【完結】俺のクラスメイトが魔法少女な件   作:のろとり

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 中々体育祭の話に入りませんが、今章の内にやりたい事は全部終わらせておきたいんですよね。あと単純に体育祭の詳しい内容決めてない。数話に別れると思います。さすがに1話では終わらない。


第九十五話 私の後輩が相談な件さ

「力男くん、この前の薬の効果に調べるのを手伝ってもらったが……どうやら、超能力を使う際の最大体力が上がったようだね」

 

「どういう事だ?」

 

 授業が終わり、予定の無い生徒は帰宅している時間。私は体育祭の準備を手伝おうとしている力男くんを部室へと呼び出していた。

 

 この前は各競技の確認だったが、最近は看板作りや襷作成なども手伝っているようだ。マホくん達もそうだが、もういっそのこと応援団や体育祭実行委員にでも入るべきでは無いのかね?

 

 まぁその辺りは個人の話だから置いておこう。

 それよりも、以前力男くんを騙して飲ませた「元気が出る薬」の作用について調べた結果を伝えるのが先だ。

 

 もしかしたら程度で考えていたけれど、やはり力男くんの超能力と元気パワーは同一のエネルギーのようだね。彼がこの力を持ち始めた理由が気になるが、それを聞く場合は彼の過去を追及する羽目になりそうだ。残念ではあるが触れないようにしよう。

 

「ふむ。ゲームとして例えるのであれば、最大MPが増えたと言った方が分かりやすいかね?」

 

「ガク先輩、ゲーム用語知ってるんだな」

 

「実際に触ったことはあまり無いがね。知識として知っているだけさ」

 

 人に私の考えをより分かりやすく伝えるために、一応の知識として覚えているのさ。実際、今も小難しい言葉を並べるよりも、馴染みのある言葉に置き換えた方が力男くんは分かりやすいようだからね。

 

「今までの君の最大体力を100とした場合、薬を飲んだ今の最大体力は1000にまで膨れ上がっているさ。ただ……」

 

「言い淀んでどうしたガク先輩。何か酷い反動でもあるの?」

 

「そうじゃないんだ。ただ……」

 

「ただ?」

 

「君が1日の内に使う超能力を数値で表した場合、10行くか行かないか程度だから、宝の持ち腐れになっているのさ」

 

「うーんと、つまりは?」

 

「今の君は日本一周を徒歩で完遂出来る程の体力を手に入れた。ただし歩いて5分程度の場所にしか君は出掛けない、と言えば伝わるかね?」

 

「無駄な体力付いただけじゃねーか!」

 

 RPGに例えるならば、魔王を倒せるほどレベルもMPも上がったのに、初級呪文1日に数回しか使っていないのが今の力男くんだ。

 

 もしこれがマホくん達ならば良かったのだけれど、やはり副作用で気絶するのが痛いね。マホくん達が嫌がるのもそうだが、私としても気絶されるのは困るからね。力男くんやリュウくんならまだしも、魔法少女が1人でも欠けると戦いにすらならないのが現状のようだからね。副作用で気絶して戦えませんでした、なんて事になったら困るから、無理に飲ませるような事は出来ない。

 

 そもそもとしてこの薬を飲むと、必ずしも元気パワーが増加するとは限らないからね。元々は戦いの最中に回復する出来るようにと作ったはずなのに、どうしてか別の効果になってしまった。その原因が判明しない限りはマホくん達に渡せないさ。

 

「失礼しまーす」

 

「おや、勇子くんじゃないか。どうしたのかね?」

 

 私が薬の効能について考えていると、扉をノックする音が聞こえると共に、ガラガラと扉を開けて辺りを見渡している勇子くんが部室へと入ってきた。

 

「実はねガク先輩……ってあれ、力男くん!?」

 

「おーどうした。1人なんて珍しいな、ガク先輩に用事か?」

 

「う、うん。実はそうなの! アハハ……」

 

 ふむ。力男くんが居る事に驚いた点、苦笑いで何かを下手に誤魔化そうとする点。この2つから考えるに、勇子くんは私だけに話したい用事があるようだ。

 

 考えられる可能性は多くある……が、わざわざマホくんや力男くんではなく、私を直接頼ってきたとなるとアレの可能性が高そうだね。実際に心当たりもある。

 

「力男くん、勇子くんは私に用事があるようだ。すまないが席を外してくれ。女()の分かる君なら、理解出来るだろう?」

 

「ん? あー、そういう」

 

 私は自身の胸を2回親指で叩いて、力男くんにテレパシーを使うようジェスチャーをする。女心と言うヒントも与えたからか、力男くんは勇子くんが科学部を訪ねてきた理由が分かったようだ。

 

「ちょっとマホ達の様子見てくるわ。後で戻るから、荷物は置かせてくれ」

 

「ならついでに伝えておいてくれ。今手が放せないから、どうしても部室に用がある場合はドアをノックするようにとね」

 

「へいへい」

 

 適当な返事をして、力男くんは部室を出ていった。

 万が一勇子くんと話している間にマホくん達が来ても良いよう、力男くんに伝言は頼んだ。これで来たとしても、ノックがあるから会話が聞かれることは無いだろうね。部室も防音仕様に改造しているから、聞き耳を立てられても問題ない。

 

「さて、と……まず最初に勇子くん、これだけは伝えておこう。私は痩せる薬など作っていないさ」

 

「な、なんのことかな~」

 

「目が泳いでる時点で何も誤魔化せていないさ」

 

「うっ!」

 

「大方、パン食い競走の練習と称して食べ過ぎてしまったのだろう?」

 

「ど、どうしてそれを!?」

 

 やはり当たっていたようだね。

 まるで勇子くんは私をエスパーのように見ているが、本当のエスパーは力男くんである。私はただ、心当たりのある出来事から推測したに過ぎない。当然だが、私は勇子くんの全てを知っているわけではない。だからこそ外れている可能性も充分にあったのだが……どうやら私の予測は当たっていたようだ。

 

「どうしてと言われてもね。いつもこの場でお昼を食べているだろう? そして最近太ってきたとも、ここで話し」

 

「わー、わー、わー!」

 

「全く。何をそんな隠す必要があるんだい? まさか、ここに君と私以外の人間が居るとでも?」

 

「居ないけど。居ないけど、ハッキリ言われるのは乙女心に刺さるって言うか、なんというか」

 

 そう、私と勇子くん以外の人間はここには居ない。ただしニワヨウくん(妖精)は居るけどね。まぁそれは勇子くんは知らないし、私はあくまで「居ると思うかね?」と聞いただけで、2人しか居ないとは一言も言っていないさ。

 

「まぁ良いさ。ところで痩せる薬は無いが、痩せる為に努力出来る発明品ならあるさ。要はダイエット器具だね」

 

「どんなのか見せて!」

 

「任せたまえ」

 

 そう言って私は準備室へとモノを取りに行き、最近開発した発明品を勇子くんへと見せた。恐らく却下されるだろうけど、見せるだけならただだからね。それに、他視点からの意見も研究には必要だからね。

 

「まずはこれだね」

 

「これは……ガムテープ?」

 

「あぁ。これを口に貼れば何も食べずに済むさ。欠点があるとすれば、一度完全に貼れば丸1日は剥がせない事ぐらいだろうね」

 

「欠点しかないよ!?」

 

「やはり駄目か。食事出来ない点がお気に召さないかね?」

 

「それ以前の問題だよ!?」

 

 分かってはいたが、嫌なようだね。まぁ私としてもこれは欠陥品に近いモノだからね。欲しいと言っても、万が一の補償が出来ないから渡すつもりはなかったさ。

 

 元々これはニワヨウくんの魂と言う概念のような存在を、留まらせる方法があるか模索した結果の失敗作だ。仮の肉体にすら入れず、空気のように視認すら出来なくなってしまう可能性を危惧して作成したのだが、さすがに魂を縛ることは不可能であった。作ったのだからと一応保存してあるが、使い方を誤れば危険だから近い内に処分しておくべきだろうね。

 

「なら次はこれを勧めよう。前にマホくんと勇子くんに飲ませた、妖精になる薬さ」

 

「でもそれって、30分で効果が切れるんじゃ」

 

「私がその欠点をそのままにしてるとでも?」

 

「さっきのガムテープはそのままだったよね?」

 

「すまない。突然耳が遠くなってしまった、何か言ったかね?」

 

「聞こえないフリしても誤魔化せないよ!」

 

 あのガムテープは所謂ボツに相当するからね。改良する部分があるならまだしも、現状で改良の余地が見当たらない欠陥を直す暇があるなら、別の研究に手を付けたいのさ。

 

「あの時のをより改良して、効果を無制限にしたのがこの薬さ。当然だが、妖精になっている間は体重はそれ相応になる。実質痩せてると言えるね」

 

「言えないよ?」

 

「安心したまえ。人間に戻りたい場合は元に戻る薬を飲めば解決するさ」

 

「誰もその心配はしてないよ?」

 

 ふむ。これも気に入らなかったようだね……妖精になれば身体が小さくなるに比例して体重は減るのだから、それでも良いと思ったのだが、勇子くんは人間の状態で痩せたいようだ。

 

 正直に言うと、結果を求めるなら努力をするべきだと私は思う。それをズルして結果だけを手に入れても、その結果に意味は無い。だからこそ……そうだね。少し勇子くんには社会勉強が必要なようだ。

 

「う~。もっとこう、ちゃんとしたダイエット器具は無いの?」

 

「ふむ。君にとって一番の薬になるものはあるさ。このラムネ型のモノなんかは、1日1錠飲めば簡単に痩せる━━━」

 

「ありがとうガク先輩! やった~!」

 

「━━━と言うのは、よくある詐欺の手口だから気を付けるように。そう言おうと思ったのだがね」

 

 私が全ての言葉を言い終わる前に、勇子くんは正真正銘ただのラムネ菓子を片手に、何処かへと走り去ってしまった。ま、こう言ったものに上手い話なんて無いって知るのが勇子くんにとって一番の薬だろうね。

 

「全く。そんなに痩せたいのなら、元気パワーを使えば良いのだがね。私利私欲では意味無いだろうがね」

 

 私の推測が正しければ、元気パワーは奇跡を起こせる力である。マホくんとペンヨウくんがこの世界に来た方法だったり、魔法少女の存在と良い、これらは全て元気パワーありきである。だからこそ奇跡を起こせると考えているけれど、確実に合っているかは言えないね。

 

 奇跡の力なんて呼んでるが、 実際は元気パワーが関係しているのではなく、妖精と言う種族に世界と世界を渡る力が隠されている可能性や、妖精と人が近くにいれば魔法少女が誕生する可能性もある。ま、後者は私や力男くんが違う時点で可能性としては殆ど無いようなものだけどね。

 

「さて。勇子くんが騙されると知ってここに駆け込んでくるまで、妖精国から盗んだ歴史書とかを見ようではないか」

 

 時間は有限。調べても欲しい情報が出ないかもしれないが、ここで重要なのは「調べても欲しい情報が無かった」と言う結果なのさ。ズルとして読み飛ばしなんかして、重要な内容を見落とすなんて事はあってはならないからね。それなら何も無い方がマシなのさ。




 この話書いてて思ったこと
 「結果うんぬん言ってると、なんだかジョジョ思い出すな~」

 次回はダイエット出来る薬(ただのラムネ菓子)を渡された勇子のその後ですかね。予定は未定ですので、別の話になる可能性もありますが。

【第二回】好きなキャラアンケート

  • 超能 力男
  • マホ・ツカエール/スカイブルー
  • 赤元 勇子/スカイレッド
  • 長神 咲黄/スカイイエロー
  • 恋路浜 緑/スカイグリーン
  • ペンヨウ(マホの妖精)
  • ライヨウ(勇子の妖精)
  • フクヨウ(咲黄の妖精)
  • クラヨウ(緑の妖精)
  • アクロコ
  • リュウ/スリュウ・コマツール
  • アヤイト・コマツール
  • ワルインダーの総帥
  • 草加 ラン
  • 力学 心(ガク先輩)
  • 陸上部の部長
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