裏話や裏設定集を作ってたら、一章の時点で1万文字越えました。あと9割残ってるんだけど。本編が全149話だから、まだ17話しか作り終わってないんだけど。
それと設定集とか作る関係上、本編を見返しました。やっぱ話が進むにつれて、みんな変わってきてるなぁと思う。例外は常に株を落とさないよう細心の注意を払ったガク先輩と、最初からキャラが固まってたコマツールぐらいかな。
今日の作業用BGM:最高潮☆JAMPINGU!
「「…………」」
「えっと、力男さん? マジュくん?」
11月上旬の休日。
ガク先輩から電話で「たまにはゲームとは別の趣味を見つけたらどうだろうか。例えば散歩とかね」と言われ、確かにずっと引きこもるのも身体に悪いと思い街を歩いていると、マホとガク先輩、そしてマホに似た小さな少年に出会った。
かつて俺は魔法世界へ行った事がある。
とまぁ、長々と語ったが何が言いたいのか簡潔に纏めると、俺とマジュに接点は無いと言う話だ。無理に接点を作るとすれば、
しかし俺はマジュを見た瞬間に理解した。
こいつは俺と同じだと。俺と同じように周りの言動に振り回され続けながらも、なんやかんやで「仕方ないな」と諦めに近い感情でその騒がしい日々が好きな苦労人であると。
マジュも俺と同じように勘が囁いていたのだろう。
俺達は初対面に関わらず、挨拶の一言も交わさずに互いへ一歩。また一歩へと近付き、身長差で見上げ見下すほどの距離へと迫った。
「「
「マジュくんは私の弟ですよ!?」
「マホくん。突っ込むのはそこでは無いと思うのだが」
そして俺達は互いをブラザーと呼び、握手をするのであった。
「なるほど。この世界の観光か」
「はい。マジュくんが此方の世界が気になるようでして」
あれからマホが「マジュくんの姉弟は私です!」とマイブラザー呼びに抗議してきたが、最終的に超能力無しのガチンコじゃん拳で
くっ。横からガク先輩が「超能力は禁止」と耳打ちしなければ絶対に勝ててたのに……! ルールを破るのは容易だけど、どうせガク先輩が居るからテレパシー使ったのバレそうなんだよなぁ。
俺はあまりの悔しさにその場で地面を叩いて感情を正常したいと思うが、周りに人が居る状況なので理性でそれを止める。テレポートで速攻家に帰ってこの感情をゲームとかに当てて解消するのも手だけど、マジュは俺の超能力について何も知らないからなぁ。さっきのガク先輩もそれを配慮して耳打ちで話してきたし。
「マジュ、何処か行きたい場所ってあるか?」
「うーん。何があるか分からないからなんとも」
「それもそうか」
マジュはこの世界に初めてきたからな。何があるのか
俺も何も調べず旅行行ったらそうなりそう。観光名所はある程度有名だから兎も角もして、他に何がある? と聞かれたら答えられる自信無いし、知らないから観光名所以外の候補が出てこない。
「ふむ。一つ候補があるが言っても良いかい?」
「え、何処!?」
「私の研究所」
「ごめんなさい気持ちだけ受けとります」
夏休み中の数日ほど、ガク先輩達は魔法世界へ遊びに行っていた事があり、マジュの態度から察するにそこで顔合わせと交流を深めたのだろう。
そしてそこでガク先輩の研究とは何を指すかも……それじゃなければ、きっと目を輝かせてノコノコと脚を運ぶだろうし、速攻で断ろうとはしないからな。
「なら
「そうしたかったのですが、今日は喫茶店で混んでるそうなので」
「マジュくんに街を案内したかったと残念がっていたそうでね。勇子くんは緑くんを手伝いに、咲黄くんとリュウくんは先約があるそうだ」
「姿が見えないと思ったらそういう」
マホとガク先輩━━━マジュは初めて此方の世界に来たから例外━━━が一緒なのは珍しいと思ったが、勇子達は用事があるからか。緑の方が少し気掛かりではあるが、事情を知ってるのに顔を出すのはかえって邪魔になりそうだな。まぁ勇子があっち行ってるようだし、多分大丈夫だろ。
ただ、そうなると勇子達を頼るのもラブリーロードも無理か。此方の食べ物を楽しむついでに、勇子達にも何かアドバイスを貰おうと思ったんだが……一応、俺の提案としては一つの建物が多くの商品が見れるデパートがあるが、その前にマホに案があるか聞くか。もしかしたら何処かに向かってる最中なのかもしれないし。
「マホはマジュに案内したい場所ってあるか?」
「はい! マジュくんを連れてデートスポットに━━━」
「よーしマジュ、デパート行こう。色んなモノがあるからきっと楽しめるぞ~!」
「案内宜しく力男兄ちゃん!」
「…………」
「今のはマホくんが悪いさ」
「おー! お城みたいだ!」
そうしてデパートへ着いた俺達。
少しショボくれた顔をするマホと、マホを慰めるガク先輩が俺達の後ろを付いてくるように歩いて……おい待てガク先輩。その手に持ってる試験管はなんだ、中身凄いピンク色なんだけど。あとマホもそんなの貰おうとするな!
「マジュ。何か欲しいモノがあったら言えよ? 俺が買ってやる!」
「このデパート!」
「ごめん無理。俺にそんな金は無い」
「でもこの世界には「男に二言は無い」って言葉があると聞いたけど?」
「誰だそんな俺に不公平な言葉教えたやつ」
「ガク姉ちゃん。さっき力男兄ちゃんに会う前に教えてもらった!」
何教えてるの? ねぇ、何教えてるの?
つーか何時そんな言葉教えたんだよ。いや、あるけどさ。そういう言葉があるのは当然知ってるけど、タイミング完璧すぎない? もしかしてガク先輩、俺の通る道計算して偶然居合わせるように仕向けてた?
「偶然とは恐ろしいものだね」
「まだ何も言ってないからな!?」
チラリとガク先輩に視線を向けると、俺の思考を読んでいたのか。それとも俺とマジュの会話を聞いて「仕組んだのに気付いた」と思ったのか。何も言っていないのにも関わらず、遠回しに正解を言ってきた。
「ん? 私は単に
「なぁ知ってるか? 人はそれを必然って言うんだぜ」
俺がマホ達とバッタリ出会ったのも、親切心で案内を買って出るのも、マジュがデパートが欲しいと言うのも、朝に電話してきた時から全て計算してたって事か。
俺に意地悪するのに全神経注ぎすぎじゃない? なんだよ、朝の電話から全て仕組んでたなんて。物語の黒幕でもそんな下らない事に頭使わねぇよ。もう少しその頭を別の事に……いや、別の事に使った結果がいつもの研究か。それだったら今日の方が良いな。人に行動を操作されてるのは、それはそれで怖いけど。
「あっ……これ美味しそう!」
「それは食品サンプルですね」
「食品サンプル?」
「見た目だけの偽物さ。飲食店での見本として使われてるね」
マジュが指差したモノを何かマホが答え、ガク先輩がそれを補足するような説明を加えた。
俺からすれば見慣れた、もっと言えば見慣れすぎて一目で偽物だと分かるが、マジュからすれば本物の食べ物に見えたのだろう。キラキラさせていた目が一瞬で輝きを失い、少し不満げな顔に変化した。
「じゃあ此方も食品サンプル?」
「ああ。ここそう書いて……って、そうか。マジュは此方の世界の文字読めないのか」
「うん。俺の世界の文字と違うから全く分からない」
そうえばガク先輩が夏休みの時に魔法世界から持ってた新聞に書かれてた文字は、俺の知ってる文字とはどれも違って読めなかったな。
当然だが、その逆も然りでマジュは魔法世界の文字は読めるが、此方の世界は読めないようだ。
ここにはマジュが気に入りそうなモノは無かったので、次は何処に向かおうか話し合いながら俺達は目的地も決めずにフラフラとデパート内を歩き始める。
「文字が読めないなら本系は止めとくか? 多分あまり楽しめないだろうし」
「絵だけを楽しむなら出来そうですけど……」
「立ち読み対策としてテープやフィルムが巻かれてるからね。内容が分からずギャンブルするよりは、もう少し堅実なモノを」
「ン? あレ、力男さン。買い物ですカ?」
そう俺達が話しながら本屋を通りすぎようとした時、聞き覚えのある声に名前を呼ばれた。その方向へ振り向いてみると、何か本を選んでいたのだろうか。店前で本を吟味しているリュウが居た。
「お、リュウ! ちょっとマホの弟にこの世界を案内しててな」
「そうでしたカ」
「リュウさんはどうしてここに?」
「僕はですネ」
「スリュウ。買い終わったぞ……む。貴様らか」
リュウが答えようとした時、店の奥から本屋のマークが書かれた袋を持ったワタカラが顔を出してきた。
またこの世界に来てたのか。お前過去に「魔法世界を旅する」と言ってたの覚えてる? なんか此方の世界で見かけること多いんだけど。主にリュウ関連で見かけるんだけど?
「二人でデートでもしてるのか?」
「デートでは無いですネ」
「よく分かったな。今の私は愛しの義弟とデート中だ」
「リュウは違うと言ってるんだけど?」
「照れなくても良いぞスリュウ」
「照れてないでス」
俺は全てを察した。
あぁ、またリュウはワタカラに振り回されているんだなと。俺にはもうコイツが組織の長をやってたように思えん。ただの狂言吐いてる奴にしか見えねぇ。
「姉ちゃん姉ちゃん。この人達は?」
「私の友達です」
「スリュウ・コマツールでス。唯野 リュウとも名乗っているのデ、呼びやすい名前で構いませんヨ。それで此方が僕の
「ワタカラ・コマツールだ。唯野 ワタと言う名前もある。そしてスリュウとは恋人だ」
「違いまス」
「えっと……?」
マジュ混乱してるじゃねぇか。止めろよ、面識のある俺らなら「なんだ、いつものか」で済むけど初対面のマジュはどっち信じたら良いか分かってないから。マホって言う同類居るせいで嘘か本当か判別付いてないんだからさ。ちなみにワタカラは
「君たちと似たような関係と言えば伝わるかね?」
「あー……」
困ったマジュはガク先輩へと視線を向けると、ガク先輩は簡潔にそして分かりやすくワタカラの言葉の意味を伝え、マジュはそのたった一言で全てを理解した。
「リュウ兄ちゃんも大変だな」
「貴方ほどではありませんヨ」
…………まぁあれだ。リュウとマジュが一瞬で仲良くなったからヨシ!
互いに一度会ってるとガク先輩から━━━より正確に言えば、マホ達がそんな話をしていたと━━━聞いており、その時はリュウがワルインダーの幹部のスリュウ・コマツールとしてあり、その事を引きずってないか心配だったが大丈夫そうだな。
リュウの時とスリュウの時は姿が違うし、
意味も無く仲が悪くなるような発言をする意味が無いし、仮に言ったところで「今は悪い事してないし、姉ちゃん達の友達だから気にしないよ!」ってマジュなら流してくれそう。
いやぁ、仲が良くなりそうで安心だ。
「貴様、マジュと言ったか。マホ、貴様に似て素直で可愛らしい奴だな。尤も、この世で一番はスリュウだがな」
「ふふふ、冗談が上手いですね。ですがこの世で一番はマジュくんですよ」
「あはは」
「うふふ」
訂正しよう。仲が悪くなりそうで不安だ。
お前らなんでそんな喧嘩腰なの? 自分の弟が一番じゃないから怒ってるの? ねぇ、さっきまで仲良かったじゃんか。これじゃあまるで、世界を滅ぼそうとする奴と世界を守ろうとする奴みたい険悪じゃんかよ。
あのーごめん。このブラコンどうにかしてくれない? お前らの姉なんだから、リュウでもマジュでもどっちでも良いから、喧嘩止めさせてくれない?
「ごめんなさい二人を止めてくださイ」
「俺にはこうなった姉ちゃんを止められない」
「力男くん。後は任せたさ」
「俺に全責任押し付けんな!」
そう二人に視線を送ったが、無理なモノは無理なようでガク先輩含めてブラコン組以外の全員に責任を押し付けられた。みんなあの二人の中に入りたくないらしい。俺も入りたくない。
けどなぁ、二人を落ち着かせないと周りの視線が痛いんだよなぁ。うーん、何か二人の注意を引ける。もっと言えば喧嘩を止めさせられるような奴が居れば助かるんだが……。
俺が周りを見渡すと、同じく買い物に来ていたのか咲黄が一人で歩いているのを見付けた。距離が離れているからか、此方には気付いてないようだが、俺には遠くに居る相手にも話しかけられるテレパシーがある。
(応答せよ、応答せよ。此方力男、応答せよ咲黄)
(あれ? 力男くんの声だ。でもどうして急に声が……あ、テレパシーか)
(ああ。ちょっと助けてほしいんだが、俺達の方……咲黄から見て右側だな。此方に来てくれないか?)
(う、うん)
俺は咲黄にテレパシーを使い、俺達の方に来るよう頼んだ。事情も一緒に説明すべきかもしれないが、きっと頭の良い咲黄ならこの光景を見て全てを察して、二人を止めてくれるだろう。
「み、みんな~。ここで会うなんて奇遇d」
「この世で一番はスリュウだ!」
「マジュくんです!」
「私のお兄ちゃんだよ!」
「ブラコン一人増えただけじゃねーか!」
いやはえーよ。
誰が一瞬で理解しろと言ったよ。まだ何も説明してないから、まだワタカラとマホが一言ずつ言い合いしただけだから。え、なに。もしかしてブラコンって兄や弟の話になったら本来の何倍も頭の回転率上がるの?
「ふむ。頭の良い咲黄くんはいち早くこの状況を飲み込んだようだね」
「無駄に飲み込み早いせいで修羅場が激しくなったのですガ」
「力男兄ィ?」
「俺は悪くない」
悪いのは全てブラコンって存在なんだ。
つーか誰がデパートでブラコン頂上決戦始まると予想出来るんだよ。女三人寄れば姦しいって言うけどその通りだよ!
えぇ……本当にどうしよ。リュウとマジュはお手上げのようだし、ガク先輩は動く気配無いし、俺はブラコンの止め方知らないし。超能力でも使うか? でも意味無いだろうなぁ。テレパシー使っても聞く耳持たないだろうし、サイコキネシスで浮かしても話を続けそう。つーかテレポートもそうだけど、そんな事したら別の意味で注目集めるか。
「おーい咲黄~っておお、ガクっち達だ! 買い物か!?」
「あ、優正。ちょうど良いところに……ってか、もしかして咲黄と一緒に買い物に来てたのか?」
「ああ!」
見なかった事にしようと、ブラコン組を置いてその場を離れようとした時、先ほど咲黄が居た方向から優正が歩いてきた。話を聞くと、どうやら咲黄と買い物中だったようだ。
って事は、咲黄の用事は優正との買い物だったのか。咲黄には悪い事しちまったかなぁ……。
リュウも同じ用事だったが、あっちはまだリュウ自身の方から話しかけて
「ところで三人は何を言い争ってるんだ?」
「自分の弟や兄が一番だって話。優正、止めるの手伝ってくれない?」
「無理だ!」
「無理なのかよ!?」
「こうなった咲黄は止められないからな!」
「えぇ……でも優正の言葉なら咲黄に届くとおも」
「私のお兄ちゃんは7年前の12月8日に手袋をプレゼントしてくれたよ? あの日は珍しく大雪が降っててね。私は雪にはしゃいで手袋もしないで外で遊んでいたんだけど、お兄ちゃんが後ろから走ってきて「それだと寒いからな。ほら、ワイのを使いな!」って自分の手袋を貸してくれたんだ。お兄ちゃんサイズの手袋だったから少し大きかったけど、その分お兄ちゃんの愛情が私の手を包み込んでくれてね。愛情手袋を使ってお兄ちゃんと一緒に雪遊びをしてたら、お兄ちゃんが素手なのに気が付いてね。なんでなのか聞いたら、私に貸してくれた手袋しか持ってきてなかったからなんだって。寒いのを気にせず私に手袋を貸してくれるお兄ちゃんカッコいいよね。それでね、お兄ちゃんは大丈夫だと言ってたけど、私は手袋越しにお兄ちゃんの手を暖めたの。そしたらお兄ちゃんが「ありがとう」ってお礼を言ってきて━━━」
「私はスリュウとはそこまで関わってはいないが……そうだな。あれは5465年前の12月20日だったな。文明がまだ発展していない頃の冬は今以上に寒く、備えを怠るのは命の危険があった。私は長年生きてきて暑さ寒さに対する対策や心構えは心得ている。しかし幼かったスリュウは寒さに耐えれなくて、寒い寒いと言っていた。ちょうどあの頃は私達がスリュウを拾った時期でもあるから、家族を失って心が寂しかった。少し言い換えれば、心が寒かったのもあるだろう。私は寒がっているスリュウにどう接したらどうか分からなくてな、一先ず暖まればと私が着ていた防寒着を着させたんだ。突然防寒着を渡されたスリュウはアワアワとしながらも、私に「ありがとうございまス」と言ってきたんだ。あまりの可愛さに私はなんて返事をすれば良いか分からず、無言でその場を去ってしまったがあの時のスリュウの笑みと声は未だ脳内に永久保存してあり━━━」
「私のマジュくんは意外にまだ子どもっぽい所がありましてね。あれは1年前の12月30日の大雪の日でした。冬が寒いのは当然ですが、その時は雪が降っていていつも以上の寒さでした。私はお風呂と夕飯を終えて、日も暗くなってきたので自分のベッドで寝ようとしました。ウトウトとし始めた頃、部屋の扉が開く音が誰が来たのかうっすらと目を開けるとマジュくんが。そのまま部屋に入ってきたマジュくんは足音を消しながら私のベッドに入ってきました。どうしたのか聞くと、起きてた私にビックリしたような表情をした後に「寒いから姉ちゃんで暖まりに来た」との事。私は珍しく甘えてくるマジュくんを湯たんぽのようにギュッと抱きしめて暖めます。マジュくんの言葉に嘘は無かったようで、手足の先が冷たくなっていましたので、私はマジュくんを両手を自分の手で包んで━━━」
「…………うん。無理だな」
ブラコンエピソード話すのに集中してて、俺らの声は微塵も届かなそうだ。つーかさっきからテレパシーで「ファ○チキください」って送って妨害してるけど、全く反応しないんだけど。この妨害、ワニヨウや邪神にも有効だった手なんだけど。え、なに。もしかして脳じゃなくて
「ガク姉ちゃん。この人は?」
「咲黄くんのお兄さんの優正くんさ。マジュくん、自己紹介出来るかい?」
「え、えっと。俺はマジュ・ツカエール! よろしく!」
「ツカエールって事はマホの弟か。よろしくな、マジュ!」
「うん!」
一方、ブラコンを差し置いてマジュは優正に自己紹介をしてきた。
あぁ、うん……お前らもう気にしない方向で行くのね。じゃあ俺もその流れに乗らせてもらおう。何しても聞く耳持たないようだし。それにしても……
「ガク先輩が真面目に年上やってなんて珍しいな。リュウ、明日は隕石が降るかもな」
「てるてる坊主を飾って何も降らないように願っておきましょうカ」
「私をなんだと思ってるのさ。流石に観光として此方に来ている魔法世界出身者には優しくするさ」
「ん? マジュ個人じゃなくてか?」
俺はガク先輩が年上らしい行動をしているのに驚くが、直後の「魔法世界出身者には優しくする」に疑問を抱く。
わざわざマジュを名指しするじゃなくて、魔法世界の住民全体を指すような言い方をするなんて、いったいどういう意味だ?
ここに居る魔法世界の住民はマホとマジュだけだし、マホは此方の世界についてそれなりに知ってるから、逐一説明する必要は無い。なら補助や案内が必要なのはマジュだけになるから、別に個人を指す言い方でも良いと思うんだが。
「私は将来、魔法世界で様々な実験を行おうと思っていてね。実験をする前に魔法世界で悪評が広まれば面倒だから、今は真面目な態度をとっているのさ」
「
どんな将来の夢だよ。てかこの人、マジュ経由で魔法世界に自分自身の好評が流れるようにしてたよ。実験をスムーズに行おうと、好評を流して見栄えや第一印象を良くしようとしてたよ!
「ハッハッハッ! 高いだろ! リュウ達も乗るか!?」
「大人数で肩車したら天井にぶつかると思いますガ……」
「よーし、行くぞマジュ!」
「おー!」
いつの間に優正とマジュは仲良くなったのか。優正はマジュを肩に背負い、勝手に歩みを進め始めた。
おい待て何処に行く気だよ。俺何処に行くかも聞いてないし、ブラコンどもをこのままにする気か!? あーもう、追うしかねぇか。もしマジュが優正とはぐれたら一人で心細くなるだろうし。
「ふむ。ここはわたしに任せたまえ」
「不安なんだが?」
「君は私を信用してないのかね。それなりの時間とは言え、交流を持っていて尚且つ秘密を共有していると言うのにね。実に悲しいものだ」
「これまでを振り返れ」
確かに
「リュウ。お前はここに残るか? それとも一緒に」
「一緒に行かせてくださイ」
「お、おう。そうか」
俺は食い気味に答えてきたリュウに少し引きながら、マジュと優正の後を追いかけるのであった。
リュウ、お前もここに居るのは嫌だったんだな……。
一話完結の予定でしたが、ふと「そういや男連中だけで行動させた事無いな」と思ったので、このままデパート回は続行です。
力男とリュウ、優正とリュウみたいな二人だけのシーンあっても三人シーンは無かったですからね。それにマジュもマジュで魔法世界に住んでるから、結局本編中で力男達と絡みが無かったですからね。
一応、マジュは敵幹部としてのリュウとは絡んだとは言えなくも無いですが、ちょっと顔合わせた程度のアレをカウントするか微妙ですし。
一番好きな章は?
-
第一章
-
第二章
-
第三章
-
第四章
-
第五章
-
第六章
-
第六.五章
-
第七章
-
番外編