【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 今回の作業用BGM:ひとりぼっちじゃない

 これ好き。まぁ私の世代はダイパですがね。
 今はスカバイ触っていませんが、前はシングルのランクマにレジギガスとかのマイナーポケモン選出して戦ってました。レジギガスは良いぞ。


 主人公が居ると(ギャグしてくれるだろって言う)安心感が違う。


第百三十三話 (前世)の因縁が現れたな件

「ここが魔法世界か。テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるな~」

 

「急にどうしたワニ?」

 

「言ってみたくなっただけ」

 

 俺とアクロコは空間を通り、魔法世界へとやって来た。やって来たんだが……なんか、テーマパークどころか地獄みたいな光景が広がってるんだけど。

 

 なんで木枯れてるの? なんで草がカラカラなの? なんで天気真っ暗なの? これが世界の終わりってヤツか。まぁ俺はその世界の終わりを体験した事あるんだけどね、HAHAHA!

 

 さて、笑えない冗談はこの辺りにしておこう。

 この天気、邪神に世界が滅ぼされた時と同じだな。って事は、やっぱり前世の世界を滅ぼしたのと、ここに居る邪神は同一人物か。

 

 ガク先輩の推測が正しければ、アジトは遥か上空にあるんだよな。階段で登ったり、魔法の床みたいなのを踏んだら上に運ばれるみたいなご都合主義的なモノ無いかな?

 

「うわ、何これ。クレーター出来てるんだけど」

 

「地中深くまで穴が広がってるワニ。もしかしてここに邪神が封印されてたワニ?」

 

 俺とアクロコが辺りを見渡すと、ちょうど通ってきた空間の後ろに大きなクレーターが広がっていた。

 そのクレーターの中心部には底が見えないほど深い穴が空いており、木の枝を折って穴の中に入れてみたが、近付いた瞬間に上へ連れていってくれるような機能は無さそうだった。

 

 アクロコの言うように、この穴に邪神が封印されていたのかもな。けど封印の要である元気パワーが奪われて━━━イメージとしては、封印のお札を剥がした感覚━━━、邪神の力が復活したって所か?

 

 うーん。もしかしてマホ達の「スカイ〇〇」のスカイって、地中に封印されてる邪神を空から監視するって意味でそう名乗ってるのか? まぁマホ達曰く、頭の中に突然出てきた名前を名乗ったと言ってたから、真相は闇の中なんだけどな。

 

「ガク先輩は上空にマホ達が居ると言ってたけど……」

 

「アレワニね」

 

「アレだろうな」

 

 考察もそこそこに、俺とアクロコは互いに上を見上げると、そこには半円状の大きな建物が浮いていた。

 絶対アレだろ、アレがアジトだろ。封印場所の真上にアジトがあればそっちに意識向くだろって算段なんだろうけど、もう少し場所考えろ。

 ここに魔法世界と俺達の世界を繋ぐ空間が形成されるのは予想外だったのかもしれないけど、スタート地点にゴール置くんじゃねぇよ。

 

「アクロコ、俺によく捕まっとけ。テレポートで移動する」

 

「舞〇術は使わないワニ?」

 

「サイコキネシスな?」

 

 俺は上空に浮かぶアジトへ辿り着く為、テレポートを使おうとしたが、〇空術もといサイコキネシスを使わないのは質問された。

 

 俺の身体にサイコキネシス━━━モノを浮かす超能力━━━を使えば、某7つの球を探す作品のように自由自在に空を飛ぶは出来るけど、そんなスピード出ないんだよなぁ。

 

 一応俺自身が走った時の全速力ぐらいの速さはあるんだが、問題のアジトが遥か上空にあるんだよな。いったい地上からアジトまで何キロ距離があるんだか。

 

 参考としてランの50mの記録を出そう。ランの50mの記録は4.8秒、ここからアジトまでの距離が10キロだとしよう。それだとしても辿り着くのに960秒、つまりは16分かかる……その間に世界滅ぶわ! しかもこれあのランだぞ、あのランの速さでこれだからな! 俺の全力なんかじゃ絶対間に合わねーよ!

 

 だからこそ、こういう時に━━━もう二度とこんな事が訪れないでほしいが━━━便利なのが、自分の知っている場所+限られた範囲or視界内の場所に飛べるテレポートである。

 

 後者の方法を使えば距離関係無く一瞬で移動出来る。まぁこれの問題としては、遠いと単純にそこに何があるか確認出来ない事だけどな。

 具体的に言うと、遥か遠くから山の山頂にテレポート。そしたらその場に熊が居たり、瓦礫が落ちてきたり、足元が不安定で着いた瞬間にバランスを崩して山から落下したり……簡単に移動出来ると言う面では便利だが、移動地点が安全かどうかは保障出来ない。

 

 一度アジトの上空まで移動して、そこから安全な場所を確認してから、細かなテレポートを繰り返して着地するのが良さそうだな。

 

「おっしゃ行くぞ!」

 

「あ、ちょっと待つワニ。心の準備があああ!」

 

 なお、この移動の問題点としては視界が一瞬にして何度も変わるので、慣れてないと酔って気分が悪くなる事だ。悪いなアクロコ、アジト着くまで耐えてくれ!

 

 

 

 

 

「うぅ、吐きそうワニ」

 

 アクロコの気分が悪くなると言う尊い無駄な犠牲を払い、俺達は無事アジトの端っこに着地した。本当は音がする中心部に移動したかったが、移動した瞬間に戦いに巻き込まれて動けなくなる可能性があったからな。安全の為には仕方無い。

 

 それにしても元々はなんかこう、凄いアジトがあったんだろうけれど、建物が完全に崩れていて瓦礫しか見当たらないな。普通なら誰が何処に居るか分からないが、こう言う時の千里眼だ。

 

「今一番近くに居るのは……リュウか」

 

 俺はアジトに居る知っている人物に片っ端から千里眼を使うと、一番近くに居るのがリュウだと判明した。

 そして俺はアクロコが酔わないよう視界を塞ぎながら抱え、リュウの元へとテレポートした。

 

「おいリュウ」

 

「エ、ア。力男さン!? どうしてここ二」

 

「話は後だ。それよりそっちに居るのはお前の義姉か?」

 

「あっはイ。そうでス」

 

 突然現れた俺の姿を見てリュウは驚くが、それを説明している暇は無い。

 リュウの隣に居る、背中から胸に掛けて槍が刺さってる女の子は多分ワルインダーの総帥もとい、ワタカラってヤツだろうな。

 

 ワタカラは突然現れた俺を見るや否や、痛むであろう身体を引き摺りながらリュウの前に立ち、俺達を警戒し始めたが、通信機越しにワタカラがどういう人物か(ブラコンだと)知っている為、恐怖を一切感じない。

 

「貴様は?」

 

「神」

 

「嘘付かないでくださイ」

 

 俺がいつもの調子でふざけると、リュウから突っ込みを喰らってしまった。そんなやり取りを見てリュウの知り合いだと判断したのか、警戒を解いてアクロコへと視線を向けた。

 

「……久しぶりだな、アクロコ」

 

「久しぶりワニ、総帥」

 

 ワタカラとアクロコは互いに見つめ合うこと数秒、色々と言いたそうにしていたが、今はそれより優先する事があると判断したのだろう。目だけで会話を済ませると、それ以上は互いに語ろうとしなかった。

 

「なぁ、その槍抜かなくて良いのか?」

 

「抜けるなら最初からしている。深く突き刺さってるせいか、ビクともしないんだ」

 

「ちょっと貸してみろ」

 

 俺は槍に触れるとテレポートを使用し、突き刺さっている槍をそこら辺に移動させた。傷口っつーか、身体に穴は空いてないな。不思議な身体をしてるようだが、これなら命に別状は無さそうだな。

 

「力男さん今のはどうやっテ!?」

 

「全て終わったら教えるよ。俺は行くところがあるから、一度アクロコを預かっといてくれ」

 

「ちょっと待ってくださイ! 行くってまさカ」

 

「そのまさかだよ」

 

 俺の超能力を初めて見るリュウは目を丸くして、どうやって槍を抜いたのか聞いてくるが、そんな事を説明している余裕は無い。

 

 俺はアクロコを掴んでリュウに投げ渡す。アクロコを戦いの場に向かわせるのは絶対に駄目だし、リュウはここで怪我してるワタカラとアクロコが勝手に突っ込まないように見てもらう役割がある。つまり戦場に向かうのは俺1人だ。

 

「危険すぎまス!」

 

「え、なに? 急に耳悪くなって何も聞こえない」

 

「さっきまでちゃんとやり取りしてましたよネ!?」

 

「危険すぎると言われてもな。このままマホ達を見捨てろと?」

 

「そこまでは言ってませんガ……っておい待てちゃんと聞こえてるじゃねーカ」

 

 暗い雰囲気を出していたリュウからの突っ込みを受けて、俺はゲラゲラと笑う。やっといつもの調子に戻りやがったか。

 

「お前が敬語外すの初めて聞いたな」

 

「あっいヤ。これは素が出ただけデ」

 

「隙有り!」

 

「消えタ!?」

 

 俺は千里眼でマホ達の場所を探し当て、そちらの方向にテレポートで移動した。リュウが驚いた声を出してたが知らん。色々片が付いたら話聞くから我慢してくれ!

 

「お、見つけた」

 

 千里眼を目安にテレポートを繰り返していると、倒れているマホ達を視界に捉えた。後ついでに前世で見た姿と瓜二つってか同一人物の邪神。お前は呼んでないから帰れ。

 

 俺は瓦礫に身体を隠し、マホ達の様子を遠目から観察するとちょうどペンヨウが邪神によって弾かれていた。マホ達見付けたのは良いけど、ちゃんと生きてるのか? 一先ずは念聴使って息があるか調べてみるか。

 

『ごめ……さ……』

 

 微かな声で、マトモに声すら出ない状態で、遠目から分かるほどに涙を流しながらマホは謝っていた。

 それは世界を救えなかった事に対してか、無力な自分自身に対してか。それらは全て推測の粋を出ないし、本人も無意識の内に出てしまった言葉だから、聞いたとしてもその謝罪の意味は分からないだろう。

 

「はぁ……」

 

 なんでお前が謝っているんだか。充分戦っただろ、充分頑張っただろ。世界が救えなかった? 無力なのが悔しい? ハッ、知るか。お前らはまだ中学生なんだ、世界を救うなんて重荷を背負う必要なんて本来ならねぇんだよ。

 

(マホが謝る必要なんかねぇよ)

 

 俺はマホにテレパシーを送る。

 取り敢えず生きてるのは確認出来た。これで少しぐらいは心が楽になってくれたら嬉しいが……ってやべぇ!

 

 俺は頃合いを見計らってマホ達を助けようとしたが、上空には前世の世界を滅ぼしたのと同じ天気が浮かんでいた。きっとアレをマホ達に当てて確実にトドメをさすつもりなのだろう。

 

「『テレポート』」

 

「え?」

 

 俺はその場から飛び出しテレポートで一瞬にしてマホ達の側まで移動する。そしてマホ達に触れて一緒にリュウの居る場所までテレポートで移動をした。

 

 それと同時に耳を塞ぎたくなるような音が、さっきまで居た場所から響いてくる。あっぶねぇ……あと少し遅れてたら近くに居た俺もろとも消し炭になるところだったな。

 

「ここ……は?」

 

「地獄ワニ」

 

「今回は冗談で済まないんだから止めとけ」

 

 おいアクロコ。相手はマホだぞ、あのマホだぞ。

 節分の事を教えたら鬼が実在すると思って学校中探し回ったり、クリスマスの話をしたら目をキラキラさせながら、靴下を飾ると宣言するあのマホだぞ。こんな状態で地獄と言ったら信じるに決まってるだろ。

 

「じ、ごく……?」

 

「おい待て信じるな」

 

 やっぱ信じちゃってるじゃねーかよ。

 はぁ……マホの誤解はアクロコ自身が解いてくれる事を祈ろう。それよりも、人数が足りないな。具体的に言うとライヨウとフクヨウとクラヨウの3匹。

 千里眼は反応している。ただ、姿が見えないのとマホ以外のみんなの変身が解けている事から考えるに、そう言うことだろうな。

 

 …………色々と思うのは後だ。

 ライヨウ達が復活して、勇子達がもう一度変身出来るようになる~なんて奇跡を信じるのは止めよう。俺のやる事は最初から決まっている。邪神相手に時間を稼ぐ、それだけだ。

 

「悪いリュウ。みんなを見といてくれ」

 

 俺はリュウの返答を待たずに、邪神の元へ移動する。幸いにもマホ達を助けた時に場所は確認出来たからたった1回のテレポートは移動は完了し、邪神もまだマホ達が生きているのに気付いていないようだ。

 

「おい邪神野郎」

 

 邪神は強敵だ。超能力を持っていようが村人Aレベルの強さしか持っていない俺じゃあラスボス(邪神)相手に逆立ちしようが敵わない。

 それに純粋な力を除いたとしても、常に警戒を怠らない性格をしている。慢心と言う隙を付けないのもアイツの強さの秘訣だろう。

 

 だからこそ、そこに隙が生まれる。

 アイツは万が一に備えて様々な対策をしてきた。5人目の魔法少女が生まれないようにし、元気パワーを奪って人々を動けないようにしたり、アジトを浮かして誰かが助けに来ないようにと……自分自身が負ける可能性や不確定要素を取り除き続けてきた。

 

 その対策を潜り抜けられる人間なんて、自身を倒す可能性のある魔法少女以外に存在しない……邪神はそう思っているだろう。だがそこにもし、それらを全て潜り抜けてきた人間が現れたら?

 

「誰だ貴様は」

 

(いつからそこに居た? 気配が一切しなかった。それに何故動けている、何故ここに来れる。なんだコイツは)

 

 当然、警戒するだろうな。

 表面上では冷静さを保っているが、内心では戦闘力皆無の俺の存在に焦りを感じているのを確認すると、俺は密かにニヤつく。だがそれと同時に身体の震えが止まらなくなる。

 

 理由は前世の出来事を思い出したから。

 何も知らず、何も分からず、何も力も無く、ただひたすらに眺める事しか出来なかったあの時を。今にも逃げ出したい恐怖に駆られる。もし俺1人だけなら、尻尾巻いて逃げ出していただろう。だが……

 

大丈夫。俺にはみんなが付いてる

 

 俺は1人でこの場に立っている訳じゃない。

 俺は1人で戦っている訳じゃない。

 俺は1人で勝とうとしている訳じゃない。

 

 かつて俺は緑に「別に勝つ必要無くね?」と言った事がある。

 緑達の戦いは勝つ為ではなく、守る為の戦いだ。そこに勝ち負けは関係無い。例え命乞いしようが、敗北したフリをしようが、守りきれたら何も問題ないのだから。

 

 今だって同じだ。俺は邪神相手に勝つつもりは無い。かと言って負けるつもり無い。時間を稼ぐ、稼いで稼いで稼いで……目的を達成すれば良いだけなんだ。みんなに後を託せば良いだけなんだ。だから俺は……

 

「俺の名前は渡世 空界だ!」

 

 偽名を使う事にした。

 いや違うって、これ別にふざけてる訳じゃないから。邪神相手に時間を稼ぐ効率的な方法がだったんだよ。だから勝手に名前使ったの許してくれ空界!

 

「嘘をつけ」

 

(何故コイツがその名前を知っている。渡瀬 空界は世界と一緒に確実に我が滅ぼした)

 

 やっぱ嘘だとバレるよな。

 まぁバレても問題無いけど。マホ達が生きていると気付かれず、俺にだけ意識を集中させて、目的が達成出来るまでの時間を稼ぐだけで、だけで、だけ、で……なんか難易度高くね?

 

 マホ達の存在がバレたら邪神は確実にそっちに向かうから希望が消える。

 俺に興味が失ったら世界を消滅させようとする。

 目的が達成されるまでの時間が稼げなかったら終わり。

 

 どれか一つでも失敗したら世界終わるじゃねーかよ! けどやるしかねぇ。明日を迎えるにはこれしか方法が無いからな!

 

「ッス~…………」

 

 俺は大きく息を吸う。

 ここがこれまで俺が生きてきた、超能 力男として歩んできた人生の集大成だ。怖いだのなんだので逃げるのは終わりだ、同じ後悔は二度としない。そう前世で決めたのだから。

 

「ハァ~…………」

 

 ここに居るのは、最期にひたすら後悔を重ね続けた、無力で何も出来なかった知無可 聖夜(前世の俺)じゃない。最後までひたすら頑張り、無力ながらも足掻こうとする超能 力男(今世の俺)だ。

 決め台詞ってのモノは俺には無いが、ここは一つ自己紹介をさせてもらおうか。

 

「俺の名前は超能 力男。魔法少女のクラスメイトだ!」




━今回のNGシーン(時間稼ぎのシーン)━
「おい邪神野郎」

「誰だ貴様」

「お前はトマトか?」

「?????」


Q.なんで最後の台詞、クラスメイトなの?
A.作品のタイトル的にクラスメイトにした。友達だとなんか違和感があった。

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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