リアスVSサイラオーグも大詰めです。
今章は2試合書かなきゃならないので、展開スピードは早めになっています。
............................朱乃さんが倒された。木場も、白音ちゃんも、ギャスパーも倒された。
部長は疲労困憊で動けない、残るは俺1人だけ。
「イッセー....................よく我慢したわね................でも、もう....................我慢する必要は無いわ....................」
部長が俺のズボンの裾からゆっくりと手を放し、送り出してくれる。
部長の拘束から解放された俺は静かに足を進めた。
ようやくだ........................ようやく、このマグマのように煮えたぎる怒りの中から脱け出せる。
もちろんこの怒りはサイラオーグさんに向けてのものじゃない。サイラオーグさんはルールに則って戦っただけだ。
俺たちだって、サイラオーグさんの眷属たちを倒してきた。だから、俺がサイラオーグさんに怒ったりする筋合いは無い。
この怒りは............................俺自身への怒りだ! 自分のために仲間が戦い、傷つき、倒れていくのをただ眺めることしか出来なかった........................無力な自分に対する憤りだ。
生まれて此の方、ここまで自分に腹が立ったことは無いっ!!! いや、もはや憎くすらあるっ!!!!
「『昇格』、『禁手化』........................『解 アンテ』」
俺はゆっくりと歩きながら『女王』に『昇格』し、静かに『禁手』となる。さらに呂布さんから付けられていた『呪霊錠』も外す。
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』
カッ! ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!
『禁手』になると同時に『龍闘気』が一気に膨れ上がるっ!!
模擬試合や訓練で『女王』になったことはあったけど、ここまでの力の上昇は感じなかった....................これが『呪霊錠』と『我慢』の効果か!!!
サイラオーグさんに勝つ! とにかく勝つ!! 『龍女王』になれなくても勝つ!!!
それが俺が皆に返せる、ただ一つのことだっ!!!
「イッセー............................っ、やってしまいなさい!!!」
「っ、うおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!」
部長は今にも倒れそうなくらい顔が青褪めているが、それでも力の限り背中を押してくれたっ!!!
やっぱり部長は最高だっ!! 最高の主だっ!!!
『剃』と背中のブースターで加速して、一気にサイラオーグさんに詰め寄るっ!!!
「だありゃあああああああああああああああっっっっ!!!!」
「っ、ぬううううううううううっっっ!!!!」
ガギィィィィィィィィィィィィィィィィンッッッッッッ!!!!
俺が拳を振りかざすとサイラオーグさんは両腕を盾にして、防御の体勢を取った!!
俺の拳とサイラオーグさんの腕が激突、大きな金属音とともに衝撃波が周囲に広がる!!
まだだ! まだこっからだ!! 頼むぜ、ドライグ!!!
『Jet !!!』
伸ばしている腕から噴出口が現れて火を噴き、俺の拳を更に加速させる!!
「ッッッッッッッッッッッッ!!!!!」
バッキィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッッッ!!!!
ドカァァァァァァァァァン................................
ジェットの加速により、勢いを増した俺の拳はガードの両腕を押し退け、サイラオーグさんの顔面に突き刺さる!
さらにその威力は、サイラオーグさんを後ろにある瓦礫の山まで吹っ飛ばした!!
はぁ、はぁ、はぁ............................あのサイラオーグさんを『龍昇格』無しで吹っ飛ばした、やっぱり呂布さんの考えは正しかったみたいだ。
最初に聞いた時は『龍昇格』抜きで戦うことに不安だったけど、これなら十分に戦える!
『龍女王』になれるかなんて後回しだ! まずはサイラオーグさんを倒す!!
ドカァァァァァンッッッッ!!!!
『龍女王』のことはひとまず記憶の隅に置いておくと、サイラオーグさんが瓦礫を吹き飛ばして出てきた。
「............................素晴らしい一撃だ。力と努力だけではなく、『覚悟』が練り込まれた『強い拳』だった。
どうやらお前の評価を改めなくてはならないようだ。今の一撃から、お前がどれほどの苦しみの中で藻搔いてきたのか........................察するに余りある」
「っ........................別にいいですよ。俺がバカやったのは事実ですし、貴方の言っていたことは正しかった。けどっ!!!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!
「もう、これで終わってもいい。だから................................ありったけの力を出して、貴方を倒しますっ!!!!」
「っ、凄まじいな。まだパワーが上がるのか............................クククク、いいぞ。これだ、俺はこういう戦いを望んでいた!!!
いいだろう、受けて立ってやる! 存分にやり合うぞ、リアスの『兵士』......................いや、【兵藤一誠】!!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!
俺の『龍闘気』が出力が上がるのを見るや、呼応するかのように『オーラ』を漲らせるサイラオーグさん!!!
互いにオーラが全開で放出されたのを確認すると、何も言わずに拳がぶつかり合ったっ!!!!
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『ラッシュラッシュラッシュラッシュゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!!
サイラオーグ選手と兵藤選手!! 両選手とも足を止めたまま殴り合っているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
その迫力は、二人の拳がぶつかり合う度に地面が割れていく様を見れば映像越しの私たちにも伝わるほどですっ!!!!!』
『もう制限時間が少ないですからね! 正真正銘、小細工無しの真っ向勝負!! 両チームともここで勝負をつけなければ、後がありません!!!』
「ホッホッホッホ♪ 二人とも若いのう。だが、若者というのは『こう』でないとな♪」
「ネメアの獅子が出てきた時には、バアルの小僧の勝ちだと思ったが............................赤龍帝の小僧め、ずいぶんと食い下がるではないか。のう、ゼウス」
「ガーハッハッハッハッ!!! まったくだ! 相変わらず『神器』を使って、他の神話体系を荒らし回っていることには憤慨物だがな!!
しかし、なかなかどうして.......................見応えのある殴り合いではないかっ!!! ガーハッハッハッハッ!!!!」
「ええ。地力ではバアルが上ですが、赤龍帝の『強い想い』がその差を埋めています。その結果、両者の力が拮抗してますね」
あの面倒な性格をしている神たちが、二人の戦いを認めた。高度な魔力戦でもなく、智略を張り巡らせた頭脳戦でもない。
ただの純粋極まる殴り合いに、だ。その証拠に観客もスタンディングオペレーション状態になっている。
今のイッセーは気合い十分、『龍闘気』も訓練の時とは比べものにならないくらいの量を引き出せている。
それにより、本来であれば『龍昇格』を使わなきゃ戦えないサイラオーグとも互角に渡り合っている。
でも....................................【それだけ】だっ!!
ドライグは言っていた、『今のイッセーが龍女王になるには劇的な変化が必要だ』と。
つまり、それは【二段階目の禁手】に至るほどの強い『きっかけ』が必要だということだ。
単純な力や『龍闘気』だけじゃ『龍女王』という壁は越えられない。
今のイッセーの心境に刺激を与え、強い変化を起こせる『何か』がないとっ!!!
....................................っ、そうだ!!!
「すまない、一緒に来てくれっ!!!」
俺は呂布が連れてきてくれた【二人】と一緒にVIPルームを飛び出したっ!!!
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「だらああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!」
ゴキィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッ!!!!!
ズザザザザザザザザザザザァァァァァァァ............................
全力の拳を互いに叩き込み続けた俺とサイラオーグさん。
両者の拳がクロスカウンターのように同時に入ったことによって、それぞれ地面を削りながら後退る。
ハア、ハア、ハア、ハア............................流石は『若手No.1』の拳だ。
この威力、朱乃さんたちが一撃で倒されたのも納得できる................................だが、それがどうしたっ!!!
こちとら毎日のように呂布さんにボコスカ殴られて、ぶっ飛ばされてんだ。
いくら『若手最強の拳』でも、『世界最強の拳』には及ばない! そう思えば、十分耐えられるっ!!!!
「っ、最高だ....................最高の気分だっ! かつてここまで俺の拳を受けて、なお俺に拳を叩き込んできた者は誰一人としていなかった!!!
これだ、俺はずっと........................こういう戦いがしたかった!!!
感謝するぞ、兵藤一誠! お前とこうして戦えた、その全てになっ!!!! 」
「ははっ........................当然ですよ。俺とシトリーはこの世界で一番強烈な拳で毎日殴られてるんです。
ここで倒れたりしたら、呂布さんに会わせる顔が無いんですよ」
「ふっ、呂布殿の拳か........................確かに俺とは比べものにもならないな。それなら俺の拳程度では、沈むはずもないか」
いや、耐えられるだけで効かないわけじゃないんですけどね。
フェニックスみたいな『不死』じゃないからな。さすがに殴られ続けられれば、いつかはダウンするだろう。
我慢出来ても、痛いものは痛い。だが、それはサイラオーグさんだって同じだ!
痛みに対する耐性は間違いなく俺の方が上!! つまり、根競べなら俺の方が有利!!!
ダテに毎日、呂布さんに気絶させられてないってところを見せてやるっ!!!
「レグルス........................『開放』するぞ」
『っ、いけません、サイラオーグ様!! あの力は貴方にとってあまりに負担が大きい、いくらなんでも危険過ぎます!!!』
「ヤツの身体は至高の武によって鍛えられている。それを打ち崩すには、俺自身の限界を超えなくてはならん」
『ですが「くどいっ!!!」っ、サイラオーグ様........................』
何だ? サイラオーグさんが何かをやろうとしているのをレグルスが必死になって止めようとしている。
よく分からないけど、それだけ危険な技ってことなのか?
「俺はあの男に言った! 『余計なことを考えずに全力で俺を倒しに来い』と!
だからこそ、ヤツは俺を倒すために死力を尽くしているのだ!! その俺が死力を尽くして応じないで、何がバアル家次期当主かっ!!!」
『っ............................承知致しました。ならばこのレグルス、どこまでも御供いたしましょう!!!』
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!!!
サイラオーグさんのオーラが荒々しく金色に輝き、ドーム状になってどんどん膨らんでいく!!
その形はまさに巨大な黄金で出来た繭か卵のようだ!!!
<<この身は獣の王を宿す。黄金(こがね)の肉体、白銀の血潮、黒鉄(くろがね)の牙を持って、荒野を駆ける。汝、絶対なるネメアの王となりて、歯向かう者を食い尽くせ>>
<<覇獣 ブレイクダウン・ビースト>>!!!!
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!
ドーム状に大きくなったオーラの上部分が破裂し、今度は天へと昇っていく!!
まるで冥界で見た呂布さんの怒りのオーラみたいだ!!!
オーラの波動が治まると、そこには............................鎧の至る部分が刺々しく隆起しており、まさに『獣』と言った様相のサイラオーグさんの姿があった。
背中には炎を模したような装飾が施されていて、今のサイラオーグさんの荒ぶる魂を表しているようだ。
目つきも、さっきまでは『戦士』と言った鋭く力強いものだった........................けど、今は違う!!
あの野獣のような殺気に満ちた目は、もはや正真正銘のライオンそのものだっ!!!
だが、問題は見た目なんかじゃない! サイラオーグさんの力............『強さ』を感じ取ることが出来なくなったことだっ!!!
クロウさんやタマモさん、そして呂布さんのように強さの底が見えない!!
つまり、今のサイラオーグさんの強さは、あの人たちと同じ領域にあるってわけかっ!!!
「これが俺の奥の手、『覇獣 ブレイクダウン・ビースト』。神器に宿ったレグルスの獣性を完全に引き出した姿だ。
俺自身この力は上手く扱えなくてな、少しでも気を抜くとすぐに暴走してしまう危険な力だ。
しかし今のお前を倒すには、この禁忌とされた力を使う以外に無いと判断した」
『覇獣』!? あの神器にも『覇龍』のような機能があったのか!!!
「どうした、兵藤一誠!! この俺を倒すのだろう?
ここで終わることになったとしても、俺に勝つのだろう?
ならば、臆せず向かってこい!! 俺を失望させるなっ!!! 」
っ、そうだ、俺には後が無い。ここで命を懸けてでもこの人を倒さなくちゃ、皆に顔向けが出来ないっ!!!
恐れるなっ! 今、ここで死ぬことを恐れてたら、封印されちまうんだぞっ!!!
「上等っ! 今さら命を惜しんだりはしねえっ!! 頼むぜ、ドライグっ!!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost........................!!!』
『赤龍帝の籠手』の能力で俺は力を限界まで高める!! さらに『龍闘気』を全開にして、サイラオーグさんに突撃した!!!
「だぁりゃああああああああああああああああああっっっっ!!!!」
ゴオオッッッッ、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッ!!!!!
俺は拳をサイラオーグさんの胸に叩き込んだっ!!! その衝撃により周囲に爆音が響き渡るっ!!!!
「....................................この程度か」
俺の全力の拳を受けてもサイラオーグさんは怯むどころか、まったく動じていなかった!!!
そして今度は、サイラオーグさんが拳を振りかぶるっ!!!
ヤバいっ! あの目で見えるくらいに圧縮されたオーラ、アレをまともに食らうのだけはマズイッ!!!
普段から呂布さんやクロウさんに鍛えられているためか、俺は『危険な一撃』というのを本能的に悟れるようになった。
咄嗟に『龍闘気』を全開にし、『鉄塊』を使って守りを固める。
クロウさんの一撃にも耐えきった完全防御の体勢、これならっ!!!
ドゴォォォォォォォォォォォォォンッッッッッッ!!!!!
........................................あれ? 何で俺、空を見上げてんだ? いつの間にか鎧も解除されてるし。
部長がフラフラした足取りで近づいてくる。そのまま膝をつくと今度は泣きながら、何かを叫んでる。
「................ッセーッ!........................てっ!!」
........................何も聞こえない。でも部長の泣いてる姿を見ていると、少しずつ頭が冷えて自分の状況が理解出来てきた。
そうか........................おれ................負けちまったんだ................。
あの時、サイラオーグさんの一撃は俺の完全防御を貫いたばかりか、致命傷を与えるほどの威力だった。
そのたった一撃で俺の『禁手』は解除され、こうして空を見上げてるってわけだ。
部長の声はおろか痛みすら感じないのは、それだけ俺が深いダメージを負っているってことなんだろう。現に指の一本すら動かせないしな。
これでおれも、『凍結封印』ってわけか。ごめん、みんな............................おれ、負けちまった。
朱乃さんたちがあんなに頑張ってくれたのに....................部長だって俺のことを最後まで信じてくれた....................呂布さんにだってあんなに手伝ってもらった........................でも結局、何も成し遂げることが出来なかった。
................................俺ってば、全然いいところねえな。
封印、かぁ........................どんな感じなんだろ。ずっと夢でも見ている気分なのかなぁ。だとしたら、エッチなお姉さんに囲まれてる夢を見たいな。
それともずっと心の中にいる感じなのかなぁ。皆と会えなくなるのは寂しいな。
でもドライグも一緒みたいだし、まだマシな方か。
ゴメンな、木場........................後は任せた。
ゴメンな、白音ちゃん................お姉さんと仲良くな。
ゴメンな、ギャスパー....................引きこもりもほどほどにな。
ごめんなさい、朱乃さん.................呂布さんとお幸せに。
そして................................................
「....................部、長................................」
「っ、イッセー! 気づいたのね! お願い、しっかりして! 負けないで、アナタがここで負けてしまったら................もう私たちとは........................!」
........................まだ、何も聞こえない。部長が何かを叫んでるけど........................最後に、これだけは、伝えないとっ!!!
「............................ありがとう、ございました....................」
「っ、イッセー、いったい何を....................イッセーッ、イッセーッッ、イッセーッッッ!!!」
部長には命を救われた、その後も散々迷惑を掛けた、こんな俺を最後まで信じてくれた。
だから、最後にどうしてもお礼を言いたかった。
ああ....................良かった....................これだけは................ちゃんと言えた....................。
俺は自分の言葉を聞き取れたことに安堵し........................ゆっくりと目を閉じた....................。
....................っ....................っせ....................っせい....................
ん? 何だろう、誰かの声が聞こえる。部長の声すら聞こえなくなってたのに。
それにこの声................................部長じゃない。
....................っせい....................いっせい....................
誰だろう、この聞き覚えのある声。1人じゃない、男性と女性の合わさった声だ。
それに............................とても、安心する。この声は............................
いっせい................一、誠....................一誠!!!
徐々にハッキリと聞こえてくる声に導かれ、俺は目を開いた。
真っ暗な闇から抜け出した俺の視界に広がったのは、涙を流す部長と赤く淀んだ空、そしていつの間にか宙に表示されていたスクリーン。
だが、そのスクリーンの中には........................................
「「一誠っ!!!」」
俺の父さんと母さんの姿があった!!!
「父、さん............母、さん....................どうして................?」
「っ、イッセー!! ああ、良かった。目を覚ましたのね........................ええ、アナタのご両親よ。いきなり空にスクリーンが表示されたと思ったら、お父様とお母様がアナタを必死に呼び掛けたの」
俺が目を覚ましたことに安堵した部長は、涙目ながらに状況を説明してくれた。
そうか........................母さん、来てくれたんだ。父さん、母さんを説得してくれたんだな。
「っ、ぐうぅぅぅぅ................ごはぁっ!! っ、うっ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ........................!」
俺は父さんと母さんの声に導かれながら、何とか身体を起こそうとする。
しかし、感覚が戻るとともに身体に激痛が走る。頭もガンガンと痛む。
けど血を吐きながらも、どうにか上半身だけは起こすことが出来た。
『一誠、話は聞いたぞ! お前、この試合で負けたらいなくなるんだってな!!
ふざけるなよ!! そんなこと絶対に許さないからなっ!!! 』
『そうよ、一誠! せっかく息子の晴れ舞台だって言うから来てみたら、そんなことになってるだなんて........................冗談じゃないわ!!
約束したでしょう? 『生まれてくることが出来なかったあの子達の分まで精一杯生きる』って........................そう私たちに約束したじゃない!!!』
約束....................そうだ、約束したんだ。父さんと母さんから、命を分けてもらった時に....................死んでしまった、兄弟たちの分まで....................『生きる』って!!!
「っ、がはぁっ、ぐっ! ぐふぁっ、っ、ぐうぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
身体のあちこちが悲鳴を上げているが、歯を食い縛りながら片膝をつくところまでは身体を起こせた。
終われない....................まだここで終わるわけにはいかない........................約束したんだから。
『兄弟たちの分まで生きる』と。
『自分が強いと胸を張れる生き方をする』と。
『歴代最高の赤龍帝になる』と。
『冥界最高の兵士になる』と。
『真のハーレム王になる』と。
家族に、部長に、アザゼル先生に、グレモリー眷属の皆に。そして....................自分自身の心に、そう誓ったんだ!!!
まだまだやりたいことが沢山あるっ! こんなところで、封印なんか、されてたまるかっ!!
俺は........................生きる、生きなきゃならないんだ!!!
叶えたい夢がある! 果たすべき野望がある!! そしてっ!!!
「「「頑張れ!! イッセーッッッ!!!」」」
守らなきゃいけない【約束】があるっっっ!!!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっ!!!!!!」
父さんと母さん、そして部長の声が重なる。俺は気合いを入れ直して目を思いっきり開く!!
そのまま地面を踏み抜くほどに足へ力を込めて立ち上がり、心の底からあらん限りの声で叫んだっ!!!!
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!
俺の叫びに呼応するかのように『赤龍帝の籠手』が、かつてないほどの輝きを放つ!!!
それと同時に『龍闘気』が今までにないくらいに増大し、紅のオーラが爆発したっ!!!!
『Promotion Dragonic Queen!!!!』
本作オリジナルの『覇獣』モードを出してみました。原作では、サイラオーグ版に調整されていたみたいですからね。
見た目は、【聖闘士 星矢】の『獅子座の神聖衣』をイメージしてます。
それでは皆さん、次回で♪
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