わんぷりが終わってしまって悲しい……。
もう猫屋敷まゆの面白シーンが見れる機会が無くなってしまった。キミプリも面白いけどね。力士を妖精の国に連れていったり、秘密を全然隠せてない主人公のシーンとか、領域展開(浄化シーンに移行)する主人公とか。
一方その頃の緑:厨房に籠ってひたすらに料理を作っている。
一方その頃の勇子:料理は苦手だから、注文を取ったり簡単な盛り付けを手伝っている。
一方その頃のラン:ラブリーロードに遊びに来たら忙しそうだったので手伝う事にした。料理は苦手だから、掃除や買い出しをしている。
~バレンタインの学生組~
力男:ランにチョコをせがまれた。チョコをせがまれた相手はランのみ。
ラン:力男にチョコをせがんだ。チョコをせがんだ相手は力男のみ。
マホ:チョコを食べすぎると鼻血が出ると勘違いしてる。
勇子:ちゃんとみんなにチョコを用意している。
咲黄:優正の為に特大チョコを作った。
緑:バレンタイン用のメニュー開発の時にチョコを沢山食べたので、悪いけど要らないと断った。
リュウ:叩き売りしてたので沢山買った。後日虫歯になった。
ガク先輩:妖精になる薬を混ぜたチョコを力男に渡した。普通にバレた。
優正:周りから沢山チョコを渡されたが、ある人物(咲黄)以外からチョコは貰わないと決めてるので、一人一人チョコは貰えないと謝った。
「マジュさン。リンゴ飴が置いていますヨ。屋台以外で見るのは珍しいですシ、一つ食べてみますカ?」
「此方にはアイスもあるぞ! 冷たくて美味しい食べ物だ。どうだ、食べてみるか!?」
「えっと。俺は、俺は……」
「親戚の集まりかよ」
ブラコン達とガク先輩をその場に置いてきた俺達は、マジュを肩車する優正に付いていくような形でマジュにデパート内の色んな所を案内していた。
しかしマジュに楽しんでもらおうと気合いを入れた結果、少し空まわってしまっているようで、次々に案内されるモノにマジュは付いていけていないようだ。
はぁ……優正が不器用なのは知っていたが、リュウもそっち側だったのか。義弟だから血は繋がっていないとは言え、そういう所はワタカラにそっくりだな。
「ほら。マジュが困ってるから、そんなポンポンと進めるんじゃねぇ」
「あ、ありがとう力男兄ちゃん」
「気にするなって。だから次はあっち行こうぜ、な?」
「力男兄ちゃん。もしかしてこの状況楽しんでる?」
ま、俺も人の事言えないけど。
いやだってさ、年下ってなんか構いたくなる謎のオーラ放ってるじゃんか。特にマジュは俺の
「ほら。弟が居たら構いたくなるだろ?」
「俺、力男兄ちゃんの弟になった覚えは無いんだけど」
うん。俺も前世でも今世でも弟が居た覚えは無いし、唐突に存在しない記憶が溢れ出してきてマジュと兄弟だったなんて衝撃な展開が訪れたりもしてない。初対面で「マイブラザー」とは言ったけど。
「あっ……」
「どうしたマジュ。何か気になるのあったか!?」
「えっと……あれ。あれが気になる!」
思わずと言った様子で声が洩れたマジュに反応する優正。
マジュが指を指した方向を全員で見ると、そこにはレースゲームや、パンチングマシンなどが置かれているそこそこ大きなゲームセンターであった。
俺達はゲームセンターの中に入り、マジュが興味を引かれたゲームの前に立つ。それは四角い箱の中にクレーンが用意されており、ボタンでクレーンを動かして箱の中の商品を取るゲーム……要するに、クレーンゲームであった。
「リュウ兄ちゃん。これは何?」
「クレーンゲームですネ」
「クレーン……ゲーム?」
「はイ。お金を入れテ、両端に爪が付いているクレーンを動かすんでス。それであの爪で置かれている商品を付かんデ、そこの穴に落とせば景品が手に入りまス」
「へ~!」
「まずは僕が手本を見せましょウ」
初めて見るクレーンゲームを目を輝かせるマジュを見て、リュウは自信満々に100円を入れてクレーンゲームを起動させる。
年上らしくカッコよく決めたいのだろう。内心では「一回200円は出費がかさむかラ、100円で助かりましタ」と考えてるのをテレパシーで読み取ったが、俺は何も言わずにリュウのプレイを見守る。
うん。ここ数年で一気に一回200円に変わったから、前の感覚でゲームするとちょっと高く感じるよな、凄い分かる。でもお前此方の世界来たの今年だよな? え、なに。わざわざ生徒として潜入する為にゲーセンの値段についても調べてたの?
「僕の頭脳がここでクレーンを落とすべきだと導きましタ!」
「いけー! リュウ兄ちゃん!」
リュウはクレーンを横に縦にと調整し、景品であるお菓子の箱の真上まで移動させる。そしてクレーンを下を落とし、景品を掴んだが上まで持ち上げた衝撃でクレーンから離れて元の場所へ戻ってしまった。
「あれ、滑り落ちちゃった」
「…………まずな僕が手本を見せましょウ」
「何も無かった事にしても意味ねぇぞ」
さっきの光景は無かった事にして、再度100円を入れて挑戦するリュウだったが、結果は同じで持ち上げた景品はクレーンから滑り落ちてしまう。
「手本を見せましょウ」
100円を投入する。
クレーンで持ち上げる。
持ち上げた反動で滑り落ちる。
「手本を見せましょウ」
100円を入れる。
持ち上げる。
滑り落ちる。
「手本ヲ……」
100円。
持つ。
落ちる。
「手本ヲ……」
100円。
持つ。
落ちる。
「…………」
100円。
持つ。
落ちる。
「まぁ、その。なんだ……よく頑張ったな」
段々と無言になり、最終的に1000円使ったリュウだったが、結局は景品が取れず両替に行こうとする脚を俺は肩を掴んで止めさせる。
お前はよくやった、よくやったんだ。もう充分だからゆっくり休んで財布の紐をキツく結んでおけ。リュウだけに負担を掛けさせる訳にはいかねぇ!
「ここは俺に任せておけ」
「力男さン。クレーンゲームの経験ハ?」
「20年以上」
「13歳が見え見えの嘘ついてんじゃねーヨ」
いや、前世含めたら大体それぐらいやってるから。ガク先輩以外に前世について語った事無いから、明らかに嘘に見えるけど違うから。本当だから。
俺は内心抗議しながらクレーンを動かして景品を狙う。
リュウは景品の中心を狙うような取り方をしたから失敗したんだ。こういうのは上の方や下の方を狙って、少しずつ動かすべきなんだよ。クレーンゲーム歴20年以上のベテランの俺が言うんだから間違えない。ふっ、勝ったなガハハ!
「ア、落ちましたネ」
「ま……まだだから。まだ100円使っただけだから。これからが本番だから」
まぁまぁまぁまぁ、まだ一回目だから。これは様子見、あくまで様子見だから。そんな一発で景品が取れるなんて奇跡はそう起こらないんだって! だからさ……そんな残念な人を見るような目で見つめるのは止めてくれない? 俺が悪かったからさ。
俺は100円を投入し、クレーンゲームに挑戦する。
俺は再度100円を投入し、クレーンゲームに挑戦する。
俺は三度目の正直で100円を投入し、クレーンゲームに挑戦する。
俺は次こそは取れると100円を投入し、クレーンゲームに挑戦する。
俺はダメ押しで500円を投入し、クレーンゲームに挑戦する。
「…………両替してきていい?」
スマンリュウ、これなんか凄い難しいな。
最終的にリュウと同じく1000円使った俺だったが、景品を手に入れる事は出来なかった。もしかしてアーム弱い? いやでも、ちゃんと持ち上がりはするからなぁ……もしかして、俺達が下手なだけか?
「よし。ここはワイに任せておけ!」
「任せた優正。お前が俺達の希望だ!」
「おう! って事で、ちょっとマジュ預かっててくれ。肩車しながらゲームするのは危ないからな」
「はいよーっと。マジュ、この辺りで良いか?」
「うん。ありがとう力男兄ちゃん」
俺は優正からマジュを預かり、クレーンゲームが見えやすいようにと、俺自身と同じぐらいの視点になるようマジュを抱っこする。
マジュはまだ小さいからな。普通に立ってるだけじゃ見えにくいだろうし、背伸びしたら疲れるだろうからな。まぁ俺も人一人持つのは疲れるし辛いから、地味に超能力でマジュを0.1ミリぐらい浮かしてるけど。
「優正兄ちゃん。取れそう?」
「おう、お兄ちゃんに任せとけ!」
「咲黄さんが見たら嫉妬しそうな光景ですネ」
「そうだな」
ここに咲黄が居なくて良かったぁ。ついでにマホも。
もしあの二人が居たら、マジュを抱っこしている俺と、兄ムーヴされたマジュを「ぐぬぬ」って顔をして羨ましそうに見てくるか、嫉妬の炎を燃やすかしてきそうだし。
「よし。ワイの20.0の視力がここがベストだと言っている!」
「桁一つ多くね?」
「頭脳じゃなくて視力なんですネ……」
マサイ族より視力高いじゃねぇか。
つーか視力が高いだけで景品が取れるわけ無いだろ。そんな理由で景品が取れたって言うなら、俺とリュウが2000円注ぎ込んだのは一体何の意味が……
「よし、取れた!」
「へ?」
「エ!?」
「おー!」
優正の言葉と共に景品が取れた音楽が鳴り、俺は目の前の光景が信じられずに困惑、リュウは一発で取れると思っていなかったと驚愕、マジュは純粋に喜びと、それぞれ声をあげた。
「ほい。ワイからのプレゼントだ!」
「ありがとう、優正兄ちゃん!」
そして優正は一切躊躇せず、一発で取れたのもあってか苦労や嬉しさによる達成感を一切表に出さず「それが当たり前」と言わんばかりに、スッと手に入れた景品をマジュにあげた。
マジュは俺の腕の中からジャンプするように脚を地面に付けて、優正から貰った景品をクリスマスプレゼントを貰った子どものように嬉しそうに目を輝かせ、景品を掲げてその場でクルクルと回り始めた。
「あれが年上のあるべき姿か……」
「僕、数万年も生きているんですガ。たった10年ちょっとしか生きていない優正に圧倒的な年上ムーヴ見せられたんですガ」
あんなムキになって景品を取ろうとしてた自分が恥ずかしいんだけど。俺に任せろって言ってた数分前の自分の口を塞ぎたいんだけど。俺に任せろじゃねぇよ、結局優正が全て解決してんじゃねぇか。
「リュウ兄ちゃんと力男兄ちゃんもありがとう!」
「……気にするなって」
「マジュさんが喜んでくれて何よりでス」
マジュからすれば純粋な感謝だったのだろう。
だが俺が捻くれた解釈をしているからか、ムキになって失敗したのを見抜かれて、年下に気を使われているように思えてしまう。
もう……もう止めてくれ。恥ずかしくて顔が真っ赤なんだから、そんなキラキラとした目で俺を見てくるんじゃねぇ。俺のライフはとっくにゼロなんだ、リュウみたいに照れなく感謝を受け入れられるほど俺は純粋じゃねぇんだよ……!
紆余曲折ありながらも、マジュの欲しがっていた景品を手にいれた俺達は、ゲームセンターにある様々なゲームで遊び始めた。
「ワイがこのまま一位を取るぜ!」
「くっ……! リュウ、マジュ! ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」
「えっ!?」
「力男さン、ジェットストリームアタックとはなんですカ!?」
「知らね」
「「オイコラ」」
コース上に置かれているアイテムを使って相手を妨害したり、相手にぶつかってコースアウトさせる事が可能なレースゲームでは、優正が一位を独占していた。
俺は優正を止めようと唐突に思い付いた単語を勢いでマジュとリュウの二人に向かって叫んだが、連携出来ずにそれどころか無駄に二人を混乱させてしまった。
そして終始独占しまくった優正、ゲーム初心者ながらも頑張ったマジュ、ゴール直前に手加減してマジュに順位を譲ったリュウ、無駄に二人を混乱させて怒りを買ってアイテムをぶつけられスリップ中に突撃された俺の順でゴールとなった。
「せいや! あー、やっぱ駄目だ。パンチングマシンって難しいね」
「俺も無理だったからな。マジュはもっと難しいだろ」
「僕は行けましたけどネ!」
「お前は例外」
「よしっ! カンストだ!」
「力男さン。あれハ?」
「あれも例外」
一定以上の記録を叩き込めば次のレベルへと進めて、計3ステージが待ち構えているパンチングマシンでは、まだ小学生ぐらいの年齢で身体が成長途中のマジュや、中学生の平均ぐらいの力しか無い俺はステージ1で敗北した。
だが一方で、一応はワルインダーの幹部だったリュウは全てのステージをクリアし、優正に至っては記録が999.99kgと表示されておりカンスト……まぁ現実的に有り得ないカンストだから当然ではあるが、新記録を叩き出していた。いや、このゲームカンストする系じゃないから。
「は~! 沢山遊んだ!」
そうしてゲームセンターを楽しんだ俺達。
そろそろ昼の時間だからとフードコートに移動し、各々が食べたいモノを頼んで昼食を取っていた。
ちなみにだが、ここのフード代もゲーム代も全部優正持ちである。マジュは此方の世界の金を持ってないからともかく、俺とリュウは払おうとしたが「ここは年上のワイに奢らせてくれ!」と押しきられてしまった。
実年齢で言うと俺達は30歳近くの奴と数万年生きた奴だから、
「楽しかったかマジュ!」
「うん!」
「遠くから来たマジュが此方の文化を楽しんでくれて嬉しいぜ」
「えエ、そうですネ」
「ところでリュウ」
「なんですカ?」
「俺、何か忘れてるような気がするんだよなぁ……」
「力男さんもですカ? 実は僕もそんなんですヨ」
「俺も俺も」
俺、リュウ、マジュの三人は頭を捻る。
うーん、なんだろうなぁ。ゲームセンターに何か忘れ物……はしてないな。ちゃんと持ち物全部持ってるし、何か落としたモノも無い。じゃあ何処か行き忘れた場所か? いやでも、ゲームセンターから直行で此方に来たからそれは無いか。むむむ、他に何か忘れてる事、忘れてる事……。
「あ、水無くなった。ちょっと持ってくる。他に誰が欲しい奴居るか?」
「お願い力男兄ちゃん」
「僕のもお願いしまス」
「ワイのも頼んだ!」
「はいよ~」
喉の乾きを忘れるまでに頭を回転させていた俺は、紙コップの中に水を全て飲み干す。
このまま考えても思い付かないし、丁度良いからと気分転換に自分含めた四人の水を補充しようと、俺は四人分の紙コップを持って給水器へと向かう。
「ふむ。やはりここに居たようだね」
「あ、ガク先輩」
給水器で水を補給しようとした時、誰かが俺の肩を肩を叩いてきた。いったい誰なのか確認すると、そこに居たのは途中から存在を完全に忘れてしまっていたガク先輩であった。
「まるで私の事を忘れていたような顔をしているね」
「な、なんのことだ?」
「まぁ良いさ。それより、そっちは楽しめたかね?」
「あぁ。バッチリだ」
俺は親指で席に座って楽しそうに話しているリュウとマジュを指して……あれ、優正居ないな。トイレか? でもきっとすぐに戻るだろうから別に気にしなくて良いか。
「ガク先輩の方はどうだ?」
「マホくん達を落ち着かせるのに苦労したね」
「何したんだよ……」
「いやなに。そんなに言い合いをしていたら嫌われると言ったら泣いてしまってね。感情を落ち着かせる為に、色んな所を回ってたのさ」
「それは、まぁ……大変だったな」
確かに「言い争ってたら嫌われる」と一喝すれば良かったな。なお、その後の問題はガク先輩が話した通り、結構面倒な事になるという。今度からそれを使おう、あくまで最終手段だけど。
「それでマホ達は何処だ?」
「マホくん達ならそこに座っているさ」
色んな場所をマホ達と回っていたガク先輩がここに居るなら、マホ達も同じようにフードコートに居るのだろうか。
俺はちょっとした疑問をぶつけると、ガク先輩はある席に指を指す。
そこには何処で手に入れたのか。
黒いサングラスと茶色いコートを着て、新聞を持ちながらマジュとリュウを見る姉二人と、目当ての人物が見当たらないのかキョロキョロと辺りを見渡す妹一人……つまりは、マホとワタカラと咲黄のブラコン組が居た。
「なんで三人揃って怪しい格好してるんだよ!?」
「色々話し合った結果、後ろから見守ろうと言う方向に落ち着いたようでね」
「見守るじゃなくて見張るの間違いだろ」
お巡りさんあの人達です、あの悪の組織のボスと魔法少女を捕まえてください。いや、実際に通報したりはしないけど。しないけど、明らかに職質受けるような格好なんだが。
俺受け入れたくないよ。あのバレバレな変装してるのが世界制服を企んでた組織の総師と、そんな組織から世界を救った魔法少女なんて。
「ん? あれって」
俺が現実逃避をしていると、
そして三人の背後から顔を出すようにスッと会話に混ざると、マホとワタカラは驚いて声を出そうとしたが優正に口を防がれ、咲黄は探していた兄を見つけた嬉しさからか、優正の腕にしがみついていた。
端から見れば優正がハーレム主人公か何かに見えるんだろうが、全員の性格や思考を知ってる俺から全く羨ましく感じない。そもそもあの場に居る全員相手を振り回す系だし、特定の相手にしか好意を向けてないからな。ハーレムのハの字も無い。
「何か小声で話してるな」
「ふむ。力男くん、君の念聴で聞き取れるかい? 私には読唇術があるけれど、君の方がより正確に読み取れるからね」
「読唇術ってなに。そんなの使えるって初耳なんだけど」
何処で学んだってか、いつからその読唇術使えるようになったんだよ。
つーかガク先輩の場合、俺の念聴と同じくらい正確に読唇術が使えそうなものだが……まぁどっちが確実か聞かれたら、口の動きを読む読唇術よりも、喋ってる内容が100%聞き取れて間違えの無い俺の念聴だろうけどさ。
『貴様か。突然背後から脅かすな』
『悪い! それで何してんだ!』
『目の保養だ』
『目の保養です』
『目の保養だよお兄ちゃん』
『なるほど目の保養か!』
誰かあの場に突っ込みを派遣してくれ。
明らかに納得出来ない説明ではあるが、優正からすれば納得の内容だったのだろう。三人の説明にウンウンと首を頷かせ、それ以上その格好にも説明にも深掘りする事は無かった。
『ところでお兄ちゃん。あっちに戻らなくて良いの? リュウくん達と一緒に行動してるんだよね?』
『用事が終わったらすぐ戻るぜ!!』
『用事?』
『おう。はい、これ使いな』
そう言って優正は財布から何枚かお札を咲黄に渡して……あれ、よく見たら全部万札じゃね? 妹やその友達だからって部分があるんだろうけど、奮発しすぎだろ。まだ中学生だよね? 何処からその金出てきたんだよ。もしかして今年のお年玉ずっと暖めてた? 今11月なのに?
『え? でも私ちゃんとお金持ってきてるよ? それにこれだとお昼の代金より多いし……』
『持っとけ持っとけ! それに余ったら遊びに使っておきな!』
『ありがとう。お兄ちゃん』
『おう!』
優正はその場を去るついでに咲黄の頭を撫でようとしたが、自身が不器用な事を思い出したのか、咲黄の髪をグシャグシャにしてしまうと考え、代わりに頭に置いた手で撫でるように優しく触った。
『あれが年上の貫禄……!?』
『魔法少女に敗北した時にすら感じなかったこの感情はいったいなんだ。まさか、精神的に敗北したと私自身が心で感じとっているのか……!?』
圧倒的な年上ムーヴを見せる一方で、何処かの姉達は優正の行動と自分達のこれまでを振り返って机に伏していた。
「ふむ。力男くん、どうだい?」
「優正から金貰った姉達が本来の
「私の読唇術で得た内容と一致しているね」
じゃあ俺が念聴使う必要無かったじゃねーか。
俺の方が正確だと言ってたのに、その俺と同等の内容を読み取ってたら、念聴使った意味ねぇよ。え、俺の超能力って意外と何の力無くても再現出来るの?
高度に発展した科学は魔法と区別が付かないって言葉があるけど、それの類義語で高度な人間の技術は超能力と区別が付かないって言葉あったりする?
「さて、私は席に戻るとしようか。今日のマホくん達は私に任せて、力男くんはそっちで楽しみたまえ」
「はいよー」
そうして俺達は会話も終わらせて、俺はマジュ達の元へ水を持って。ガク先輩は保護者としてマホ達の元へ戻るのであった。
ほい、水持ってきたぞ。ところで優正が居ないけどどうした? あぁ、他にどんなメニューがあったのか気になってフードコートをウロウロしてるのか。分かるわぁ、食べ終わった後でも何があるのか気になるよなぁ。
お、優正戻ってきた。
何か気になるものあったか? あー、特に無かったか。あぁそうだ。さっき気になるポスターを見つけたんだが、このデパートのマスコットがヒーローショーをするんだってさ。
なんでもペンギンの主人公が自慢の羽と脚を使って、バッタバッタと悪を倒すって書いてあって……ん、マジュ気になるか? よし。折角だし行ってみようぜ。
次回はガク先輩の過去話の予定です。あくまでは予定は未定ですけどね。
まともに小説書いたの久しぶりだから、ちょっと感覚が掴めない……むむむ。しばらく離れると感覚思い出すのに苦労するな。
【ふと思い付いたオマケ】
「ねぇガク先輩。ドーナツって何処までがドーナツなんだろうね」
「ふむ。ドーナツの定義についてかい? 勇子くん」
「うん! ほら、ドーナツって穴が空いてるからドーナツって言うじゃん。でも穴が空いてないドーナツは本当にドーナツって言うのかなって」
「穴が空いてないドーナツも定義はドーナツに当てはまるね」
「そうなの!?」
「生ドーナツと呼ばれているね。ドーナツ屋で売られている丸っこいフォルムにクリームが入っているモノと言えばイメージはつくかい?」
「えっ、あれもドーナツなの!?」
「あぁ。ところで何かドーナツについて気になる事でもあったのかい?」
「ほら、ドーナツって穴が空いてるから0カロリーって言うじゃん! だからドーナツって呼ばれるものなら、実質的に全部0カロリーで痩せるんじゃないかなと思って」
「0カロリーでも太るものは太るさ」
「ええ!?」
「それに勇子くんの理論だと0カロリーのモノを摂取し続ければ、体重が一桁を通り越して、マイナスになると思うのだがね」
「た、確かに……!」
「世の中に美味しい話なんて無い。近道を探して楽をしたいと思う暇があるなら、堅実に一歩ずつ前に進むのを優先すべきだね」
「うぅ。やっぱり自分で頑張るしか無いのかぁ~」
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