第百三十五話を少し加筆しました。
具体的には、ソーナとリアスの会話で『呂布はどうしているのか?』ということについて入れました。
朱乃さんたちがサイラオーグさんと戦い始めてから、そろそろ10分が経過しようとしていた。
「ぬぅぅぅぅぅぅぅんっっっっ!!!!」
「っ、白音ちゃんっ!!!」
ブゥンッ、バキィッッッッ!!!!
「ぐうぅぅぅっっっ!!!! ありがと、ギャーくん!!」
「ハァァッッッ!!!」
「たぁぁぁぁっっっっ!!!」
「ふんっ!!!」
サイラオーグさんの攻撃をギャスパーの影と白音ちゃんが受け、その隙に朱乃さんと木場が『雷光』と『アスカロン』でヒット&アウェイを仕掛ける。
だが、サイラオーグさんには未だキズ1つ付けられていない!!
サイラオーグさんの目に見えるくらいに濃密なオーラ。あの出力は恐らく、俺どころかヴァーリの『龍闘気』を超えている。
ギャスパーの神器、白音ちゃんの仙術、朱乃さんの雷光、木場のアスカロン。全てサイラオーグさんのオーラによって防がれている!!
それどころか朱乃さんたちの息もどんどん上がってきている。たかだか10分ぐらいの戦闘だが、途轍もない集中力を必要としているんだろう。
ただでさえ、さっきの戦いの疲労が抜けきっていないっていうのにっ!
今はまだ皆の連携でどうにか戦えているけど....................あの様子じゃそう長くは保たないだろう。
誰か1人でも撃破されれば、一気に瓦解しちまう。
それなのに....................................何で俺はボサッと突っ立ってるんだ....................!!!
............................わかってる。皆がボロボロになってまで戦っているのは、俺のためだってことぐらい!
俺を『龍女王』に目覚めさせるために、身体を張ってくれているんだ!!
あの『兵士』はサイラオーグさんから少し離れた位置で待機していて、未だ動く様子も無い。
あの距離じゃあ、『兵士』に攻撃している隙にサイラオーグさんにやられちまう。
だから、何とか皆はサイラオーグさんが『兵士』を使うぐらい追い詰めなきゃならない。
それもこれも全部、俺が不甲斐ないせいだっ!!!
そんなことは分かっている、分かっているんだっ!!!!
でも、だからって................................『いつまで』こんな状況に耐え続けなきゃならないんだよっ!!!
悪魔に転生したばかりの頃、皆が部長のために戦っているのに........................俺は後ろで見ていることしか出来なかった。
ライザーさんの時も、コカビエルの時も、ロキとリゼヴィムの時も........................俺は、ただ後ろで見ているだけだった。
そんな無力な自分が嫌だったから、必死に修行して強くなろうとした!!!
今の俺はあの頃よりも、格段に強くなっているはずなんだっ!!!
それなのに............................俺はまだこうして、皆が傷つくのを見ていることしか出来ない。
こんなに辛いことがあるのか、こんなに苦しいことがあるのかっ!!!
俺はいったい、何のために修行してきたんだっ!! 何のために強くなったんだっ!!!
っ....................................もう無理だ................耐えられるかっ!!! 耐えられるわけねえだろっ!!!!!
俺はこの針の筵のような苦しみに耐えかね、戦いに参加しようとする!!!
ハシッ....................................
「ッッッッッッッッッッ!!!!!」
「ハァ............ハァ............ハァ..................ダメよ、イッセー..........ッ......まだ、動いては、ダメッ........................!」
突然ズボンの裾を掴まれて、思わず足を止めた俺。下を見ると............................部長は息も絶え絶えで、顔が青褪めている。
魔力が尽き、今にも気を失いそうにしている中、それでも部長は必死に俺のズボンの裾を力無く掴んでいた。
「っ~~~~~~~!!!!」
普段は凛々しい部長のこんな弱った姿は初めて見る........................でもそのおかげで、俺は少しだけ頭が冷えた。
っ、そうだ、ここで動いたら皆の覚悟が無駄になる。それだけは出来ない!
仲間を大事に出来ないヤツは最低のクズだ、でも....................仲間の『想い』を踏み躙るヤツは、それ以上のクズ野郎だっ!!!
俺はそう自分に何度も言い聞かせる。唇を噛み締め、血を流しながら、動こうとする自分の身体を必死に食い止めた。
けど........................................
「ッ................イッセー................................」
流れる涙だけは、止められなかった............................。
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どんどん消耗していく身体に鞭を打ち、私たちはサイラオーグ様と戦い続けていた。
一撃食らえば即撃破されてしまうような、極限の集中力を求められる攻防............................しかし、とうとう『その時』は来た。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ.....................ガクン
「っっっっっっっ!?」
ここまで壁役になっていた白音ちゃんの『仙狸モード』が解け、元の姿に戻ってしまった!!!
恐らく『仙狸モード』を維持するだけの体力が尽きてしまったのだろう。
白音ちゃんはその場で膝をついてしまう!!
しかし、そんな隙を見逃してくれるサイラオーグ様ではないっ!!!!
「もらったぞ、リアスの『戦車』!!!」
「白音ちゃんっ!!!」
ガキィィィィィィィィンッッッッ!!!!
サイラオーグ様が白音ちゃんにトドメを刺すべく拳を繰り出そうとした瞬間、祐斗くんが間に入り『アスカロン』でサイラオーグ様を切りつける!!!
サイラオーグ様は腕で『アスカロン』を防ぐが、
とても生身で受けたとは思えないような音を出すっ!!!
「良い反応だ.....................ならお前からもらうぞ、木場祐斗!!!!」
ドゴォッッッ、ドガガガガガガガガガガッッッッ、ドゴォォォォンッッッッ!!!!!
『リアス・グレモリーの騎士1名、撃破』
サイラオーグ様は祐斗くんを蹴り上げ、宙に浮いたところに数え切れないほどの蹴りを叩き込む!!
最後に強烈な回し蹴りを食らわせ、祐斗くんは遠くまで飛んでき撃破アナウンスが流れる。
祐斗くんが倒された、このままだと私たちが倒されるのも時間の問題。
でも、時間は掛けられない.........................なら、やることは一つ!!!
「白音ちゃん、ギャスパーくん!! 時間を稼いでっ!!!」
「「っ、はい!!!!」」
私が指示を出すとギャスパーくんは『神器』でサイラオーグ様の両足を止める!
白音ちゃんはサイラオーグ様の後ろに回り、最後の力を振り絞ってサイラオーグ様の両腕を拘束する!
あの二人の拘束も長くは保たない、急がないとっ!!!
私は魔力で雨雲を作り、『雷』の力を封じた札を数枚、リアスたちと雲に向かって投げる。
札に込めた『雷』。片方はリアスたちを守る結界に、もう片方は雲と反応し雨雲は巨大な雷雲へと変化する。
雷雲に含まれる『雷光』が一点へと集まっていき、球体を生成していく。
あと、もう少し.........................っ!?
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!」
バシィィィィィンッッッッ!!!!
サイラオーグ様が白音ちゃんの拘束を力任せに振り解いた!?
そんなっ、『戦車』である白音ちゃんの拘束を力づくで解くだなんてっ!!!
拘束から脱け出したサイラオーグ様は、そのまま白音ちゃんに拳を繰り出す!!
ドゴォッッッッ!!!!
『リアス・グレモリーの戦車1名、撃破』
拘束に力の全てを出し切った白音ちゃんには迫りくる拳に抗う術は無く、撃破されてしまう。
ブォォォンッッッ!!!!
「っ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
バゴォォォォン.............................ドサッ
今度はサイラオーグ様の拳の風圧が、ギャスパーくんを岩壁まで吹き飛ばす!!!
壁に叩きつけられたギャスパーくんは、力無く地面に倒れてしまった。
そしてギャスパーくんを倒したサイラオーグ様は、すかさず私に向かってくる!!!
っ、ダメ、間に合わないっ.........................!
サイラオーグ様が私を倒すべく拳を繰り出そうとする!!!
しかし......................................
キィィィィィィィィィン!!!!
「っ....................見事だ。コールが無かったから、不審に思っていたが..........................仲間を守るため、よくぞ最後まで戦い抜いた」
サイラオーグ様の視線の先には..........................血を流しながらも、『神器』でサイラオーグ様の右足を止めているギャスパーくんがいた!!!
私はこの一瞬の隙を逃さず、上空へと逃れる。私の無事を確認したギャスパーくんは、安堵したように笑って気を失った。
『リアス・グレモリーの僧侶1名、撃破』
ありがとう、白音ちゃん、ギャスパーくん。おかげで準備が整いましたわ。
倒れていった皆のために..............................最大パワーでお見舞いしますわ!!!!!
ピシャァンッピシャァァンッピシャァァァンッピシャァァァァァンッッッッ!!!!!!
空にある雷雲の中には巨大な八つ首の雷光龍が生まれていた。
私は自分の魔力を使い、その龍をサイラオーグ様の下まで導く!!!
八つ首の龍はサイラオーグ様を食らうべく、一斉に襲い掛かったっ!!!!
《八色雷光 やくさのいかずち》!!!!
ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!!
八頭の雷光龍たちが大爆発を起こす。周囲から音が消え、辺り一面の景色は白一色となる!!!
《八色雷光》。今の私が放てる最大の技、その威力は『神鳴』の比ではない。
もしリアスとイッセーくんを結界で守らなかったら、衝撃波で撃破してしまっていた。
悪魔にとって猛毒となる『光』の力。あれだけの威力を食らえば並みの悪魔なら、レーティングゲームのシステムでも間に合わず、間違いなく即死でしょう。
けれど、未だ撃破コールはされていない。つまりサイラオーグ様はまだ撃破できていない。
しかし、いくらサイラオーグ様であっても、あの技を食らって無傷ではないはず。
消耗が激しすぎたため、一旦地上に降り立つ私だが........................煙の向こうから二つの影が見える!!
でも、片方は人のものではなく四足獣のものだ!! っ、そういえば、あの『兵士』の姿が無い.........................まさかっ!!!
「助かったぞ、レグルス。あれほどの威力の『雷光』、俺一人では防ぎきれなかっただろう」
『いえ、ご無事で何よりです』
煙が晴れたそこには、無傷のサイラオーグ様と........................五メートルを超える巨大な黄金の獅子が佇んでいた!!!!
「っ、その獅子は、いったい...........................」
「コイツは『獅子王の戦斧 レグルス・ネメア』。ギリシャ神話に登場する『ネメアの獅子』と言ったら分かるか。
今は獅子の形をしているが、本来は斧の形をした神滅具だ」
っ、神滅具!? あの獅子が私の攻撃からサイラオーグ様を守ったと言うの!?
「もっとも、本来の所有者は既に死んでいる。俺が見つけた時、コイツは獅子の姿となって、所有者を殺した謎の集団を全滅させていた。
俺が眷属にしたのは、その時だ、これも獅子を司る家系である母の導きだと思ってな。
ただ所有者がいないせいか、力が非常に不安定でな。暴走の危険もあるから、俺と組める試合でしか使うことが出来ないのだ」
自立する神滅具、これがサイラオーグ様の切り札っ!! やはり、奉先様の危惧されていた通りだった........................。
「........................纏うぞ、レグルス」
『っ、よろしいのですか? あの力は「冥界の危機に関してのみ使う」とお決めになっていたはず』
「構わん。コイツらが俺をここまで追い込んだのは、お前の秘密を暴くためだ。
ならば、その覚悟には応えなくてはならん。それに........................今、目の前に立っているのは俺の大恩人の奥方だ。
ここで力を出し惜しんでは、呂布殿に対して不義理だろう。あの方は俺のために、己が秘技まで見せてくれたのだからな」
『っ.....................承知いたしました』
ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!!
サイラオーグ様のオーラが急激に増大し、レグルスと共鳴するっ!!!
いったい、何をするつもりなのっ!?
「我が獅子よ! ネメアの王よ! 獅子王と呼ばれた汝よ! 我が猛りに応じて衣と化せっ!!!」
≪≪禁手化≫≫!!!!
ドガァァァァァァァァァァァァァァァンッッッッッ!!!!!!
目が眩むほどの黄金の光が、辺り一帯を包み込む! やがて光が収まると................................サイラオーグ様が、獅子を模した黄金の鎧を身に纏っていた!!!!
「これが『獅子王の剛皮 レグルス・レイ・レザー・レックス』。『獅子王の戦斧』の『禁手』にして、お前たちが見たがっていた俺の切り札だ」
離れていても分かるほどの威圧感。この力の波動、恐らくイッセーくんの『禁手』以上............................どうやら、ここまでのようですわね。
ですがっ!!!!!
ズシャァァァァァァンッッッッ!!!!
ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂィィィッッッッ!!!!!
私は空にある雷雲から最後の雷光を取り出し、右手に集束させる!
魔力は『ほとんど』無いけれど、既に用意してある雷光を操ることぐらいなら出来る。
雲に蓄えられていた雷と魔力が無くなったことで、雲は霧散していった。
「ほう、この姿を見ても臆することなく向かってくるか」
「当然ですわ。私は姫島朱乃、『情愛の悪魔』リアス・グレモリーの『女王』にして............................世界最強と謳われし『深紅の武人』が妻!!!
敵を前にして臆する者など、呂布奉先の妻に非ず!!!!」
「っ....................クククク、ハーッハッハッハッハッハッハッ!!!!!
それでこそ、俺が尊敬する御方の妻よ!! その気概や良しっ!! ならばこちらも、全力で貴方を倒させてもらうっ!!!!」
「勝負っ!!!」
ダァンッッ!!!!
私は『騎士』のスピードを使い、サイラオーグ様に突進する! サイラオーグ様も私を迎撃するべく拳を繰り出したっ!!!
真っ直ぐに突っ込んでいるため、カウンターも合わせやすいのでしょう........................でも、その攻撃を待っていた!!!
使わせてもらいます、奉先様!!!
ピシャァンッッッ! バリバリバリッ..................
「ッッッッッ!?」
私は残り僅かな魔力を電気に変えてコントロール。制御した電気を脳に流して、身体の反応速度を極限まで高める!!!
流した電気によって脳が活性化し、視覚・思考・反応速度が一時的に常人を超えた私は、迫りくるサイラオーグ様の拳を紙一重で躱した!!!
この技は相手に向かって一直線に突進し、掌に集めた雷撃を叩き込む一撃必殺の近接技。
しかし、真っ直ぐ敵に向かっていくため、まともに使っては敵のカウンターの餌食になってしまう。
その弱点を克服すべく、繊細にコントロールした電気を身体と脳に流し込み、身体の反応と感覚を限界以上に高める。
それにより相手のカウンターを逆にカウンターすることが可能。
奉先様が得意とし、教えていただいた.............................その技の名はっ!!!
「≪千鳥≫っっっっ!!!!!!」
キィィィィィィギャァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!!
「........................見事だ。まさか、この鎧を貫くとはな....................」
私の突きはサイラオーグ様の鎧を貫いていた........................。
「全力を出して本当に良かった。鎧が無ければ、今ので勝負が決まっていた」
しかし........................私の突きはサイラオーグ様の肉体まで貫くことは出来なかったっ!!!
ドゴォォンッッッ!!!!!
「がはぁっっっ!!!!」
サイラオーグ様の拳が私の腹部に叩き込まれる!!! あまりの威力に私の浮き上がり、身体が持ち上げられる!!!
........................私は薄れゆく意識の中....................リアスとイッセーくんに目を向けた。
見るとイッセーくんは、涙を流しながらも.......................強い決意を秘めた瞳をしていた。
それはいつものスケベでお調子者な後輩ではなく、紛れもない........................死力を尽くして戦う覚悟を持った『漢』の瞳だった。
ああ..........................良かった..........................今の彼になら........................任せられる........................。
私はギャスパーくんのように、安心して微笑みながら........................意識を手放した........................。
やっぱり『雷』の技と言ったら、【NARUTO】の≪千鳥≫は外せませんよね。
ですが『写輪眼』が無いので、そこはアレンジしました。
ただ朱乃の場合、『雷』ではなく『雷光』なので≪雷光千鳥≫にしようかと思ったんですが、語呂が悪いので≪千鳥≫にしました。
こうして考えると【NARUTO】や【BLEACH】の技名ってセンスや響きがヤバいですね!
それでは皆さん、次回で♪
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