バッテリーが膨張したのでスマホを買い替えました。
データは移行出来た。ただ、元のスマホを5、6年近く使ってきたんで、新しいのに中々慣れねぇ……。使いやすいキーボードを模索中です。
小出し設定その1∶ランは体育着の入った袋を振り回して帰宅する派
小出し設定その2∶ランはたまにグリコ*1を力男としながら帰宅している
小出し設定その3∶ガク先輩から痩せる薬を貰った勇子だが、最近何故か少しずつ体重が増えてきている
裏話その1∶力男とランの二人の距離感は友達以上恋人未満になるよう意識してるが、あまり
「なるほど。大体理解した!」
「そうなんだよ。つまり」
「つまりワタちゃんはリュウが心配なんだな!」
「こう見えても私は貴様より数万年以上生きている。それなのにちゃん付けだと?」
「なるほど。分かったぜワタちゃん!」
「おい、話を聞け」
俺達は
ワタカラは何やらちゃん付けに不満があるようだが、優正は聞く耳を持たないようだ。まぁ見た目だけで言えば、
「よし、ワイに任せておけ」
「今の会話からどう任せろと?」
リュウの事が心配で仕方ないワタカラを見て、優正はリュウを任せろと胸を張って宣言するが、ワタカラすれば人の話を聞かない優正を頼るのは心配のようだ。
「まぁまぁ落ち着けよワタカ……ワタ。ここは優正に任せようぜ」
「不安しかない」
俺はワタカラと言いそうになったのを咄嗟に、ワタ━━━ワタカラの此方の世界での名前━━━と訂正して優正に任せようと説得した。
第一印象からして不安になるのは分かるが、リュウは優正に懐いてるからな。ここは裏表が無い優正に話を聞いてもらって、それを俺らが盗み聞きすれば良い話だ。
「ええと、こういう時はなんて言うんだったか……そうだ! 泥船に乗った気分でいてくれ!」
「沈むじゃねーか」
うん、ごめん。さっき言った事を訂正する。やっぱ不安。
それを言うなら大船だろ。泥船に乗ってどうするんだよ、俺別に昔話に出てくるタヌキになった覚え無いんだけど。え、何。もしかしてだけど、この後カチカチって音を鳴らしてくるの?
「なんにせよ、ここはワイがリュウに聞いてくるぜ!」
「いや、ちょっ待っ」
「おーいリュウー!」
燃えた薪背負わされないよな? と聞こうとしたが、俺が瞬きした瞬間に優正は俺の目の前から遠くに居るリュウの元へと移動していた。そういや優正も
「おい、本当にアイツに任せて大丈夫なのか?」
「まぁ大丈夫だろ。なんやかんやで二人とも仲良いし」
「私の知らぬ間にスリュウと仲の良い相手が出来ていた、だと……!」
「面倒臭いなこの人」
ワタカラはいつの間にか友人が出来ていたリュウにショックと驚きを受けていた。まぁ色々事情知ってる俺らは兎も角として、ランと優正に関しては多少の下心有り気とは言えど、自分から進んで仲良くなったようなものだからな。小さい弟と思っていたリュウがいつの間にか交流を広げていたと考えれば、ワタカラがそう反応するのも無理は無いか。
「あ、優正とリュウが喫茶店に入っていった」
「追うぞ」
俺達がコソコソとしている中、2人はラブリーロードと言う店に入店を……いや待て。よく見たらここ店、緑の実家じゃねぇか。
リュウと優正にしか注目して無くて全然気付かなかったな。なぁ、ワタカラ。お前ここが緑の家だって知ってた? あぁ、そっちも知らなかったのか。てっきり知ってるものかと……あ、ちょっと待て。
「なんだ」
俺は二人の後を追い、堂々と店に入ろうとするワタカラの肩を掴む。ワタカラは何やら不満そうな顔をしているが、そもそも店に入る前に確認すべき事がある。
「なぁワタカラ。お前、ちゃんと金持ってる?」
「そんなモノ、持っているわけ無いだろう?」
「怒るぞ」
俺が払うのは別に構わん。
この世界に来てからどのぐらい経つか知らんが、まだ紙幣や貨幣を見てそれが幾らか把握してなかったり、持ってる額自体が少なくて足りないって事があるかもしれないからな。
でも持ってないはなんだよ、持ってないってのは。
ニチアサ的な世界なんだから、なんかこう……金の出処は分からないけど、俺達の知らない内に凄い金持ってたりしないの? もしかして無一文だったりする?
「生活するには金が必要なんだが。魔法世界でもそうだっただろ?」
「そこ辺りはずっとコマツールに任せていたから知らん」
「あ、うん。ごめん」
そういやコイツ、マッチポンプで邪神に拾われてからずっと一緒に行動してたな。
ってことはアレか。世間とか知って事実に勘付いたり、一人で旅立たないように邪神が諸々の事を一人でして、ワタカラが出来る限り人と関わらないようにしてたのか。うん、やっぱアイツ怖い。何万年も魔法少女を消すために気を配りすぎだろ。
よし、仕方無いからここは俺が全額負担しよう。
俺はリュウが出入り口の方向に背を向けて座っているのを透視で確認し、外から確認してワタカラと一緒に喫茶店へと入る。窓から確認しても良かったが、座った位置によっては目があって尾行してるのがバレちまうからな。こういう時に超能力は便利である。
「いらっしゃいませ……ってあら。力男とワタカ━━━」
「シッー! 今リュウ達を尾行中なんだ。なぁ緑、リュウの視界に映らない席ってあるか?」
「あるわよ。ただ……二人揃って、いったい何をしているのよ」
「俺に聞かないでくれ」
喫茶店へと入ると、ウエイトレス姿の緑が声をかけてくるが、俺は自身の口に人差し指を当ててそれ以上口を開かないようにと注意し、事情を説明する。
事情を知った緑は呆れた表情を向けてくるが、その表情はワタカラに向けてくれ。俺はただ巻き込まれただけなんだよ。
そんな表情をしつつも、緑はリュウ達から幾つか席の離れたテーブル席を案内してくれた。流石に振り返られたらバレそうだが、ワタカラがリュウと背中合わせになるよう座らせれば良いか。俺が居るのがバレても、テキトーに誤魔化せば良いしな。
「ねぇワタカラ。どうしてリュウの事を尾行してるのかしら。もしかして、姉弟の禁断の恋かしら!?」
「いや、どう考えてもちが━━━」
「緑、それは貴様の想像に任せるとしよう」
「まさかそれって!?」
「さぁ、どうだろうな」
「おい待て。リュウの知らん所で外壁を埋めていこうとするな」
どうやら緑は俺達がリュウ達を尾行しているのは、ワタカラがリュウを恋愛的な意味で好きで好きでたまらなくて、リュウの事を知ろうと思い尾行している。そう解釈したようだ。
俺はそれを「違う」と否定しようとしたが、ワタカラの意味深もとい、外堀を埋める言葉によってかき消されて緑は一人で勝手に盛り上がっていた。
落ち着けワタカラ、勝手にリュウを恋人の立ち位置にするんじゃねぇよ、リュウはお前の義弟だろうが。あと緑は小声で「マホ達にも知らせないと」って呟くな。これ以上外壁埋めたらリュウがひたするに混乱するだろうが。
「どうだリュウ、ここの喫茶店のコーヒーは美味しいだろう!」
「えエ、そうですネ。でも優正が飲んでるのはスープですよネ?」
「ワイはコーヒーが苦手だからな!」
「エ? でも聞いたって事は、一度は飲んだ事あるんですよネ?」
「無い! なんならこの喫茶店も初めて来た!」
「ならなんで一回は来た事あるような質問したんですカ!?」
外堀が埋められてるとも知らずに、リュウは優正との会話が弾んで、弾んで……いや、あれは弾んでる認定で良いのかな。前後が噛み合わない話をリュウが一方的に聞いてるようにしか見えねぇ。
コーヒー苦手から飲んだ事あるかのように聞いたのはなんでだよ。
「コホン。さて、場も暖まったところで聞くが」
何一つ暖まってねぇよ。
アイスブレイクをして、本題であるワタカラの話に入ろうと咳払いをする優正だが、誤魔化し方も緊張の溶かし方も下手である。そんな風に話題を変えた所で怪しまれるだろ。
「リュウ。最近お姉さんとはどんな感じだ?」
「義姉さんとはまぁそノ、色々あって仲は深まりましタ」
(優正には
一ミリも怪しいと思ってねぇ!
おいリュウ、大丈夫か!? 今の明らかに怪しかっただろ。飯の話してたら唐突に壺の話されるレベルが違和感あるだろ! お前違和感持て、そんなんだからワタカラに心配されるんだぞ! いや、ワタカラもワタカラで度が過ぎた心配性だけども!
「たダ……そノ、ですネ」
「どうしたんだ?」
しかし、突如としてリュウは口をどもらせる。
ワタカラも緑もそんなリュウの様子を不思議に思ったようで、互いに身を乗り出して……おい待てワタカラ、それ以上身を乗り出すな。変な動きしたらリュウにバレるだろうが。
「今までの影響もあってカ、少し過保護になっていましテ。この前も心配なのカ、僕を尾行していましたシ」
「おいワタカラ」
「私の完璧な尾行がバレていただと……!?」
「お前は一度完璧って言葉を辞書で引いてこい」
ここにはポンコツしか居ないようだ。
お前、この前まで組織率いてカリスマオーラ出してたじゃねぇかよ。あのオーラ何処行った、今のお前からはポンコツオーラしか感じられないんだけど。
つーかその黒ずくめの格好でなんでバレないと思った? その格好に認識阻害機能なんて無いよ? それどころか単に視線集めるだけだよ?
まぁリュウの話から察するに、今日尾行してるのには気付いてなさそうだな。もし気付いてるなら、優正にこっそりと「今も尾行されてる」って伝えるだろうし、この前の話であって今の話はしてないからな。
「過保護な姉とその弟。この二人の行方はいったいどうなのかしら!?」
「仕事は良いのかよ緑」
「今はまだ力男達以外にお客さん居ないから大丈夫よ!」
「あぁ、うん……なら良いか」
よし、緑はもう置いておくことにしよう。
俺は一人で勝手に興奮している緑に突っ込むのを諦め、改めてリュウと優正の会話に耳を傾け始めた。
「義姉さんが僕を大切にしてくれるのは伝わっていまス。ですガ、今までの接し方とガラリと変わったのデ、僕もどう義姉さんと話せば良いのやラ」
「…………今まで通りじゃ駄目なのか?」
「エ?」
優正の言葉にリュウはキョトンとする。
今のリュウはワタカラとの距離感が分からなくなっているのだろう。今までは冷たい態度で距離を取られていたが、それは自身の安全を考えての行動であり、内心では不器用ながらも自身の事を大切に思っていた。
しかし今では安全を脅かしていた邪神の存在が無くなり、距離を保つ必要が無くなった。だからこそ、ワタカラはこれまで構う事が出来なかったリュウの事をもっと知りたいのだろう。
だがリュウからすれば、ワタカラの気持ちは分かってはいるが、唐突に距離を詰められて、どう接したら良いか分からなくて動揺してしまっているのだろう。それに、ワタカラ自身も不器用な面が出てリュウを尾行すると言う奇行に走っており、双方に距離感を掴みかねている。
その距離感をどうにかしたいと思いリュウは優正に相談したのだろう。けれど優正の口からは「今まで通りで良い」と発された。
リュウはその言葉に思う所があるのだろう。身体をピクリと動かし、勢いそのままに立ち上がろうとしたが、まだ話は終わってないと雰囲気で察して持ち上がった腰を椅子に降ろす。
「リュウが困っているように、きっとお姉さんも困ってるんだろう! だから今まで通りに接して、距離感を少しずつ掴むのはどうだ! なぁ、お姉さん!」
「なっ! 私の帽子!」
優正はリュウの後ろ、つまりは俺達の方向へと歩いてきてワタカラの黒い帽子を取る。
取られた帽子を取り返そうとワタカラは慌てて上に手を伸ばすが、身長が2mを超えている優正に対して、ワタカラは小学生程度の身長しか無いため当然届かない。
ならばと、目にも止まらない速さでジャンプをするが、優正はヒラリと簡単にワタカラの伸ばした手を避ける……なんで一般人が元悪の組織のボスと張り合えてるんだよ。
「義姉さン!? どうしてここニ!?」
「俺達も居るぞ」
「力男さン!? それに緑さんモ……」
「ちょっと。この喫茶店、私のお店なんだけど?」
ついで扱いされた緑は頬を膨らまして怒るが、俺はそれを「まぁまぁ」と行って収める。きっとリュウはこの喫茶店が緑の実家とは知らなくて、この場に居るのに驚いたのだろう。格好もウエイトレスだし。
「少しワタカラ……あー、此方だとワタだったな。ワタが心配になって一緒に行動してたんだ」
「そうだったんですカ。そノ……義姉さんがすみませン」
「振り回されてるのは慣れてるから気にするな」
「ねぇ力男。どうしてそこで私を見るのかしら?」
さぁ、なんでだろうね。
心当たりが全く無いと言う顔をしている緑を尻目に、俺はワタカラと優正の攻防を見る。どうやら最終的に優正がワタカラに帽子を返す事で決着が着いたようだ。どうして優正はワタカラとの攻防戦して勝てるんだろ。
「やっと取り返せた」
「義姉さン」
「ハッ! い、いや…………人違いだ。私の名前はワタ、ただの怪しい人だ」
「それはそれでどうなんだよ」
帽子を取り返したワタカラは、自身を呼ぶリュウに顔が見られないよう帽子を深く被って人違いだとアピールするが、流石にリュウと言えど誤魔化せる状況では無いし、もし本当に怪しい人だった場合は普通に通報案件だろ。
「義姉さン。僕の話を聞いてくださイ」
「だから人違いだと」
「…………人違いでしたカ。ならそんな怪しい人とは二度と口を聞かない方が良さそうですネ」
「どうしたスリュウ。義姉ちゃんになんでも相談してみろ」
手のひらクルクルしすぎだろ。
二度と口を聞かないと言われたワタカラは、黒ずくめの衣装を一瞬で脱いで不審者で無いと証明をする。そもそもそんな格好する暇あるなら、後を付けずに真っ直ぐ話せと言いたいが、不器用な性格なので恐らく無理だろう。
「あのですネ、義姉さん。そノ、えっト……義姉さんの好きなモノっテ、なんですカ?」
「スリュウだ」
多分そういう意味じゃないと思う。
何を話そうか。上手く言葉が出てこずも拳を強く握り、勇気を振り絞ってリュウが出した質問にワタカラは何処か斜め上の回答をする。
「無事仲直り出来たみたいだな!」
「そうか?」
俺は少し疑いながら二人を観察する。
距離感は未だに掴めていないようだが、多少ギクシャクしながらも、互いに「最近あった事」や「離れて暮らして見た感想」などを話している。
リュウを尾行していたワタカラからすれば、知っている話題━━━特に最近あった事など━━━もあるだろう。けれどリュウの内心までは当然の事ながら知らず、想像以上の内容があったのか、時折目を丸くして驚いている。
「…………ま、一件落着と思っては良さそうだな」
「なんだか兄や姉が居るって羨ましいわね」
「ん? そういや緑は一人っ子だったか」
「そうよ。一応、従姉は居るけどね」
緑の従姉かぁ、キャラ濃そう。
いや、会ってもないのに勝手に決めるのは悪いと思ってるけどさ……なんかこう、緑の従姉ってのを聞いただけで嫌な予感がするんだよ。振り回されそうって言うか、なんというか。
「二人が仲直り出来たのを記念して、ここの会計はワイが払おう!」
「良いのか? 優正」
「あぁ! 咲黄やランと仲良くしてもらってる礼もあるからな!」
「保護者かよ」
お前まだ中三だろ、俺も俺で今世だと中一だから人の事言えないけど、そういう保護者面するには年齢足りねぇだろ。それはそれとして、奢ってくれるのは嬉しい。ありがとう。
「…………ん?」
あれ、何か忘れているような気がする。
何かここに来る前にやる事があったような……ちょっと一つずつ振り返って思い出そうとしてみるか。
俺はまずラブリーロードに来た。その前は優正に会った。その前はリュウを見つけた。その前は
「あっ」
やべ、ランのプレゼント買うの忘れてた!
しまったなぁ。元々はそういう予定だったのに。
さすがに今からプレゼント選ぶ為にここを出るって言うのに、優正に会計を払ってもらうのは悪いな。奢ってもらうのはまた今度にしよう。
「悪い優正。俺ちょっと用事思い出した! 奢る話はまた今度にしてくれたら嬉しい。緑、会計はここに置いとくぞ!」
「分かった。またな!」
「忙しないわね」
俺は二人に一言ずつ言葉を掛けると、急いでラブリーロードを出るのであった。
なお、ワタカラとリュウは未だに距離感が掴めずに会話をしていた。次あった時はスムーズに話せるようになってる姿を見れたら良いな。
一話にするのには短いけど、書いてみたい短編あるんだよなぁ……例えばだと、一人一個の限定商品(卵とか)を変身して複数買おうとする魔法少女とか、力男他数人が色んなジュースを混ぜて独自な味を楽しむ話とか。
緑の従姉を従兄にするか悩みました。
個人的には従兄の方が書きやすいけど、後の展開的に従姉の方が話が進みやすかったので結果的に従姉にしました。
一番好きな章は?
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第一章
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第二章
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第三章
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第四章
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第五章
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第六章
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第六.五章
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第七章
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番外編