【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 吸血鬼すぐ死ぬをアプリでボチボチ読んでます。
 ひろプリのソラちゃんがドラルクが死なないよう切磋琢磨する話考えたけど、そもそも活動時間が合わない問題発生したのでボツ(日中は日が出て砂になる為ドラルク活動不可。夜中は睡眠中なのでソラちゃん活動不可)
 なら他の吸死キャラはどうかな? と思ったけど、大半が変態なので物語始まる前に逮捕される問題が発生した。チクショウ、変態の中でマシなのが吸血鬼野球拳大好きしか思い付かねぇ!


その3 俺の友達が付け狙われてるな件

「ランのプレゼント、どうすっかなぁ~」

 

 勉強を教えていた追試組の結果が返却され、良い結果なのを確認した俺は肩の荷が降りて一息付く……事無く、外へ出掛けていた。理由はランが部長になった祝いのプレゼントを買う為である。

 

 ただ、ただなぁ。何も思い付かないんだよなぁ。

 ポッ〇ーは勉強に対する褒美だからプレゼントとは別だし、ランは良く食べるから食べ物をプレゼントするとしても、ポッ〇ーと被るからなぁ。どうするべきか。

 

「うわ、怪しい奴居る」

 

 そう俺がランのプレゼントに悩んでいると、小学生ぐらい身長をしている黒ずくめでサングラスをしている怪しい人物が居た。

 格好だけで人を疑うなと言われたら何も言えないが、ここに「建物の影に隠れて誰かを尾行している」と言えば、疑われても仕方がないだろう。

 

 あまり面倒事に首を突っ込むのはなぁ……でもアレが本当に不審者、それこそ爆弾魔とか通り魔のような危険な人物だった場合、この場に居る俺や周りの人達まで被害にあってしまう。

 

 取り敢えずはあの不審者が何を企んでるか調べてから、今後の動きについて考えるか。

 俺に背を見せている不審者に向かってテレパシーを使う。

 

 例外こそ(ガク先輩)は存在するが、テレパシーならば相手の考えを読める。これで相手が何をしようとしているか知り、まずは先手を打とうと言う作戦である。

 

 格好が怪しいだけの一般人なら放置、何かを企んでるなら警戒しつつガク先輩辺りに助けを願う。もし複数人で行動するような相手ならば、此方も人を集めて対抗する。さぁどうだ……?

 

(私の愛しのスリュウは今日もカッコいい。義姉として誇らしいな)

 

 不審者お前かよ!?

 テレパシーで思考を読み取った所、俺の目の前に居る不審者はワタカラであった。よくよくワタカラの視線の先を見るとリュウが居り、何故か挙動不審になりながら前を歩いていた。

 

「何してんだワタカラ」

 

「ん? あぁ、貴様か。見ての通りだ」

 

「もしもしお巡りさん?」

 

「待て」

 

 友達を尾行する不審者が居ると警察に電話しようとしたが、ワタカラにスマホを持った腕を掴まれてその動きを封じられる。

 待てと言われても、誰がどう考えても今のワタカラは不審者なんだが。それとも特別な事情でもあるのか? 一旦ここは冷静になってワタカラの話を聞くとしよう。

 

「よく聞け、この世界では『唯野(ただの)ワタ(わた) 』と名乗っている。だからそう呼べ」

 

「何を言うのかと思えば呼び方の修正かよ!? 通報に関しても何も言わねぇの!?」

 

「ただの人間程度、私の敵ではない」

 

「力でねじ伏せようとしてた!?」

 

 警察を力でねじ伏せようとするなよ! いや、魔法少女並の力を持っているワタカラなら赤子の手を捻るぐらい簡単なんだろうけど、この世界で無駄に騒ぎを起こそうとするんじゃねぇよ!

 

「もう一度聞くけど何してんだ?」

 

 俺はスマホをポケットにしまい、改めてワタカラに事情を聞く。リュウを見ていたのはテレパシーで知っているが、何故見ていたかまでは俺は分からない。まずは理由を聞いてから今後の行動を考えても問題ないだろう。

 

「スリュウの尾行だ」

 

「もしもしお巡りさん?」

 

 俺はスマホに手を掛けた。

 しかし最初の1を押すよりも前にワタカラに腕を掴まれて、その動きを封じられる。要はさっきと同じ展開だ。なんで俺とワタカラは同じ事を繰り返しているんだろ。

 

「よく聞け、これには深い事情がある」

 

「深い事情?」

 

「あぁ。実は……最近、スリュウが付け狙われているようでな」

 

「付け狙われてる?」

 

「あぁ。この前私のスリュウ成分が不足していて、此方の世界に居るスリュウに会いに来た時、本人がそう語っていた。間違えはないだろう」

 

 どうやら深刻な事情があるようだ。

 俺は「スリュウ成分」なるこれまでの人生で一度も聞いた事が無い単語には触れず、周りに居る人達にテレパシーを使い、その付け狙っている人物が居るか調べる。

 

 だが休日と言うのもあり人が多く、人と人と重なりテレパシーが上手く機能しない━━━俺のテレパシーは視界内の相手にしか使えず、建物や人、障害物に阻まれると心を読めなくなる━━━状態となっている。

 

 透視を使えば重なっていても、テレパシーで心を読み取れるが、そもそもとして人が多いのだ。一人一人を注視して使い続ける訳にはいかず、かと言ってこの場全員となると、読み取れるのは一瞬であり、その程度では「うどん」や「ネコ」と言った1単語を読み取るのがギリギリであり、誰がリュウを付け狙っているか皆目検討も付かない。

 

「ワタカラ、ソイツの容姿は分かるか?」

 

「性別までは分からないが……まずソイツは怪しい格好をしていたようだ」

 

 せめてテレパシーを使う人物を絞ろうと、俺はワタカラから情報を仕入れる事にした。

 怪しい格好か。それだけでも充分な情報だけど、どう怪しいか分からないからなんとも言えないな。

 例えば今のワタカラのように黒ずくめでサングラスをしているのは怪しい格好の定義に入るだろうが、他にもピエロの格好や独特なファッションをしている人物もそれに含まれる。

 

 リュウを尾行している人物がこの場に居ない可能性も有り得るが、もう少し情報があればガク先輩やマホ達、更には学校の新聞部すらも使った人海戦術で、その人物をこの町から探し当てるのも可能だろう。

 

「具合的な格好は?」

 

「全身黒ずくめでサングラスをしていたようだ」

 

「…………ん?」

 

 俺はその格好に心当たりがあったが、一先ずは気のせいだと思う事にした。いやいや、まさかな。まさかそんな事はないだろう。

 

「身長は小さめ。大体私ぐらいと言っていた」

 

 おい、おい待て。おい待てお前。

 違和感持て、その時点で違和感持てよ。その特徴に当てはまる人物なんて一人しか居ないだろ。

 

「更には常にスリュウを尾行しており、只者じゃない気配がするとも言っていた」

 

 一般人なんかじゃ歯が立たないリュウに只者じゃないなんて言われる相手なんて、変身した魔法少女やランのような一部の陸上部ぐらいだろう。

 

 ここまでの情報を纏めると、ワタカラと同じ背丈をした黒ずくめでサングラスをした人物。そしてリュウに「只者じゃない」と言われる、要は少なくとも怪人ぐらい強い相手がリュウを付け狙っている事になる。

 

「くっ……私のスリュウに怖い思いをさせるだなんて、いったい何処のどいつだ!」

 

「お前だよ」

 

「え?」

 

 そんなのお前しか居ねーよ。

 ワタカラは俺の言葉に首を傾げているが、その特徴に当てはまる奴はお前しか存在しないんだよ。

 

「何を言うかと思えば……私をそんな不審者と一緒にするな」

 

「どう考えても同一人物だろ」

 

「私はただ、スリュウがこの世界で元気に暮らしてるか心配でずっと監視しているだけだ。付け狙ってなど居ない」

 

「鏡見ろ。そして今の発言を思い返せ」

 

 お前と同じぐらいの身長で、怪しい格好をしていて只者じゃない相手はお前しか有り得ないんだよ。

 俺はスマホのカメラ機能を起動させ、カメラを内側にして鏡代わりにワタカラへと見せる。するとワタカラは自身の頬を触ったり、全身を確認してわなわなと震え始めた。

 

「まさか、私がこそがスリュウを付け狙ってた犯人だったとは……!?」

 

「さっきからそう言ってるだろ」

 

 今気付いたのかよ。

 ワタカラは自分自身がリュウを不安にさせていた原因だと知るや否や、ショボンとした顔で黒ずくめの衣装を脱いで、黒ドレスの姿へと変わった。

 なんで黒の下に黒の服を着てるんだよ。誰に選んでもらったのか知らないが、全身黒はその格好を脱ごうとも怪しさが抜けないんだが。

 

「つーか、なんで此方の世界に居んだよ。旅はどうした?」

 

「スリュウが心配で夜も眠れなくてな。2日に一回は此方の世界に来て、スリュウを監視している」

 

「ブラコンすぎない?」

 

「スリュウは大切な家族だ。大事に思うのは当たり前だろう?」

 

 そういや弟一人守る為に、世界丸ごと敵に回すような奴だったな。

 俺はかつてワタカラがワルインダーと言う組織を作り、世界を敵に回していた頃を思い出す。結果的にその企みは邪神が裏で操っていたモノではあるが、ワタカラ自身がそれをしようと決意した理由はリュウを守る為である。少し愛が重く感じるが、故郷も家族も失ったワタカラからすれば、義理とは言えど弟であるリュウこそが自身の全てなのだろう。

 

「私はスリュウが心配だ。夜眠れているか。此方の世界でも元気にやっているか。悪い奴に騙されたりしてないか。友人関係は? 勉強についていけてるか? 怪我とかしてないか? 悪事を企んでいないか? 考え出したらキリが無い」

 

「怖いよお前」

 

「怖いだと? 私にとっては唯一の家族だ。心配するのは当然だ」

 

「いや、気持ちは分かるけどさ。心配性すぎるだろ」

 

 そんな状態だと、いつまでもリュウは姉離れ出来ないぞ。アイツもアイツで組織から抜けても姉を心配していた辺り、若干シスコンな部分があるかもだが。

 

「でも私は、私はスリュウで心配で……グスン」

 

「あ、やべ」

 

 依存に近いリュウへの思いに対して、強く言いすぎてしまっただろうか。

 ワタカラはしゃっくりをするかのように、肩を反射的に上下に動かして涙目になる。俺はもうこの後が読めた。読めたが、それを止める為に行動するには少し遅かったようだ。

 

「うわーん!」

 

「うおおお落ち着け!」

 

 突如として、ワタカラは泣き始めた。

 ワルインダーの総帥として常に見栄を張っていたワタカラではあるが、邪神が自身の行動を怪しまれないようにする為か、精神年齢は拾われた頃から成長しないようにしていたようだ。

 

 そんな精神的に幼児な相手が強く自身の考えを否定されたらどうなるか。実に簡単、感情的になり涙を流すだろう。

 俺はどうにかワタカラを泣き止ませようとするが、前世も今世も一人っ子だった俺は子どもの泣き止ませ方なんて知らない。どうすればと悩んでいると、俺達に近付いてくる人物が居た。

 

「そこの嬢ちゃん、飴でも食べるか!?」

 

「…………うん。貰う」

 

 その人物はポケットに手を入れると、飴玉を取り出してワタカラへと渡す。ワタカラは渡された飴玉を何の疑いもなく舐めると、美味しかったのか軽く微笑んで涙も引っ込んでいった。

 

「助かった。ありがとうな……って」

 

 俺はワタカラを泣き止まされてくれた人物に礼を言おうと、その人物の顔を見ると驚きで目を丸くさせた。

 

「優正!?」

 

「おう優正だ!」

 

 なぜならそれは俺の知っている人物。元陸上部の部長にして、咲黄の兄である優正だったからである。




唯野(ただの) ワタ(わた)
 ワタカラ・コマツールが力男達の世界で使っている偽名。
 名字の唯野はリュウの『唯野 リュウ』と同じモノを使っており、名前のワタはワタカラからの名前を圧縮させた。没案として姉をひっくり返したネアと言う名前も考えたが、パッと見、その名前が誰を差すか分からなかったのでボツ。


 ワタカラ&優正(元部長)登場回でした。
 ワタカラがリュウを尾行する回は思い付いていたのですが、色々と片付いた本編後じゃないと出来なかったので番外編と言う形で消化出来て満足。
 優正はリュウが居るなら一緒に登場するよなぁ~って事で、予定に無かったですが出てもらいました。なお、肝心のリュウはちょっと描写あっただけで一言も喋ってない。

 ワタカラ、リュウ、優正、力男と珍しい組み合わせのメンバーが中心の回となりましたが、この続きは次回になります。

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