深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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ようやくリアスの試合も終わりが見えてきました。

そして長かった今章の前編も終わりが近づいてます............................でも、まだ前編なんですよね。





第百十五話

 

 

 

 

「っ、来ました、部長。敵の『兵士』がこっちに向かってきます。数は7」

 

 

 

白音が仙術による索敵で敵を捉えた。いよいよ防衛戦の始まりね、気を引き締めていかないと!

 

「了解。皆、これが私たちにとっての正念場よ。イッセーたちも頑張ってくれてる。ここで負けたら、あの二人に会わせる顔が無いわ。必ず守り抜くわよ!!」

 

「「「はい、部長!」」」

 

私の号令に意気揚々と答える眷属たち。ここで負ければ、そのままゲームエンド。けれど逆に敵『兵士』を全て倒すことが出来れば、この試合は8割方勝利となる。

 

しかし、敵は『女王』に『昇格』した『兵士』7名。厳しい戦いになることは間違いない、でも今の私たちなら勝てるはずよ!

 

「部長、 敵が二手に分かれました。正面からは3人、残り4人は回り込んで背後から来るみたいです!!」

 

やはり挟み込んで、この塔を包囲するつもりね。でも、そんなのは百も承知。包囲される前に打ち崩す!

 

「白音は回り込んでくる敵をお願い。敵を目視したら、すぐに『あの姿』になりなさい。出し惜しみはダメよ!」

「わかりました」

 

「ギャスパー、アナタは私のサポートよ。お願いね」

「は、はい! が、頑張ります!!」

 

「朱乃、塔の守りは任せたわよ!」

「ええ。リアスも奉先様とのデート、お願いね!」

 

私の呼び掛けに眷属の子たちは、やる気満々に返事をしてくれる。ただ朱乃、アナタはどっちにやる気を出しているの!?

 

こんな状況でも呂布様とのデートを考えている朱乃の肝の座り具合を頼もしくも不安に感じていると、敵の姿が見えた。

 

白音の言った通り、数は3。けれど、3人とも『女王』に『昇格』している。あの3人を塔に向かわせるわけにはいかない。

 

ここは『王』である私が囮となって、敵を引き付ける!

 

敵3人は間を十分に空けつつ、並んで進攻してくる。恐らく、ギャスパーの神器を警戒してのフォーメーション。

 

 

............................まだ遠い、もっと引き付けないと。

 

この距離から攻撃しても、躱されるし当たったとしても『女王』の防御力は貫けない。

 

200....................150................ここだわ!

 

「≪キング・クリムゾン≫!!!」

 

敵との距離が100mを切った瞬間に『全把握の力』を発動させる! 瞬間、私の視界は真っ赤に染まった!!

 

3人の敵は散り散りになり、三方向から私を攻め立てる。狙い通り、塔へは向かわず『王』である私を撃破しに来たわね........................ならば!

 

「ハァッ!!」

 

ズガガガガァァァァァァァァンッッッッ!!!!

 

「っっっっ!? チィッ!!」

 

私が正面の敵の進攻方向の地面に『滅びの魔力』を放つ!

 

地面に大きな穴が空き、進むことが出来なくなった正面の『兵士』は足を止めてしまった。

 

これでこちらに向かってきているのは両サイドの二人。次は................................

 

 

「ギャスパー、右の敵を止めなさい!」

 

『はい! ≪ザ・ワールド≫!!!』

 

キィィィィィィィィィィィンッッッッ!!!

 

「これは....................例のヴァンパイアの神器か!?」

「なっ!? いったいどこから!?」

 

ギャスパーの姿が見えないのに味方の動きが止められたことで、取り乱す二人。

 

見た感じ、今動きを止めた『兵士』はウィザードタイプ。この隙を逃すわけにはいかないわ!

 

「くらいなさい! ハァァッ!!!」

 

ズガァァァァァァァァァァァァンッッッッ!!!

 

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」一名、撃破』

 

 

撃破アナウンスと共に粒子となって消えていく『兵士』。まずは一人、次に狙うのは正面で足を止めている『兵士』!

 

左の敵は剣を持っているあたり、近接系だから後回しで問題ない。

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」一名、撃破』

 

「なにっ!? 撃破されただと!?」

「向こうのヤツもやられたのか!? いったい誰が!!」

 

別働隊の味方が倒されたことで、再び取り乱すアガレス『兵士』。 間違いなく白音がやったのね、いいタイミングだわ! これでもう一度使える!!

 

 

「≪キング・クリムゾン≫!!!」

 

 

私は二人が動きを止めた一瞬の隙を突いて『全把握の力』を発動させる!!

 

............................なるほど。でもまだ遠いわね、もっと近づかないと!!

 

私は自分の見た未来の通りになるよう敵を誘導するため、正面の敵に更に突っ込む!!!

 

 

「っ、くっそ! くらえ!!」

 

バシュンッバシュンッバシュンッ!!

 

私が自分から近づいてきたことで、正面の『兵士』は慌てて魔力を放って迎撃してくる。

 

しかし、次々と変わっていく状況に頭が追いついていないせいで魔力が集中できていない。放たれた魔力は大した威力でないことが見て取れた。

 

「ハァッ!!!」

 

ドシュゥゥゥンッッッ!!!

 

ドカァァァァァァァァァンッッッッ!!!!

 

私が放った魔力と『兵士』が放った魔力がぶつかり、爆発! 私と『兵士』の間に粉塵が舞う!!

 

 

っ、ここだわ!!!

 

 

私は粉塵の中を突っ込み、翼を広げて低空で飛び回り『兵士』の背後を取る!

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」一名、撃破』

 

再び流れる撃破アナウンス。このタイミングで敵『兵士』が倒されることは『全把握』で分かっていた。

 

 

「くっそ、またかよ! 没落者のくせに!!」

「さっきから、つまらねえ小細工ばっかしやがって!!!」

 

思うように戦うことが出来ず、味方も次々と撃破され苛立ちが募っていくアガレス『兵士』。二人は意地でも私を仕留めようと同時に突っ込んできた!!

 

 

よし、私の見た通り!! これを待っていたのよ!!!

 

 

 

「ギャスパー!!!」

 

「はい! ≪ザ・ワールド≫!!!」

 

キィィィィィィィィィィィンッッッッ!!!

 

「「ッッッッッッッッ!?」」

 

重なった自分達の影から出てきたギャスパーに驚いた二人はそのまま動きを止められてしまう!

 

「これで終わりよ! ハァァッッ!!!」

 

ズガァァァァァァァァァァァァンッッッッ!!!!

 

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」二名、撃破』

 

 

私の渾身の『滅びの魔力』に飲み込まれた二人は粒子となって、消えていった。

 

これでこっちの敵は全て倒したことになる、後は白音の方ね。

 

 

ズキィッッッ!!!

 

 

っ....................さすがに連続で使いすぎたかしら....................頭に釘を打ち付けられるような痛みだわ。しかも『滅びの魔力』と交互に使ったから疲労もハンパじゃない。

 

「っ、部長さん、大丈夫ですか!?」

 

影からヌッと出てきたギャスパーが私を心配してくれる。

 

確かに痛みは強いけど、これぐらいなら問題ない。ソーナ達との模擬戦では、しばらく寝込んでしまうほど使ったことがあるぐらいだもの。この程度の痛みなら、すぐに消えるはず。

 

「ええ、大丈夫よ........................それよりもありがとう、ギャスパー。アナタのおかげで何とか勝てたわ」

 

「そ、そんな、ボクは部長さんの言われた通りにしただけで............................」

 

私がお礼を言うと謙遜するギャスパー。けど実際、ギャスパーはよくやってくれた。

いくら『全把握』で相手の動きが分かっても、私一人では数の暴力には勝てなかったわ。

 

 

ギャスパーには影の中に隠れながら、私の合図で少しだけ顔を出して敵の動きを止めてもらっていた。

 

最初の『兵士』は私の影の中に、次は敵の影の中に移動。ただし、ギャスパーはまだごく近くの影にしか移動することは出来ないので、私自身が近づく必要があった。

 

影の中に隠れて奇襲する戦法はソーナ達との模擬戦で何度もやっていたから、ギャスパーも要領を掴んでいる。

 

ギャスパーの能力を知っていても戦闘中に周囲の影に気を配りながら戦うなんて、余程の訓練をしなければ、まず無理だ。故にわかっていても防げない。

 

まぁ、それでもシトリーの皆は影の中にあるギャスパーの気配を感じ取れるため、なかなか通用しないんだけどね。

 

 

「そんなことないわ。アナタがいなかったら、『女王』に『昇格』したあの3人には勝てなかった。ありがとう、ギャスパー。アナタは私の自慢の眷属だわ♪」

 

「あ、あうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ///////////////」

 

私が改めてお礼を言うと、ギャスパーはまたも私の影の中に隠れてしまう。

 

まぁ、ギャスパーは後衛だから安全のため、影の中にいてくれた方が助かるのでいいんだけど................................。

 

 

 

さて、こっちの敵は倒したことだし、急いで白音の援護に向かわないと!!

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

リアスとギャスパーがアガレスの『兵士』と接敵する少し前................................................

 

 

 

 

 

っ、来た! 数は4、『兵士』だけど全員が『女王』に昇格しているはず。

朱乃さんは塔を守っているから、動けない。私一人で全員倒さないと!!

 

アガレスの『兵士』が塔へ向かって、一直線に突っ込んでくる。距離はおよそ300m........................まだ遠い。すぐに朱乃さんの援護に回れるように、出来ればもっと近い所で戦いたい。

 

 

250....................200....................150....................100............今!

 

 

パァァァァァァァァァァァァァ............................

 

 

私は部長に言われた通り、ここまで蓄えた仙気を一気に解放する! 私の身体からは雪のような白い光を放たれる!!

 

私の身長が伸び、手足も身長に合わせて伸びたことで視点も高くなる。髪も長くなって、着ていた制服も私が仙気で編み込んだ白い着物となった。

 

顔立ちも今までより大人びたものとなり、尻尾も二本に増えた。

更には私の周囲を白い炎を宿した車が四つほどクルクルと回っている。

 

 

これが私の新しい姿、名付けて『仙狸(せんり)モード』。身長は部長さんぐらいで、胸も姉様ほどではないけれどイリナさんくらいには大きくなった!!グッ

 

呂布さん曰く、これは安定した仙気を身体中に巡らせたことにより、一時的に身体が仙気を扱うに適した姿に変化しているらしい。(イッセー先輩は卑猥な目つきで見てきたので、ブッ飛ばしましたけど)

 

もちろん変わったのは見た目だけじゃない。この姿になった私は、より強力な仙術を使うことが出来るようになった。

 

 

『シーグヴァイラ・アガレスの兵士一名、撃破』

 

「な、味方がやられただと!?」

「それに何だ、あの姿は!?」

「お、落ち着け! あんなのはハッタリだ!!」

「そうだ! 数はこっちの方が多いんだ!!」

 

私の姿が変わったことと味方の1人が倒されたことで、向かってきた『兵士』が驚いて動きを止めている。

 

やっぱりこの人たちは経験が足りてない。会長たちなら、敵の前で棒立ちになるような真似はしない。

 

そして私も、こんな隙を見逃すほど甘くはない!

 

「『焔玉』!!」

 

車の白い炎が私の両手を包み、その炎を『兵士』の1人に向かって投げつける!

 

「ギィヤァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」

 

『シーグヴァイラ・アガレスの兵士一名、撃破』

 

撃破アナウンスと共に消えていく『兵士』。私の周囲を飛んでいる車は【妖怪 火車】の炎を仙気で再現したもの。火車の炎は『悪』や『魔』を灼く炎だ。

 

そのため悪魔や邪悪な妖怪、魔物が触れると少量でも大ダメージを受ける。あんな大量の炎を浴びれば、下級悪魔なら無事じゃ済まないだろう。

 

ただし仙気を使っている私はともかく、気をつけないと部長たち味方まで傷つけてしまうため使い所には注意しないといけない。

 

 

「くっそ! よくもやりやがったな!!」

 

次々と仲間がやられたことで、激情に駆られた『兵士』が後ろから襲って来る!

 

でも、仙気を使っているから気配で丸分かり。今の私にこんな不意討ちは通用しない。

 

グルリッ、ドゴッ、パンッパンッパンッパンッパァンッッ!!!!

 

「ごふぅっ! がっ、ぐっ、ごあっ、げえっ、があっ!!!」

 

私は敵の攻撃を屈みながら回転して躱しつつ、敵のお腹に勢いよく頭突きを入れる。

更に続けて流れるように掌底を叩き込む!

 

「シッッッ!!!」

 

「ぐふぇあっっっ!!!」

 

ドゴォォォォォォォンッッッッ!!!!

 

『シーグヴァイラ・アガレスの兵士一名、撃破』

 

トドメに両手で掌底を放つと敵は吹っ飛んでいき、撃破アナウンスが流れる。

 

仙気を纏った格闘術、『闘仙術』。相手の身体に仙気を流すことで、敵の生命エネルギーの流れを乱したり体の内側から破壊する技術。

 

私はまだ初歩の初歩である『身体に変調をきたす』程度にしか使えないけど、それでも『地躺拳』の技と『戦車』のパワーが加わえれば敵を倒すには十分な破壊力が出せる。

 

呂布さんが言うには『闘仙術』を会得すれば、敵を内と外の両方から破壊することが出来るようになるらしい。けど、今の私ではそこまでは出来ない。

 

でも、『火車の炎』も『仙術』も実戦で使えるレベルまでには鍛えたので、いくら『女王』でも並みの悪魔の防御力程度では耐えられないぐらいの威力にはなっている。

 

 

『シーグヴァイラ・アガレスの「兵士」二名、撃破』

 

 

私が二人目の『兵士』を倒すと今度は『兵士』二人の撃破アナウンスが流れてきた。

 

どうやら部長さんの方は片付いたみたいだ。これでアガレスの『兵士』は二人のみ。

 

「そんな!? じゃあ残っているのは俺達だけかよ!?」

「落ち着け! あの塔を全部破壊すれば、俺達の勝ちなんだ! コイツは無視して塔を破壊するぞ!!」

 

7人いた『兵士』が自分達だけとなり、取り乱すも塔を破壊すれば勝てると思い込むことで落ち着こうとするアガレスの『兵士』2人。

 

そのまま塔へ向かおうとするが................................

 

 

バリバリバリバリバリバリィッッッッ!!!!

 

「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

『シーグヴァイラ・アガレスの兵士一名、撃破』

 

 

突然『兵士』の1人が絶叫を上げながら、黒焦げとなり消えていった。

 

「な、何が起きたんだ!? っ、こ、これは................結界か!?」

 

目の前でいきなり味方が黒焦げになったことに驚く『兵士』だが、すぐに塔の周りを覆っている結界の存在に気づく。

 

結界は無数の光の玉を頂点とし、その間を透明な面で構成されている多角形型だ。

 

そう、アレは朱乃さんの『雷光』の結界。あの光の玉はもちろんのこと『面』の部分にも雷光の力が宿っている。

 

朱乃さんは真羅副会長から『魔力の形態変化』を教わったことで、最大出力の雷光をあのように結界として展開できるようになった。

 

悪魔にとっては猛毒とも言える『光の力』。そんな力を大量に使って構成されている結界に突っ込んだんだ、あんな風に黒焦げとなり撃破扱いとなるのは当然だろう。

 

 

「ちぃっ! この結界はアイツの仕業か!! こうなったらアイツだけでも倒して、この厄介な結界を解除してやる!!!」

 

アガレスの『兵士』が上空で結界を維持している朱乃さんを見つける。

そして、そのまま両手で剣を構えて朱乃さんに向かって飛んでいく!

 

「くらえ!」

 

身の丈ほどもある巨大な剣が朱乃さんに襲いかかる!

 

 

シュンッッッ!!!!

 

 

「なっ!? き、消えた? いったい、どこに行きやがった!?」

 

斬りかかれた瞬間、朱乃さんの姿が消えたことで取り乱す『兵士』。でも、私の目............というか仙術による気配感知で朱乃さんの動きは捉えていた。

 

 

「汚い手で触ろうとしないでもらえますか? この身に触れて良い男性は家族を除けば、天上天下に唯1人。

アナタのような下賎な輩には、触られそうになるだけで怖気が走りますわ」

 

「っ、な、いつの間に............................!」

 

『兵士』が背後から声を掛けられて、慌てて後ろを振り向くと、朱乃さんが鋭く冷たい目をしながら『兵士』を睨み付けていた。

 

朱乃さんが消えたように見えたのは、『騎士』のスピードによるものだ。真羅副会長との特訓で、朱乃さんは『騎士』のスピードを引き出せるようになった。

 

ただでさえ、魔力攻撃が得意な朱乃さんが高速で動けるようになれば正に『難攻不落』と呼べる存在と言える。

 

実際、最近のシトリーとの実戦訓練でも朱乃さんが撃破されることはほとんど無い。それほどまでにオールマイティーな強さを持っている。

 

 

それにしても........................今までの敵もそうでしたけど、あの『兵士』は『悪魔の駒』の性能を全く引き出せていない。これじゃあ、せっかく『女王』に『昇格』しても意味が無い。

 

現に朱乃さんを捉えようと、『兵士』がガムシャラに突っ込んでいくが全く捕まえられない。

あれじゃあ、いつまで経っても朱乃さんを捉えることなど出来はしない。

 

確かに『女王』は最強の駒だけど、全ての能力が上がる分使いこなせないと却って自分の首を締めることになる。

 

上昇した能力に身体がついていかず、身体への負担と体力の消耗が激しくなるからだ。

 

チェスでも『女王』はその強すぎる能力のために、迂闊には動かせないって会長が言っていた。

 

『力』というのは、強ければ強いほど扱いが難しくなり、使いこなせなければ自分や周りを危険に晒してしまうことを私たちは身をもって体験している。

 

あんな風に闇雲に突っ込んでいけば、そう遠くないうちに....................................

 

 

「ゼェ、ゼェ、ゼェ、ハァ、クソッ! クソクソクソクソォォォォォォォォ!! クッソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 

捉えるどころか、文字通り触れることすら出来ないことに逆上した『兵士』が真っ直ぐ朱乃さんに突っ込んでいく!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャスパー!」

 

「はい! ≪ザ・ワールド≫!!!」

 

 

キィィィィィィィィィィィンッッッッ!!!

 

 

朱乃さんに突っ込んでいった『兵士』が空中で完全に停止してしまった。

地上に目を向けると正面の敵を倒し終えた部長とギャーくんが来ていた。

 

「ありがとう、ギャスパーくん♪」

 

「い、いえ、ボクは部長の言ったタイミングで神器を使っただけですし........................それに朱乃さんが上手く誘導してくれたおかげです」

 

そう、朱乃さんは部長とギャーくんが近づいているのに気づいていた。

もちろん、私も仙術で部長たちがこちらに向かっていることは分かっていた。

 

本来なら、アガレスの『兵士』も上空にいたのなら気づいてもおかしくはなかったが、朱乃さんの言葉と動きが挑発となり冷静さを失って気づかなかったのだ。

 

そして朱乃さんも、ただ躱していたのではなく、ギャーくんが神器を使いやすい位置に『兵士』を誘導していた。

 

神器の発動タイミングは部長の『全把握の力』で見極めたのだろう。

 

 

「これで『兵士』は全員ね。白音、周囲に潜んでいる敵は?」

 

「はい。この人で最後です」

 

「そう........................じゃあ、朱乃。この者はアナタにあげるわ。存分におやりなさい」

 

「っ.................... ありがとう、リアス。ハァッ!!!」

 

ピシャァンッ! バリバリバリバリバリバリィッッッッ!!! ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂィィィッッッッ!!!!

 

部長から許可を貰えた朱乃さんは予め作っておいた雷雲から雷を呼び寄せると、掌で戟のような形に変化させた!

 

「................................奉先様を愚弄する者に裁きを」

 

 

 

≪天之瓊矛 あまのぬほこ≫!!!!

 

 

ビシャァァァァァァァァァァァァンッッッッ!!!!!

 

 

『シーグヴァイラ・アガレスの兵士一名、撃破』

 

 

甲高い爆音と共に『兵士』は消え去り、撃破アナウンスが流れる、これで攻めてきたアガレスの『兵士』は全て倒したことになる。

 

私は『仙狸モード』を解除し元の姿に戻った。イッセー先輩の『龍昇格』同様、この『仙狸モード』もかなりの体力を消耗する。

 

まだ試合は終わっていない、少しでも体力を温存しておかないと。

 

「みんな、お疲れ様。無事防衛は成功よ。後はイッセーと祐斗に任せて、私たちは身体を休めるわよ」

 

部長の指示で私たちは最低限の警戒をしながら、休息を取ることにした。

 

イッセー先輩と祐斗先輩が倒された場合、今度は私たちが戦わなくてはならない。

今から行っても、消耗した私たちでは却って足手まといになる。

 

部長の言う通り、ここは二人に任せて私たちは『次』に備えるべきだ。

 

 

 

 

イッセー先輩、祐斗先輩........................頑張ってください。

 

 

 






仙狸(せんり)。年を経た山猫が神通力を身につけた妖怪。なお、「狸」は中国で山猫の意。

火車(かしゃ)。悪行を重ねた死者の亡骸を奪い、食らうとされる猫の妖怪。

天之瓊矛(あまのぬほこ)。イザナギとイザナミが日本列島を作る際に大地をかき混ぜたとされる。


原作を踏襲しつつ、オリジナルも混ぜてみました。

それでは皆さん、次回で♪
感想・高評価もいただけると作者が喜び、励みになります!

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