なお、ブルアカはやったこと無いし全然知らない。
動いてないのに暑いと、その台詞が笑えないネタになったのと、アルちゃんがアウトロー目指してるのと、アルちゃんのカリスマが高いのと、アルちゃんが「殺してやるぞ陸八魔アル」言われてるのと、何も知らないのに巻き込まれるアルちゃんと、例の顔(驚き&白目)アルちゃんと、アルちゃんが良い子なのと、アルちゃんが可愛いのしか知らない。
「『スカイハンマー』ッ!」
ワタカラはその攻撃を最初と同じ右手だけで受け止めようとしますが、その時とは桁違いのパワーに押され、急いで両手で押し返そうとします。しかし両手でも押し返せずに、そのまま後方へと吹き飛んでいきます。
「ぐあっ!」
「まだまだ行くわよ!」
吹き飛ばされたワタカラを逃がすまいと、追い討ちを掛けようとするスカイグリーンですが、ワタカラは攻撃が来るよりも空中で先に身体を捻り、無理矢理着地をして魔法を使用します。
「『隕石』」
私達を一度全滅寸前まで追い込んだワタカラの攻撃。魔法で生成された巨大な球が再び私達へと牙を向きますが、それに対して恐怖や焦りは一切ありません。何故なら私には……
「ここは任せて!」
もの凄い頼りになる友達が付いているからです!
「『スカイバリア』ッ!」
しかしスカイレッドは冷静に、それでも力強く対処します。そしてワタカラの攻撃を完全に防ぎ、そのまま魔法の球を押し上げ、天井へとぶつけて爆発させます。
「なっ、あ……」
「『スカイリボン』」
技が破られて呆然としているワタカラの全身に
ワタカラはすぐ正気に戻ってリボンを破ろうと全身に力を入れますが、それは敵わずにまるで最初に振り回されたお返しと言わんばかりに、グルグル巻きにされたワタカラは遠くへ投げ飛ばされ、身体を地面に強打して勢いよく転がります。
「何故だ……何故貴様らは立ち上がれるんだ!」
「諦めたくないからです! 私達の日常を守る事も、貴方を救う事も諦めたくない。だから私達は今も立っていられるんです!」
「諦めたくないだと? それは貴様らが世界を何も知らないから言えるんだ。この世には私でも敵わないようなモノが存在している。そんなモノを前にしてでも同じ事が言えるか!」
確かにワタカラの言う通り、私達は世界を知らないと言われても何も言い返せないでしょう。
実際、私は妖精国が襲われてペンヨウと一緒に逃げるなんて事になるまで、魔法世界とは別の世界がある事や、魔法少女が本当に存在するなんて知りませんでした。
ワタカラが「自分自身でも敵わないモノが存在している」と言う話も、世界の事を何もかも知っている訳では無いので、嘘の一言で片付ける事は出来ませんし、必死な形相からしても本当の話なのでしょう。それでも……
「それが諦める理由なんかになりません!」
「…………」
「これで終わりにします。『スカイアタック』ッ!」
無言を貫くワタカラに私はパンチを繰り出します。身体が縛られていて、両手両足が使えない状態。これでこれまでの戦いの全てが終わる、そう思っていました。
「まだ、だ……私もまだ諦めない訳にはいかないんだああああ!」
しかしワタカラはその場で起き上がり、全身━━━つまりは両手両足━━━が縛られている中、唯一自由に動かせる頭を使い、私のスカイアタックに対して頭突きで対抗してきました。
足首から上が縛られていて上手く踏み込めない筈なのに、何処からそんな力が沸いてくるのか。私とワタカラの力は拮抗し、共に後方に弾かれます。
私は地面を転がりながら体勢を整え、ワタカラは受け身が取れずに何度も地面をバウンドしました。その衝撃でリボンが破けて自由に動けるようになりましたが、代償として身体がボロボロになっており、今にも倒れそうな雰囲気を醸し出しています。
「まだ、だ……私はまだ諦めない。私の目的を、スリュウを守る為にもここで倒れるわけには……」
それでも立ち上がるのは執念からでしょうか。
私達が日常を守りたい、ワタカラを助けたいと思うのと同じぐらい、ワタカラは願いを叶えたい……つまりはリュウさんを守りたいのでしょう。まさに意地と意地とのぶつかり合い。
私達が諦めないようにワタカラも諦めない。いくら身体が傷付こうとも、その闘志だけは消えない……いえ、むしろ増しています。
もしこれ以上戦えば、闘志だけ戦っているようなもののワタカラは身体が持たないでしょう。かと言ってここで戦いを止めようとしてもワタカラは私達の言葉に耳を貸さないでしょうし、降参すればワタカラに全ての元気パワーが奪われ、私達の
今までならば浄化技でフィニッシュする事が出来たのですが、本来浄化技は暴れている怪人を鎮める、つまりは悪い心を取り除く効果のある技です。
悪い心ではなく純粋にリュウさんの事を思って行動しているワタカラには効果が無い、それどころか浄化技は威力自体も高い為、今の状態のワタカラに使えば身体が耐えきれないでしょう。どうすればと、私が頭を悩ませている時でした。
「義姉さン!」
巻き込まれないように後ろの方で戦いを眺めていたリュウさんが、ワタカラへと走り出してきました。
その姿を見てワタカラは安心に似たような感情を抱いたのか、一瞬気が緩むとバランスを崩してその場に倒れそうになります。しかしそれよりも先にリュウさんがワタカラの元へと辿り着き、倒れそうなワタカラを抱き抱えます。
「スリュウ、お前は下がっていろ。お前を守るのが私の役目だ……例え魔法少女を敵に回そうとも、多くの人間を敵に回そうとも、私はお前を」
「僕はそんな事を義姉さんに頼んだ覚えはなイ! 僕はたダ、平和に暮らせていればそれで充分だっタ。これ以上、義姉さんが傷付く姿を見るのは我慢出来ませン!」
「なら見なければ良い。お前は私を見ずに、何も知らずに平和に暮らせ。お前の脅威は私が全て取り除く。お前に苦労はさせない」
全てはリュウさんの為。そう話すワタカラの目に敵意はもうありませんでした。あるのはただ、血の繋がった本当の姉のようにリュウさんを大切にしている優しい目でした。
ですが、そのワタカラの決意はあまりにも自分勝手です。義弟を大切に思う自身の心は大切ですが、それと同時に相手の心を無視しているようでは、心が通じあっているとも、リュウさんの事を思っているとも言えません。
「義姉さんハ……どうするんですカ? 義姉さんだけ苦労を続けテ、誰が義姉さんを守るんですカ」
「私を守る相手なんか居ない。私はお前が幸せに過ごしていれば、それだけで」
「駄目でス! そんなの結末では僕は幸せになれませン!」
「ならどうする。守られる存在のお前にいったい何が出来る?」
「義姉さんを守れまス」
「…………」
即答するリュウさんが言葉にワタカラは驚き、何かを考えるかのように無言になります。そして数秒ほど経った頃に何処か怯えるように口を開きます。
「お前は、私の大切な家族だ。そんな家族を危険な目に合わせるような事、私は……私は嫌だ。嫌だよ、何もかも失った私に新しく出来た大切な家族なんだよ、それを失うなんてもう嫌だよぉ……」
大人びた口調から一変して、段々と幼い口調で喋り始めるワタカラ。それはまるで無理して背伸びしていた幼い子どもが、そのメッキを剥がして素直に喋るようになったかのように。
ボロボロと涙を溢しながらリュウさんに訴える今の姿のワタカラは総帥としてでも、義姉としてでもなく、ただ1人の家族を失うのに怯える無力な女の子に見えます。
「僕も大切な家族を失うのは辛いでス。ですから義姉さン、僕にもその重荷を背負わせてくれませんカ?」
「私はスリュウを守る為に、敢えて冷たい態度を取ってきたんだよ。例え嫌われようとも外敵から守る為に、傷付くようなマネはしてほしくなかったから」
「義姉さン……」
「でもそれは私の我が儘だったんだね。いつの間にかスリュウは、守られる人から守る人になってたんだ……ありがとう、スリュウ。大きくなったね」
その言葉と共に出されたワタカラの笑顔は、何もかもから解放されたような、憑き物が落ちたような曇り一つない笑顔でした。
これ以上ワタカラには戦う力は残っていても、戦う意思は完全に消えたと判断した私達4人は互いに顔を見合せて軽く微笑み、戦いを見守っていたペンヨウ達と合流します。
「義姉さン、ひとツ……我が儘を言っても良いですカ?」
「うん。スリュウの我が儘ならなんでも聞くよ」
「もシ、良けれバ……聞かせてくれませんカ? 義理さんの過去ヲ。僕と出会う前の話ヲ」
「…………あれは、私がワルインダーを立ち上げるよりも、スリュウを拾うよりも遥か昔の話でね」
リュウさんの言葉にワタカラはゆっくりと頷き、過去に何があったのかを。どうして私達魔法少女と敵対する道を選んだのかを語り始めました。
今回でワタカラ戦の決着が付きました。
ピンチ→覚醒→逆転→和解を数話に掛けて書いてみましたが、ニチアサぽかったですかね? ちなワタカラの素の口調が幼いのは、79話の最後の方で既に出てます。
次回はワタカラの過去話です。決着は付きましたが、そもそもとして「最初から魔法少女を敵に回す必要あった(リュウを守るのに他に方法が無かったのか)?」の疑問が残ってますからね。その辺りの消化です。
【第二回】好きなキャラアンケート
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超能 力男
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マホ・ツカエール/スカイブルー
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赤元 勇子/スカイレッド
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長神 咲黄/スカイイエロー
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恋路浜 緑/スカイグリーン
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ペンヨウ(マホの妖精)
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ライヨウ(勇子の妖精)
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フクヨウ(咲黄の妖精)
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クラヨウ(緑の妖精)
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アクロコ
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リュウ/スリュウ・コマツール
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アヤイト・コマツール
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ワルインダーの総帥
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草加 ラン
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力学 心(ガク先輩)
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陸上部の部長