深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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最近、スマホをいじっているといつの間にか寝落ちしています。

やっぱり歳を取ると寝ても疲れが落ちないんですね........................。




第百十三話

 

 

 

 

『さあ、ついに始まりました! 塔を守るのはシーグヴァイラ・アガレス選手の騎士二名。それに対するはリアス・グレモリー選手の騎士と現赤龍帝である兵士です!!』

 

『それにしてもやるわね、噂の赤龍帝くん。あのスピードで騎士と並走できるなんて思わなかったわ』

 

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

 

 

 

イッセーが塔に近づくと、イッセーと塔を守るアガレスの眷属が中央のスクリーンに映し出された。いよいよ戦闘が始まるってことで観客も盛り上がっている。

 

先手を取ったのはリアスか。解説のロイガンも言っていたが、『兵士』が『昇格』無しで『騎士』並みのスピードで移動してるんだから当然だな。

 

イッセーが一人でアガレス眷属の前に姿を現すが、まだ『禁手』や『昇格』を使っていない。どうやらギリギリまで体力を温存するつもりのようだ。『禁手』もそうだが、『アレ』はかなり体力を消耗するからな。

 

 

しっかし、よくよく考えてみれば耳を疑う話だよな。元一般人で転生したばかりの下級悪魔、しかも『兵士』が『騎士』や『戦車』並みの基本性能を持ってるって。

 

現にアガレスの『兵士』は、ようやくリアスのエリアに入ったばかりだ。

 

それにシトリーの『兵士』である仁村や匙なんかは『昇格』無しでも木場や白音と互角以上に戦えてるからな。

 

普段からアイツらの訓練を見ていて感覚が鈍くなってるが、普通あり得ねえぞ? しかもまだまだ強くなるってんだから、つくづく呂布の修行の質の高さを思い知らされるな。

 

さっきまでリアスたちをバカにしていた貴族共も、これには驚いている。

 

ヨシヨシ、掴みは上々だな。イッセーのことを見極めようとしていた神々も、興味深そうに見ている。

 

「さて、あの赤龍帝の小僧がどれほど成長したのか見せてもらおうではないか」

 

「うむ。アザゼルよ、この試合の内容次第では赤龍帝に『次の試合』は無いと思え」

 

「ああ、わかってるよ。きっちり見極めてくれや、『今のアイツ』をな」

 

そして神々の中でも、今回の一件の当事者であるオーディンと天照はイッセーを見る目は特に厳しい。ここで敵の一人も倒せずリタイアするようなら、即封印するつもりなんだろう。

 

 

 

落ち着いていけ、イッセー。大丈夫だ、今のお前ならあんなヤツらには負けやしねえ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「よう、お前ら」

 

「せっ、赤龍帝!? 何でお前がこんなところに!?」

「ウチのヤツらは、今さっきそっちのエリアに入ったところだと連絡が来たばかりだぞ!?」

 

「お前らとは鍛え方が違えんだよ」

 

『剃』を習得するための修行の一つ........................聖水のプールの上で沈まないように延々と足踏みさせられ、今じゃ水の上を走れるくらいまで足腰を鍛え上げられてんだ。この程度の距離なんか屁でもねえ!

 

「なっ!? 生意気な! どうせ偶々、この近くに居ただけだろう!」

「そうだ! お前がグレモリー眷属の中で一番弱いってことは調べがついてんだよ!!」

 

確かに俺はまだまだ弱い。魔力は部長に及ばないし、スピードは木場に劣る。近接戦闘は白音ちゃん以下だし、朱乃さんやギャスパーみたいな特技があるわけでもない。

 

俺がグレモリー眷属の中で最弱だってのも間違っちゃいないだろう............................。

 

 

でもだからどうした! 俺は『冥界最高の兵士』になるんだ!! グレモリーの中で最弱でも冥界で最高の『兵士』になれれば、それでいい!!! そして俺たちグレモリーが『冥界最高のチーム』になるんだ!!!!

 

「大方、塔を探すように言われてたのに敵が二人だから自分一人で戦えるって勘違いしたんだろう?」

 

「だな。どこまでもおめでたい野郎だぜ。そんなんだから「うるせえよ」っ!?」

 

こっちはとっくに臨戦態勢に入ってんだ。なのにコイツらは、敵を前にしていつまで喋ってんだ?

 

「下らねえこと言ってねえで、さっさとかかってこい。それとも初めての『実戦』でビビってんのか?」

 

「なっ!? コイツ............................!」

「上等だ! 後悔すんじゃねえぞ!!」

 

俺の言葉にようやくコイツらも戦闘態勢に入り、武器を取り出す。左のヤツが両手に鉤爪を装備し、右のヤツが手全体を覆う剣................確か資料では『カタール』って書かれてたか? そのカタールを両手に装備した。

 

「死ね!」「くたばれ!」

 

二人が『騎士』の特性で俺に猛スピードで突っ込んできた! 普通なら『兵士』では対応出来ないほどの速さだ!!

 

 

 

 

だが....................................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「≪剃≫!」バシュンッ!!!

 

 

「き、消えた!?」

「ど、どこにいきやがった!?」

 

 

 

「こっちだ」

 

「「ッッッッッ!?」」

 

 

コイツらが武器を振り翳した瞬間、俺は『剃』の超スピードで攻撃を躱して背後に回った。二人は俺が声を掛けるまで、後ろを取られたことには全く気付かなかった。

 

................................遅えな。呂布さんやシトリーの『騎士』である巡のスピードに比べたら、あまりの遅さに止まって見えちまう。

 

 

そして今の攻撃だけで、コイツらが『騎士』で底上げされた速さに頼りきりだってことが分かった。

 

俺たちやシトリーのように、『悪魔の駒』の能力を十分に引き出すような努力が見えない。直線的なスピードに直線的な攻撃、『騎士』のスピードを防御や技術に回せていないのが良い証拠だ。

 

同じ『騎士』でも、これが木場ならフェイントを入れて躱せないように攻撃していた。巡なら俺の『剃』に対応して、更に追撃していた。

 

「そうか! コイツ、既に『女王』か『騎士』に『昇格』してやがったな!!」

 

「ま、まぁ、今のはマグレだろう。次はこうは行かねえ!」

 

どうやらコイツらは俺の今のスピードが『昇格』したものだと思っているようだ。

 

生憎、俺はまだ『昇格』を使っていない。素の状態でどこまでやれるか試したかっただけだ。まぁ、『騎士』に『昇格』するつもりではあったんだけどな。

 

コイツら相手なら『禁手』無しでも十分だろうが、今回は神様たちも見てるからな。俺の成長を見てもらうため、ここは出し惜しみ無しでいくぜ!

 

 

「やるぞ、ドライグ! ≪禁手≫!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

カッ! ゴオオオオオオオオオッッッッッ!!!!

 

 

「なっ、『禁手』だと!? コイツ、いつの間に!?」

「前のシトリー戦では使えなかったはずなのに!」

 

鎧を纏った俺の姿を見て驚愕するアガレスの『騎士』。どうやら『覇龍』の暴走は知っていても、俺が『禁手』に至ってることまでは知らなかったみたいだ。

 

だが、俺の真価はここからだ!!!

 

「言っておくが、俺はまだ『昇格』をしてねえぞ」

 

「「!!!!!!」」

 

「目ん玉かっぽっじってよく見やがれ! これが俺の『昇格』だ!!」

 

思い出せ、部長との特訓を! 部長の生のお乳様に包まれて寝た、あの感触を!! 後味が苦々しくも甘美であった、あの時間を!!!

 

 

 

「滾れ、俺の煩悩! 妄想MAX!! 『龍駒昇格 龍騎士

ドラゴニックナイト 』!!!」

 

『Promotion Dragonic Knight!!!』

 

ドゴオオオオオオオオンッッッッッ!!!

 

カシャッカシャッカシャッ、ガシャッ!ガキィンッッ!!!

 

 

俺の『昇格』と共に一気に膨れ上がった『龍闘気』が爆発を起こし、鎧の形状が変化する!

 

鎧は胸部、肩、脛といった最低限の部分を残し、他は全て薄いプレートメイルに変わる。そして両腕を覆う分厚いシールドが装着され、そのシールドの先には龍を思わせる巨大な三本爪が付いている。

 

背中の翼は消えたが、ブースターが大きくなり噴出口も増えて出力が大きく上昇した。

 

 

「な、何だよ............何なんだよ、それは!?」

「あ............あ............あ............あ........................」

 

「悪いな、説明している暇は無えんだよ」

 

 

ゴオオッ!! グサッ!!!!

 

 

「っ、あ.......あが................................」

「なっ!?」

 

パァァァァァァァァァァ................................

 

『シーグヴァイラ・アガレスの騎士、撃破』

 

 

俺は背中のブースターを一瞬だけ最大出力で噴出、瞬く間に距離を詰め『騎士』の一人に爪を突き立てた。胸を貫かれた『騎士』は粒子となって消えていく。

 

『ドラゴンクロー』。『騎士』になったことで落ちた防御力を補うための盾に装着された爪状の武器だ。この爪のおかげで『騎士』のスピードを生かした高速戦闘が可能になった。

 

ちなみにこの『ドラゴンクロー』は聖剣アスカロンが変化した武器のため、『聖剣』と『龍殺し』の力を備えている。そんな武器で胸を貫かれたんだ、下級悪魔なら撃破待ったなしだ。

 

「あ........あ........うわああああああああああ!!!!」

 

仲間の撃破アナウンスを聞いたもう一人の『騎士』が、背中を向けて逃げようとする。もはや完全に戦意消失したようだ。

 

「逃がすわけねえだろ!! ドラゴントルネードッッッ!!!」

 

 

ギュルルルルゥゥゥゥゥゥッッッッッ!!!!

 

 

俺は両腕のドラゴンクローを合わせて、ドリルのように高速回転しながら背中のブースターを噴かせて敵に突貫する!

 

 

ドガガガガガガァァァァァァァァァァン!!!!!

 

 

一心不乱に逃げるアガレスの『騎士』は、地面を削りながらトルネードに巻き込まれる。

 

 

パアアアアアアアア....................................

 

『シーグヴァイラ・アガレスの騎士、撃破』

 

 

『騎士』の基本スピードを圧倒的に上回る速度の突進で、回避も防御も出来ずに背中からモロにトルネードを食らった敵は粒子となり消えていった。

 

 

ピシピシピシピシ........................ドカァァァァァン!!!

 

 

『騎士』の撃破アナウンスが響くと同時に塔にヒビが入り、そのまま砕けていった。巻き起こった粉塵から、木場が出てくる。

 

「やったな、木場!」

 

「一誠くんのおかげだよ。アガレスの『騎士』二人の注意を引いてくれていたから、塔への潜入も簡単だったからね」

 

俺は『禁手』を解除し木場とハイタッチ。『禁手』も『龍駒昇格』も体力を使うからな、少しでも温存しておかないと。

 

しかし、これまたちょうどいいタイミングで塔が破壊してくれたな。たぶん、アガレスの『騎士』が二人とも倒されるタイミングを待っててくれたんだろう。

 

サンキュー、親友! 気が利いてるぜ!!

 

「よっしゃーーー! この調子でどんどん行くぜ!!」

「うん。行こう、イッセーくん!」

 

 

 

俺と木場は気合いを入れ直して、次の塔があるだろうエリアを目指した。

 

 

 

 

 

 

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『まずはグレモリーチームが先制。これでアガレスチームの塔は残り三つ。メンバーは「王」を含めて14名となりました!』

 

『驚いたわ........................あの赤龍帝のボウヤ、「昇格」した瞬間に鎧の形状が変わってオーラが爆発的に増大したんだもの。リアス・グレモリーはとんでもない隠し玉を持ってたわね』

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

 

ロイガンが驚く中、観客も大盛り上がりを見せる。そりゃあそうだ。何たって前回のシトリー戦では『禁手』になることも出来ず、匙にボロ負けしてたんだからな。

 

よしよし、出だしは好調だな。これでこの試合の間はイッセーが注目される。お膳立ては出来た、後はイッセーが自分の力を出し切れれば、イッセーの評価は上がるはずだ。

 

何せ、試合前にリアスたちを馬鹿にしていた貴族たちも、揃って間抜け面をさらしてやがるからな。ホント、いい気分だぜ♪

 

 

「アザゼルよ、アレが呂布の協力によって目覚めた『覇龍』に代わる力かえ?」

 

神々もイッセーの成長っぷりを興味深く見ている中、天照がイッセーについて尋ねてきた。

 

「ああ、その名も『龍駒昇格』。『悪魔の駒』の『昇格』を利用して『覇龍』の力を制御する技でな。転生悪魔であり、歴代赤龍帝の呪いを克服したイッセーだからこそ可能な能力だ」

 

「ほっほ~~~~う。なかなか面白いことを考えつくのう」

 

「『覇龍』との具体的な違いは何なのですか?」

 

「まず寿命を減らすことが無くなったな。それから、歴代の怨念を浄化しているから暴走する可能性が低い」

 

神々が一番懸念していた『覇龍による暴走』。これが無くなったのが一番デカイな。これだけでも実績としては十分なくらいだ。

 

「更に『覇龍』とは違い、伸び代があることだな。呂布が言うには鍛えれば、『覇龍』を超えることも可能らしい。まぁ、今のイッセーじゃあそこまでのパワーは引き出せねえけどな」

 

「なるほど。それで? それだけ強力な力なんだ、当然リスクはあるんじゃろう?」

 

天照の質問を皮切りにオーディンやダグザ、ゼウスなども『龍駒昇格』について聞いてくる。

 

「まあな。と言っても、リスクなんて寿命の消費が無くなった代わりに体力の消費がハンパ無いことぐらいだ。それだって、これからの修行で改善できる問題だ」

 

「なるほど。先ほど使ったのは『騎士』でしたから、他の駒に『昇格』した場合も形状が変わるのでしょうか?」

 

「さ~~~てな。それは後のお楽しみってヤツだ♪」

 

さっきの一戦でイッセーへの注目が高まり、会場にいる者はボルテージが上がりながら興味津々でイッセーを見ている。

 

 

 

へへへ、教え子の成長ってのは嬉しいもんだな♪

 

 

 

 

 

 

 

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塔の破壊とアガレスの『騎士』二名の撃破アナウンスが聞こえた。どうやらイッセーたちも頑張っているみたいね。

 

 

でも、まだ油断は出来ない。相手はこちらの倍以上いるんだから。

 

ギャスパーからの報告では、アガレスの『兵士』八名が既にこちらのフィールドへ入っているとのこと。

 

今、敵はバラバラになって各エリアで塔を探し回っている。こちらの塔が見つかるのも時間の問題。

 

今回の作戦上、こちらの塔が見つかれば敵は総攻撃を仕掛けてくる可能性が高い。それまでにもう一つぐらい塔を破壊しておきたいところね。

 

 

『部長さん、アガレスの『兵士』一名がボクたちの塔があるエリアに入ってきます』

 

来たわね........................でも敵は一名。恐らく他のエリアの探索が終わり、たまたま近くにあったこのエリアに来たってところかしら。

 

敵が一名なら、ここは速やかに撃破する。けど、敵の探索役である『兵士』が倒されたらシーグヴァイラも不審に思うはず。そうなれば、敵がこちらの狙いに勘づくかもしれない。

 

しかし問題はない。私は今回、敵にこちらの作戦が気づかれる前提で勝つための策を考えた。如何にこちらの狙いを看破しても対処できなければ意味がない。

 

重要なのは『敵に見破られない作戦』ではなく、『敵に見破られても勝てる作戦』なのだ!

 

 

「白音、こちらに向かっている『兵士』を倒してきてちょうだい。もちろん、塔を見つけられる前に................いいえ、敵が塔の1km圏内に入る前に撃破するのよ」

 

「わかりました」

 

「ただし、決して深追いはしないように。敵が『私たちのいるエリア』から出たら、すぐに戻ってきなさい」

 

「了解しました、行ってきます」

 

仙気を蓄え猫耳と尻尾を生やした白音が、私の指示に従い敵の元へ向かっていった。

 

 

さて、白音が『兵士』を撃破したらいよいよ大詰めね。イッセーたちも頑張っているし、私たちも負けてられないわ!!

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

部長さんに言われた私はギャーくんの案内に従い、アガレスの『兵士』のいる場所に向かって駆けていた。

 

敵の姿は見えないけど、安定した仙気のおかげで既に敵の気配は感じ取れている。

 

でも、このまま真っ直ぐ行ったらこちらの塔の位置がバレてしまうので回り込まないといけない。

 

 

私は走っている最中、あの人....................呂布さんのことを考えていた。

 

呂布奉先。人間でありながら『世界最強』と謳われていて、朱乃さんの想い人。そして何より........................私と姉様の間を取り持ってくれた人。

 

 

噂を聞いた時は、とても信じられなかった。最初に会った時は噂は真実であり、凄く恐かった。二度目に会った時は私とギャーくんを助けてくれた。

 

そればかりか私の姉様についても教えてくれた。呂布さんが言うには、『姉様が主を殺したのは私を守るため』であり、『姉様にとって私の人生は自分の人生よりも重かった』とのこと。

 

そしてあの人は『いずれ姉様とも会わせるから、気持ちに整理をつけておけ』と言ってくれた。

 

いきなりのことで驚いたけど、確かにあの人からは姉様の匂いがしたので嘘は言っていないと思った。私は言われた通り、記憶の中にある姉様を思い出しながら『自分がどうしたいのか』を考えることにした。

 

 

姉様が主を殺したことで、その責任を妹である私にも追及された。いずれ私も『危険な存在になる』ということで処刑されそうにもなった。

 

でも、危ないところをサーゼクス様に救われた。更にリアス部長に『塔城子猫』という新しい名前をもらい、私は部長の眷属として生きることとなった。

 

けれど、新しい名前をもらっても過去が消えることはない。姉様のことを思い出すだけで、悲しい気持ちになる。仙気を暴走させた姉様の姿は私に『力へのトラウマ』を植え付けた。

 

しかし呂布さんは、それらは全て私のためだったと言う........................だから私は、姉様と会ったら『何故、主を殺したのか』『何故、私を捨てたのか』を聞くことにした。そしてどんな理由であっても真実を受け止めようと決めた。

 

 

次に会ったのは冥界でのパーティーだった。呂布さんは約束通り、姉様を連れてきてくれた。

 

久しぶりの再会ということで私も姉様もぎこちなくなってしまう中、貴族たちが姉様を『処罰すべき』と騒ぎ出す。

 

貴族たちからの怒声により怯える姉様。だけどその時呂布さんが姉様を庇う形で前に出て............................初めて私たちの目の前で、その『力』を見せつけた!

 

冥界全土を揺るがすであろう圧倒的な『力』に完全に屈服する貴族たち。私も凄く怖かったけど......................不思議と安心している自分がいた。

 

何故ならその『力』は、無闇に振る舞われる『暴力』ではなく、誰かを守るために完全に制御された『力』だったからだ。

 

あれほどの『力』を一切暴走させることなく、完全に自分の支配下に置いている呂布さんには『凄い』の一言しか言いようがない。そんな人が傍にいるなら姉様も安全だと思った。

 

 

その後、呂布さんは私と姉様が二人きりで話が出来る機会を設けてくれた。しかも反対する部長を説得するために頭まで下げて............................。

 

『世界最強』とまで呼ばれ、あれほどの力を持っている人が私や姉様のために頭を下げるなんて未だに信じられない。

 

そして姉様と二人きりになった私は、姉様から驚愕の真実を聞かされた。

 

姉様はかつての主の眷属となる時に『自分たちの身の安全の保障』と『私には仙術を使わせない』という契約を交わしていたそうだ。

 

確かに当時の私は幼く仙術など使える状態ではなかった。しかし主はその契約を破り、私に仙術を使わせ危険な実験を行おうとしていたらしい。

 

それを知った姉様は私を守るため、やむを得ず主を殺した。だが、幼い私では過酷な逃亡生活には耐えられないということで置いていくしかなかった。

 

全てを話終えた姉様は泣きながら、『ゴメンね』と何度も私に謝ってくれた。涙を流しながら謝る姉の姿に私は、かつての優しい姉の姿を思い出した。

 

気づくと私は姉様に抱きつき泣いていた。姉様も泣きながら、私を抱きしめ返す............................私の誤解は解け、私たちはようやく『姉妹』に戻れた。

 

 

その後、姉様から元の妖怪に戻って『蒼天の紅旗』に来ないかと誘われたが断った。私を最初に救ってくれたのは部長さんだから、これからも部長の眷属として生きていくと決めた。

 

私の決心が固いと知った姉様は悲しそうな顔をするが、私の意思を尊重して認めてくれた。

 

私は改めて部長に眷属としての宣誓を行い、名前を『塔城白音』と改めた。そしてパーティーが終わった後、部長を含めたグレモリーの皆に私の過去と姉様について話した。

 

部長も部長の家族も凄く驚いていたけど、サーゼクス様に渡された資料と摘発した貴族の家から証拠も見つかったことで姉様に対する誤解も解けた。

 

 

それから呂布さんがイッセー先輩の監視役として姉様と共に私たちのところへやって来た。たぶん姉様やヴァレリーさんを連れてきたのは私とギャーくんに気を遣ってくれたんだろう。

 

いつの間にかグレモリーの皆が呂布さんのことを慕っていた。私たちを守ってくれたばかりか、救ってくれたのだから当然と言えば当然の結果だ。

 

確かに最初の出会いこそ怖かったけど、アレは戦闘中だったのだから仕方がない。みんな呂布さんの強さ以上に情の深さを知っている。

 

普段の呂布さんは物静かで口数も少なく、おとなしい性格だ(私も人のことは言えませんけど)

 

でも、とても優しく面倒見がいい。本来なら私たちグレモリーと関わるのはマズイことなのに、私たちに色んなことを教えてくれる。

 

祐斗先輩にアドバイスをしたのを見て、私も思わずアドバイスをもらえないかお願いしてしまった。けれど恩人でもあり、男の人にお願い事をするのは初めてだった私は顔が真っ赤になるほど緊張した。

 

しかし、呂布さんはそんな私に対しても丁寧にアドバイスをしてくれた。そればかりか気を遣って仙術の修行に姉様を付けてくれた。

 

きっと私と姉様が二人でいられる時間を作ってくれたんだろう。それに姉様が見ていてくれたおかげで、私は安心して仙術の修行を行うことが出来た。

 

それからも呂布さんは私たちグレモリーに出来る限りのアドバイスをしてくれた。会長たちのように修行自体はつけてもらえないけど、それでも私たちが困っていたり伸び悩んでいたら相談に乗ってくれる。

 

ちなみに私は『地躺拳』という中国拳法のことを教えてもらった。

 

さすがに呂布さんから直接学ぶことは出来ないので、専門の先生を部長やアザゼル先生に見つけてもらったけど、『きっかけ』を作ってくれたのは呂布さんだ。

 

実際にやってみると、確かに小柄な私にはピッタリな戦い方だった。

 

そう、『きっかけ』....................呂布さんは、私と姉様が姉妹になる『きっかけ』。そして私が強くなる『きっかけ』をくれた人だ。

 

 

 

そんな大事な人を........................あの人たちはバカにした!!!

 

 

何が『強ければ好き勝手に生きられる』だ! それがどれだけの人を不幸にするかも知らないで!!

 

私もイッセー先輩も『闇雲に力を振るう』ことの恐ろしさを知っている。その結果、大切な人を傷つけてしまうことも。

 

そんな恐怖から救ってくれた人をバカにするなんて................................絶対に許さない!!!!

 

 

 

多少遠回りすることになったけど、上手く敵の後ろに回り込むことが出来た。警戒しながら進んでいるため、敵の歩みは遅い。

 

敵はまだ私の存在に気づいていない、塔の存在に気づかれる前にここで倒す!

 

私は翼を広げ上空へと飛び上がる、少し上を見ただけではわからないほど高く高く。

 

十分なほどの高さまで上がったら、今度は翼をしまい膝を抱えて小さくなる。そのまま回転しながら、一直線に敵めがけて落下する!

 

回転しながら急速に落下する私は、更に仙気で身体を硬くする。仙術で気配を消しているうえ死角なためか、敵は真上から落下してくる私に全く気づいていない。

 

そして............................................................

 

 

 

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッ!!!!!

 

 

 

ミサイルが落ちたような爆発音と共に出来たクレーターの中で、潰されたカエルのように倒れているアガレスの『兵士』。

 

私は『戦車』なうえ仙気によって身体強度を上げていたため、当然無傷。それに『地躺拳』の修行で高いところからの落下には慣れている。

 

『地躺拳』は『重力による落下エネルギー』を利用することを基本にしている。謂わば敵は上空から落下してきた鉄の塊によって、真上から押し潰されたのだ。

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」一名、撃破』

 

粒子となって消えていくのを確認すると撃破アナウンスが聞こえてくる。

 

 

「........................任務完了です」

 

 

私は服についた汚れを払い、部長たちのいる場所へ戻ることにした。

 

 

 

 






ようやくイッセーの強さが原作に追いついてきました。長かった....................本当に長かった。

ちなみに龍騎士(ドラゴニックナイト)の見た目は頭部以外、【デジモン】の『ウォーグレイモン X抗体』で『ドラゴントルネード』も『ブレイブトルネード』です。

原作で読んだ時から、トリアイナの第一印象が【デジモン】でしたので、『龍駒昇格』の形態は【デジモン】で統一しようと思います。

それでは皆さん、次回で♪
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