グレモリーの力を目覚めさせれば、後はリアスのレーティング・ゲームを書いて前編は終了となります。
リアスと分かれ、メイドさんに書斎まで案内された俺は山と積まれた本と格闘していた。
ジオティクスさんが、予め関連しそうな本を用意してくれてたみたいなので探す手間が省けたのは良いんだが、なにぶん数が多いこと多いこと。
図鑑のような本が百冊近くあるってんだから、神様印のチートスペックが無かったら、いったい何日掛かっていたことやら........................................
でも、やっぱりグレモリーの屋敷まで来たのは正解だった。『全把握』の力って言うから、てっきりマーリンみたいに『千里眼』に近い能力かと思ったら全然違ったからね。
どうやら『グレモリーの力』ってのは、『星の記憶 アカシック・レコード』に関わる能力らしい。
人間の身体のように星にもエネルギーが循環していて、そのエネルギーには血液のDNA情報みたいに様々な情報が含まれている。これが『星の記憶』だ。
そしてグレモリーの血液に含まれる特殊な因子が精神体に作用し、『星の記憶』と感応することでグレモリーの悪魔は『過去』『現在』『未来』の事象を知ることが出来るというわけだ。
ところがこのグレモリーの因子は、他の悪魔の血に比べて劣性遺伝らしく中々目覚めることがないみたいだ。『純血の悪魔』を欲している貴族からしたら、皮肉もいいところだな。
まぁ、そんなお貴族様のご事情はさておき、これで『グレモリーの力』についてはわかった。俺の【セブン・センシズ】でグレモリーの因子を活性化させて、【エイト・センシズ】で精神体に作用するようにすれば、リアスとミリキャスを『グレモリーの力』に目覚めるさせることが出来る。
そうとわかれば、さっそくリアスたちのところへ戻ろう。リアスたちの話もそろそろ終わっているだろうしね。
俺は待機していたメイドさんに調べものが終わったことを伝えると、またリアスたちがいる部屋に案内してもらった。
あ、ちなみに本については後で戻してくれるそうだから、そのままでいいって言ってくれた。感謝感謝♪
しかし、リアスたちがいる部屋に戻ってきた俺を待っていたのは意外な人物だった。
「呂布殿、お久しぶりでございます!」
メイドさんが部屋の扉を開けてくれると、リアスたちと談笑していたサイラオーグが椅子から立ち上がって出迎えてくれた。
久しぶりだね、元気してた?
「....................久しい................だが、サイラオーグが........................何故ここに?」
「それはサイラオーグにバアル産の果物を持ってきてもらうよう、私が頼んだからです。妻はバアル産のリンゴで作ったアップルパイが大好物でしてね。よくこうして持ってきてもらっているのですよ」
俺がサイラオーグに尋ねると、ジオティクスさんが代わりに答えてくれた。そうなんだ、じゃあ元々約束していたのに俺が横入りすることになったってことか....................................ごめんなさい。
「........................すまない、サイラオーグ....................邪魔をしたな」
「いえ、私はいつでも来れますし、叔父上からの用と言っても実際はただのお使いですので、お気になさらないでください」
良い人過ぎて泣けてきた。ホントにイケメン、というか『ナイスガイ』って感じだね~~~。原作でも人気が高かったのも納得だよ。
「........................そう言ってくれると....................ありがたい....................ところで........................ミスラさんは....................変わりないか」
「はい。リハビリの甲斐があってか先日、担当医より一時帰宅が認められました。生憎、まだ退院は出来ませんし、遠出することも叶いませんが................................それでも順調に回復しているとのことです」
「そうか............................それは何よりだ」
「はい、これも呂布殿のおかげです!」
いや、リハビリ頑張ったのはミスラさんだからね?そこはミスラさんの努力を讃えようよ。
でもまぁ、特に問題なく回復してるんだったら言うこと無しだね。何かあったら、また行くつもりだったけど、その心配は無さそうだ。
ところが、一安心しているとリアスの母親であるヴェネラナさんが前に出てきて、いきなり俺に向かって頭を下げた!何で!?
「呂布殿、サイラオーグから話を聞きました。ミスラを、我が一族の者を救っていただいたこと。深く御礼申し上げます」
ん?そりゃあミスラさんに目覚める『きっかけ』は与えたけど、何でヴェネラナさんがお礼言うの?確かにヴェネラナさんはバアル家出身だけど、もう家を出ているわけなんだから、頭まで下げる必要無くない?
「........................気にする必要はありません....................それに貴方が................頭を下げることもありません」
「いいえ、彼女と私は幼少の頃からの友人なのです。彼女がバアル家に嫁いで来たばかりの頃は、私がバアル家についてよく教えてあげたものです」
あ~なるほど、幼なじみってわけね。確かヴェネラナさんって、ソーナの母親とも友人だって原作では書かれてたし........................案外、主要キャラの親御さんと繋がりが多いのかもね。
「彼女がバアル家に来てからしばらくして、今度は私がグレモリー家に嫁ぎました。グレモリー家のことに慣れず、不安でいた私のことをミスラはよく励ましてくれました」
「初耳です、母上や叔母上にそのような時期があったのですね」
「ええ。その後も二人でたまに会ったりしていたのですが................................彼女が病に倒れ、目を覚まさなくなったと聞いた時は目の前が真っ暗になりましたわ。
ですので彼女の友人として、またこの場にいない彼女に代わり、呂布殿へ御礼を申し上げたいのです」
ふ~~ん、そんな間柄だったんだぁ~~~。でもまぁ事情はわかったし、お礼はサイラオーグからたくさん言われたから、もう十分だよ。
「............................わかりました................なら............ミスラさんに....................会いに行ってあげてください....................それで十分です」
「っ~~~~~、呂布殿............................はい、彼女の好きなバアル産のリンゴで作ったアップルティーを持って、会いに行きます........................!」
俺がミスラさんに会いに行くよう伝えると、ヴェネラナさんは涙を指で拭いながら、笑顔で答えてくれた。
しかし、ヴェネラナさんはアップルパイが好きでミスラさんがアップルティーが好きなのか~~~。そんなに美味しいのかね、バアル産のリンゴというものは................................少し分けてもらえないかな。
「そうだ、呂布殿。せっかくですので、バアル産の果物をいくつか持ってかれてはいかがですか?」
俺がお裾分けしてもらえないか考えていると、サイラオーグから丁度良く魅力的な提案をされた!
「................................いいのか?」
「はい、たくさん持ってきておりますので是非。構いませんよね、叔父上」
「もちろんです。味については保証しますので、是非持っていってください」
ホントにいいの?やったね♪いや~~実はずっと気になってたんだよね。わざわざリアスの実家まで来た甲斐があったよ♪
「ただ、その代わりと言っては何なのですが........................呂布殿に一つお願いがございます」
和やかな空気から一変して、真剣な表情を浮かべるサイラオーグ。お願いって何だろ?別に構わないけど、あんまりお金や時間が掛かることは勘弁してね?
「....................................何だ?」
「はい............................呂布奉先殿。どうか私と一度、手合わせをしていただけないでしょうか!世界最強たる御身の力、一度この身で受けてみたく存じます!!」
「「「「「!!!!!」」」」」
「ちょっとサイラオーグ、正気なの!?呂布様の強さを知らない貴方ではないでしょう!?もちろん貴方の強さは理解しているけれど、それでも呂布様の強さは次元が違いすぎるわ!?」
「リアス、そんなことはわかっている。俺とて『深紅の武人』に勝てると思うほど愚かではない。ただ知りたいのだ、今の俺の力が............................俺が積み重ねてきたものが、世界最強たるこの御方にどこまで通用するのかをな」
「サイラオーグ........................................」
この場にいる皆がサイラオーグからの意外な提案に驚きつつ、リアスが止めに掛かる。だが、サイラオーグはそれでも揺るがぬ思いを語った。
「止めても無駄だよ、リアス。サイラオーグの性格は理解しているだろう?それに、強さを追い求める者ならば、呂布殿と『戦いたい』と思うのは当然のことだ」
「お兄様まで!?よろしいのですか、このようなことをお認めになったりして!?」
「本当は良くないのだろう。ただサイラオーグの気持ちもわかるから、無理に止めたりはしないさ。もちろん、呂布殿がお受けしていただければの話だけどね............................それでいかがでしょうか、呂布殿。無論、ご都合が良くないとのことであれば、お断りいただいて構いません」
リアスに詰められながらも、サイラオーグの頼みを認めたサーゼクスが俺に尋ねてくる。
ん?手合わせって、スパーリングとかそんな感じでしょ?なら、大して時間も掛からないだろうから問題ないよ。あ、でも先にリアスとミリキャスの件を済ませたいな。
「コクン........................別に構わない................ただ先に....................こちらの用件を....................済ませたい」
「っ~~~~、もちろんですとも!お引き受けいただいただけで、このサイラオーグ感無量です!!」
「スゴい!呂布様とサイラオーグ兄さまが闘うのですね!!」
「ほう、これは良い機会に恵まれました。呂布殿、我が家の訓練場をお貸しいたしますので、存分にお使い下さい。なに、跡形も無く壊してくださって構いません。『深紅の武人』の闘いを見れるのならば安いものです。ハッハッハッハッ♪」
サイラオーグの頼みを承諾するとジオティクスさんが場所を提供してくれた。いやいやいや、跡形も壊すって。そこまでド派手に闘ったりはしないですよ。
こうしてバアル産の果物をもらうため、サイラオーグと軽く手合わせすることになった俺は、ジオティクスさんの案内でグレモリー家所有の訓練場へ向かうことにした。
応接室から出て、しばらく歩くとイタリアのコロッセオみたいな場所に連れてこられた。もちろんあの部屋にいた全員で来ている。
それにしてもデッカイな~~~、清掃とか大変だろうに。あと維持費とかも馬鹿にならないでしょ。
そういえばコロッセオの維持のための修繕費には莫大な費用が掛かるって聞いたことがあるな。
「グレモリー家所有の訓練場は領内に複数ございまして、主に私兵の訓練や式典に使われております。こちらの訓練場は年に一度の練武会で使われており、特に頑丈に作られていますので、ご不便はないと思われます」
ふ~~~ん、グレモリー家の私兵って警察みたいに領内の治安維持や取り締まりとかやってるのかね。確かグレモリー領って日本の本州ぐらいの広さがあるんだっけ?そりゃあアチコチに訓練場が必要になるわな~~~。
まぁそれはそれとして、さっそくリアスとミリキャスを『グレモリーの力』に目覚めさせるとしますか。
「........................始めるぞ................リアス、ミリキャス....................上着を脱いで....................背中を向けてくれ」
「はい!」
「わかりました」
俺が伝えるとミリキャスもリアスも上着を脱いで、背中を見せてくれる。リアスも二回目ということで、最初みたいに恥ずかしがったりはしていない。
ちなみにサイラオーグは後ろを向いてくれている、紳士だね~~~。
俺はまず『セブン・センシズ』で血液の中にあるグレモリーの因子を活性化させる。そして骨髄に含まれている『造血幹細胞』にアクセスして、活性化したグレモリーの因子を含んだ血液が作られるよう調整する。
ただミリキャスは子どものため、肝臓から血液が作られるので、肝臓も調整しなければならない。
次に『エイト・センシズ』と『仙術チャクラ』を使って、グレモリーの因子と精神体を繋げる。これでグレモリーの因子が二人の精神体にそれぞれ作用して、『星の記憶』を読み取ることが出来るはず。
ただし、このままだと大量の情報が流れてきて脳がパンクしてしまう。だから、封印を施して読み取れる情報量を調整しなければならない。
そこで二人の魔力を使い、精神体の強度で引き出せる情報量を調整出来るよう、封印の術式を組む。この辺りはオーフィスとグレート・レッドの時のように四象封印と八卦封印で何とかなるな。
一つ目の封印で入ってくる情報量を制限し、二つ目の封印で引き出せる情報量を調整。後はギャスパーのように『鍵』を使って情報を引き出せるようにすればいい。
『鍵』か........................やっぱりギャスパーみたいに『キーワード』が良いかな。でも、どんな『キーワード』にしよう。ギャスパーの時はすごくわかりやすかったから、すぐに決まったんだけどな~~~~。
う~~~~~ん、『悪魔』『王』『紅』『全把握』........................仕方ない、厳密には違う能力だけど『時間』に関係する能力だし問題ないか。
「........................終わったぞ................もう上着を着てもいい」
「はい、ありがとうございます!」
「ありがとうございます、呂布様。ただ、あまり変わった感じはしないのですが............................」
「........................そのままだと................情報が多すぎて....................脳がパンクするから....................封印を施している........................『鍵』を使わなければ....................『グレモリーの能力』は使えない」
「そうなんですね。お気遣いいただき、ありがとうございます」
「なるほど~~。ちなみに『鍵』とは何でしょうか?」
「『キーワード』は........................『キング・クリムゾン』........................魔力を練りながら....................唱えてみろ」
「「はい!」」
『キーワード』を教えると魔力を練り始めるリアスとミリキャス。時間を吹っ飛ばす能力ではないけど、『未来を見る』という部分は合ってるから問題無し!だって、他に思いつかなかったんだもん!!
「「『キング・クリムゾン』!!!」」
パァァァァァァァァァァァァァァ............................
リアスとミリキャスが『キーワード』を唱えると二人の魔力が赤い光の粒子となって、身体を包み........................しばらくすると消えた。
へぇ~~、『滅びの魔力』は赤黒い魔力だったけど、『グレモリーの魔力』は赤く光ってるんだな。
「............................何が見えた」
「はい。呂布様とサイラオーグが向かい合っている映像が見えました」
「ボクは呂布様がボクとリアス姉さまの背中に手を当てている光景が見えました」
ふむふむ。どうやらこの場所の記憶でリアスは『未来』を、ミリキャスは『過去』をそれぞれ見たらしい。ただ目覚めたばかりなので、見れる情報はせいぜい数秒から十数秒といったところか。
「........................訓練すれば................遠い事象や................知りたい情報を....................選べるようになるはずだ」
「はい!ありがとうございました、呂布様。ボク、これから頑張ります!!」
「私も。呂布様に目覚めさせていただいたこの力を使いこなせるよう、『王』として日々精進することを誓います」
『グレモリーの力』を実感したミリキャスとリアスは真剣な顔で意思表明をしてくる。若いね~~~、オシサン思わずホッコリだよ。
さて、当初の用事も済ませたことだし、果物をもらうためもう一踏ん張りしますかね。
「........................待たせたな、サイラオーグ................始めるか」
「いえ、非常に興味深いものを見せていただきましたのでお気になさらずに。世界最強たる御身の胸、お借りします」
俺が呼ぶと闘志をみなぎらせたサイラオーグが前に出てくる。やる気満々だね、軽く手合わせするだけなのに。
「サイラオーグ、本当にやるの?何度も言うけど、呂布様の強さは別次元よ」
「当然だ、リアス。俺の憧れであり、目標でもある御方がこうして俺なんかの申し出を受けてくださったのだぞ?この好機を喜ばずして、何がバアル家の次期当主か!」
「そう........................なら、存分におやりなさい。骨は拾ってあげるわ」
「頑張ってください、サイラオーグ兄さま!」
ミリキャスはサイラオーグを応援するが、サイラオーグの決心が固いことを理解したリアスは皮肉混じりに諦めて離れていった。俺の応援は誰もしてくれないのね....................グスン。
あ、そうだ。せっかくだしサイラオーグも『バアルの力』に目覚めさせようか?アレは何度も見てるから、すぐに目覚めさせられるよ?
「サイラオーグ........................『バアルの力』は...............目覚めさせなくて....................いいのか」
「っ........................お気遣いいただき、ありがとうございます。せっかくのお申し出ですが、遠慮させていただきます。
俺には母よりいただいたこの身体があります。俺の夢を叶えるには、この身体があれば十分です。『バアルの力』は必要ありません」
あら、そうなの?そういえばサイラオーグの夢は『才能が無くても、努力次第で生きていける悪魔社会を作ること』だったよね。
そう考えると確かに『バアルの力』はむしろ邪魔だね。こりゃ失礼、余計なことを言ってゴメンね。
「そうか............................では始めるとするか」
「はい!よろしくお願いします、呂布殿!!」
俺が構えるとサイラオーグは上着を脱ぎ、オーラを迸らせた。やっぱりサイラオーグもオーラが使えたか、しかもオーラの総量だけなら曹操と同じくらいだ。
こりゃあ、匙や一誠が苦戦することは必至だな。
「参ります!!!」
オーラを纏ったサイラオーグが俺に向かって突進してくる!!!!
リアスの能力は『キング・クリムゾン』という形で発現させてみました。
ですが、あくまで『その場所の記憶を読み取る』能力ですので、時間を飛ばすことはありません。
ディアブロみたいに本家本元の『キング・クリムゾン』はぶっ壊れもいいところですので。
それでは皆さん、次回で♪
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