなく、友達として戦わせてもらうわ!」

 

 それはスカイレッド達も同じです。立ち上がる事すら出来なかった身体は何事も無かったかのように、力強く2本の脚で大地を踏みしめており、全員がワタカラを助けたいと言う想い(願い)を胸に抱いていました。

 

「なっ……まさか、そんな事が有り得るのか!?」

 

 完全に戦いが終わったと思っていたワタカラは誰が見ても動揺しており、後ろを振り返り奪った元気パワーの塊を確認します。

 

 そこには先程と変わらず元気パワーが有り、私達をパワーアップしてくれた元気パワーは奪われたモノではなく、奪われる━━━空中に漂って1ヶ所に纏まろうとしていた━━━途中のモノであったと示しています。

 

「ワタカラ、貴方を救わせていただきます!」

 

 その言葉と共に私達はワタカラへもう一度戦いを挑むのでした。




━NGシーン━
マホ「マジュくんは三年と4ヶ月前、私にカッコいい所を見せようとバク転をしようとしてくれました。けれど脚を滑らせて膝を怪我してしてしまったんです。その時のマジュくんは大泣きしまして、膝が痛いからだと思ったんですが、どうやら私にカッコいい所を見せられなくて泣いていたようなんです。どうですか、可愛いでしょう?」

ワタカラ「スリュウは3万2846年と5ヶ月前、自室に籠っている私をコッソリと覗いてきた。何かあったのかを確認すると、私に構ってほしかったようだ。だが私の邪魔はしたくないと見るだけに留めていたようでな……私はあまりのかわいさにその時のスリュウを永遠に脳内に残しており、魔法でその頃をいつでも映像として見れるようにした。どうだ、見てみるか?」

リュウ「この二人、ただただ純粋に怖いでス」


 最終決戦あるある(と聞いた)パワーアップイベントです。要は回収前の元気パワーを横からかっさらって、体力全快&パワーアップ回ですね。

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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