段々と気温も暖かくなってきましたが、皆さんはどうお過ごしでしょうか?
私は花粉症なので、もうじき花粉の季節が来ると思うと泣きたくなります!!!
修学旅行を終え、帰宅した俺たちは直ぐに部長たちと合流し互いに報告し合った。
ちなみにアーシアさんは自分の部屋で荷物の整理を行っている。
部長たちの報告によると朱乃さんは無事、呂布さんの伴侶に選ばれたみたいだ。
良かった....................これで朱乃さんの想いがようやく報われたんだな、本当に良かった。
だが驚いたのは、あのライザー・フェニックスの妹...........レイヴェルだったか?
そのレイヴェルが呂布さんのマネージャーになったことだ。しかも呂布さんの方から誘ったとか。
呂布さんが認めたとはいえ、人生ってのはどこでどう巡り会うか分からないモンだ。
けど何にせよ、朱乃さんが選ばれたことを祝福しないとな!
「おめでとうございます、朱乃さん。これで目出度く、呂布さんと結婚できますね!」
「「「おめでとうございます」」」
「うふふ♪ ありがとう、みんな。これも皆が応援してくれたおかげですわ♪」
「おめでとうございます、朱乃さん」
「やりましたわね、朱乃さん。ウフフフ、見事に先を越されてしまいましたわ♪」
「ありがとうございます、ロスヴァイセさん、タマモさん。お二人が奉先様の伴侶に選ばれるよう、私も協力しますわ♪」
「ふ~~~、やれやれ。これで俺も肩の荷が下りたってモンだぜ........................良かったな、朱乃」
「はい。これもアザゼル先生が推薦してくださったおかげですわ。本当にありがとうございます♪」
「へっ、気にすんな。前にも言ったが、お前が悪魔になったのは俺にも責任があるからな。
それで、バラキエルのヤツは何て言ってたんだ? アイツも呂布のことを気に入ってたからな。それはもう大喜びしてたんじゃねえか?」
「うふふ♪ ええ、奉先様と一緒に改めて挨拶しに行きました。そしたら父様ったら、『今夜は祝杯だ!』と言ってお酒を沢山用意して大騒ぎ。
しかも飲んだら飲んだで、『これで安心して孫の顔が見れる!』と大泣きしてましたわ」
俺が祝辞を述べると皆も続くように朱乃さんへお祝いを伝える。
アザゼル先生も朱乃さんの転生の件に関わってたからな。朱乃さんが伴侶に選ばれたことを心から喜んでいた。
それにしてもバラキエルさん、いくら朱乃さんの結婚が認められたからって『孫』は気が早すぎるんじゃないだろうか。
「ククク、『深紅の武人』の子どもか。こりゃまた一波乱ありそうなワードだなぁ、おい」
確かに、呂布さんの結婚でもこれだけ大騒ぎしたんだ。呂布さんの子どもでも同じような騒ぎになるんじゃないだろうか?
「うふふふ♪ 私は奉先様との子どもなら、何人でも産めますわ♪」
「いや、それはそれで問題の種が増えるだけじゃねえのか?
それに、呂布は子どもについては何て言ってんだよ」
「ええ。ただ奉先様は『子どもというのは授かり物だから、成り行きに任せるしかない』と父にも仰っていましたわ」
なるほどな。『子ども』ってのは望んで手に入れるようなものじゃない。
どれだけ願っても授からない夫婦もある....................それこそ俺の両親のように。
「ですが........................『もし娘を授かれば、自分よりも強い男じゃないと結婚はさせない』とも仰ってましたわね♪」
「「「「いや、誰が結婚できるんだよソレ!!!!」」」」
呂布さんのド天然発言に総ツッコミを入れる俺たち。『世界最強』である呂布さんに勝つ? そんなこと出来るわけがない!!
いくら何でも達成が不可能過ぎる!! そんな条件じゃあ、娘さんは全員一生独り身になっちまうぞ!?
とりあえず朱乃さんの報告をそこそこに、次は俺たちが京都での出来事を報告した。
修学旅行前に予期していた通り、『禍の団』がアーシアさんを狙ってきたが京都の妖怪たちの協力もあって、何とか殲滅出来た。
部長たちもアーシアさんや一般生徒が狙われたことに心配していたが、誰一人拐われることなく守り切れたことに安堵していた。
しかし............................新造悪魔が『邪悪に染まってしまった子供のような連中』ということを聞いて、部長たちもやるせない気持ちになってしまった。
特にソーナ会長なんかは匙のことをスゴく心配している。
「そう....................そっちも大変だったのね。イッセー、よく頑張ったわね。アナタは私の最高の下僕よ」
「いえ、俺はむしろ運が良かった方です。一番キツかったのは匙だったはずですから........................」
「そうですね............................匙、よくやってくれました。貴方のおかげでアーシアさんも生徒たちも無事だったのです。だからどうか、あまり気に病まないでください」
「はい........................ありがとうございます、会長」
珍しく会長に褒められるが、それでも匙は浮かない表情をしている。
あれからシトリー眷属の皆も匙のことを色々と気にかけていたが、なかなか匙の気が晴れることはなかった。
でも、俺たちが出来ることは何もない。特に俺なんかは匙に何て声を掛けてやればいいのか分からない。
悔しいけど、匙のことは会長たちに任せるしかない............................すまねえな匙、力になれなくて。
皆も気落ちしてしまい、場の空気が重苦しくなったのを感じた俺は何とか話題を変えようとする。
「そ、それにしても驚きですよね! まさかあのレイヴェルが呂布さんの秘書になるなんて思いもしなかったですよ!」
ちょっと苦しいけど、レイヴェルの件について話をシフトする。
実際、レイヴェルが呂布さんの秘書になったことには驚いているからな。
だが部長たちも俺の気持ちが伝わったのか、話を合わせてくれた。
「そうね、私もお兄様も会場で聞いた時には驚いたわ」
「でも大丈夫なんでしょうか? 『蒼天の紅旗』は聖書陣営、特に『悪魔』のことを毛嫌いしていますよね?」
「まぁ、その辺りは呂布のヤツが上手くやるだろ。それよりも俺はアホな貴族共がフェニックス家を通して、ロクでもないことを企まないかが心配だ」
確かにな。呂布さんの恩恵に与れるとしたら、朱乃さんを推薦した魔王様方やグレモリー家とシトリー家。あとはアザゼル先生ってところだろう。
でも、レイヴェルが呂布さんの側近になったのなら実家であるフェニックス家経由でレイヴェルに指示や密命を出すことが出来てしまう。
だが俺の心配を他所に、部長は問題無さそうな顔でアザゼル先生に答える。
「その点については心配いらないわ。呂布様がフェニックス家を訪れる際に私と朱乃、そしてお兄様も同行したのよ。
そして呂布様とフェニックス家の間で『フェニックス家は如何なる場合であっても、呂布様とレイヴェルに取り次ぐことをしない』という契約を交わしたわ。
魔王であるお兄様も立ち会って調印をしているから、例え大王バアルでもこの契約を無視することは出来ないはずよ」
なるほど。魔王様が立ち会った契約があるなら、確かに他の貴族たちでは手が出せないな。
「じゃあ、良くも悪くもレイヴェル経由で聖書陣営が呂布さんに干渉することは出来ないってことですね........................ところで、その呂布さんはどこにいるんですか? 全然、姿が見えないですけど」
「呂布様は今、オーフィスを連れてレイヴェルと一緒に『蒼天の紅旗』の本部に行っているわ。
いくら呂布様が直々にスカウトしたとは言っても、さすがに顔見せぐらいは必要でしょ?」
そうか、呂布さん居ないのか。日頃からお世話になってるってことで、せっかくお土産を沢山買ってきたのにな............................仕方ない、日持ちしそうな物だけ残して他は皆で食べるか。
「あ、そうそう。呂布様と一緒にフェニックス家に行った時に『ちょっとした取り決め』があったのよ。
私たち『グレモリー』には直接関係が無いけど、一応みんなにも伝えておくわ」
? 俺たち『グレモリー』には関係無いって、じゃあ『シトリー』には関係あるってことか?
部長の言葉に疑問符を浮かべる俺たちだが、その内容を聞いてメチャクチャ驚いたのだった。
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「ここが『蒼天の紅旗』の本部......................湖の上にある街、そして行き来できるのは一本の橋だけ。
まるでパリにある『モンサンミッシェル』みたいですわね」
レイヴェルが初めて見る『蒼天の紅旗』の本部に興味津々といった感じで感想を述べている。
俺としては【FGO】の五周年記念PVで出てきた街をイメージしてデザインしたんだけどね............................まぁ、レイヴェルには分かるはずもないか。観覧車も無ければ、お城も作っていないし。
現在、俺はレイヴェルとオーフィスを連れて『蒼天の紅旗』に来ていた。
理由はレイヴェルをマネージャーにするにあたり、曹操に報告したところ『一度話をしたいから、連れてきてくれ』と言われたからだ。
もっとも『話』と言っても簡単な面接みたいなもので、レイヴェルが俺のマネージャーになることは既に決定しているはずだ。
だからこの面接も形だけのものなんだけど、組織のリーダーとしては形式的にでもやらないとダメなんだろう........................リーダーってのも大変だなぁ。
「呂布様、『蒼天の紅旗』の皆様は全員こちらに住んでいるのですよね?」
「ああ................任務や修行で............出ている者を除けばな」
「でも凄く立派な街並みなのに、何だか閑散としていますわね。お店だってたくさんあるのに、ほとんど閉まっておりますし........................」
「今は........................忙しいからな....................最低限の待機要員しかいない」
「そうなんですの................ところで呂布様。お店があるということは、もしかして一般人もいらっしゃるのですか?」
「いや....................店の店員も................『蒼天の紅旗』のメンバーだ」
一応、『隠れ里』って扱いだからね。一般人なんかは呼べないのよ。
店があるのは、生活必需品を買うためにワザワザ外まで行くのが面倒臭いからというのと、後は単純な趣味だ。
最初はコンビニとバーだけだったんだけどね。そのうち時間を持て余したメンバーが集まって、飲食店やら居酒屋なんかを開き始めた。
ちなみにコンビニとバーの店員は持ち回りで、仕入れや経理なんかは『蒼天の紅旗』の雑務になっている。
だが個人経営のお店は、もちろん自分たちでその辺りのこともやらないといけない。
もっとも『アレ』のせいで、その店も今やほとんどが開店休業中なんだけどね。
本当はもっと活気のある街なのに....................『アレ』を倒したらレイヴェルを連れて、ちゃんと街を案内してやろう。
その後も俺はオーフィスと手を繋ぎながら、レイヴェルの質問に答えつつ、曹操のいる中央の建物へと向かった。
コンコン「入ってくれ」
ガチャ「「失礼する/失礼いたします」」
俺たちは曹操のいる執務室にノックをし、曹操の返事を確認すると部屋の中に入る。
部屋に入ると曹操はいつもの机に座りながら、大量の書類と格闘していた。
うへぇ~~~、あの山と積まれた書類。アレに目を通しているだけで一日が終わるんじゃないだろうか?
少なくとも俺は絶対に勘弁!! 書類の山とか前世で親の顔よりも見たからねっ!!!
※もっと親の顔を見てやれよ
「おかえり、呂布、オーフィス。それから....................キミが『レイヴェル・フェニックス』だね。呂布から話は聞いているよ。
俺は曹操孟徳、この『蒼天の紅旗』のリーダーをやっている者だ。今後ともよろしく頼むよ」
「お初にお目にかかります、曹操殿。レイヴェル・フェニックスと申します。
かの有名な『蒼天の紅旗』のリーダーである貴方様にお会いできて光栄ですわ。こちらこそよろしくお願いいたします」
机に座った曹操が両手を組み、顎を乗せてレイヴェルに挨拶する。所謂『ゲンドウポーズ』という奴だ、中々どうして様になっているな。
曹操が挨拶するとレイヴェルもスカートの両端を指で摘まんで一礼する。
確か『カーテシー』って言ったっけ? さすがはお貴族様のご令嬢、手慣れたもんだ。
「我、オーフィス。『無限の龍神』、よろしく」
そして二人が挨拶するのを見て、何故かオーフィスも自己紹介をする。
恐らく互いに挨拶する二人を見て、この場は全員で挨拶する場面だと思ったのだろう。
曹操とレイヴェルもいきなり自己紹介をしたオーフィスを見て、思わず吹き出している。
うんうん、お利口で大変よろしい。アーシアの教育がしっかり行き届いているようで何よりだ♪
それにしても曹操はともかく、レイヴェルもこのような場でも普段と変わらずにいられるってのは凄いなぁ。
やっぱり魑魅魍魎が跋扈する貴族社会で生き抜いて来たからか、この手のやり取りはお手の物ってことなのかね。
「ククク、ありがとう、オーフィス。さて、レイヴェル・フェニックス。ワザワザ来てもらって、すまないね。
キミを呼んだのは他でもない。既に呂布からも聞いているかと思うが........................呂布の秘書をやってもらうにあたって、どうしてもキミと直接会って確認したいことがあったからなんだ」
「存じておりますわ。どのようなことでも、嘘偽り無くお答えすることを............................【呂布奉先】様の名に誓います」
「ッッッッッッ!!!!」
レイヴェルがいきなり俺の名前を出したことにビックリする曹操。かくいう俺も驚いている。
普通、こういうのって【フェニックス家】の名前に誓うもんじゃないの?
いや、別に俺の名前を出すのは問題無いんよ。ただ、俺の名前なんか使ったって何にも保証されないと思うんだよね。
「っ、そうか........................わかった。じゃあ呂布、すまないがオーフィスを連れて一旦退室してくれないか?
レイヴェルとは二人きりで話したいことがある」
「わかった........................行こう、オーフィス」
「ん」
そりゃあ面接をするんなら、俺がいると邪魔だよね。それじゃあ、後は若いお二人でごゆっくり。
あ、もし圧迫面接なんかしようものなら、曹操の耳たぶをレーヴァテインの炎で炙るからね?
レイヴェルの両親からもレイヴェルのことを頼まれてるんだから。
俺はオーフィスを連れて、曹操の執務室から出ていった。
レイヴェルと曹操のやり取りが思いの外長くなってしまいましたので、今話は少し短いですがここまでです。
次話で幕間を終わらせたいと思います。
それでは皆さん、次回で♪
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