胸糞な描写がありますが、話の展開上、仕方ないということでご容赦願います。
アザゼル先生と別れた俺たちは控え室に向かって、長い廊下を歩いていた。
すると、反対側から別の集団がやって来る。あれは............................
「ごきげんよう、リアス・グレモリー。今日はよろしくお願いします」
「ええ。ごきげんよう、シーグヴァイラ・アガレス。こちらこそ、よろしくね」
彼女はシーグヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主で今日の俺たちの対戦相手だ。
最初に会った時同様、クールなイメージがソーナ会長を思わせるんだよな~~~、眼鏡も掛けてるし。
アガレスはグラシャラボラスに不戦勝しているため、今日が初めてのレーティングゲームだ。不戦勝の理由は、サイラオーグさんがグラシャラボラス家の次期当主であるゼファードルの心をレーティングゲームでへし折ったから。
つまりグラシャラボラスがリタイアしたことで、現状はバアルとシトリーが二勝ずつで、アガレスが一勝。俺たちグレモリーが一勝一敗ってわけだ。
サイラオーグさんと会長の今後の戦績次第では俺たちだって、十分巻き返せる。だから、この試合は何としても勝たないとな!
しかし、こうして見ると16人フルメンバーで揃っているってのは圧巻だよな。何せこっちの倍の人数がいるわけだし。『王』は除くとして、単純計算でもこっちは一人で二人以上倒さなくちゃいけないわけだ。
やっぱり数の差ってのは大きいんだな~~~~。もっとも、数の差を物ともしない御方が俺たちの近くにいるわけだけれども。
ちなみに当の御本人は今日、この会場には来ていない。何でも会長たちに『チャクラ』?のコントロールを教えるって言ってたので、今頃ソーナ会長たちは阿鼻叫喚していることだろう。
なので俺の監視役として、今回はヴァーリが来てくれることになっている。そのヴァーリは昨日、高天ヶ原で修行してたので、そのまま天照様と一緒に来るそうだ。
よ~~し、たくさん倒して神様たちをアッと言わせてやる。幸い、敵は16人もいるわけだからな!
ところが俺が意気込んでいると、アガレスの眷属が俺に話しかけてきた。
「これはこれは、最近話題の赤龍帝様ではありませんか♪」
「聞きましたよ~、何でも『覇龍』を使って日本を滅ぼそうとしたとか♪」
「それで日本神話群を怒らせて、危うく戦争になるところだったとか?」
「しかもそのせいで四大魔王様に頭を下げさせたって話じゃないですか?」
「そのうえ、主であるリアス・グレモリー様を次期当主の座から追いやったって聞いてますよ?」
「赤龍帝の『赤』は主に赤っ恥をかかせることから来てるんですか~~?」
「いやいや、自分で恥かいて赤くなってるだけだろ?」
「ププ、お前っ、それ上手すぎ!」
「「「「ギャーハッハッハッハッハッハッッハッ!!!」」」」
なっ、何だコイツら!? 試合前の動揺を誘うためか何だか知らないが、さすがにコレは褒められたやり方じゃねーぞ!?
............................でもそうか、俺のことが噂になってるのか....................ってことは部長の家族も知ってるってことだよな。
昨日、お会いした時に何度も謝って『これからの頑張りで報いてくれればいい』って言われたけど、きっと他の貴族からも色々と言われてるんだろうな。
噂のことを言わなかったのは、俺に気を遣ってくれてたのかもしれない............................本当に申し訳ないことをした。
「リアス様は何でこんなヤツを眷属のままにしておくんですか~~?」
「そうそう、こんなヤツさっさと追放して新しい眷属見つけた方が良いですよ?」
「そうですよ。駒八つも使う価値無いですって、こんなヤツ」
コ、コイツら、今度は部長にまで絡み始めやがった! でもまぁ、俺がバカにされる分には自業自得だし別にいいか。
「決まってるわ。彼を追放しないのは、彼が私の愛すべき眷属だからよ。それに彼の価値は駒八つでも少ないくらいだわ。
だって彼は『歴代最高の赤龍帝』で『冥界最高の兵士』になる男だもの。彼は私にそう約束してくれたわ」
「............................『歴代最高の赤龍帝』で『冥界最高の兵士』って、まさか本当にその言葉を信じてるんですか?」
「もちろんよ、私は彼の『王』だもの。『王』として眷属の言葉を信じるのは当然でしょう?」
アガレス眷属の挑発を一切気に留めず、冷静に堂々と俺のことを『信じる』と言ってくれる部長。
部長、そこまで俺のことを信じてくれるなんて........................俺、部長の眷属になれて良かったです! 惚れ直しました!!
「プッ、クククククク、アーハッハッハッハッハッハッ♪ おいおい聞いたか、お前ら。このリアス・グレモリー様は、この赤龍帝様を信じてるんだとよ!」
「クククク、しかも言うに事欠いて『歴代最高の赤龍帝』で『冥界最高の兵士』って、クククク、冗談にしちゃあ面白すぎるだろっクククク」
「成れるわけないのにね~~~、こんなヤツに♪」
「まぁまぁ、そう言うなよ。信じるのは自由だし、こんなヤツの主をやるんなら、こんな夢でも見てないとやってられないってことだろ?」
「こんなヤツが『冥界最高の兵士』? ありえねーだろ。そう言うのはウチのアリヴィアンくらい強くなってから言えっての」
「そうそう。だって、アリヴィアンは今回の若手悪魔眷属の中で唯一の『中級悪魔』だもんな。なぁ、アリヴィアン?」
「........................................................」
「何だよ、ノリ悪いな~~~。せっかくリアス・グレモリー様が渾身のギャグをかましてくれたって言うのに................................」
俺が部長に感動しているとコイツらが今度は部長を笑いやがった!
おいおい、俺のことを笑うなら構わねーけど、流石に部長を笑うのはやり過ぎなんじゃねえか? 下級悪魔が上級悪魔に突っ掛かっていいのかよ........................って、ライザー・フェニックスに喧嘩吹っ掛けた俺が言えたことじゃねえか。
けど、部長はグレモリー家の貴族........................って、俺のせいで次期当主じゃなくなってんだった。
俺のせいで部長がバカにされてるのに、何も言い返せない。これも全て俺が『覇龍』で暴走しちまったからだ。
木場たちも部長がバカにされてるのを見て、悔しさと怒りを必死に我慢している様子だ。
ゴメンな、みんな。俺のせいでこんな辛い思いをさせちまって............................................。
部長に恥をかかせてしまったこと、そんな部長を前にしても皆に何も出来ない状況を作ってしまったこと、俺は心の中で何度も皆に謝った。
だが、俺たちが何も言えないことに調子に乗ったコイツらは................................
絶対に言っちゃならないことを口にした。
「さすがは『情愛』のグレモリー様だ、お優しいことで♪ でもここまで能天気なのも問題だよな」
「もしかして、次期当主じゃなくなったのってこの性格が原因なんじゃね?」
「ありうるな。こんな調子でグレモリー家の当主になられたら困るもんな」
「ところでよ~シーグヴァイラ様の父君の話だと、コイツ自分の両親の命を使って助かったんだろ?」
「そうそう。自分の子供に命を吸いとられるってどんな気持ちなんだろうな。コイツの親が可哀想に思えてくるわ」
「でもまぁ、こんなヤツの親なんだ。きっとロクでもない親に違いないぜ?」
「それもそうか。あ、そう言えばソレをやったのって、あの『深紅の武人』って話じゃなかったか?」
「そうなのか? じゃあ『深紅の武人』は一般人を手に掛けたってことか? それ、最低じゃね?」
「でも、強いからお咎め無しってか? いいよな~~、『世界最強』ってのはさ。ヤリたい放題好き勝手生きられるんだもんな~~~」
「だよな~~~。いっそのこと俺もなってみるか、『世界最強』ってのにさ♪」
「おっ、いいね~~~。なっちまえよ、オマエ才能あるしさ。んで、独立したら俺を眷属にしてくれ。そうすれば俺もヤリたい放題出来るからよ」
....................................何だろうな。何でかコイツらには怒りよりも、哀れみの方が感情としては強いんだよな。
コイツらがどれだけ頑張っても、呂布さんの足元にも及ばないことは頭の悪い俺にだってわかる。そんなことすら分からないコイツらが、俺の目には井の中の蛙がさえずっているようにしか見えない。
才能がある? 強ければ何をしてもいい? 『世界最強』はそんな安い称号ではない。その程度の認識でしかないコイツらが可哀想に思えてくる。
断言してもいい。コイツらに負けることは絶対にない! もし、こんなヤツらに負けるようなら俺に生きている価値は無い!! 呂布さんと築き上げた俺たちの努力がこんなヤツらに劣るわけがない!!!
っ........................そうか。あの時の匙もこんな気持ちだったんだ。いや、匙だけじゃない、会長たちもだ
あの時、前回のレーティングゲームの試合前。俺はちょうどこの場所で、たまたま出くわした会長たちのことを笑った。
今よりもずっと弱かった俺は、呂布さんの凄さを全く知らなかった。基礎とは言え、呂布さんの修行の過酷さと質の良さも全然理解してなかった。
自分だけが大変な思いをしたと勘違いして、自分だけが強くなったと自惚れてた。だから、大した根拠も無いのに会長たちのことを笑えたんだ。
本当に強い人は相手のことを笑ったりはしない、ましてやバカにするなんて絶対に無い。そんなことは呂布さんを見ていれば分かる。
あの人は俺たちと出会ってから一度だって、俺たちのことを笑ったりバカにしたりはしなかった。自分よりも遥か格下の俺たちのことを、いつも俺たちと同じ目線で見てくれた。
呂布さんは言っていた、『相手や自分の強さが分かるのも強さのうちだ』って。相手の強さがわかるってことは、決して相手を見くびったり下に見たりはしないってことだ。
恐らく会長たちも、そのことを呂布さんを通して知っていた。そして今の俺たちのように呂布さんと築き上げた努力が、そんなことも分からないヤツに負けるはずがないって確信していた。
その確信が雰囲気にも現れていた。やっぱりあの時、会長たちの雰囲気が変わっていたのは見間違いなんかじゃなかったんだ!
............................ああ、なんかようやく匙と同じ土俵に上がれた気がするわ。そのことに気が付かせてくれたこと『だけ』にはコイツらに感謝しないとな。
「........................ありがとな」
「「「「!!!!!」」」」
「あん? 何だよ、いきなり。どういう意味だよ?」
「ん? いや、いい。こっちの話だ、気にしないでくれ」
「何だ、コイツ。バカにされてるのに笑ったりして、気持ちワリイな」
「.......................................................」
俺が一応、お礼を言うと気味悪がるアガレス眷属たち。まぁいいさ、コイツらには一生分からないことだろうからな。
それにしても、あのアガレスの『女王』。さっきから一切喋らないけど....................................強いな、それにドラゴンの気配もする。ドラゴン系の神器でも持ってんのかな?
いずれにしても、あの『女王』は警戒が必要だな。若手悪魔の全眷属の中でも唯一の『中級悪魔』だって話だし。
「アナタたち、いい加減にしなさい。アガレス眷属として、これ以上みっともない姿を晒すことは許しません」
コイツらのあまりの態度の悪さを見るに見かねたシーグヴァイラさんが注意すると静まる眷属たち。さすがのコイツらも主に逆らうようなことはしないんだな。
何かますます以前の俺を見ているようで、だんだん自己嫌悪になってきた....................................。
「申し訳ありません、リアス・グレモリー、そしてグレモリー眷属の皆さん。我が眷属の非礼をお詫びいたします」
「気にしなくていいわ。それよりも今日の試合、お互いに【全力】を尽くしましょう」
「はい、ありがとうございます。それでは試合でお会いしましょう。失礼します」
シーグヴァイラさんが謝ると微笑みながら返す部長。自身の謝罪を受け入れられたことに安堵したシークヴァイラさんは、眷属と共に自分達の控え室へと向かっていった。
だが、何故か『女王』であるアリヴィアンさん?だけが残り俺に近づいてきた。
スッ................................
「リアス様、赤龍帝殿、そしてグレモリー眷属の皆様。我が同胞が非礼を働いたこと、深くお詫び申し上げます。また我が主はその身分故に軽々しく頭を下げられませんので、どうかコレでお許し願いたい」
突然、アリヴィアンさんが俺たちの前で頭を下げてきた! いきなり頭を下げられて、困惑する俺たちだが部長が頭を上げさせる。
「貴方の謝罪を受け入れます。だから、頭を上げてくれないかしら」
「はい。貴女の慈悲に感謝いたします、リアス様。それでは失礼いたします」
部長に言われ、頭を上げるとアリヴィアンさんは優雅に一礼して去っていった。あの立ち振舞いと歩き方、やっぱりタダ者じゃないな。あの人と戦う時は注意しないと!
「「「「「「..........................................」」」」」」
シーグヴァイラさんたちがいなくなって、シーーーンと静まり返る廊下に佇む俺たち。何か試合前で既にお腹いっぱいなんだけど................................。
「................................ふう。よし、落ち着いたわ。ごめんなさい、皆。私のせいでイヤな思いをさせたわね」
「そんな! 部長は何も悪くないですよ!! 悪いのは『覇龍』で暴走した俺なんですから!!!
皆もゴメン。俺のせいで部長がバカにされるようなことになって............................!」
「一誠くんが謝ることはないよ。確かに一誠くんは『覇龍』で暴走したけど、それでもそのことを彼らにバカにされる筋合いは無いよ」
「そ、そうですよ、イッセー先輩。だから、その、気にしないでください」
「そうです。あんな人たちの言うことなんて、気にするだけ損です」
俺が謝ると皆は俺のことを気遣い、気にしないように言ってくれる。皆の優しさに泣きそうになってくるけど、それはそれ、これはこれだ。いくら皆がいいと言っても、俺だけは忘れちゃいけないんだ。
「ありがとう、皆。私の眷属は仲間想いで主として誇らしいわ。
それにしてもイッセー、さっきはよく我慢したわね。今までのアナタなら、あの場で殴りかかってたでしょうに」
「え? あ、いや~~別に怒ってないわけじゃないんですよ? ただ、ほら、俺も会長たちに似たようなことしたんで........................だから、アイツらへの怒りよりも自分のバカさ加減に腹が立ったって言うか........................まぁ、それを教えてくれたことについてはアイツらに感謝してますよ」
「っ........................そう、アナタも成長しているのね。主として嬉しいわ♪」
「本当ですね。あの人たちに急にお礼を言った時はどうしたのかと思いましたけど、そういう理由だったんだ」
「イッセー先輩、何かスゴくカッコ良く見えます!」
「コクン」
何でか知らないけど、皆が俺を褒めてくれる。俺としては正直、黒歴史みたいで恥ずかしい限りなんだけどなぁ。
「さあ、控え室に行きましょう。気持ちを切り替えて、試合に望まないと............................だから、朱乃。アナタもイッセーを見習って、その殺気をいい加減抑えなさい」
「............................リアス、あの方たち................私に殺らせてくれないかしら?」
「ハァ、気持ちはわかるけど、それはゲームの内容次第よ。とりあえず今は我慢なさい............................『私たち』だって、我慢しているんだから」
「....................................わかったわ」
部長の説得により、ようやく落ち着いた朱乃さん。アイツらが呂布さんをバカにした瞬間、朱乃さんの気配が変わった。
表には出さないようにしていたけど、いつ雷光をブッ放してもおかしくないほどの殺気が内に秘められていた。
アイツらお構い無しに言いたい放題だったけど、危うく自分たちが死んでたかもしれないって気付かなかったのか?
いや、『女王』であるアリヴィアンさんだけは気づいてたっぽいな。朱乃さんを警戒していたみたいだったし。
何はともあれ、部長の言う通り『今は』我慢して俺たちは控え室へと向かった。
アイツら............................部長だけじゃなく、俺の両親までバカにしやがった......................挙げ句の果てには呂布さんまで................................覚悟しておけよ。試合が始まったら、俺たち全員....................................
こんなに優しくねえからな........................!!!
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リアスたちと別れた俺は一人VIPルームで酒を飲んでいた。サーゼクスやヴァーリもまだ来てねえし、他にやることも無いからな。
それに何より........................................
「いや~~~、今日はアガレス家の次期当主、シーグヴァイラ嬢の試合ですか。楽しみですな~~~」
「聞くところによると、彼女の『女王』は既に中級悪魔入りを果たしているそうですよ」
「ほほ~~う、流石は大公の娘様だ。良き眷属を集めておられる」
「まったくですな。いやはや、あの若さで大したものだ」
「それに引き換え、リアス姫は........................」
「ええ、何でも日本であの赤龍帝を暴れさせたとか........................」
「まったく、自分の眷属も管理できないとは何とも情けない」
「ええ、しかも神々の前で魔王様方に頭を下げさせたとか................................」
「やれやれ、グレモリー卿も気の毒に。これは次期当主がミリキャス殿になったのは、却って良かったかもしれませんな」
貴族悪魔どもの話が嫌でも耳に入ってきて、とてもじゃないが酒でも飲まないとこの場にはいられないからだ。
アガレスのことを評価するのは、まぁ良い。実際、ヤツの『女王』は若手悪魔の眷属の中でも唯一の中級悪魔らしいからな。
だがリアスについては、何もしなかったお前らにアレコレ言われる筋合いは無えぞ。あの件は魔王や俺たちもそうだが、呂布が動いてくれたからあの程度で済んだんだ。
呂布が動かなかったら、お前らも無事じゃ済まなかったってことを分かってんのか?
それに今のリアスたちを知らないお前らに、リアスたちのことをバカにする資格は無え........................とは言っても、前回の試合では俺もソーナたちにけっこう好き勝手言ってたからな。
だから、俺もその点については貴族どもを責めることは出来ねえ。でも、だからこそ自分の身を振り返ることもしねえアイツらを見てると無性に腹が立つ!
本来なら全力の光の攻撃を食らわせてやりたいところなんだが................................さすがにそんなことは出来ねえからな。こうして酒を飲んでるしかないってわけだ。
「ずいぶん不機嫌そうだな、アザゼル」
「ん? おう、来たのかヴァーリ。どうだ? お前さんも一杯」
「遠慮しておく。酒はどうにも好きになれなくてね」
「そりゃあ人生の半分を損してるぜ? よし、今度俺に付き合え。俺が酒の良さを教えてやる」
「断る。そんなに相手が欲しいなら、呂布でも誘ってみたらどうだ? 彼は『蒼天の紅旗』のメンバーとたまに飲んでいるし、神々からも良い酒をもらっているらしいからな」
マジか!? 神の手による醸造酒か....................飲んでみてえな。いや、でもさすがに呂布を飲みに誘うのはマズイ。どうにか酒だけでも譲ってもらえないか聞いてみるか。
「そういえば、ヴァーリ。天照たちはどうした。一緒に来なかったのか?」
「いや、一緒に来たさ。天照ならホラ、あそこで魔王たちと話している」
ヴァーリが顎で指すとそこには天照を含めた主神たちに頭を下げているサーゼクスたちがいた。全然気付かなかったぜ、貴族たちの話が耳障りで外の情報をシャットアウトしてたからな。
サーゼクスが頭を下げているのは、たぶん呂布にリアスの『グレモリーの力』を覚醒させた件ってところか。
アレに関しちゃ、呂布から言い出したことなので断ることが出来なかったってのが建前ではあるが........................まぁ、悪魔にとっては得しかないからな。神々が釘を刺すのも無理はない。
「アザゼル....................兵藤一誠の仕上がりはどうなんだ」
ほう、珍しいな。コイツがイッセーについて聞いてくるなんてな。普段はイッセーのことをそこまで気にはしてない感じなんだが............................呂布が面倒を見ているからか、それとも白龍皇としての性か。
いずれにしても、コイツが他人に興味を持つのは良いことだ。これも学校に行かした影響なのかもな。
「あ~~~まぁ、とりあえず形にはなったってところだな」
「そうか........................呂布は兵藤一誠を『歴代最高の赤龍帝』になれると言っていた。本当になれると思うか?」
「まぁ、普通に考えたら無理だって思うわな。実際、『才能』という点についてはアイツは間違いなく最低だ。
でも、最近のアイツを見ていたら『不可能じゃない』って思っている。何せアイツを鍛えているのが『不可能を可能にした』男だからな、期待もするさ」
「期待、か....................そうだな。呂布がいるなら、俺もせいぜい期待させてもらうとするか」
「何だ、イッセーに興味が出たのか? それは『白龍皇』としてか? それとも『ヴァーリ』としてか?」
「両方、と言っておこう。俺の目標は『世界最強』だが、そのためには倒さなくてはならないヤツが多い。
俺が呂布と戦うのは『呂布以外の強者』を全て倒した後だ」
『世界最強』、か。コイツの頭の中にあるのは徹頭徹尾、そのことだけだな。ある意味で純粋、悪く言えば頑固。もっとコイツには視野広く生きてもらいたいんだがな。
「呂布はグレート・レッドに挑んだ時、グレート・レッドを除く誰よりも強かった。それが頂点に挑む者の最低限の礼儀だ。呂布に挑むのなら、俺もそれに倣うことにするよ」
「ふ~~ん。それで? ヴァーリ、お前の仕上がりはどうなんだ? 『龍闘気』、会得出来たのか?」
「そうだな............................................」
『ご来場の皆さまにお伝えいたします。間もなく、リアス・グレモリーとシーグヴァイラ・アガレスのレーティングゲームが開始されます。繰り返します............................』
おっと、もう試合が始まる時間か。さ~~て、教え子の勇姿と....................貴族どもの吠え面を見させてもらうとするかね♪
俺が自分の席に戻ろうとする時、司会の声で聞き取りにくかったが........................ヴァーリは確かにこう言った。
『とりあえず形にはなった』、と............................
アガレスの眷属は『女王』と『騎士』しか出てきてませんでしたので、その他の眷属には悪者になってもらいました。
やっぱり『かませキャラ』は『かませ』らしくするべきだと思いましたもので♪
それでは皆さん、次回で♪
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