『修学旅行』と『呂布の嫁選び』はほぼ同時進行となりますが、なるべく時系列はハッキリと書くつもりです。
覗きを企んだ全員をとっちめて先生に引き渡し、女子の入浴時間が終わるまで、俺と匙は非常階段で待機し続けた。
そして入浴時間も終わり、ようやく役目を終えたところで、部屋に戻ろうとするとアザゼル先生が姿を見せた。
「おう、イッセー、匙。ロスヴァイセから話は聞いてるぞ、ご苦労だったな」
「いえ、そんな................//////////////」
「アザゼル先生、何か用ですか?」
「ああ、俺とお前たちにタマモから呼び出しがかかった。これから近くの料亭に行くぞ」
アザゼル先生の言葉に、俺と匙は『?』を浮かべながら顔を見合わせる。
タマモさんから? どういうことだろう、もしかして昼間の件と関係あるのか?
俺たちは先生と共にホテルを出て街の一角にある高級そうな料亭へと足を運んだ。そこにはアザゼル先生の言っていた通りタマモさんがいた。
さらに木場、ヴァーリ、匙以外のシトリー眷属の子達もいる。
そうして全員が揃ったところで、タマモさんが俺たちを呼んだ説明が行われた。
タマモさんは今回の一件で、この京都の妖怪の皆さんと協力体制を取るために九尾の大将さんのところに行っていたらしい。
だが、九尾の大将さんから新しい情報を得たので俺たちに知らせに来てくれたそうだ。
「八坂様によると................どうもここ数日、京都に悪魔の気配を漂わせた見慣れない者が現れるようになったそうですわ」
見慣れない悪魔!? 何でそんなヤツらが京都にいるんだ?
「この時期、何の連絡もなく京都に来る悪魔....................十中八九『禍の団』と見て間違いなさそうだな」
『禍の団』、アイツらやっぱり来やがったのか!! だとしたら、狙いは『アーシアさんの身柄の確保』か!
「八坂様も同じ見立てですわ。本来なら京都の妖怪の精鋭部隊を持って、すぐに殲滅するところなのですが........................少々、問題が生じております」
「『問題』? いったい何だ?」
アザゼル先生が尋ねるとタマモさんが険しい顔つきをしながら、ゆっくりと口を開いた。
「その悪魔の気配が『純粋悪魔』のものだったこと。そしてその者たちの強さが『最上級悪魔クラス』や...................................『超越者』と思われる者がいたことですわ」
「「「「!!!!!!」」」」
タマモさんの答えに俺たち全員驚愕した! 敵が『純粋悪魔』であることもそうだが、その強さが『最上級悪魔クラス』。
更には『超越者クラス』までいるとは思わなかったからだ!!
「『超越者』って、まさか『リゼヴィム』がいるのか!?」
アザゼル先生が身を乗り出しながら聞くが、タマモさんはフルフルと首を振った。
「いいえ、『超越者』の気配を漂わせる者はリゼヴィムではありませんでした。それにリゼヴィムと思われる存在は確認されておりません」
「なっ、バカな!? 現在確認されている悪魔の『超越者』はサーゼクス、アジュカ、リゼヴィムの三人だけだ!
それ以外の『超越者』がいるはずがない!! 何かの間違いじゃねえのか!?」
「残念ですが、確認したのは京都の妖怪の精鋭中の精鋭です。相手の強さを見間違えるようなことをするとは思えません」
「マジか........................そうなるとだいぶ話が変わってくるぞ、護衛計画も一から見直さないといけない。いや、最悪修学旅行そのものを中止せざるを得なくなる」
アザゼル先生が口に手を当てながら考え込んでいる。確かに、相手に『最上級悪魔』や『超越者』クラスがいるならここにいるメンバーでは力不足だ。
それなりの精鋭部隊か、それこそ呂布さんを連れてこないといけなくなる。
だが、呂布さんがここに来るならアーシアさんはオーフィスの下に送り返さないといけない。
しかしアーシアさんだけ先に帰らせてしまえば、呂布さんは大激怒。
そのため修学旅行は中止にして、ここは全員で帰らなくてはならない。
「現在は敵側の戦力があまりにも予想を超えていたため、ひとまずは様子を見ている状況です。
しかし、いざ彼奴らがアーシアさんを狙った場合、皆さまでは対処しきれない可能性があります。
そのため、妖怪たちがアーシアさんを遠巻きに護衛するという形を急遽取らせていただいた次第でございます」
「妥当な判断だ。敵に『超越者』クラスがいるなら、こちらも下手には手を出せない。そして攻勢に出られないなら、肝心要の『アーシア』の守りを固めるのが賢明だ」
なるほどな、あの子が言っていた『事情が変わった』というのはこういうことか。
こちらが様子を見ている間に敵に先手を取られて、アーシアさんを拐われたら元も子も無いもんな。
俺たちに情報が行き届いていなかったのは、連絡が間に合わないほど緊急で対応する必要があったってことだろう。
............................今度あの子に会ったら謝らないとな。俺たちのためを思ってやってくれたことなのに、あの時は警戒しちまった。
そして俺があの狐娘のことを思い出していたら、匙がアザゼル先生に尋ねる。
「でも、『禍の団』に『最上級悪魔』や『超越者』の『純粋悪魔』がいただなんて............................『旧魔王派』って、そんなヤバい奴らがたくさんいるモンなんですか?」
「いや、俺たちが調べた限り『旧魔王派』に『最上級悪魔』はカテレア含め数人程度しかいなかった。ましてや『超越者』なんているはずがない」
カテレアって、以前呂布さんが倒したあの女悪魔のことだよな。
呂布さんは事も無げに瞬殺してたけど、『最上級悪魔』っていったら魔王様に次ぐ実力者で冥界でも数えるほどしかいないって聞いたぞ。
そんな数人しかいないようなヤツらが来てんのかよ。
「じゃあ、その数人の『最上級悪魔』が来てるってことですか?」
「どうだろうな。可能性はないこともないが、『最上級悪魔』は敵側で言えば幹部にあたる存在だ。
そんなヤツらが直接来るとは考えにくい。それよりも俺はもっとヤバい可能性を考えている............................」
「ヤ、ヤバい可能性って、何ですか........................?」
「............................................................................
ヤツらが新しく『生み出した』って可能性だ」
「「「「「ッッッッッッッッッッ!!!!」」」」」
苦々しい表情でアザゼル先生が答えると、この場にいる全員が言葉を失った。
う、『生み出した』!? 『生み出した』って何だよ、そんなこと出来るもんなのかよ!?
俺たちが困惑する中、最年長のヴァーリだけは逆に冷静であり、どこか確信めいた顔でアザゼル先生に確認した。
「........................『リリスの一部』、か?」
「「「「「っっっっっっっっっ!!!!」」」」」
『リリスの一部』!? それって確か駒王学園でカテレアが言っていたヤツだよな!?
何でもソレがあれば、『悪魔の駒』が無くても『純粋な悪魔』を生み出すことが出来るって............................まさかっ!!!
俺だけじゃなく他の皆も同様の考えにいたったみたいで、アザゼル先生も頷く。
「ああ、全ての悪魔の母である『リリス』。その力を使えば純粋な悪魔を生み出すことも可能だろう。恐らくこの京都で確認された『禍の団』は、そのほとんどが『リリス』によって新しく生み出された『新造悪魔』に違いない」
「じゃあ、『超越者』だけじゃなく『最上級悪魔』も........................」
「恐らくな。そう考えると『最上級悪魔』クラスや未確認の『超越者』クラスの純粋悪魔が急に現れたことにも説明がつく」
なるほどな。だから、希少な『最上級悪魔』をこんな簡単に送り込めたわけか。
量産の目処が立っているなら、出し惜しみする必要ないもんな。
............................ってことは、これからもそんなヤツらがゴロゴロ出てくる可能性があるのかよ。
冗談じゃねえぞ! 『最上級悪魔』だの『超越者』だの、そんな魔王様ぐらいしか対処できなさそうな連中が続々出てきたら、こっちの身がもたねえ!!
「なら、こうしている間にも『最上級悪魔』や『超越者』がどんどん作られてるんじゃあ........................!」
「いや、そう上手くはいかないはずだ。そんな簡単に『最上級悪魔』だの『超越者』だの生み出すことが出来るなら、『禍の団』はもっと大きく動いているはず。
だが、ヤツらはそんな素振りを今まで見せてこなかった」
「つまり、『リリス』の力を持ってしても『最上級悪魔』や『超越者』クラスを生み出すのは容易ではないということか」
「そういうことだ。考えるに今回のヤツらの目的は『アーシアの誘拐』に加えて、『新造悪魔のテスト』ってところだろうよ」
「? 『新造悪魔のテスト』、ですか?」
「ああ、俺も研究者だからな。新しく作ったものの性能実験をするヤツの気持ちはよく分かる。
恐らくアーシアを誘拐するついでに、『新造悪魔』共がどれだけやれるか確かめたいってクチだろうぜ」
「........................なるほどな。アーシア・アルジェントに護衛が付いているのは百も承知。『新造悪魔』たちにその護衛と戦わせてデータを収集。あわよくばアーシア・アルジェントを拐うことが出来れば儲け物、ということか」
なっ、ふざけんじゃねえぞ!! そんなくだらねえ実験がてら、ついでのようにアーシアさんを狙われてたまるか!!!
わかってんのか! お前らのせいでこの国は今、呂布さんの怒りによって滅ぼされそうになってんだぞ!!!
こちとら呂布さんの怒りがいつこの日本を襲うか、絶えずビクビクしながら護衛してるんだ!
そのせいでせっかくの修学旅行も全く楽しめていない!!
それもこれも『禍の団』がアーシアさんを狙っているからだ!!!
それなのに蓋を開ければ、アーシアさんのことは『ついで』で本命は新しく作った悪魔の性能実験?
どこまで人のことをコケにすりゃあ気が済むんだ、アイツらはっっっっ!!!!!!
そんなことのために俺たちの修学旅行を台無しにした挙げ句、呂布さんの怒りでこの国を危険に晒しやがって....................................『禍の団』、絶っっ対に許さねえ!!!!!
見れば、周りの皆も同じように怒りを露にしていた。そりゃあ、こんな『おまけ』感覚で俺たち全員この国もろとも滅ぼされそうになってんだからな。
俺たちの心情を察したのか、アザゼル先生がパンッパンッと手を叩いて呼び掛ける。
「お前ら落ち着け。気持ちはよ~~~くわかる。こんなふざけた形で、アイツの怒りを買おうとしているバカ共の無神経さには心底腹が立つ。
だが、これは俺たちにとっても好都合だ。作られたばかりってことは『力を使いこなせていない』可能性が高い。
いくら『最上級悪魔』や『超越者』クラスの力を持っていようと使いこなせないんじゃ意味がない。そのことはお前さんらが一番分かってるだろ?」
っ、そうだ。どれだけ強大な力を持っていようと『使いこなせなければ、自分や周りを滅ぼす』。
俺たちはそのことを呂布さんから、これでもかというほど教わった。
そう考えれば、『最上級悪魔』や『超越者』と言っても自分の力に振り回されるだけの相手なら恐くはない。
「へっ、いい顔になったじゃねえか♪ さすがにあの『深紅の武人』に鍛えられているだけはあるな。
おいタマモ、そいつらがどこにいるか分かるか?」
「そちらについては現在捜索中ですわ。ですが、そう時間は掛かりません。
何せ京都は我らの庭。そんなヤツらが我らの目を盗んで、隠れられるような場所は限られております」
「よし、所在が分かったらすぐに教えてくれ。相手が悪魔なら、京都の妖怪よりも俺たちがやった方が後腐れがないだろう。
それに............................自分たちの『選択』の愚かさを、思う存分後悔させてやる」
「................................かしこまりました。では、八坂様にはそのようにお伝えいたしますわ」
「そういうわけだ、お前ら。何か分かればまた連絡する、それまでは護衛に専念だ。ただ恐らくは戦闘になるから、覚悟だけはしていてくれ」
「「「「「はい!!!!」」」」」
どうやら敵の拠点が判明次第、俺たちで攻撃することになったみたいだ。
それまではアーシアさんや生徒たちの護衛に専念ってことね。
了解了解♪ アザゼル先生の言う通り、誰に喧嘩を売ったか後悔させてやる!
アザゼル先生には鬱憤を晴らせる機会を与えたことに感謝しないとな!!
予想外の情報には驚かされたが、逆に皆のボルテージとやる気は上がることになった。
だが、現状は俺たちで出来ることは無いというところなので、その場はお開きとなり俺たちはホテルへと戻った。
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修学旅行二日目、イッセーたちが京都で『禍の団』に憤慨しながら護衛をしている頃、冥界では別の闘いが始まろうとしていた。
「いよいよこの戦いに終止符が打たれようとしています。
数多くの候補者中から勝ち上がった二名のうち、どちらが『深紅の武人の伴侶』となるのでしょうか!」
わああああああああああああ........................!!!
司会者の言葉に会場にいる観客が盛り上がりを見せる。何せこれから『世界最強』の男性の妻が悪魔の中から決まるのだ。
娯楽の少ない冥界の悪魔にとっては、まさにお祭りのようなものなのだろう。
現に多くの冥界のテレビ局や新聞社などが、この会場に集まっている。
そんな中、この最終選考まで勝ち上がった一人である朱乃は出番を待ちながら、思わず溜め息をこぼした。
『まったく、こっちは真剣だというのに....................でもまぁ、仕方ありませんわね。これも奉先様の妻となるためですもの。
そのためならこれぐらいの余興、いくらでも付き合って差し上げますわ』
自分の想いを見せ物にされることに思うことはあれど、想い人と添い遂げるためならば『大事の前の小事』と朱乃は割りきることにした。
「はぁ。いくら冥界が娯楽に飢えているからとはいえ、乙女の想いを見せ物にするなんて........................私、呆れて物も言えませんわ。そうは思いません? 朱乃様」
朱乃が自分の覚悟を固めていると、隣にいる対戦相手が話しかけてきた。
彼女の意見には同感しかないなので朱乃も素直に頷く。
「ええ、まったくですわ。私たちの想いを何だと思っているのでしょうね、レイヴェル様」
「ふふ♪ 『レイヴェル』で構いませんわ、私の方が年下なのですから。
ああ、私の方はお気になさらず。幼少の頃からの教育のせいで、年上の方を『様』で呼ぶのが癖になっているんですの」
そう、彼女が朱乃の対戦相手である『レイヴェル・フェニックス』。
フェニックス家の長女であり、かつて戦った『ライザー・フェニックス』の妹である。
以前はライザーの『僧侶』としてライザーとのレーティングゲームにも出場していた彼女が、今また最後の障害として朱乃の前に現れたのである。
「そうですか。ではお言葉に甘えて、『レイヴェルさん』と呼ばせていただきますわ」
「本音を言えば、『好敵手』たる朱乃様には呼び捨てで構わないんですが........................まぁ、良しとしましょう」
これが最後だと言うのに、余裕たっぷりな雰囲気のレイヴェルに朱乃は若干戸惑っていた。
以前のレーティングゲームで会った時は、まさに『貴族のお嬢様』といった印象だった彼女。
しかし今は自分やロスヴァイセ、タマモのような『同じ殿方を慕う一人の女性』といった『凄み』を感じる。
『レイヴェルさんには、奉先様との面識は無かったはず。
それなのにここまで奉先様を想う理由はいったい............................?』
朱乃がレイヴェルの変貌ぶりを訝しげに見ていると、レイヴェルが不敵な笑みを浮かべる。
「そうそう。私、朱乃様にお会いしましたら是非とも御礼を申し上げたいと思っていましたの♪」
「?....................御礼、ですか?」
「ええ♪ ありがとうございます、朱乃様。貴女様のおかげで、私は世界の頂点に君臨する御方の伴侶となることが出来ます。
これも朱乃様が『きっかけ』を作ってくださったおかげ。厚く御礼申し上げますわ♪」
『っ........................そうか、この方はかつての....................ならば、尚のこと負けるわけにはいきませんわ!』
「御礼など不要ですわ。≪呂布奉先≫様の妻となるのは、私ですもの」
「っ、では私が勝負に勝った後で、改めて御礼を申し上げるとしますわ」
レイヴェルの根元にある呂布への想い。それを理解した朱乃は今一度、気を引き閉め直した。
『それでは入場していただきましょう! 「深紅の武人の伴侶」を決める最終選考、勝ち上がったのはこのお二人ですっ!!!』
朱乃とレイヴェル。互いに火花を散らしつつ、目の前にあるゲートが開くとゆっくり歩き始めた........................
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ワァァァァァァァァァァァァァ........................
司会者の合図と共にドーム会場の中央にあるゲートが開き、最終選考まで勝ち上がった二名が出てきた。
入場してきた二人を見て、観客は大盛り上がり。やはり、あの『深紅の武人』の伴侶を決めるということで皆の感心も高いようね。
それにしても驚いたわ、まさかライザーの妹であるレイヴェルが朱乃の最後の対戦相手だなんてね。
かつてのレーティングゲームでは、ライザーの『僧侶』として出場していた彼女が今またこうして朱乃の恋敵として現れるなんて............................奇妙な縁ね。
「それでは数多くの候補者の中から、見事ここまで勝ち上がってきたお二人をご紹介します!」
司会者の言葉で会場の照明が一斉に落ち、その後空かさず朱乃にのみスポットライトが当たる。
「まずは、【姫島朱乃】選手。リアス・グレモリーの『女王』であり、先の新人戦ではその高い実力を遺憾なく発揮してくれました。
そして皆さんご存知の通り、あの『深紅の武人』に告白をし、この選考会を開く『きっかけ』となった女性でもあります。
神をも恐れず『愛』に生きる、その姿はまさしく『情愛』の悪魔であるグレモリー眷属に相応しいと言えましょう。今選考会の優勝候補筆頭です!」
キャアアアアアアアアアアアアアア..................!!!
朱乃の紹介が終わると観客から歓声が起こる、特に女性の黄色い声が多いわね。
悪魔と言っても『女性』には違いない、そういう『愛に生きる』ようなロマンチックな話が好きなんでしょう。
実際、お兄様とグレイフィアの馴れ初めも劇や舞台になるほどに人気だものね。
でも、当の朱乃本人はペコリと軽くお辞儀しただけ。朱乃曰く『あの告白は黒歴史みたいなものだから、忘れてほしい』って言っていたものね。
だからあの告白で盛り上がられたら、本人としても立つ瀬が無いのかもしれない。
女性の黄色い声が静まると続いて、レイヴェルにスポットライトが当てられた。
『次に【レイヴェル・フェニックス】選手。名門フェニックス家のご息女であり、今選考会では一番の若手となっております。
ですが、うら若き乙女と侮ることなかれ。何と彼女は教会・天使陣営からの推薦をもらっております。他勢力からの推薦をもらっているのは姫島選手を除けば、レイヴェル選手ただ一人!
交渉にて他勢力のトップまで動かしてしまう彼女の想いは、決して姫島選手に引けは取らないでしょう!!』
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ........................!!!
レイヴェルが紹介されると、今度は男性の歓声が巻き起こった!
どうやら朱乃とは対称的にレイヴェルは男性の方が人気が高いようね。
そういえば、前にライザーが『妹萌え』?みたいなことを言ってたけど............................そもそも『妹萌え』ってどういう意味なのかしら?
「以上、この二名で最終選考の戦っていただきます! それでは続きまして、最終選考の課題を発表いたします!
最終選考の勝負種目は....................................
ズバリ、【料理】です!!!!!」
ザワザワザワザワ........................................
【料理】....................最後の勝負にしては、ずいぶん平凡ね。あまりにも予想外の種目に、先ほどまで盛り上がっていた観客もどよめいている。
そして司会者が勝負種目を発表すると会場の中央に肉、魚、野菜、卵など様々な食材が用意される。
更には食材置き場を挟む形で両サイドにキッチン、冷蔵庫、オーブンなど調理施設が整えられた。
「もちろん、ただの料理勝負ではありません! 実は神々による呂布様の伴侶選びが決まる前、神々が呂布様の『好みの女性』や『結婚したい女性』について確認したという情報を手に入れました。
それによると呂布様は、『料理が得意な女性』。もっと言えば『毎日料理を作っていても苦にならない女性』と結婚したいとのこと!!
流石は『深紅の武人』、日々の身体作りには余念が無いようです!!!」
おおおおおおおおおおおおお................................
へぇ~~~、呂布様ったら家庭的な女性がタイプなのね。観客も意外だったのか、かなり驚いているわ。
でも、これは案外難しいかもしれない。私もイッセーのお母様と一緒にお料理をするからわかるけど、毎日『料理』をするというのは凄く大変だ。
だから、『料理が得意な女性』は数いれど『毎日料理を作っていても苦にならない』となると数はかなり限られる。
それに呂布様は料理に対して、かなり造詣が深い。私も呂布様の料理をいただいたことがあるけど、本当に美味しかった。
あまりの美味しさにグレモリーやシトリーの皆はこぞっておかわりをしていたぐらいだもの。
白音にいたっては、あまりにも食べまくるものだから途中からおかわりを制限したぐらいだ。
それこそ呂布様の料理の腕はプロ顔負け。グレモリー家の料理人でも、あれほどの料理を作れるかは分からない。
そんな呂布様だからこそ、『料理』を通して結婚する女性の本質を見極めたいのね。
となると、【料理】の『課題』は恐らく............................
「故にこの料理勝負の『課題』は、【呂布様好みの料理】とさせていただきます!!
この会場にある食材は自由に使っていただいて構いません。作る料理のジャンルは和洋中と何でも自由、制限時間は60分とします」
やっぱりね............................呂布様の伴侶を選ぶんですもの、普通の料理番組みたいに『○○を使った料理』になるわけがない。
ならばこの勝負、朱乃の圧倒的有利だわ!
朱乃は料理が得意中の得意だし、呂布様とひとつ屋根の下で暮らしているから、呂布様の好みは知り尽くしている。
レイヴェルが仮に朱乃より料理が得意だとしても、ここは呂布様の好みを押さえている朱乃にアドバンテージがあるわ!
「それでは両者、それぞれ所定の位置についてください!!!」
司会者に促されると朱乃とレイヴェルはそれぞれ用意されたキッチンの前に移動する。
「『深紅の武人の伴侶』を決める最終選考、【呂布様好みの料理勝負】........................始めーーーーー!!!」
ジャァァァァァァァァァンッッッッ!!!!
司会者の合図と共に試合開始の銅鑼が鳴り響いた。
少し半端ですが、今回はここまでにしたいと思います。
朱乃VSレイヴェルについては、修学旅行組と場面を切り替えずそのまま行くつもりです。
それでは皆さん、次回で♪
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