リアンの『超越者』としての能力が『魔力』だけでは物足りないというご指摘を受けましたので、前話を一部加筆しました。
「バ、バカなっ....................リアンが、『超越者』が倒されただと........................しかもあんなあっさりと....................!」
リアンをヴァーリに倒されたことが信じられず、シャルバは身体を震わせている。
だが、俺は特に驚くことはなかった。『打倒 呂布さん』を掲げているアイツがこんなところで負けてるようなら、呂布さんには絶対に届かない。
「いつまで呆けてやがんだ。お前の相手は俺だろうが、とっととこっちを向きやがれ」
「っ、調子に乗るなよ、悪魔モドキがっ! ! 『真なるベルゼブブ』たる我が力を思い知れっっっ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッ!!!!!!
俺の言葉に逆上したシャルバは巨大な魔力の弾を撃ちまくってきた! 隙間もないほどの大量の魔力弾が俺に襲い掛かる!!
俺はすぐにその場から離れ、回避に専念する。俺が避けた魔力弾は二条城の建物をどんどん壊していく!
............................ここが結界内で良かった。でないと部長が好きな京都が瓦礫の山になっていた。
背中のブースターを噴かせ、シャルバの攻撃を避けながら俺はどう戦えばいいか思案する。
さすがに『ベルゼブブ』を自称するだけあって、『魔力』は大したもんだ。
これだけの威力の魔力弾をあんなに撃ちまくってるのに、息一つ乱さないとはな。
相手は魔王様に次ぐと言われている冥界でも数少ない『最上級悪魔』。
しかも新造悪魔と違って、ちゃんとした訓練を積み実戦経験もあるだろう........................性格はクズだけど。
通常の『禁手』状態だと心許ないな、ここは『龍昇格』を使って確実に仕留める!
本来なら部長がいなければ使えない『昇格』だが、俺には部長から渡された『許可証』がある。
この『許可証』はアジュカ様が作ったもので、これがあれば主がいなくても自分の意思で『兵士』は『昇格』が出来るらしい。
修学旅行に行く前に、駅で部長から『万一の場合に使いなさい』と言われて渡された。
だから、今の俺は自由に『龍昇格』をすることが出来る!
だが、問題は『どの駒に昇格するか』だ。『龍昇格』は体力を激しく消耗する。
調子に乗って使いすぎると、あっと言う間に体力が無くなっちまう。
それに今後のレーティングゲームのことを考えると、何度も『昇格』が出来ることに慣れるのは良くない。
もし考え無しに『龍昇格』を使いまくって、体力が尽きてもシャルバを倒せなかったら目も当てられない。
だから、ここは一度の『龍昇格』で一気に決める!!
相手が魔力中心で攻めてくるなら、こちらも『龍僧侶』で応戦するか............................いや、互いに砲撃の撃ち合いになって泥試合になりそうだ。
じゃあ、『龍戦車』のパワーで押し切る............................一撃で仕留められなかったら、距離を取られてジリ貧になる。
「どうした、赤龍帝!! 先ほどまでの威勢はどこへ行った? 所詮は口先だけの悪魔モドキか!!」
「うっせぇっ! 余計なお世話だ!! ドラゴンショットッッッ!!!」
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッッ!!!!
「ふん、やはり転生悪魔だな。魔力の扱いがなっていない!!」
「くっ!!」
俺は弾幕の隙間を突いてドラゴンショットを放つが、シャルバには簡単に避けられてしまう。
やっぱり真っ直ぐ飛ばすだけじゃ、防ぐか躱されちまう。
かと言って、『形態変化』の修行は途中だから曲げたり追尾させたりと言った精密なコントロールは出来ない。
こうなったら、ゼロ距離で叩き込むしかない。そうなると『龍騎士』になって、距離を詰めるか。
けど『龍騎士』のスピードでも、真っ直ぐ突っ込んだら狙い撃ちにされるだけだ。何とか相手を翻弄するような動きをしないと!!。
そう。まるで空中を疾走するかのように真っ直ぐではなく、不規則な動き........................................あっ、そうだ! 最近出来るようになったアレを試してみよう!!
よし! そうと決まれば、早速『龍昇格』するための儀式だっ!!
俺はシャルバの魔力弾の弾幕を避けながら、部長のお乳様と柔肌の感触を思い浮かべる............................
「滾れ、俺の煩悩! 妄想MAX!! 『龍駒昇格 龍騎士 』!!!」
『Promotion Dragonic Knight!!!』
カシャッカシャッカシャッ、ガシャッ! ガキィンッッ!!!
「なっ!? 何だ、その姿はっ!? まさか、貴様も『覇龍』を............................いや、『覇龍』ではない。
クソッ! ヴァーリといい貴様といい、今代の二天龍はいったいどうなっているのだ!!!」
俺の鎧の形状が変化したことに取り乱すシャルバだが、それでも魔力弾を撃つことは止めない。
俺は背中のブースターを噴かせて、一旦大きく距離を取る。そして急旋回して、シャルバの方へ向かう!
「バカめっ! 確かにスピードは大したものだが、真っ直ぐ突っ込んで来るとはなっ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッ!!!!!!
シャルバは俺が突っ込むのに合わせ、さらに魔力弾で弾幕を張る! しかも今度はさっきよりも多い............................だがっ!!!
「≪月歩 げっぽう≫!!!」
タンッタンッタンッタンッタンッタァンッッ!!!!
俺は≪六式体術≫の基礎技の1つ、≪月歩≫で動きの軌道を変えながら魔力弾を躱す!!
「何ぃっっ、ヤツの動きが急に変わったっ!?」
シャルバは急に不規則な動きで攻撃を避け続ける俺に驚愕している。
≪月歩≫。空中を跳躍することで空を駆ける技、早い話が『多段跳躍』だ。
空中を駆け上がれるのは、本来なら飛べない人間にとって優秀な技になるだろう。
でも翼で飛べる悪魔にとっては、あまり使い道の無い技だと思っていた。
だが、呂布さん曰く『基礎技というのは、組み合わせることでいくらでも応用がきくように出来ている』らしい。
例えば『剃』と『月歩』を組み合わせると空中を高速で移動することが出来る。
さらに『鉄塊』を合わせれば、文字通り高速で動く鉄の塊と化す。
つまり俺たちが呂布さんに教わっていたのは、あくまで基礎レベル。教わった基礎を応用出来るようになって、初めて『基礎を修めた』と言えるってわけだ。
ちなみに呂布さんは基礎技の習得が終わったら、六式技の組み合わせや練ったチャクラを瞬時に必要な箇所へ集中させたりなど、『基礎技の応用』を修行させるつもりだったそうだ。
しかし、その前に『内功』を教えないとシトリーの皆が不貞腐れるってことで予定が変わってしまったらしい。
呂布さんも予定が変わったことに、珍しく困っているようだった。
もっとも、今の俺じゃあ六式技を組み合わせることなんか出来ない。
だが、『龍騎士』のスピードに合わせて『月歩』や『鉄塊』を使えば似たようなことは出来る。
俺は背中のブースターを噴かせつつ『月歩』を使い、ジグザグに軌道を変えながらシャルバとの距離を詰める!
シャルバは不規則な軌道で動く俺のことを全く捉えられていない。
にわか仕込みの俺で『コレ』だ。シトリーの皆が呂布さんの指導で六式技を自由に組み合わせられるようになったら、いったいどうなるんだ?
シトリー全員が『鉄塊』の防御力と『剃』のスピード、そして『月歩』の機動力を持って攻め込んでくる...........................やばい、勝てるイメージが全然湧かないっ!!!
今さらながらに、呂布さんの『基礎修行』の質と汎用性の高さを思い知らされるな。
「おのれぇっ! おのれっおのれっおのれっおのれっおのれっおのれぇぇぇぇぇっっっ!!!!」
さんざん見下していた俺にここまで手こずっていることで、シャルバは冷静さを失ってしまったようだ。
よしよし! 十分に焦りを引き出したな、ここらで一気に決めるっ!!
俺は背中のブースターと『月歩』を使い、シャルバの背後に回る。さらにっ!
『Jet!!!』
「ッッッッッッッ!?」
ブォォォッッッ................グサァッッ!!!!
俺はブースターの最大出力でシャルバに急接近! シャルバは咄嗟に後ろへ振り返るも間に合わず、俺のドラゴンクローがヤツの胸に突き刺さる!!
「っっっ、ごはぁっっっ!!! こ、これはっ!? この力はっ!!!」
俺のドラゴンクローを食らったことで、シャルバが吐血する。どうやら気づいたみたいだな。
「この爪は『聖剣 アスカロン』が変形したモンだ。効くだろ、『聖剣』は悪魔にとって猛毒だからな」
当初は『剣なんか貰っても扱いに困る』って思ってたんだけどな、でも今はこうして重宝している。
この剣をくれたミカエル様、そしてアスカロンの仕様を変更してくれた朱乃さんには感謝だな!
「なっ、こ、こんなことが........................『真なるベルゼブブ』たる、この私がっ........................こんな、悪魔モドキにぃ........................!!」
アスカロンに蝕まれながら、血を吐くシャルバは未だに現状を受け入れられていない。
ここまでヒステリーを拗らせていると段々哀れに思えてくる............................まぁ、許すつもりはないけどなぁっ!!
「覚悟しな、テメエは命を............................弄び過ぎたっ!!!!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』
「食らいやがれ!! ドラゴンショットォォォォッッッッ!!!!!」
ドシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッッッッッッ!!!!!
倍加したドラゴンショットが、突き刺したドラゴンクローの爪先から放たれる!!
体内でブッ放されたドラゴンショットにより、シャルバの胴体には大きな穴が空いた。
もはや胴体はほとんど無く、頭部と両腕部。そして下半身が辛うじて繋がっている状態だ。
「バ、バカな....................リ、リゼヴィム、さま....................」
シャルバは最後にリゼヴィムの名を呼び、粒子となって消えていった。
あんなゲス野郎のどこを慕ってんのか俺には全く理解出来ないぜ。
「やったな....................兵藤」
「ふ、まぁシャルバ程度に負けるようであれば、俺の相手としては不十分だからな」
地上に降りると後ろから声を掛けられた。見ると匙とヴァーリ、それにタマモさんがいた。
どうやら俺が最後だったようだ........................ん?
「どうしたんだよ、匙。何か様子がおかしいぞ?」
「................................後で話すよ」
「....................................................」
敵を全員倒したというのに浮かない顔をする匙。いや、よくみるとヴァーリもいつもと様子が変だった............................いったい、何があったんだ?
「さぁさぁ皆さん、目的は果たしたのです。長居は無用ですことよ。すぐにホテルへ戻りましょう♪」
匙とヴァーリの様子は変だが、タマモさんはいつも通りなことに安心する俺。
タマモさんが外の妖怪に連絡を取ると薄い緑掛かった空が元の色に戻る。
更にはシャルバが壊しまくった二条城の本丸御殿も修復されていく。本当に元に戻るんだな~~~。
俺たちは無事に任務を果たし、アザゼル先生たちがいるホテルへと戻った。
ホテルに戻った俺たちはすぐにアザゼル先生や皆に報告をした。
どうやら俺たちが機先を制したようで、ホテルの方は襲撃されなかったようだ。
そしてイリナとゼノヴィアに確認したところ、『裏京都』も無事みたいだ。
俺たちは脅威が去ったことに安堵するが............................匙とヴァーリの話を聞いて手放しでは喜べなくなった。
どうやら二人とも新造悪魔を倒したことに、それぞれ思うところがあったらしい。
匙は生まれたばかりの子どもみたいな新造悪魔に自分の兄妹を重ねたこと。
ヴァーリは『心』を持たない相手と戦い、殺すことに虚しさを感じたこと。
俺の相手はシャルバだったけど、それは却って良かったのかもしれない。
二人の話を苦虫を潰した顔で聞いていたアザゼル先生だが、優しい顔で二人に声を掛ける。
「........................そうか。すまなかったな、二人とも。キツイ役目をやらせちまった」
「いえ....................アザゼル先生のせいじゃないですよ。それに俺は言われた通り、『やるべきことを死ぬ気でやった』だけです」
「そうだ、アザゼル。少なくとも俺は自分の意志で戦った。己の意志で戦うのならば、その『結果』は俺が生み出したものであり俺が背負うべきもの。アザゼルに謝られる筋合いはない」
「............................ありがとうよ。だがそれでも、お前たちには敢えて非情なことを言わせてもらう」
頭を下げて謝るアザゼル先生だが、匙とヴァーリの返事を聞いて安心したように頬笑む。
だが次の瞬間、恐いくらいに真剣な顔つきに変わった。
「もし、お前らがこれからも『禍の団』と戦うつもりなら....................................今抱いている『感情』は捨てろ」
「「「「「!!!!!!!」」」」」
「俺も新造悪魔の境遇には同情する。現に匙とヴァーリの話を聞いて、ハラワタが煮えくり返る思いだ。
けどな............................いくらアイツらに同情したところで、誰を救える? 誰を守れる?」
「「「「................................................」」」」
「悪いが、俺にとっては新造悪魔よりもお前たちの方が大事だ。そのお前たちを守るためなら、俺は容赦なくアイツらを殺せる。
変に情けをかけた結果、お前たちに何かあったら後悔してもしきれねえからな」
アザゼル先生の言っていることはもっともだ。実際、俺たちが情けをかけたところでアイツらは救えない。
それどころか、見逃しても今度は別の誰かが危険に晒されるだろう。
そうなったら取り返しがつかない.。既にアイツらはテロリストに、『邪悪』に染まっちまった................................もう、遅すぎるんだ。
新造悪魔の正体が『邪悪に染まってしまった子ども』だとしても、殺すことには一切躊躇をしないと俺たちに告げるアザゼル先生。
そして、更にアザゼル先生は申し訳なさそうな顔で続ける。
「もちろん今後はお前たちに、『こんな』命のやり取りをさせないように努める。だがそれでも、戦わなければどうしても守れない時は................................迷わず戦え、【俺が許す】」
【俺が許す】、か....................たぶん責任とか事後処理とかもそうだけど、俺たちが新造悪魔を『殺す』ことで、後悔や罪悪感とかに圧し潰されないよう気を遣ってくれてるんだろうな。
本当に............................最高の先生だよ。
アザゼル先生の言葉でいくらか気分が楽になった俺たちはアーシアさんを迎えに『裏京都』へ向かった。
俺たちが迎えに行くとアーシアさんは『裏京都』を満喫し、九重と仲良くなったことを嬉しそうに教えてくれる。
相手が妖怪であっても、すぐに仲良くなれるのがアーシアさんの凄いところだよな~~~。まぁ、それは俺たちも同じなんだけど。
彼女の眩しいくらいの笑顔を見て、俺たちも『アーシアさんを守れて良かった』と心から安堵した。
この笑顔を曇らせるようなことが無いように、俺たちは頑張ってきたんだからな。
アーシアさんの笑顔に癒されながらホテルへと戻り、長かった修学旅行最後の夜が終わった。
翌日の朝、戦いの疲れが抜けきらなかった俺と匙だが、あとは帰るだけなので根性で乗り切った。
駅に着くと八坂さんとレヴィアタン様、そして九重が見送りに来てくれていた。
どうやらレヴィアタン様は仕事でまだ京都に残らないといけないらしい。
今回は俺たちのため、わざわざ京都まで来ていただいたことに全員で御礼を申し上げた。
そして九重だが、ずいぶんアーシアさんに懐いたみたいで、凄く寂しそうにしていた。
電車の発車時刻ギリギリまでアーシアさんに抱きついていたからね。よっぽどアーシアさんのことを気に入ったんだろう。
八坂さんも『深紅の武人様によろしく』と言って、お土産に美味しそうな稲荷寿司をたくさん持たせてくれた。
結構な数があるから、俺たちだけじゃなく会長たちに呂布さん。それに父さんと母さんの皆で食べることにしよう。みんな喜ぶぞ♪
八坂さんとレヴィアタン様、それに涙目になっている九重に見送られながら京都を後にする俺たち。
こうして波乱万丈だった修学旅行は終わりを告げ、俺たちは【無事】に駒王町へ帰還するのだった。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
冥界某所。『悪の巣窟』とでも呼ぶ『禍の団』の本拠地では、リゼヴィムがロキから京都の一件の報告を受けていた。
「ふ~~~ん、なるほどね~~~。やっぱり出来たてホヤホヤの悪魔くんたちじゃ無理だったかぁ。
それにシャルバくんも倒されちゃったみたいだし、残念無念って感じだね☆ ギャハハハハハハハ♪」
「ふん! ずいぶんご機嫌だな、リゼヴィム。この私がわざわざヤツらの製造に協力してやったと言うのに........................この始末、どうつけてくれる」
神である自分が協力してまで作った新造悪魔。特に『超越者』や『最上級悪魔』の製造には苦労したロキからすれば、リゼヴィムの態度は憤慨の極みだろう。
「まぁまぁ、そう怒んないでよ☆ 元々今回の作戦の目的は『リアンたちのデータ収集』だったんだからさ。
つまり、目的はちゃ~~んと達成してるってわけ☆
あれぐらいの悪魔なら、また作ればいいんだしさ~~~。ここはポジティブに行こうZE☆」
「ちっ........................それで? 『例の件』はどうなっている。あの話は本当なのか?」
「おうともさ♪ バッチリ裏を取ってるよ~~ん。でも驚きだよね~~~、まさか呂布ちんに『あんな力』があるなんてさぁ。
大王派の貴族たちなんか、皆してカンカンに怒ってたからね☆ヒャーハッハッハッハッ♪」
「呂布のことなどどうでもいい。お前は余計なことせず、『例の件』を進めていろ」
これ以上リゼヴィムと話すことが我慢出来なかったのか、ロキはリゼヴィムを一瞥し部屋から出ていった。
「................................ハァ、やれやれ。ヒステリーを起こした悪魔もそうだけど、神様のヒステリーは悪魔よりも厄介かもねぇ」
癇癪を起こすロキの扱いに面倒くささを感じつつ、リゼヴィムは部屋の中央にある子宮のような黒い物体に優しく触れる。
【黒い子宮】からは何十本という触手が生えており、天井や壁を伝って部屋のあちこちに繭のような物を形成している。
この【黒い子宮】こそ、全ての悪魔の母である≪リリス≫の一部。『禍の団』では≪リリスの母胎≫と呼ばれる物。
この≪リリスの母胎≫から伸びている繭から、新造悪魔が作られているのだ。
そしてリゼヴィムは先ほどまでの他者をバカにするような雰囲気から一変し、優しく微笑みながら≪リリスの母胎≫にソッと触れる。
「................................もうすぐ会えるね、母さん」
修学旅行編はこれにて終わりですが、幕間はあともう少しだけ続きます。
と言っても、前にお話していた『レイヴェルにやってもらいたいこと』をやってもらうだけですので、せいぜい1~2話くらいです。
それでは皆さん、次回で♪
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